東日本大震災の復興を支援しようと15日、東京・銀座周辺の有名仏料理店4店がカレーのチャリティーイベントを開き、各店が考案したオリジナルのカレーを1000円で提供した。高級店の味が気軽に楽しめるとあって、開店前から多くの人が列を作る人気ぶりだった。
チャリティーは仏料理店「シェ・イノ」(東京都中央区)の古賀純二料理長が企画。呼びかけに「アピシウス」(千代田区)の岩元学料理長、「マキシム・ド・パリ」(中央区)の斎藤裕之料理長、「銀座レカン」(同)の高良康之料理長が集まった。カレーに使う食材はそれぞれが東北地方から取り寄せ、米は宮城県産の無農薬米を使用した。
この日は、より多くの人に参加してもらおうと、各店とも年齢や服装に制限を設けなかったため、カレー好きや老舗高級店に入ってみようとする人でにぎわった。「銀座レカン」では高2の男子が、おかわりを頼み母親からたしなめられる場面も。カレー好きの父親に連れられた6歳の男子は、「昨日から楽しみにしていた」とお皿に盛られたカレーを一気にたいらげていた。20代の女性4人組は、「敷居が高くて入ったことのない店で休日のランチが楽しめる」と話しながら、さっそく出されたカレーをそれぞれのカメラに収めていた。
企画について古賀料理長は「震災直後にすぐに阪神大震災の時にも実施したカレーチャリティーを呼びかけた。風評被害にあっている食材もあるので、自分たちが率先して使うことで安心を伝えたい」と思いを語った。他店の料理長も「自分にできることは料理。それで被災地に役立つことがあれば積極的に取り組んでいきたい」(斎藤料理長)、「取引のある業者の中には被災したところもある。東北の食材を使うことで、生産者の支援にもつながる。チャリティーイベントが二重にも三重にも役立ってほしい」(高良料理長)、「3.11は自分を見つめなおすきっかけにもなった。原点に戻って食べることを見つめ、料理人としてのほこりも感じた。チャリティーがカレーというのも新たなスタートラインに立つにはよかった」(岩元料理長)とし、4人とも「継続することに意義がある」として、次回以降のチャリティーイベントも準備しているという。
2011年5月15日
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