東京電力福島第一原子力発電所で事故が起きてからこれまでに周辺に住む人たちが浴びた放射線の総量を簡単に確認できるコンピューターソフトを、千葉市にある独立行政法人「放射線医学総合研究所」が開発し、ホームページで公開することになりました。
住民線量評価システムというこのコンピューターソフトは、どれだけ放射線に被ばくしたのか分からないという、原発周辺の市町村に住む人たちの不安を解消するのがねらいです。福島第一原発の事故が起きた3月11日以降の行動をホームページ上で入力すると、これまでに浴びた放射線の総量を簡単に確認できる仕組みです。具体的には、表示される地図で住んでいる場所を指定し、木造かコンクリートかなど建物の種類を選びます。さらに、それぞれの日付ごとに屋外に出ていた時間を入力し、地図で外出先などを指定して確認のボタンを押すと、実際に福島県内で計測された放射線のデータを基に、おおよその被ばく量が推計されます。線量の値に応じて、「健康への影響は心配ない」といった評価結果が表示されることになっています。開発を担当した放射線医学総合研究所の明石真言理事は「自分の被ばく量を知ることで、健康に影響がないことが実感でき、安心につながるのではないか」と話しています。住民線量評価システムのホームページのアドレスは、http://www.nirsdose.jp/で、20日に公開される予定です。