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【茨城】

テレビに映るあの建物は 水戸芸術館シンボルタワー 震災後ネットなどで話題

2011年5月15日

高さ100メートルのシンボルタワーも震災で揺れた=水戸市で

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 水戸市内にあるくねくねとねじれた高さ百メートルのタワーが県外の人たちの関心を集めている。きっかけは東日本大震災の発生以降、NHKテレビの地震ニュース速報で、県外にも頻繁に水戸市内の映像が映し出されてから。「何のためにあるのか」「地震でねじれたのではないか」との声が上がっている。 (近藤統義)

 大震災後、県内では頻繁に震度4以上の余震があり、速報画面では、水戸市内の揺れる様子が全国に中継されている。タワーは、NHK水戸放送局から西約四百メートルにあり、備え付けカメラにはタワーが手前右側に映し出される。市内中心部は他に高い建物がないため存在感は十分だ。

 震災以降、インターネットの質問投稿サイトやブログに何百件も書き込まれている。NHK水戸放送局にも九州の視聴者から問い合わせがあった。「あの建物は何」「倒れないのか」「不気味だ」との意見が目立つ。

 水戸市民にはよく知られた水戸芸術館のシンボルタワーで、水戸放送局は「タワーは水戸を象徴している。見たらすぐに場所が分かる」と説明する。タワーはチタンパネル約六十枚を組み合わせ、DNAのらせん構造を表現。展望室もあり、震災当日は数人が取り残され、職員が非常階段で避難させた。

 同館は市制百周年を記念して一九九〇年に開館。設計は建築家の磯崎新氏。震災で本館の天井の一部が壊れ、純国産では国内最大級のパイプオルガンのパイプも落ちた。現在は修復のためタワーとともに今月末まで休館中。再開に向け、同館の木村隆幸・広報係長は「芸術の力はこういう時こそ発揮される。被災者に心の潤いを与えたい」と力を込める。

 

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