現在位置:
  1. asahi.com
  2. ニュース
  3. 特集
  4. 東日本大震災
  5. 記事

1号機建屋たまり水3千トン 冠水計画、事実上断念

2011年5月15日1時5分

印刷印刷用画面を開く

Check

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

写真:毎時2千ミリシーベルトが測定された1号機原子炉建屋1階南東付近=13日、福島第一原発、東京電力提供拡大毎時2千ミリシーベルトが測定された1号機原子炉建屋1階南東付近=13日、福島第一原発、東京電力提供

図:福島第一原発1号機の建屋内の状態拡大福島第一原発1号機の建屋内の状態

 東日本大震災に被災してメルトダウン事故を起こした福島第一原発1号機で、東京電力は14日、原子炉建屋地階に大量のたまり水があると発表した。原子炉を冷やすために注いだ水が汚染されて漏れ出しているとみられ、東電は格納容器に水をためて冠水させる作業を事実上断念し、漏れ出した水を再循環させて原子炉を冷やす検討を始めた。事故収束に向けた工程表の大幅な見直しが迫られる。

 東電によると、作業員が13日に原子炉建屋に入ったところ、南東側の地階の床から天井まで約11メートルのうち、半分程度の高さまで、水が3千トンほどたまっていた。たまり水の放射線量は測定していないが、格納容器内の水が漏れ出したと考えられ、高濃度に汚染されている可能性が高い。地下には原子炉格納容器につながるドーナツ状の圧力抑制室がおさまっている。

 1号機は圧力容器内で溶融した燃料を冷やすために現在も毎時8トン、これまでに1万トン以上の水を注入している。さらに、その水を格納容器にあふれさせて圧力容器を冷やす冠水作業を進めてきた。しかし、水漏れで燃料がある部分まで格納容器を水で満たすことは事実上できなくなった。

 東電は、格納容器から圧力抑制室につながる配管の接続部分などから、格納容器内の水が漏れ出したとみている。原子力・立地本部の松本純一本部長代理は「冷却するために水を循環させる方法の見直しを検討したい」と話した。

 計画では、格納容器から水をひいて冷却装置で水を冷やして、圧力容器に戻すことにしていた。今後は、原子炉建屋の地階にたまった水をくみ出して冷却装置で冷やし、圧力容器に戻すことも検討するという。

 また、13日に無人ロボットを使い、これまで計測していなかった1号機原子炉建屋1階南東側の放射線量を測定した。事故後計測した空間放射線量では最高の毎時2千ミリシーベルトを原子炉圧力容器につながる配管近くで計測した。(坪谷英紀)

検索フォーム

おすすめリンク

心身に非常事態を感じ取っている時、どう対処したらよい? 専門家の意見にもとづいた心得集。

「いつかは来る」と懸念される首都圏直下型地震はやってくる? 不気味な兆しとは?

敦賀原発1号機が2010年、国内最長41年目の運転に入った。この40年間は福井県の原子力行政の歩みでもあった。

朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内事業・サービス紹介

検索

避難所にいる方々

亡くなられた方々

| 記事一覧

【東日本大震災】救援募金を受け付け中

●銀行振り込み
三井住友銀行新橋支店(店番216)普通2133184
【口座名】朝日新聞厚生文化事業団災害口
●郵便振替
「朝日新聞厚生文化事業団」(00910・9・14990)
●現金書留
〒104・8011(所在地不要)朝日新聞厚生文化事業団「東日本大震災救援募金係」(03・5540・7446)
※郵便振替、現金書留ともに、「東日本大震災救援募金」と明記してください。