気象・地震

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東日本大震災:福島第1原発事故 1号機汚染水、納容器から漏出か

 ◇核燃料、炉心溶融で穴

 東京電力福島第1原発1号機の原子炉建屋地下1階で14日、行方が分からなくなっていた冷却水が大量に見つかった。1号機では燃料が炉心溶融し、圧力容器、格納容器とも穴が開いていると見られており、東電は同日の記者会見で「格納容器やその下部の圧力抑制プールから漏れた水がたまっているのではないか」と推測した。

 東電によると、建屋地下のたまり水は東電社員が13日に1階北西側の階段を下りた際に確認した。水は地下1階部分(高さ11メートル)の半分程度に達していることから、推計で3000立方メートル程度あるとみられる。

 放射線量などは不明だが、直近の階段上部で毎時72ミリシーベルトあった。地下1階部分には格納容器の下部や、格納容器につながる圧力抑制プールがある。

 1号機炉心へはこれまでに1万立方メートルの水を注入したが、このうち5000立方メートル程度の行方が分からなくなっていた。東電の松本純一原子力・立地本部長代理は「水の所在が分かったという意味では前進。高線量ならたまり水の処理を早急に進める必要があるが、現在進めている冷却装置の設置作業を見直す段階ではない」と述べた。

 一方、東電は14日、1号機の原子炉建屋外に設置する冷却装置の搬入作業を公開した。装置は長さ2・3メートル、幅3・6メートル、高さ4メートルで重量は2100キロ。空冷方式で、格納容器内にたまった水を内部で循環させ、その間にファンで水の熱を除去する仕組み。

 建屋内にある冷却装置の復旧に時間がかかるため、当面は仮設の冷却装置でしのぐ方針。17日までに計10基導入する予定で、現在は2基の設置作業を進めている。ただ、冷却稼働には、格納容器内の水が配管の位置まで達している必要がある。1号機では格納容器から水が漏れている可能性があるため、東電は水位の確認作業も急いでいる。【中西拓司、八田浩輔】

毎日新聞 2011年5月15日 東京朝刊

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