福島原発の近くの人はもとより、東京に住んでおられる人も「本当にここにいて大丈夫だろうか?」と心配されているだろう。
本来なら政府が国民の側に立って次々と情報を出し、みんなが「どうしたら良いか」が分かるのが一番良い.
でもそれは望めないので、ここで少しでもご参考になればと思って、今度は、おそらくドイツの人が急いで計算してくれたと思われるものを掲げる.
この計算は福島原発の風を参考にして放射線物質がどのように風にのって行くかを計算したものである。本来は気象庁が2日前に出すものだが、日本より外国が早かった.
普通は「西風」が吹いているから、その時には放射線物質は太平洋の方に流れる.だから漁船などに警告を出さなければならない。
でも風は北風もある。日本の上空は偏西風なので少し上空に上がると東に流れるが、若干、南に流れることもある。
この図を見ると北風の時には東京を越えて静岡あたりまで汚染されている(出所があまりハッキリせず、一つの例と考えて欲しい。データ自身の信頼性はまだ不明だ。このようなシミュレーションを気象庁が早くやって公開して欲しい.まさか隠しているわけではないだろう).
でも、あまり驚かないで欲しい。というのは、今、福島で漏れている放射線物質は数100ミリシーベルトだから、それが移動した状態のことを考える.
まず、一日中、北風が吹くわけではないので、時間が限定されること、第二に遠くに来るので少し拡散すること、第三にもともとものすごい量の放射線物質ではないこと、である。
従って、私の家族に小さい子供がいたり、妊娠している人がいた場合、1,2日まって様子を見る。微量の放射線は今日中に東京、神奈川ぐらいまで来るだろうが、それはごく微量だろう.
その様子を見ても放射線障害になる可能性が低いからだ。
私も今夜、もう一度データを解析してみるが、今日はそっと戸締まりして寝ても大丈夫である.
(平成23年3月15日 執筆)
武田邦彦
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