子育て中の母親はこの夏、節電に努めます-。子育て情報誌の出版社「リトル・ママ」(福岡市中央区)が福岡都市圏のインターネット会員に実施した調査で、回答者の7割が東日本大震災後に節電意識を高めたことが分かった。防災にも気遣うようになり、被災地に義援金や物資を送った人も多数。それぞれが子育ての苦労を背負うだけに、報道などで停電や避難所生活の不便さを知るにつけて、身につまされている心情がうかがえる。
同社は4月19-24日、ホームページ上で会員登録した福岡都市圏の母親にアンケートし、837人から回答を得た。
「震災後に起きた家庭内の変化」の問い(複数回答可)に、最も多かった回答が「節電に気を配るようになった」(71・2%)。他に、家族で避難場所を確認した(35%)▽物を大事にするようになった(29・7%)▽防災グッズを準備した(22・9%)▽家具の補強や配置を変更した(10・1%)-などがあった。
地震に対する不安を「とても感じる」(30%)「少し感じる」(53・3%)は合わせて、8割を超えた。「6年前の福岡沖地震もあり、不安を募らせているのではないか」と浮辺剛志編集長。
被災地支援にも積極的で「募金をした(する)」が79・9%、「物資を送った(送る)」が15・1%。被災地の母親の苦境を思い、おむつやミルクなどを送った人が多かったという。
自由回答で目立つのは、原発に対する関心や不安だったといい、浮辺編集長は「福岡の母親たちも、わが身に置き換えて震災を考えているのではないか」と話している。
=2011/05/14付 西日本新聞夕刊=