「大相撲技量審査場所6日目」(13日、両国国技館)
芸のためなら女房も泣かすー。桂春団治ばりの浪花節根性を持ったブラジル出身の魁聖が栃乃若を押し出し、初日から6連勝とした。新入幕では91年九州場所の貴ノ浪以来約20年ぶりの快挙だ。
06年夏、当時19歳の魁聖は母国に14歳の彼女を残して来日した。相撲道場に通いながら、インターネットで情報を集めたあこがれの大相撲に入門するためだった。相手の母親がデートに同伴する健全な交際だったが、超遠距離恋愛を続けられるはずもなく自然消滅。「寂しかったけど、自分の夢だったから」と歯を食いしばった。
この日の取組前には露払いで横綱土俵入りを初体験。晴れ舞台に備えヒゲをそり、尊敬する白鵬を見つめた。その横綱と優勝争いで並んでいるが「そんなん言わないで下さい。たまたまです」。24歳の新星は照れ屋でもある。
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