内田裕也容疑者(71)が強要未遂などの容疑で逮捕されたことを受けて、妻で女優の樹木希林(68)が13日、都内の自宅で会見した。女性が内田容疑者とのトラブルを事件化してくれたことに対して感謝の気持ちを表し、社会的制裁を受け、人間としての生き方を変えることを期待した。また、「夫一人だけ奈落の底に落として、自分だけ保身ということはしない」と言い、30年以上別居状態にある夫との離婚を否定した。
内田容疑者からの家庭内暴力、別居、離婚騒動、たび重なる浮気…。あまりにも波乱万丈の結婚生活を38年間も過ごした妻・樹木は、夫の逮捕にも全く動じなかった。
約50人の報道陣を自宅に招き入れ、「何でも聞いてください」。「大震災で命がけでどうやって生きようかと必死の人がいる中で、こんなつまらないことでお越しいただきまして、本当に申し訳ありません」。小さく椅子に座る姿とは裏腹に、肝が据わった口調で、50分間以上、丁寧に応対した。
「(被害を受けた)スチュワーデスの方には『ありがとう』と思います。(世間に)さらしてくれて。事件はたくさんあったんですけど、公になったのは初めてですから。お仕置きのようになればありがたいです」。女性問題は数知れず。深夜、自宅にタクシーを横付けした内田容疑者から大声で罵詈(ばり)雑言を叫ばれたこともあった。夫が暴走したら、警察が駆けつけるように区の生活保護課に登録していた。破天荒な“ロッケンロールの人生”も年貢の納め時、と諭したかった。
「内田は常々『俺を立派に死なせろ』と言っていた。今回は立派な出来事ではないけれど、(社会的に)うまく死ねるんじゃないかな、と思います。生き方を変えるなり、区切りをつけることをしなければいけない。私は頭を下げないです。謝罪は本人からです。70歳を過ぎておりますのでね。どうやって謝るか。男の器量ですよ。楽しみです」。こう言い切った。
最後に会ったのは4月29日。夫婦で共演したリクルート社「ゼクシィ」のCMが話題になり始め、希林は娘で女優の也哉子(35)と俳優・本木雅弘(45)との間に生まれた孫娘・伽羅(きゃら=11)と映画「奇跡」(6月11日公開)で共演するなど、順風満帆だった。そんな状況に内田容疑者は「襟を正せ」と説いていた。「内田が一番心配していたことなんです。『好事魔多し』と言っていました。『本木には運転させるな。事故にあったら大変だから』と言ってました。でも、自分の中の『魔』を退治できずにいたんです」。
離婚は考えていない。「夫だけ奈落の底へ突き落とすわけにはいかない。沈みかけている以上、引っ張り上げます。これで家族構成は変わることはないです」。也哉子からは「お母さんがいて良かった」と言われたそうで、妻として破天荒な夫を死ぬまで見守り続ける覚悟だが、「できれば本世は離れたままで、来世は絶対に会わないままにしたい」と、本音ものぞかせた。
[2011/5/14-06:01 スポーツ報知]