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コラム あるいは『我が逃走』

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2004/12/16

朝鮮学校補助金問題 2

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まるっきりこちらの続編のような展開です。
前回は堺市議会での堺朝鮮初級学校に対する発言にイチャモン。
今回は八尾市議会での学校法人大阪朝鮮学園に対する発言にイチャモン。
どちらも報じているのは朝鮮新報。

三宅博八尾市議会議員の民族教育侮辱発言で同胞、学父母ら怒りの緊急集会

三宅議員は八尾市議会9月定例会で、「北朝鮮本国の指令については、もうこれ絶対服従と、言ってみれば公的機関なんです…」「朝鮮学園も拉致実行行為に手を染めていた」「なぜ日本国民の血税を振り向けなければならないのか…」などと発言。3月の文教産業常任委員会でも「(朝鮮学校では)反日教育が行われていた」などと発言して民族教育を侮辱し、朝鮮と総聯を誹謗中傷した。

こういう場合のお約束として、とりあえず議事録にあたってみる。
八尾市議会会議録で簡単に見られますね。便利な時代です。

平成16年 9月定例会より
5番議員(三宅博) (P.49)

それから、教育の方に入りたいと思いますけれども、朝鮮学園の補助金ですね。これはさっきも質問で言いましたように、朝鮮総連、それから朝鮮学園、それから総連の商工会、これらは一体のものでありまして、北朝鮮本国の指令については、もうこれ絶対服従と、言ってみれば公的機関なんですな、これ。

私、拉致問題、いつも言いますけど、昭和55年に大阪市民の原さんという方が、朝鮮総連の、北朝鮮の工作員により、合法的身分を手に入れ日本人になりかわる、背乗りのために、原哥晁さんは拉致されたということなんです。これにはもちろん主犯の辛光洙、それから在日本朝鮮人大阪府商工会の李吉炳とか、李三俊、これは商工会の役員です。それから朝鮮学園の教員の金吉旭とか、これは今、済州島の方に帰ってるんですけれども、こういった人間、朝鮮学園の教員でっせ。これ、最後、教頭までなりましたよ。

北朝鮮というたら、何度も言いますけども、日本からは金を吸い取り、あるいは人道援助やというて、米を取り、反対に人も取っていくと。向こうから来るのは覚醒剤とか偽ドルとか、あるいは日本に対して大量破壊兵器を向けておる。こういった国の、言うたら公教育を司る機関に、なぜ日本国民の血税を振り向けなければならないのか、ちょっと私はそれに対して同意ができない。

5番議員(三宅博) (P.54)

さっき言った学校法人大阪朝鮮学園の元教頭、今、済州島にいてる金吉旭ですね、これはことしの1月20日に大阪地方議員の会が原さんを拉致した李三俊という、当時勤めていた中華料理店の店長を告発したんですけれども、その中に詳しく記されています、彼の役割、実行犯の1人ですわ。これはあれでっせ、朝鮮学園の教員でっせ。ということは、朝鮮学園も拉致実行行為に手を染めていたということなんですよ。

当該個所はこんな感じでしょうか。僕の判断で抜粋してみました。
前回の場合もそうでしたが、基本的に予算の使い方に対する質問・提言なので、特に『民族教育』だけを槍玉に挙げているわけではありません。よって全文は非常に長いので直接リンク先を確認してください。

まず一つ目の『公的機関で云々』の個所。
朝鮮総連が朝鮮労働党の下部組織であるというのは周知の事実だろう。
そして、各地の総連支部にて固定資産税の是非について問題になっているが、その際に総連は「外交機関に準ずる施設だから減免せよ」と主張していたはず。外交機関すなわち公的機関という判断で正しいでしょう。
学校法人大阪朝鮮学園は総連の枠内にはない、という主張なのかも知れないが、朝鮮総連の民族教育というページに学校法人大阪朝鮮学園の各学校の名前が記されています。
また、総連の傘下団体には、在日本朝鮮人教職員同盟や在日本朝鮮学生委員会という組織があるわけだが、学校法人大阪朝鮮学園はそれらに一切関わっていないとでも言うのだろうか。
あるいは発言の「絶対服従」という部分が気に入らないというのなら、これから何度となく否定するチャンスが巡ってくると思われます。是非頑張ってみて欲しいものです。

二つ目、『朝鮮学園も拉致実行行為に手を染めていた』。
問題の金吉旭という人物、電脳補完録の記事によれば、テレビ局の取材に対し「だまされた」としながらも拉致に関わった事を認めている。
ただ、肩書きについてははっきりしておらず、三宅議員は教頭と言っているが上記記事では校長となっている。
少なくとも教員であったことは間違いないようだ。辛光洙に対する判決文の中にも「朝鮮人学校の教師をしていた金吉旭」という一文が記されている。
確かに、「朝鮮学園の教員だった」→「朝鮮学園も拉致実行行為に手を染めていた」というのは飛躍がある。
しかし、「拉致実行犯の金吉旭が朝鮮学園の教員だった」という部分を引用から外すのは卑怯すぎる。
あるいは、拉致実行に関わった時期には教職を離れていた、という主張だろうか。
しかし、そうであっても「関わり」という点は切れないと思うのだが。

三つ目、『なぜ日本国民の血税を振り向けなければならないのか』。
この部分は三宅議員の発言はやや乱暴かなと個人的には思う。
ここで北朝鮮がどういう国かを言うよりも、限りある予算を公正に配分する上で朝鮮学校への補助金は適切か否か、という主張をすべきだろう。
しかし、当該発言が多くの日本人の偽らざる本音であることも確かであって、すなわちそれは民主主義的に言って予算配分には適切でないという結論にもなるのだが。

堺市での件でも同様だったが、これらはあくまで『補助金の是非』についての議論であって、『民族教育の是非』についての議論ではない。
しかし、朝鮮新報および総連関係者はこれらを混同させようとミスリードしている風にしか見えない。
補助金がなくとも民族教育は可能なはずだ。
また、侮辱だとか誹謗中傷だとか声を荒げているが、カギカッコで発言を抜粋するだけでは一般の日本人には事実を述べているようにしか見えないのだ。
「事実はこうである」という指摘をしなければ話は始まらない。
 
 
全然関係ない話だが、三宅議員は公的に記録される場では標準語に努めるべきでは?
イントネーションはともかくとして、「でっせ・まっせ」調はちょっと…。
粗野な印象をうける、というか平たく言えばバカっぽいので。
まあ、関西人としてはわからなくもないんだけど。

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