小説ポケモン図鑑

104:カラカラ



孤独なカラカラ  投稿者:ソノリン   


孤独なカラカラ
とある、荒れた砂漠の地・・・冷たい風が吹き抜け、砂が舞っていた・・・そこら辺には死んだポケモンらしき骨がある。そこにはほとんど誰もいないようだった・・・。
・・・と、その砂漠にある小さなポケモンの影が現れた。それはカラカラだった。カラカラは1匹で骨を持ったまま、砂漠を歩いていた・・・。
そこへ、1匹のピカチュウがやって来る。どうやらピカチュウは1匹で森を抜けて歩いているうちに、砂漠に迷い込んでしまったらしい。
ピカチュウは汗をだらだらと流しながら、「暑いー・・・水ぅ〜水は何処ぉ・・・」と呟くと、空を見上げた。
カッ!と眩しい太陽がギラギラと照りつけ、空はとても眩しい。そこは真夏のようだった。するとピカチュウは、近くに小さな湖があるのに気付いた。
「あっ!あそこに湖があるぅ〜」ピカチュウは顔を輝かせて湖に走って行くと、喉がカラカラに乾いていたピカチュウは、真っ先に水を飲み始めたのだった。
その湖は幻でもなんでもなく(砂漠にはよくある事だが)本物の湖だったのだ。「はぁ〜生き返った。」と言うと、ピカチュウは喉の渇きを癒したのだった。
すると、砂漠にいたカラカラも喉が渇いていたのか湖の方に来て、水を飲み始めた。ピカチュウはふとカラカラに気付く。
「あれっ君・・・こんなとこで何してるんだい?」ピカチュウが尋ねると、カラカラもピカチュウに気付く。そして、途端にカラカラの顔が曇った。
「・・・・・。」と、カラカラは黙ってしまった。「・・・何か言いたくない事でもあるの?だったら無理にとは聞かないけど・・・僕も、「ピカチュウの森」に帰らなきゃいけないし。」
とピカチュウが帰ろうとすると、「・・・ママを、探してるの。」とカラカラは呟いた。「・・・ママ?」ピカチュウは振り返った。
「僕が生まれた時から、ママ、いないの。一度、会ってみたくて。」とカラカラは言う。「そっかぁー・・・カラカラはママがいないのかぁ・・・」ピカチュウは少し考え込むと、
「じゃっ、僕が君のママ、一緒に探してあ・げ・る!大丈夫だよっ、すぐに見つかるからっ」とピカチュウがピースサインを出すと、カラカラも途端に笑顔になった。
・・・そして、カラカラの母親探しが始まったのだった。ピカチュウとカラカラは、2匹で広い砂漠を歩いて行った・・・。
そして砂漠を出て森の中を通って海岸に行って花畑に行って・・・どんどん2匹は歩いて行ったのだった・・・。
途中でいろんなポケモン達とすれ違った。そのポケモン達はみんな親子で、それぞれとても仲が良さそうだった。
森の中で遊んでいるミミロルとミミロップの親子を見ながら、「いいなぁ、ママがいて・・・」カラカラは呟いた。
ところがミミロルとミミロップの親子達は2匹に気付くと、知らないポケモン達が来たと思ったのだろう、サッとその場から何処かに行ってしまったのだった・・・。
2匹は、海岸に辿り着いた。ザザーン・・・と音がして、波が打ち上げられる。歩き疲れた2匹は、砂浜に座って、海を眺めていた・・・。
「・・・君のママ、見つからなかったね。」とピカチュウが呟くと、「うん・・・」カラカラも残念そうに呟いた。
「・・・でっでも、諦めちゃ駄目だよ!明日からでもまた探せば見つかるかもしれないしっ・・・」ピカチュウが慌てて言うと、「・・・・・。」カラカラは何も言わないで、無言になって黙ってしまった。
どっどうしようっ・・・泣いちゃったりしたら、僕の責任だっ・・・と、ピカチュウはその時物凄く焦ったのだが・・・そうだっ!と思いついた。
「でもっ・・・僕と君はもう一緒に旅した友達だよ!ト・モ・ダ・チになろっ☆」ピカチュウが笑顔で言うと、泣きそうになっていたカラカラも途端に笑顔になったのだった。
「うんっ!ト・モ・ダ・チだねっ☆」「そうだよっ・・・ママもいつかきっと見つかるし、諦めちゃ駄目だよっ・・・それにもう友達だからねっ☆」ピカチュウとカラカラは、海辺で笑い合ったのだった・・・。


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2回目の投稿になります。
これからもまた投稿させて頂 くかもしれませんので、よろしくお願いします。