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【芸能・社会】

樹木希林 訴えてくれた「女性に感謝」

2011年5月14日 紙面から

 「申し訳なく思っておりますが、本当の謝罪は本人から。70すぎておりますので、私は頭を下げないでおきます」。都内の自宅で会見した希林。その表情に怒りや悲しみは感じられない。幾多の苦難を乗り越えてきた妻としての貫禄を漂わせながら、希林は終始淡々と、そして堂々と取材陣と向き合い、約50分にわたって胸の内を語った。

 希林が関係者に聞いた話では、被害女性は客室乗務員。内田容疑者の女性問題はこれまでもたびたび報じられてきたが、「事件が起きるのが遅かった。何十年前に起きていてもおかしくなかった」と話す。

 希林自身も、内田容疑者の暴力が原因で73年の結婚から2年後に別居して以来、30年以上も別々の生活が続いている。最近は月に1回会う程度だが、深夜に希林の自宅前で罵詈(ばり)雑言を浴びせるなどの“奇行”もあったという。

 「事件そのものは今までたくさんあったけど、公になったのが初めてなだけ」とし、被害女性が警察に訴えたことに「内田のためだったなって思いました。ありがたかった」と感謝の言葉さえ発した。

 一方で、夫が浮気に至った原因を「(女性への)愛情じゃないと思う。孤独感と、引き受けかねる人生の重たさから誰かにすがりたいという気持ちでは」と分析する。

 内田容疑者は4月7日に震災被災地の宮城県石巻市を慰問。「誰に対しても情が深い人ですから、被災地のすさまじい惨状を見て、内田という人間がおかしくならないわけがないとうすうす思っていた。たぶん、そこで抱えきれなくなって、一番受け止めてくれる人を求めたのではないかと私は思いました」

 「浮気に対して、妻としての嫉妬(しっと)は?」という質問には「そういう次元では見ていないんですよね。そこに至る愚かさや悲しみを見てしまうので」とサラリ。その一方で「こうやって(自分が会見して)さらされることも引き受けているわけです。すべて一人で抱えておかせられないですよ」と、確かな愛情もかいま見えた。

 「今後も夫婦として暮らしたい?」との問いかけには「できればね。今世はずっと離れたままで、来世は絶対会わないように」と冗談も飛び出すほど。離婚の可能性についても「家族構成が変わることはない」ときっぱり否定した。

 さらに、女性の家の鍵を無断で変えて不法侵入したことについても「うちの電気1個取り換えることもできないのに見直したなぁ。ずいぶんと迅速に行動できるんですね」と話し、取材陣の爆笑を誘うほどの達観ぶりだった。

 「(内田は)生き方を変えるなり、区切りを付けなければならない」。そういえる妻は世界でたった一人希林だけ。世界でたった一つの夫婦の形である。

 

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