警視庁は13日、部下への指導と称して暴力を振るったり、飲食代を払わせるパワーハラスメント行為を繰り返したとして、第5方面交通機動隊の男性警部補(46)を停職3カ月の懲戒処分とした。上司だった警部2人も黙認したとして、それぞれ減給100分の10(1カ月)と戒告処分とした。警部補は「悪ふざけだったが、指導の範囲を越え大変反省している」と話しているという。
警視庁によると、警部補は09年3月、30代の巡査長のパトカーへの乗車遅れをとがめ、事務室で乗車用ヘルメットを振り下ろし、巡査長の右手指を骨折させた。また、同年8~11月には、20代の巡査長に硬式野球ボールを数回投げつけて太ももに打撲を負わせたり、一緒に行ったラーメン店で2回にわたり、飲食代の全額(4人分5000円)や一部(5人分5000円のうち2000円)を支払わせた。上司2人は、被害者のけがを自過失とする虚偽の報告書を黙認したり、飲食に同席していた。
別の隊員が昨年6月、幹部に報告した。第5方面交通機動隊の当時の隊長と副隊長も警務部長注意と所属長注意処分とした。【長谷川豊】
毎日新聞 2011年5月14日 2時45分(最終更新 5月14日 10時45分)