【社会】避難地域でヒマワリや菜種を栽培 農水省が土壌浄化実験2011年5月14日 10時05分
農林水産省は、福島第1原発から半径20キロの警戒区域の外側で放射線量の高い計画的避難区域を中心に、放射性物質を吸収するとされるヒマワリや菜種を植える実験に乗り出す。放射性セシウムなどに汚染された土壌を浄化する効果を調べ、農地の再生につなげたい考えだ。 来年の作付けに研究成果を生かせるよう、早ければ今月中にも実験を始める。具体的な地域や時期は調整中としている。放射性物質が付着した農地の表面の土を取り除くことで農作物への影響をどの程度軽減できるか、なども合わせて調べる。 セシウムは肥料のカリウムと似た特性を持つとされ、ヒマワリは内部に取り込む吸収力が高いとされる。また、菜種はチェルノブイリ原発事故の汚染地域で土壌浄化対策として栽培されているが、日本での実験では吸収力が弱いとの結果もあるため、吸収力が高い品種がないか調査する。 セシウムを吸わせた植物の処理方法や、ほかに吸収力が高い作物があるかも研究する。まず、計画的避難区域と同区域を除く原発20〜30キロ圏の緊急時避難準備区域内で実験。数十アールの農地ごとにヒマワリなどを植え、土壌浄化効果などを調べる。 農水省では、篠原孝副大臣が先月下旬、チェルノブイリ事故現場の西約70キロの地域で行われている菜種の栽培地や、菜種をバイオ燃料に加工する施設などを視察した。計画的避難区域となった福島県飯舘村からの希望もあることから、日本でも作物を燃料として活用することを検討する。 篠原副大臣は「ヒマワリや菜種を植えれば、畑が荒れるのを防ぐのにも役立つ。福島にたくさんの花を咲かせたい」と話している。 (共同)
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