目       次

総   則                 
設備と規格                 
服装と個人用具              
パワーリフティング種目とルール    
検   量                 
競技実施方法              
シングルベンチプレス大会のルール 
レフリー                  
陪審員と技術委員会           
世界記録(日本記録)          
ディスエイブル選手の参加        

※注意 このルールブックの版権は、日本パワーリフティング協会技術委員会に帰属
  するので、無断で複写、転載することを禁ず。


    
総     則

1.(a)日本パワーリフティング協会(JPA)は、次の種目を認めJPAルール管轄下の
     各種目競技会では、下記の順番に3種目を行うものとする。
     A.スクワット B.ベンチプレス C.デッドリフト D.トータル
  (b)競技は性別、体重、年齢で定義されたカテゴリーで行われる。
  (c)全日本選手権大会〜地方大会まで、JPAルールに従う全ての競技会にルールは
    適用される。
  (d)選手は各々の種目に於いて3回の試技を許される。(例外=特別試技については、
    このルールブックの該当箇所に説明が記載されている)
    各種目の有効である試技のベスト記録が競技のトータルとしてカウントされるが、
    記録更新目的の4試技目(特別試技)の記録はトータルに加算されない。
    各カテゴリーの勝者はトータルで最高値を獲得した選手である。残りの選手は
    それぞれのトータルの降順に順位が決定する。
    2名以上の選手が同トータルの場合は体重の軽い者が上位となる。(同体重の場合は
    再検量となるが、更に同体重の場合は同位を分ける。この時階級の体重より少なかった
    り、オーバーしていても良い)

2.JPAは、加盟団体が次の全日本選手権大会を開催する事を認める。
一般男子全日本パワーリフティング選手権大会
一般女子全日本パワーリフティング選手権大会
全日本ジュニアパワーリフティング選手権大会
全日本サブジュニアパワーリフティング選手権大会
全日本マスターズパワーリフティング選手権大会
全日本教職員パワーリフティング選手権大会
ジャパンオープンパワーリフティング選手権大会
全日本ベンチプレス選手権大会
全日本マスターズベンチプレス選手権大会
ジャパンオープンベンチプレス選手権大会
全日本実業団パワーリフティング選手権大会(実業団連盟)
全日本実業団ベンチプレス選手権大会(実業団連盟)
全日本学生パワーリフティング選手権大会(学生連盟)
全日本高校パワーリフティング選手権大会(高校連盟)

 更に、ブロック大会、県大会、郡市区町村大会を開催する事を認める。


 IPF(国際パワーリフティング連盟)は、 一般男子世界選手権大会
                  一般女子世界選手権大会
                  ジュニア世界選手権大会
                  サブジュニア世界選手権大会
                  ステューデントカップ世界選手権大会
                  マスターズ世界選手権大会
                  一般ベンチプレス世界選手権大会
                  マスターズベンチプレス選手権大会

APF(アジアパワーリフティング連盟)は、 一般男子アジア選手権大会
                  一般女子アジア選手権大会
                  ジュニアアジア選手権大会
                  ベンチプレスアジア選手権大会(2年に1回)
を開催することを認める。

3.JPAは、各年齢体重区分による各種目の日本記録を公認する。

 ★年齢別区分
   サブジュニア:満14歳〜満18歳(カレンダーイヤーを基準とする)
   ジュニア  :満19歳〜満23歳(カレンダーイヤーを基準とする)
   マスターT :満40歳〜満49歳(カレンダーイヤーを基準とする)
   マスターU :満50歳〜満59歳(カレンダーイヤーを基準とする)
   マスターV :満60歳以上   (カレンダーイヤーを基準とする)

 競技者の年齢は満14歳以上の者であること。
 年齢に下限の制限がある場合には、競技会当日その年齢に達していなければならない。
 年齢に上限がある場合にはカレンダーイヤー(12月31日まで)をもって上限の年齢とする。
(例1)8月1日で24歳になるA選手は、その年の1月1日以降、たとえ大会日が23歳で
   あっても、ジュニア選手ではない。また、ジュニア記録を更新しても認められない。

(例2)39歳の選手であっても、その年度内に40歳になる選手はマスター1の選手として
   マスターズ大会に正式参加でき、全ての公式大会で記録が認定される。
    49歳、59歳の選手も同様とする。
    但し、大会当日の年齢は、満年齢を記載する。

 年齢区分は各国が独自の区分を用いても差し支えない。


 ★体重別区分
   ◎男  子     52 s級  52.00sまで
   (11階級)    56 s級  52.01s〜 56.00s
             60 s級  56.01s〜 60.00s
            67.5s級  60.01s〜 67.50s
             75 s級  67.51s〜 75.00s
            82.5s級  75.01s〜 82.50s
             90 s級  82.51s〜 90.00s
             100s級  90.01s〜100.00s
             110s級 100.01s〜110.00s
             125s級 110.01s〜125.00s
            +125s級 125.01s以上
   ◎女  子     44 s級  44.00sまで
   (10階級)    48 s級  44.01s〜 48.00s
             52 s級  48.01s〜 52.00s
             56 s級  52.01s〜 56.00s
             60 s級  56.01s〜 60.00s
            67.5s級  60.01s〜 67.50s
             75 s級  67.51s〜 75.00s
            82.5s級  75.01s〜 82.50s
             90 s級  82.51s〜 90.00s
             +90s級  90.01s以上

4.一般男女全日本選手権大会に参加するには、定められた期間内に、JPA公認大会で標準
  記録を突破する。その他の全日本選手権大会は大会の状況により、標準記録を定めるもの
  とする。

5.全日本選手権大会における団体戦について
  クラブ対抗 =JPAに団体登録の申し込みをしたチームの対抗戦
  都道府県対抗=出場全選手を対象とした登録都道府県対抗戦

6.得点方法 
  @3名以上を1チームとする。
  A1位から12,9,8,7,6,5,4,3,2,1点とし、以下失格者以外全員に1点
   を与える。
  B1チーム内上位6名の得点を団体得点として計算する。
   団体戦において、団体得点が同じ場合は、1位の多い方を上位とする。また更に1位の数が
   同じ場合は2位の多い方を上位とするという方法で以下同様に行う。

     
設 備 と 規 格

1.プラットフォーム
  競技は全てプラットフォーム上で行わなければならない。
  プラットフォームの大きさは2.5m×2.5m以上、4.0m×4.0m以内とする。
  プラットフォームの表面は水平に固定され、滑らない材質を使用し舞台や床面からの高さは
  10pを超えないものとする。
  プラットフォームの表面に滑り止め加工を施しても良いが、不安定なゴムマットやこれに類
  似した敷物は禁止する。プラットフォームの内部またはその表面に、他の物質を貼付あるい
  は挿入することは禁止する。
  挿入物は、特別に設計されたウェイトリフティング用プラットフォームと一体化されており
  かつ技術委員会の許可がある場合のみ使用を認められる。
  国内では、体育館等の床を損傷することのないよう、更に選手が安全に試技できるよう配慮
  されたプラットフォームを使用すること。(最低コンパネ2枚)

2.バーとプレート
  JPAルールのもとに行れる全ての競技会では、バーとプレートを使用しなければならない。
  規格に合わないプレート等を使用した競技会の記録は公認されない。
  規格に合ったプレート等を必ず用いる事。
  バーは、曲がったり破損したとレフリーが認めた時以外は競技会中変える事はできない。
  国際大会ではバーの止め金の内側をクロームメッキしたものは使用してはならない。
  JPAの公認大会では、JPAの認めたプレートとバーのみ使用できる。
  (JPA公認メーカー:上坂鉄工所、日本怦錘はIPFより認可を取り消されたが、国内は
   使用できる)
(a)バーは、まっすぐでローレットがしっかり刻まれている事。寸法は次の通り。
   @バーの全長は2.2mを超えない事。
   A左右の止め金の間隔は1.31m以上1.32m以下。
   Bバーの直径は28o以上29o以下。
   Cバーとカラーの重量合計は25s
   Dスリーブの直径は50o〜52o(プレートを入れる太い部分)
   Eバーに81pの印を入れる事(バーの中心より左右40.5pの所)


 スリーブ        内側のカラー      81pの印
  (b)プレートの規格は次の通り
   @競技会で使用するプレートの誤差は、0.25%以内である事。
   Aプレートの穴の大きさは52o〜53o
   Bプレートの種類は、1.25s,2.5s,5s,10s,15s,20s,
    25s,50s
   C記録用として、現記録より500g以上増量できるプレートを用いても良い。
    250g,500g,1s(記録用プレートは陪審員席に置く)
   D25s以上のプレートは厚さ6p以内とする。
    20s以上のプレートは厚さ3p以内とする。
   Eプレートの色分けは次の通り
    10s以下・・・何色でも可   15s・・・黄色(国内:オレンジ可)
    20s・・・青   25s・・・赤   50s・・・緑
   Fプレートには全て重量を明記する。重いプレートからバーの内側に入れ、レフリーが一
    見して重量が分かるようにしておく。
   G一番内側に付けるプレートは表が向かい合うようにする。
   H最大プレートの直径は45pを超えない事。
   Iゴムでカバーされたプレートを使用してよい。但し、補助員が握れるようカラーの外側
    からバーの先端部まで10pは間隔をあけておくこと。

3.カラー(止め金)
(a)競技会では必ず使用する ※必ず使用する
(b)カラー1つは2.5sとする
  ←カラー 2.5s

4.スクワットラック
(a)スクワットラックは、丈夫で安定した構造である事。ラックの足は選手、補助者の妨げに
   ならない事。スタンドは一続きでも2つに分かれていても良いが、バーが水平における構
   造である事。
(b)スクワットラックは、1番低い位置が1.00mで少なくとも5p刻みに1.70mまで
   高さの調整ができるものとする。
(c)全ての液圧式(油圧式)ラックはピンによって、申請された高さに止め金をかけられるよ
   うなものでなければならない。

5.ベンチ台
(a)ベンチ台は丈夫で安定した構造であり、その規格は次の通りとする。
   @長さ・・・1.22m以上で上面は水平である事。
   A幅・・・・29p〜32p
   B高さ・・・ベンチ台のパッドを押し付けないで、その表面から床までが42p〜45p
         ラック(バーベルスタンド)の高さは、可動式であっても固定式であっても
         75p〜110pまでの調整が出来なければならない。
   Cバーベルスタンド間は、内側が最低1.10m(110p)離れている事。
   Dベンチ台の頭部は両側支柱(バーベルスタンド)の中央から22p±5pである事。

6.判定ランプ
(a)レフリーの判定を示す判定ランプを用意する。
(b)各レフリーの『成功』は『白』、『失敗』は『赤』とする。
(c)判定ランプは3人のレフリーに対して水平に設置する。レフリーの判定が同時に表示出来
   るものとし、個々別々に表示してはならない。
(d)判定ランプの故障等を考慮し、レフリーは『白』と『赤』の旗を用意しておく。又、判定
   ランプがない大会では『白』と『赤』の旗を使用しなければならない。
(e)プラットフォームの正面から見て、左右にレフリーを1,2,3とし、判定ランプもこの
   順番になるように配列する。陪審員にどのレフリーがどの判定を下したか明白に分かるよ
   うにしておく。
(f)世界規模の選手権では、その試技の失敗理由を示すカードを使用する。(ナンバーカード)
   カードは判定ランプ点灯後、3秒後に示す。
(g)判定ランプは3秒〜5秒表示しなければならない。

★ナンバーカード



           


             


           
S:しゃがみが浅い S:腰、膝の曲がり
バーを担ぐ位置のズレ
S:その他
B:胸の止め B:バーの傾き B:その他
D:肩の返り
  膝の曲がり
D:バーの下がり
大腿部へ乗せる
D:その他

S:スクワット  B:ベンチプレス  D:デッドリフト

7.スコアーボード
  大会では必ず用意する事。(壁や移動黒板やホワイトボードに記録表を貼って使用してもよい)

    
服装と個人用具

1.服   装
(a)JPA公認の大会ではツリパン着用を原則とする。
(b)ツリパンとは、均一素材で出来たリフティング用スーツでパワーリフティング用、陸上競
   技用、レスリング用、エアロビクス用、ウェイトリフティング用等のものである。これら
   のスーツには当て布やパッドを縫い込んではならない。
(c)肩ひもは試技中はかけていなくてはならない。
(d)ツリパンの股下の長さは最大25pまでとする。
(e)ゆるゆるのツリパンは禁止する。(レフリーが注意する)

◎パワーリフティング競技においては、技術委員会に公認されたリフティングスーツ以外は着用
 してはならない。
 リフティングスーツは以下の条件を満たしている事。
  @色は自由とする。
  Aリフティング用スーツには日の丸、ジム名、クラブ名、協会に認められたメーカー、スポ
   ンサーの文字やマークを入れても良い。但し、不評をかうようなものは認めない。
  Bリフティング用スーツのうちツリパンは、折り返した部分で2重あるいは3重以上になる
   ような縫い目、縁縫いの幅が3p、厚さ0.5pを超えてはならない。
   縫い縮めに関しては、元々縫製されている部分のみ、長さ3pまでなら構わない。しかし
   スーパースーツの肩ひもには、全く縫い目がないものもあるが、その時IPFの通達に従
   うものとする。(ツリパンは、股下の不部分に限って同じ素材で2重の厚さにしても良い)
  C縫い目を補強しても良い。但し、補強の為の当て布は幅が2p、厚さ0.5pを超えては
   ならない。(デニム地は不可)長さの制限はない。
  D足の部分の長さ(股下)は3pから15pでなければならない。長さの測定は股下の縫い
   目の上部から股の内側の下部の間である。(縫い目を折り返してはいけない)但し、競技上
   問題なければ、国内ルールでは股下の長さは若干の長短があっても競技会では使用できる。
  E上記の規定を超えて改造したリフティングスーツは、競技会では使用できない。

2.上部下着(アンダーシャツ)
  アンダーシャツ(いわゆるTシャツ)は何色でも良いが、スクワット及びベンチプレス競技
  の際には必ず着用のこと。男子のデッドリフト競技ではどちらでも良い。女子は3競技を通
  じて必ず着用のこと。
◎アンダーシャツの規格は下記の通り。
  @うね織り(あぜ織)は禁止。(高低をつけた織り方)
  Aゴムやこれに類似の素材を含まないこと。
  Bポケット、ボタン、チャック、襟のないこと。(Vネックは可)
  C縫い目が補強されていないこと。
  DJPAによりTシャツが競技会で選手の助けになると判断されたところに縫い目のあるも
   のは禁止する。
  E綿、ポリエステル、綿・ポリエステル混のいずれか単一素材であること。デニム地は不可。
  F袖は肘より長いものや、三角筋部を被わない程短いものは不可。(ノースリーブ、タンクト
   ップは不可)競技会中、選手は袖を上にまくり上げて競技を行ってはならない。
  Gベンチプレス用Tシャツ以外で、Tシャツが選手の体をサポートしていると思われる程き
   ついTシャツは禁止する。但し、エレクトロシャツの使用は可。
  H競技会では@〜Gの規格を守れば使用できるが、スポーツの場において、不快、不評をか
   うようなものであってはならない。

3.ベンチ・シャツ
 技術委員会が公認するベンチ・シャツは国内競技会で使用できるが一部、国際大会、世界記録及び
 日本記録 に使用できない物があるので、注意すること。
 このベンチ・シャツ及び類似のシャツはベンチプレス以外の競技での着用は禁止。
 スクワットとデッドリフトでは、ルールで定められたアンダーシャツのみ着用できる。(エレクトロシャツの
 使用は可)
 なお、項目2の@ABCEFは本項目ベンチ・シャツにも適用される。
 新たにDを以下のように定める。「シャツの縫い目は図に示す位置にのみに認められる」つまり
 製造上A〜E以外に縫い目を付けたベンチ・シャツはIPF技術委員会の公認とはならない。
 縫い縮める場合はスーツ類と同様な幅と厚さになる。また、当て布に関しても同様となる。


4.下部下着(アンダーショーツ)
  綿、ナイロン、ポリエステルの「競技用サポーター」や標準的なパンツをリフティング用ス
  ーツの下に1枚のみ着用すること。(水泳トランクスやウエスト以外にゴムやこれに類似の
  素材を含むものは禁止する)
  2枚以上の重ねや、1枚でも競技用水着、ガードル、スーパースーツや強烈な反発する生地
  のもの、トランクス型下着は着用出来ない。⇒ブリーフ型のものとする。
  以下の条件を満たすこと。
   @腹筋下部を支えるようなものは禁止する。(ガードルは不可)
   A選手の大腿部まであるようなパンツは禁止する。

5.靴   下
(a)靴下をはいても良い。(はかなくても良い)
(b)色は1色でも2色以上でも自由である。
(c)ニーラップやニーカップを使用する場合には、これらに靴下が触れてはならない。
(d)ストッキングやタイツは禁止する。(靴下の長さは膝下ぐらいまでとする)
6.ベルト
  ベルトを着用しても良い。(着用しなくても良い)
  ベルトはリフティング用スーツの外側に着用する。
(a)素材と構造
  @ベルトは皮またはビニール製のもの、1層もしくは2層以上の場合には、接着剤または縫
   い合わせ均一になっていること。(背の部分だけが厚くなっているようなものは使用でき
   ない)
  A補強の目的でパッド、金属などをベルトの表面や層の間に取り付けてはならない。
  Bバックルはベルトの端に縫うかピンなどで取り付ける。
  C「クイック・リリース」ベルトを使用しても良い。
  D皮製のループをバックルのそばに縫うかピンなどで取り付ける。
  Eベルトの外側に選手の氏名、国、州、クラブの名称等を記入しても良い。
(b)寸法
  @ベルトの幅は10p以内
  Aベルトの厚さは13o以内
  Bバックルの内側の幅は11p以内
  Cバックルの外側の幅は13p以内
  Dループの幅は5p以内
  Eベルトの端とループの端までは15p以内

7.靴
(a)靴をはかなければならない。
(b)大会においては、スポーツシューズ、スポーツブーツ、ウェイトリフティング用またはパ
   ワーリフティング用シューズ、デッドリフト用スリッパのみ認められる。(靴の裏に金属の
   滑り止めが付いたもの、スパイク類は禁止する)
   ビジネスシューズやブーツ、ハイヒールなどおおよそ、スポーツ的でないものは認められ
   ない。
(c)靴の踵の高さは5pを超えてはならない。
(d)靴の中敷きは最大で1pの厚さとする。
(e)踵の高さは左右均等とする。

8.ラップ
(a)弾力性のある素材をポリエステル、綿、またはこれらの混合で覆って織られたラップ、ま
   たは医療用包帯を使用しても良い。ゴム製のものは禁止する。
(b)ラップは次のものを使用しても良い。
 ★リストラップ(手首用)
  @幅8p、長さ1m以内のもの。(ワッカタイプも同様)リストバンドは幅10p以内であれ
   ば使用しても良い。但し、この2つの併用は禁止する。
  A親指ループをしたまま試技をすることは禁止する。

  Bリストラップを使用するにあたり、手首関節より上2p、下10p、トータル12pを超
   えないこと。
 ★ニーラップ(膝用)
  C幅8p、長さ2m以内のもの。ラップを巻いた時、膝関節より上15p、下15p、トー
   タル30pを超えないこと。
   また、ニーカップやサポーターを使用しても良いが、長さは30p以内とする。また、こ
   れとラップの併用は禁止する。
  Dラップは手首、膝以外に用いてはならない。

9.ばんそうこう(テープ類)
(a)親指にばんそうこう、バンドエード、包帯を2重まで巻いても良い。但し、この他の部位
   に用いる場合には、陪審員、または、チーフレフリーの許可がいる。また、バーを支える
   目的で、ばんそうこうなどを用いてはならない。
(b)陪審員またはチーフレフリーの許可があれば、オフィシャルドクター(協会の認定医者)
   は筋肉負傷等に対して、ばんそうこう、バンドエード、包帯を部分的にあてがっても良い。
   同様に手のひらにも、ばんそうこう等をはっても良いが、手の甲にまわってはならない。
(c)オフィシャルドクターは怪我の為ばんそうこう等をはった場合は、チーフレフリーと陪審
   員長にその旨を報告しなければならない。
   また、必要な時には、ばんそうこう等を追加するよう助言できるが、この場合も陪審員の
   許可が必要である。
(d)陪審員・オフィシャルドクターがいない大会では、チーフレフリーがばんそうこう等の使
   用を統轄する。
(e)リストラップの代わりにテーピング等を巻くことは禁止する。
(f)スパイラルテープ等競技力の向上に役立つもの、あるいはTシャツ、リフティングスーツ
   類やラップ類の下にテープ類を貼り、挙上に役立たせることは禁止する。上記(a)〜
   (e)の中で許可されたものに限り使用出来るものとする。

※バンデージ以外のテープ類の扱いについて
  バンデージは膝と手首のみ認められている。又、手の親指にもバンドエード、包帯、ばんそ
  うこう等2重まで巻いても良い。しかし、この他の部位に用いる場合は、陪審員、チーフレ
  フリーの許可がいる。←ルール通り
  しかし、最近スパイラルテープ等様々な種類のテープが開発され、他競技には使用されてい
  る。しかし、パワーリフティングの競技特性を考えれば禁止とする。(拡大解釈され、例えば
  全身にスパイラルテープ等を貼りかねない等)ごく一般的に考えれば、髭剃りの傷やニキビ
  等消毒や治療の為のものは常識的には許可できる。
  筋肉負傷等、医師の診断書やそれらに類するものが提出された場合や、止む得ない場合はこ
  の限りではない。

10.すねの保護
  デッドリフトの試技で靴下の内側に、すねの保護をする充て物を付けても良い。但し、コス
  チュームチェックで試技を有利に導くものでないと判断された場合に限る。

11.服装・個人用具のチェック(コスチュームチェック)
(a)選手のコスチュームチェックは各階級の競技開始20分前までに済ませれば良いこととす
   る。
   国内では、開催要項に明記されていない場合は、検量時間内とする。
(b)国際大会などの競技会で、検量時間内でコスチュームチェックが出来ないと判断される場
   合、陪審員は別にコスチュームチェック時間を定め抽選でチェック順を決めても良い。普
   通検量時間は2時間前から行うが、必要に応じて陪審員がこの時間を変更しても良い。
   国内においては、検量と同時に行うが、順番が決められていない場合はコスチュームチェ
   ックを先に行い、その後検量しても良い。
(c)コスチュームチェックには最低2名のレフリーが立ち会う。全ての項目をチェックし、認
   められたものには印を付ける。
(d)ラップの長さが規定を超えているものは認められないが、正規の長さにラップを切るのは
   選手の責任であり、レフリーはこれを行ってはならない。
(e)破けたもの、破ける可能性のあるもの、不衛生なものは不合格とする。
(f)レフリーはコスチュームチェック表に検査した項目を全て記入しておくこと。コスチュー
   ムチェック終了後、この表は陪審員長に渡さなければならない。
   国内では「大会記録カード」に全てが記入され、放送係のみがチェックできるようになっ
   ているが、今後、陪審員が選手の登場の度にチェックできるようにしていかなければなら
   ない。
(g)コスチュームチェック表に記入されていないものを身につけていたり使用したりした選手
   に対する罰則について。
  @ルール違反のもので、しかもコスチュームチェックに合格していないものを着ていた場合
  ⇒失格となる。
  Aルール違反のもので、コスチュームチェックに合格してしまったものを着ていた場合
  ⇒その試技がたとえ成功していたとしても、失敗となる。しかし、間違ったのは選手の責任
   ではないので、成功した場合はラウンドの最後に正しい服装でやり直しができる。
  Bコスチュームチェックに合格していないで、ルールに合致したものを着ていた場合
  ⇒その試技が例え成功していたとしても失敗となる。
(h)コスチュームチェックでは出場選手は全員服装と個人用具の他にプラットフォームで使用
   するヘッドバンド(バンダナ)、マウスピース(テンプレート)、リボン等もチェックを受
   けなければならない。
   プラットフォームで帽子(覆面)をかぶってはいけない。時計、ネックレス、イヤリング
   (ピアス)、女性の衛生用品は検査を受ける必要はない。また、指輪をはめて試技する事に
   ついては何の問題もない。
(i)国や選手が、服装や個人用具にスポンサーのロゴを付けたい場合は、ロゴを付ける年の年
   頭に「ゼネラル・セレクタリー」の許可を受けなければならない。
   申し込みは、最初の競技会の公表日時より、少なくとも3ヶ月前に行われている必要があ
   る。またその際、英国ポンド「£50」(GB£50)または、前もって会議(コングレス)
   で決められていた金額を添付する必要がある。
   許可を受けた場合、ロゴは、IPFと国あるいは選手との間で、許可された場所に適切に
   表示する。当該カレンダーイヤーのみ着用することが出来る。この費用は、1スポンサー
   または1国のみの料金である。
   他のスポンサーがロゴを服装や個人用具に追加で使用したい場合には、各々英国ポンド
   「£50」(GB£50)が必要である。もし、ロゴが常識の範囲での上品さを汚すような
   場合、またはIPFと他の契約者(例えばテレビ局や大会のプロモーターなど)との間の
   公約(契約)を否定するような場合、IPFはそのロゴの使用を許可しない権利を有する。
   IPF執行委員会はロゴのサイズを限定できる権利を有する。国や選手は国名のエンブレ
   ムやバッジを無料で表示しても良い。同様に、許可料を支払済でIPFの許可を得た器具
   に表示されている製造者のロゴは追加料金の必要はない。
(j)IPFは許可されたロゴの登録の管理をする。ロゴの為に支払われたスポンサー料は50
   %がIPFに、残りの50%が選手の所属する地域連盟(日本の場合はアジアパワーリフ
   ティング連盟)に支払われる。もし、選手の地域連盟が独自の銀行口座を持たない場合は
   この50%は、その選手の国の連盟(協会)に支払われる。
   スポンサーのロゴを身につけたい選手は、現状の許可書または領収証を器具検査のレフリ
   ーに提示せねばならない。
(k)世界記録に成功した選手は、陪審員によってコスチュームチェックを行う。(次の競技のさ
   またげにならない配慮)もし、不正なものを身に付けていた場合は、その記録は無効とな
   り選手は失格となる。

12.その他
(a)オイル、グリースなど潤滑剤を体、服、用具などに塗ることは禁止する。
(b)シューズやブーツの底に粘着性のテープ類を貼り付ける事は厳禁。
(c)ベビーパウダー、チョーク、松ヤニ、タルク、炭酸マグネシウムのみ体や服に塗っても良
   い。
(d)その他の物質を、道具やラップに塗ってはならない。
   靴底が滑らないよう水を浸した雑巾を踏んで試技することは問題ない。しかし、滑り止め
   剤を含む液体スプレー等のようなものは使用してはならない。

13.F軸競技とN軸競技の服装(日本国内だけのルール)
(a)F軸競技(フルギア=スーパースーツやベンチプレスシャツ、ニーラップ使用可)
   パワーリフティング大会→ツリパン着用が義務づけられる。
   ベンチプレス大会   →ツリパンを原則とするが、スパッツでも可とする。
(b)N軸競技(ノーギア=スーパースーツやベンチプレスシャツ、ニーラップ使用不可)
   パワーリフティング大会、ベンチプレス大会とも、ツリパンを原則とするが、スパッツで
   も可とする。短パンも可とするが、臀部及び大腿部に密着するものでなければならない。
   デニム地の短パン等競技の助けになるようなもの、ブカブカで、ベンチプレス時において
   短パンはベンチプレス台についているが、中の臀部が浮いているようなものは認めない。
(c)その他
   F軸競技、N軸競技ともリストラップ、ベルトの使用はルールの範囲で使用可とする。
   スパッツについての長さは特に規定しない。(ロングスパッツ可)
   スパッツ着用時において、Tシャツはスパッツの中に入れること。
   どの大会においても、必ず競技で使用する服装及び道具は、コスチュームチェックを受け
   合格しているものを使用すること。
   ベンチプレス大会において、世界記録、日本記録に挑戦する時にスパッツは使用できない。
   (ツリパン着用)

      
パワーリフティング種目とルール

★スクワット(Squat)
1.リフターは、まっすぐに立つこと。この時バーの上端が三角筋上面より3p以上、下がって
  いてはならない。バーを両手で握り両肩でバーを水平に保持する。足底をプラットフォームの
  床につけて膝を完全に伸ばす。

2.リフターはバーをラックから外し適当な位置まで下がり足の位置を決めチーフレフリーの合
  図を待つ。
  そしてリフターが静止しバーが正しい位置にセットされたら合図がある。
  選手は静止してチーフレフリーの合図を待つ。チーフレフリーは手を上から下に振り下ろし
  「スクワット」と言う。
3.チーフレフリーのスタートの合図の後、選手は膝を曲げ、“B”ヒップジョイント部の大腿部
  上面がはっきりと“A”膝の上面より低くなるまでしゃがむこと。(図参照)
  AよりBが確実に低くなっていなくてはならない。
4.リフターは、自分の意志で立ち上がり、膝を完全に伸ばしまっすぐ立つ。この時立ち上がる
  動作を繰り返したり(ダブルバウンス)、バーがバーの直径又は厚み(28o〜29o)以上下
  がってはならない。又、バーが三角筋上端より3p以上、下がってはならない。
  リフターが静止した所でレフリーは、バーをラックに戻すよう合図する。
5.バーをラックに戻す合図は、手を後方に振り「ラック」と言う。リフターは静かにバーをラ
  ックに戻す。
6.リフターはプラットフォームの正面に顔を向ける。
7.リフターは、試技中カラー、スリーブ、プレートを持ってはいけない。但し、バーを握った
  手が内側のカラーに触れることは許される。
8.2人以上5人以下の補助員を常時プラットフォーム上におかねばならない。(必要最小人数の
  補助員とする=重量が軽い場合などは3名で良い)
9.リフターはバーをラックから外すために補助員の助けを借りても良い。但し、一旦ラックか
  らバーが外れたら足の位置やバーの位置をセットする為に補助員の助けを受けることは出来
  ない。
10.リフターは、補助員の過失で試技を失敗した場合(選手の身体又はバーに触れた場合等)は、
  レフリーがこれを意図的な行為でないと判断した場合、同じ重量で再試技を行うことができ
  る。
  (ラウンドの最後に行う。もし、最終試技者であった場合、連続試技となる為、3分が与え
   られる)


★3分ルールについて
(a)特別試技が認められた場合、同じ選手が連続で試技をする時、3分が与えられる。その場
   合3分の猶予時間に通常の1分ルールをプラスする考えから、チーフレフリーの合図がな
   されたら選手は4分以内に試技を開始しなければならない。
   順序=第3試技終了後、補助員は第4試技の重量をセット→チーフレフリーから「バー・
   イズ・ローデッド」の合図→時計は4分(3分+1分)→選手は4分以内に試技を
   開始
(b)同様に、特別試技を認められた最後から二人目の選手の場合は
   「2分+通常の1分ルール=3分」以内に試技を開始
   更に、特別試技を認められた最後から三番目の選手の場合は
   「1分+通常の1分ルール=2分」以内に試技を開始
(c)1グループに5人以内しか選手がいない場合は、最後の試技者が終了し、定められた時間
   そのままにし、放置時間終了後、直ちにプレートの付け直しがあり、チーフレフリーから
   の合図で通常の1分ルールとなる。
   1グループに5人の場合=1分、4人の場合=2分、3人の場合=3分とする。(いずれも3
   分が最大)2人の場合は、重量に関係なく試技順を変えないこととする。
(d)突発的な事態により、陪審員が競技の進行を止めた場合。試技の再開はチーフレフリーの
   合図後3分以内に選手は試技を開始しなければならない。

◎スクワットにおける反則行為
  @レフリーの合図前に試技を開始したり、バーをラックに戻すこと。
  Aレフリーの合図後、手を横にずらして、バーを握る位置を変えること。
  B立ち上がり動作を繰り返すこと。
  C試技開始前や完了時に、膝が曲がるなどまっすぐな姿勢がとれないこと。
  D試技中に足の位置が前後左右にずれること。但し、わずかな足の動きは反則とならない。
   許される足の動きとは、足がわずかに横にずれる、つま先や踵が浮いても元の位置に戻れ
   ば反則にならない。
  Eしゃがみが平行以上で浅いこと。平行は失敗。
  Fレフリーの合図後担いだバーの位置がずれること。但し、バーの直径又は厚み(28o〜29
   o)の範囲まで許されるが、三角筋上端より3p以上下がった場合は反則となる。
  G試技開始、終了のレフリーの合図の間に補助員がバーに触れること。
  Hバーをラックに戻す努力を怠った時。
  I試技中に肘が多少、大腿部に触れても、それが選手にとって有利に導くことでない限り許
   される。
  Jこの反則行為の項目以前に書かれている一般的要求に対して応じなかった場合。

★ベンチプレス(Bench Press)
1.ベンチ台はプラットフォームの上に置き、その前面はチーフリフリーの方を向いていること。
2.リフターは頭部、両肩、両臀部がフラット・ベンチの面に接触するよう仰臥しなければなら
  ない。バーは両手共に“サム・アランドグリップ”で握り、手掌面でバーを安全確実に保持
  しなければならない。両足は床面につけていること。試技中はこの姿勢を保っていなければ
  ならない。
3.リフターの服とベンチ台の色が似通うなど、レフリーが臀部の浮きを判定しにくいと思う時
  は、ベンチ台にカバーをつけても良い。
4.靴底を床面にしっかりとつける目的で、プレートや板等をプラットフォーム上に置いても良
  い。但し、プラットフォーム床面より高さ30pを超えてはならない。また、板等を使用す
  る場合には、板の大きさは、縦横とも45p以内のものとする。(国内では一枚板を使用して
  も良い)
5.2人以上4人以内の補助員を置かねばならない。補助員がバーをラックから外すのを手伝う
  ときは、リフターが腕を伸ばした状態までとする。
  リフターはラックからバーを外す場合、両手両指でしっかり握っていなければならない。
  (補助員からそっくり受け取る式は不可)
  ラックからバーを外すのは補助員とする。但し、補助員の技術がリフターの使用重量に見合
  わない場合、陪審員の判断により、大会役員の中から特別に補助員として選出することがで
  きる。
6.バーの握り幅は、左右の人差し指間で最大81pとする。
7.バーをラックから外した後、リフターが肘を伸ばしてチーフレフリーの合図を待つ。リフタ
  ーの動きが止まってバーが適当な位置になったときに合図が出される。
8.合図とは、手を振り降ろしながら「スタート」と言う動作である。
9.リフターは合図を聞いて、バーを胸の位置まで降ろし、バーを一旦静止させ、バーを押し上
  げる。リフターは肘を伸ばした状態までバーを押し上げ静止する。チーフレフリーは、リフ
  ターの肘が完全に伸びきり静止したのを確認して「ラック」と言う。
10.チーフレフリーは耳の聞こえないリフターには目の前で大きな動作で合図し、目の見えない
  リフターには大きな声で合図を送る。

◎ベンチプレスにおける反則行為
  @レフリーの合図前に試技を開始したり、ラックにバーをもどすこと。
   (スタートの前に誤ってバーを胸上や腹部に落とした場合も失敗)
  A試技中に肩、臀部、足、手の位置が始めの位置からずれること。頭は必ずしもベンチ台に
   つけなくてもよいが、選手は頭を浮かせないよう努力すべきである。
   足(靴底)は靴の外側であれば浮いても構わないが、つま先や踵が浮いてはいけない。又、
   浮きの度合いは“90度まで可とする”という報告もあるが、実際、世界選手権大会など
   かなり厳しい判定をされることもあり、むしろ国内対応は45度(5p程か=実際90度
   の場合、つま先や踵は完全に浮いていることになる)くらいにする。
   又、靴(足裏)の踏ん張った時の滑りは、縦、横共靴の半分程度までとする。
   とにかく、世界選手権大会では、どんな判定をされるか分からないので、靴も浮かないよ
   うに、縦横の滑り(ずれ)もないよう十分注意すること。⇒日本選手には特に厳しい!
  Bバーを静止した後に、胸上ではずませたり、沈めたりさせながら挙上すること。
  Cバーが傾くこと。但し、多少の傾きは反則とはならない。(極端な傾きは失敗とみなす。選
   手はバーが傾かないよう努力すべきである)
  D挙上途中にバーが下がること。
  E挙上完了時、腕が完全に伸びきっていないとき。(左右バラバラにフィニッシュしてはいけ
   ない)フィニッシュがきちんと決まるよう挙上できるようにする。
  F試技開始、終了のレフリーの合図の間に補助員が選手の身体又はバーに触れること。この
   場合、レフリーがこれを意図的な行為でないと判断した場合、同重量でラウンドの最後に
   再試技をすることができる。
  Gリフターの足がベンチ台やベンチ台の支柱に触れること。
  H試技中、わざとバーをスタンドに触れ試技を有利に導くこと。挙上途中でスタンドに触れ
   下がった場合も反則となる。
  Iバーを握った指と指の間が81pのマーク以外にあること。但し、過去に怪我をしたり手
   術などで両手がバーの決められた範囲内で握ることが出来ない選手は、試技前に各レフリ
   ーにその旨を申告しなければならない。必要であれば、自分の握る位置を知らせておく。
  Jリバースグリップは禁止する。
  Kこの反則行為の項目以前に書かれている一般的要求に対して応じなかった場合。

★デッドリフト(Dead Lift)
1.バーはリフターの前に水平に置く。リフターは、バーを両手で握り1回の連続動作で、完全
  な直立姿勢まで引き上げる。手幅は自由とする。
2.リフターは、プラットフォームの正面を向かねばならない。
3.引き上げが完了したとき膝は良く伸ばされ、肩は後方に返さなければならない。
4.レフリーは、リフターの試技が完了したら「ダウン」というと共に片手を振り降ろして合図
  を送る。バーが完全に静止しリフターが試技完了姿勢をとった時に合図が送られる。試技開
  始の合図はない。リフターは自分のタイミングで試技を開始する。
5.床に置いてあるバーが少しでも浮いたり、引こうと努力しても浮かなかった場合、これを1
  試技とみなす。従ってこの試技は失敗とされる。

◎デッドリフトにおける反則行為
  @引き上げ途中にバーが下がること。
  A引き上げ完了時に肩が後方に返っていないこと。(反り返るということではなく、直立姿勢
   で胸を張り、肩が返っていればよい)
  B引き上げ完了時に膝が伸びていないこと。
  C引き上げ途中バーを大腿部で支えること。(膝を前に突き出して、バーを大腿部に乗せ、滑
   らせてフィニッシュに持ち込んではいけない)
  D足が前後左右にずれること。(バランスの関係で、つま先や踵が浮くことは反則ではない)

  Eバーを戻すとき、両手でコントロールしてプラットフォームに置かなかったとき。(故意に
   バーを落としてはならない)
   「ダウン」の合図後でも、手を滑らせてバーを落とした場合は失敗となる。但し、引き上
   げ完了時の姿勢で、握っている手のひらの中でバーが多少下がっても反則とはならない。

 ※引き上げ完了姿勢とは、選手がまっすぐ立ち、両膝は良く伸ばされ、両肩が後方に返った姿
  勢をいう。

      
★検   量
1.検量は競技開始の2時間以上前に始めてはならない。選手は全員検量を受けなければならな
  い。検量には各クラスのレフリー3名が立ち合う。(但し、人数・体育館使用時間の関係から
  検量時間を短縮することは可能である)
2.検量時間は1時間半とする。(競技開始が10時の場合、検量は8時から始められ、9時30
  分で終了となる。この時間内に検量を合格しない場合、リフターは国内においては、オープ
  ン参加となり、表彰の対象から除外される)
3.検量はロッカールームで行い、リフター、コーチまたはマネージャーと3名のレフリーだけ
  しか検量室に入れない。選手の体重は各クラスの検量が終了するまで公開してはならない。
4.リフターは全裸、もしくは体重を変化させないような最小限の下着をつけて検量する。
  (メガネや装飾品、その他不要なものは、はずしておくこと)
  下着に関して問題があると思われる場合は、全裸での再検量の要求が行われる。
  リフターが女性の場合は、女性のレフリーによる検量を行う。どうしても、女性レフリーが
  いない場合は、Tシャツ・短パン等で計り、後でこれらの重さを差し引いた数字を検量体重
  とする。
5.流れとしては、検量→コスチュームチェックと順番に行う方法が良い。つまり、受付を済ま
  せ、検量室で体重を計り、合格後、隣の部屋でコスチュームチェックを受ける。(その時大会
  記録カードに必要事項を記入し、3種目(1種目)のスタート重量を書き込み、コスチュー
  ムチェック係の横の担当者にカードを渡す)
  技術委員と指名レフリーはリフターの服や用具を全て検査し、コスチュームチェック用紙に
  リフターがプラットフォームで使用するものを全て記入する。検査に立ち合った役員は、プ
  ラットフォーム上で使用しているリフターのコスチューム等が、検査時と変わっていないか
  確認する。
6.検量順はクジによって決める。リフターが多くコスチュームチェックが検量時間内に終わら
  ないと判断される場合は、検量開始1時間前からコスチュームチェックを開始しても良い。
  各選手のクジ番号は、競技会の間中有効で同重量を申し込んだ場合、クジ番号の若い方が先
  に試技を行う。(国際大会)
7.リフターは1回しか検量できない。(1回検量をパスした場合再検量は行わない)但し、出場
  申込クラスより重い、または軽い場合のみ再検量出来る。1時間半の検量時間で体重調整が
  出来なかった場合は、申込クラスに出場することは出来ない。(オープン参加)
  国際大会の場合再検量は、各クラスのリフターが全員検量を終えてから行う。
  リフターは検量時間内であれば、クジ順に何度でも再検量出来る。
  検量場所に来ていたにも関わらず、検量者が多いため検量時間内に検量が出来なかった場合
  には、レフリーの判断により1度だけ再検量が出来る。
8.リフターは申し込み階級に出場しなければならない。
  しかし、国際大会では申込用紙に記載されている階級の上または下の階級に変更できる選択
  権がある。もし、リフターがこの選択権を実行したい場合はリフター自身が、最終的に選択
  する階級の検量開始時間の10分前までに、検量室のチーフレフリーに申し出なければなら
  ない。
  もし、リフターが重い方の階級への変更を希望していた場合、元に登録されていた軽い階級
  のチーフレフリーにも、その階級の検量が始まる10分前までに報告せねばならない。
  もし、リフターが階級変更を行う際、既にクジ引きが行われていた場合、リフターはクジ引
  きの先頭に並ぶ。
  もし、リフターの移動した階級が、人数のため2つのグループに分かれていた場合、その階
  級でかつて12ヶ月の間に国内もしくは国際大会でのトータル記録の証明を持っていない限
  り、リフターは自動的に最初のグループに入れられる。

  例1:90s級にエントリーされているリフターが、82.5s級へ変更したいとき。
     82.5s級の検量が始まる10分前までに、その階級のチーフレフリーにリフター自身
     で申し出を行う。
  例2:90s級にエントリーされているリフターが、100s級へ変更したいとき。
     90s級の検量が始まる10分前までに、90s級のチーフレフリーに100s級へ移動
     したいので、ここでは検量を行わないことを申し出る。その後100s級の検量が始まる
     10分前までに100s級のチーフレフリーにリフター自身が申し出る。

9.検量時、体重計に1枚であれば、ティシュペーパーを敷いて体重を計っても良い。
  (世界選手権大会では大会主催者が用意している)

  リフターは通常の体重を知っておくのは、選手自身の責任である。
  最終申込用紙に記載されたエラーについてのクレームは受け付けられない。

★国内大会では
(a)いかなる場合においても大会出場申込締切日を過ぎての出場申込をしたリフターは、オー
   プン参加扱いとして順位の表彰の対象からは、はずれるものとする。
 注意:各種大会主催者は、それぞれの大会開催要項の中に必ず出場申込締切日を明記することを
    義務づけるものとする。
(b)大会出場申込締切日前に申し込んだ階級を、締切日を過ぎて変更した場合(大会当日の検
   量で合格しなかった場合を含め)オープン参加扱いとなり、順位の表彰の対象からは、は
   ずれるものとする。
 注意:オープン参加扱いとなったリフターが樹立した世界記録及び日本記録(3種目及びトータ
   ル)は公認記録としては認められる。
   但し、そのリフターの体重がその階級の制限体重内であること。

10.祭典、友好試合などでは、各国の合意により競技開始2時間以上前に検量を行っても良いが
  世界記録に挑戦するリフターがいる場合には、そのリフターは競技開始2時間前から検量を
  始めなければならない。
11.複数の選手が検量時の体重とトータル記録が同じであった場合、先に記録を出した選手が上
  位となる。3種目の種目別表彰も同様とする。(新記録の認定も同様)
  トータルが同じでも、検量体重が違う場合は、より軽い選手が上位となる。
12.リフターは、スクワットラックの高さ、ベンチラックの高さ、足板の有無、ベンチプレスの
  ラック出しが必要かどうか(必要な場合センターヘルプかサイドヘルプ)を競技開始前にチ
  ェックしておかなければならない。
13.大会主催者は、2セッション以上設けなければならないほど、人数が出場している大会では
  セッションごとの検量を行わなければならない。
  特に、世界選手権大会予選になっている大会では、検量はもとより、進行についても、ラウ
  ンドシステムでスクワット→ベンチプレス→デッドリフトと一気にローテーションしなけれ
  ばならない。
  JPAの旧方式:朝全員検量→午前中全員スクワット→昼休み→午後全員ベンチプレス
          →夕方デッドリフトの方式ではいけない。
  但し、学生大会などは事前に報告があれば旧方式でも可とする。

★検量計
1.特に指定したメーカーはないが、分銅式・デジタル式等計測しやすい検量計を使用すること。
  家庭用ヘルスメーターは不可。
2.大会では3年以内に検定で合格した検量計を使用すること。この検査合格日は「公式競技会
  認定申請書」に必ず記入すること。無記入の場合は大会を公認しない。
3.検量計は50グラムの単位まで計測できるものが望ましい。中にはデジタル式で20グラム
  或いは10グラムの単位まで計測できるものもあるが、特に問題はない。
4.ベストリフター等、フォーミュラーの計算は100グラム単位となっているが、50グラム
  の場合、或いはそれより細かい単位の時は、四捨五入等で計算すること。特にリフター同志
  競っている場合は、厳密に計算が必要となる。
5.宿泊を要する大会では、大会で使用する検量計と同じ、検量計をメインホテルに設置しなけ
  ればならない。

        
競技実施方法

1.ラウンドシステム
(a)検量時にリフターまたはコーチは、3種目(1種目)のスタート重量を申請しなければな
   らない。申請は、試技カードの第1試技の所に書き、リフターまたはコーチはサインをし
   検量を行っている所の役員に渡す。
   試技カードを使用する大会では(国内においては、試技カードについては今の所強制はし
   ない。リフター1人で大会に参加していてセコンドがいない場合がある為。今後、全日本
   クラスの大会で使用が義務づけられる可能性がある)リフターは13枚のカードを渡され
   る。4枚はスクワット用、4枚はベンチプレス用、5枚はデッドリフト用とする。このカ
   ードは、3種目別の色を使う。
   ベンチプレス大会など、シングル大会の場合は4枚のカードを使う。
   第1試技を終えたリフターは、リフターまたはコーチが第2試技の重量を指定された場所
   に書き込み、指定役員に1分以内に渡さねばならない。
   同様に3種目共行う。
   次の試技の申請をこの制限時間内に行うことは、リフターやそのコーチの責任の元で行う。
   リフターが持っている試技カードの第1試技の枠(BOX)は、第1試技の変更申請があ
   った時の為に使用される。同様にデッドリフトの4番目と5番目の枠は、デッドリフトの
   第3試技の変更申請(2回まで)があった場合に使用される。
   試技カードを使用しない大会では、口頭で試技終了後、1分以内に指定役員に次の試技重
   量を申請しなければならない。この時、指定役員は申請を受け付けるのみで、リフターに
   次の試技の重量を尋ねる必要はない。

※カードの色は何色でも良い。3種目別の色を使うこと。
(b)1つのセッションに10名以上のリフターがいる場合、ほぼ同数になるよう2つのグルー
   プに分けても良い。しかし、1つのセッションに15名以上リフターがいる場合には必ず
   分けなければならない。1つのセッションは単一クラスで構成してもいくつかのクラスで
   構成しても良い。これは大会主催者の裁量にまかされる。
(c)1クラスを2グループ以上に分ける時は、過去12ヶ月以内に国際または各国全国大会で
   出した各リフターのベストトータルを基準にする。
   トータルの低いグループを最初に持ってくる。
   過去12ヶ月以内に記録のないリフターは自動的に最初のグループに入る。
   国内においては、大会主催者の裁量にまかせられるが、全日本男女選手権大会等はランキ
   ング等を基準に、グループ分けをするよう配慮されるべきである。
(d)各リフター共、第1試技は第1ラウンドで、第2試技は第2ラウンドで、第3試技は第3
   ラウンドで行う。
(e)リフターが6名未満の場合、各ラウンド間に次の準備時間を設ける。
   但し、3分が最大となる。
   5名⇒1分  4名⇒2分  3名⇒3分
   この場合、最後の試技者が終了し、定められた時間そのままにし、放置時間終了後、直ち
   にプレートの付け直しがあり、チーフレフリーからの合図で通常の1分ルールとなる。
(f)同一ラウンドでは、1度加重した重量を下げることはできない。但し(i)に従い、その
   ラウンド最後に重量を下げて再試技をしても良い。
(g)各ラウンドでは、軽い重量を申請したリフターから順に試技を行う。同一重量を試技する
   リフターが2名以上いる時は、検量時のクジ番号の若い者から先に行う。
   国内では、検量体重が軽い者が先に試技をしてきたが、同体重の場合もある為、ゼッケン
   ナンバーの若い順に行う。
(h)試技に失敗した場合には、次のラウンドまで試技をすることは出来ない。
(i)重量に誤りがあった場合や補助にミスがあった場合には、申請していた重量でそのラウン
   ドの最後に再試技できる。
   重量間違いがあったが、試技がまだ行われていない場合、リフターはその場で試技を行う
   か、ラウンドの最後に行うか、選択することができる。
   リフターがそのラウンドの最後のリフターであった場合は、3分間の猶予が与えられる。
(j)各種目共スタート重量は、1回だけ申請重量の変更が認められる。但し、第1グループの
   者は、競技開始の5分前までに、第2グループ以降のものは、前のグループの第3ラウン
   ド残り5試技までに申し出なければならない。この時刻は、放送で知らせなければならな
   い。もし、放送がなかった場合は上記以後でも変更できる。
(k)各リフターは、各試技終了後1分以内に次の重量を申請しなければならない。1分以内に
   申請がない場合は、自動的に次の重量が決定される。
   成功試技の場合⇒自動的に2.5sアップした重量で試技することになる。
   失敗試技の場合⇒自動的に失敗した重量(同重量)で試技することになる。
   特別試技も第3試技終了後1分以内に申請すること。
(l)3種目共、第2試技の変更はできない。スクワットとベンチプレスでは、第3試技も変更
   できない。
(m)デッドリフトでは第3試技において、2回まで申請重量を増減してもよい。但し、アナウ
   ンサーが重量を放送する前でなければ変更は認められない。
(n)1つのセッションにグループが1つしかない場合。すなわち、リフターが14名以下の場
   合は、各種目間は10分以上15分以内の休憩を取るものとする。これは、用具のセット
   とリフターのウォーミングアップの為である。
(o)1つのセッションに2,3のグループ分けがある場合は、用具のセットの為以外の中断は
   してはならない。
   例えば、2グループが1つのセッションに入っていた場合、第1グループがスクワットを
   3ラウンド行い、続いて第2グループがスクワットを3ラウンド行う。
   スクワット終了後、直ちにベンチ台をセットし、第1グループがベンチプレスを行い、続
   いて第2グループが3ラウンド行う。
   ベンチプレス終了後、直ちにデッドリフトをセットし、同様に第1、第2グループがデッ
   ドリフトを行う。
   このように、プラットフォームに試技に必要な用具を揃える以外の休憩時間は取らない。

【スクワット】                     ⇒【ベンチプレス】⇒【デッドリフト】
第1グループ          第2グループ    スクワットと同様に      と進む

第1ラウンド  
   ↓
第2ラウンド
   ↓
第3ラウンド
    →   
第1ラウンド  
   ↓
第2ラウンド
   ↓
第3ラウンド

第2グループはスクワット
のウォーミングアップ

2.大会主催者は次の役員をおく。
(a)アナウンサー
(b)タイムキーパー(公認レフリーが望ましい)
(c)進行係
(d)記録係
(e)補助員
   その他、医師等必要と思われる役員を指名しても良い。


★各役員の仕事
(a)アナウンサー
   競技会がスムーズに進行するよう努める。アナウンサーは、大会を盛り上げると共に、重
   量、記録、次のリフター(3〜5人位)の名前など必要事項を適時放送する。(実況中継と
   なり、関係者・観客に進行がわかるよう努める)
   バーに重量がセットされ、リフターが試技できる状態になり、チーフレフリーが、アナ
   ウンサーに合図を送った後(この時チーフレフリーは挙手をして“バー・イズ・ローデッ
   ド=重量がセットされましたの意”と発声)アナウンサーは時計をスタートできることを
   放送(“バー・イズ・ローデッド”と発生)し、リフター紹介をする。(国内においては、
   チーフレフリーの発声は強制としないが、必ず重量の確認をし、アナウンサーへ挙手の合
   図をすること)アナウンサーは、重量・階級・リフターの名前・所属・その他必要事項を
   放送する。
   国内では、アナウンサーは「タイムスタート」とか「バーイズローデッド」と発声するか
   挙手・指差しのアクションで時計係に合図を送っても良いとする。

(b)タイムキーパー
   チーフレフリーが“バー・イズ・ローデッド”の発声(又は挙手)をアナウンサーへ合図
   し、アナウンサーが「バーイズローデッド」と発生した時からリフターが試技を開始する
   までの時間を正確にはかる。
   その他必要な時間をはかる。例えば、試技を終えたリフターは、30秒以内にプラットフ
   ォームを離れねばならないなど。
   時計を一旦動かし始めたら、制限時間が来た時、リフターが試技を始めた時、チーフレフ
   リーの指示があった時だけ止める。従って、リフター、コーチは、ラックの高さなど、コ
   ールされる前に確認しておかねばならない。一旦チーフレフリーが挙手をし、時計が動き
   始めたら1分以内にラックの調整をしなければならない。つまり、主催者側にミスがない
   限り、途中で時計を止めるということはない。
   リフターはコールされてから試技を開始するまで、1分間の猶予が与えられる。リフター
   が試技を開始したら時計を止める。
   1分以内リフターが試技を始めなかった場合、タイムキーパーは時間を知らせ、チーフレ
   フリーは“ラック”と発声する。リフターの試技は失敗となる。
   リフターの試技開始は種目によって異なり、スクワット→チーフレフリーの「スクワット」
   の合図、ベンチプレス→チーフレフリーの「スタート」の合図、デッドリフト→リフター
   の引き始めた時とする。
(c)進行係
   リフターやコーチから次の試技の重量を聞き、アナウンサーに伝える。リフターは試技終
   了後、次の重量を申請するまで1分間の猶予が与えられる。(判定が出た時から1分間)
(d)記録係
   競技の進行を正確に記録する。競技終了後は、公式記録表、記録認定申請書、その他必要
   な書類に3人のレフリーのサインをもらう。
(e)補助員
   バーに重量を正しくセットする。スクワットラック、ベンチラックの高さをセットする。
   チーフレフリーの要請に従って、バーやプラットフォームを清掃する。(補助員独断では行
   わない)常にプラットフォーム上がきれいな状態に保つ。
   プラットフォーム上には、常に2人以上5人以下(ベンチプレスの時は4人以下)の補助
   員がいること。
   リフターがラックからバーをはずす時と戻す時は、補助しても良い。リフターが実際に試
   技をしている時は、バーやプレートに手を触れてはならない。すなわち、試技開始の合図
   と終了の合図の間は、バーやプレートには手を触れてはならない。但し、明らかに危険と
   思われる時、怪我の可能性があるときは、リフター又はチーフレフリーの要請により、バ
   ーを持ち、選手を助ける。その時、なるべくリフターの身体に触れることなく、バーやプ
   レートを持ち補助できることが必要である。
   明らかに補助員だけのミスで、試技を失敗と判断されたリフターは、チーフレフリーの指
   示によりそのラウンドの最後に再試技を認められる。

 ※補助員の出来次第で大会の時間短縮や盛り上がりに繋がるものであり、リフターが大会の為
  に身体を鍛え、重量の挙上にチャレンジするように、補助員も常日頃、身体を鍛え、又プレ
  ートの付け替え、つぶれたリフターを助ける練習等が必要になる。
 ※早い補助をする為には、チーフ補助員(プラットフォームマネージャー)が2〜3人先のリ
  フターの重量・ラックの高さ等を把握し、又、プレートの付け方を一瞬にして指示できるよ
  う準備しておく。

3.世界大会などの国際競技会の申込みをするときは、過去12ヶ月以内に出たベストトータル
  を日付、大会名と共に記入する。
4.競技会の間、プラットフォーム周辺やステージに上がれるのは、リフター、コーチ、陪審員
  レフリー、補助員のみである。
  競技の間、プラットフォームに上がれるのは、リフター、補助員、レフリーのみであり、コ
  ーチは陪審員又は技術委員会が決めたコーチングエリアにいなくてはならない。
5.リフターはプラットフォーム付近で、ラップを巻いたり、リフティングスーツの調整をして
  はならない。但し、ベルトだけは許される。
6.クラスの違う2人のリフターや、2国間の国際競技会では、最初に軽い重量を申請したリフ
  ターが先に試技を行い、交互に試技を行うものとする。従って、重量選択によっては、最初
  に行ったリフターの方が重い重量を次に申請することがあっても順番を変えない。
  すなわち、その種目が終わるまでは、順番を変えないものとする。
7.IPF(JPA)公認競技会では、重量は常に2.5sの倍数である。重量のアナウンスは
  キログラムで行われる。

★例  外
(a)新記録に挑戦する場合は、現在の記録より少なくとも500g以上必要である。この記録
   挑戦の試技は、競技中の通常の試技、もしくは、ラウンド後の4試技目で行われなければ
   ならない。
(b)競技会で新記録挑戦の為に2.5sの倍数でない重量を申請し、これに成功した場合は、
   2.5sの倍数がトータルに加算され、記録は実数の重量が公認される。
   例えば、リフターが333sの新記録に挑戦し、これに成功した場合、332.5sがト
   ータルに加算され、333sは新記録として公認される。
(c)リフターの記録挑戦の試技は最小500gの増加とする。
   例えば、現状の記録が100sである場合、リフターは以下の試技を行える。

  第1試技   第2試技   第3試技     第4試技
  100s   101s   101.5s   102s
  もし、第2,3,4試技が成功した時、競技会でのトータルに加算する記録は100sで
  あり、102sは新記録である。
  第3試技に成功していないと第4試技(特別試技)は行うことができない。

8.チーフレフリーだけに重量のつけ違いや放送席に誤りがあった場合の判断が任される。チー
  フレフリーの決定は放送席に知らせる。

★重量に誤りがあった場合
(a)申し出た重量より軽く試技が成功であった場合、リフターの希望で、その試技を有効とし
   ても良い。
   試技が失敗であった場合は、その試技を無効として、最初に申請した重量で再試技ができ
   る。再試技はそのラウンドの1番最後に行うものとする。もし、そのリフターが最後の試
   技者であった場合、連続試技の為、3分間の猶予を与えることができる。
(b)申し出た重量より重く成功した場合リフターは、それを有効とすることができる。この時
   次のリフターが間違った重量よりも軽い重量を申請していた場合、バーの重量を下げても
   良い。
   失敗した場合は、最初に申し出た重量で、そのラウンドの1番最後に再試技できるものと
   する。
(c)バーの左右の重量が違ったり、バー、プレートに異常があったり、プラットフォームに不
   備があり、しかも試技が成功した場合、リフターはその試技を有効とすることができる。
   失敗した場合は、そのラウンドの1番最後に正しい重量で再試技できる。
   もし、成功した重量が2.5sの倍数でない時は、一番近い2.5s単位に切り捨てた重
   量がスコアシートに記録される。
   失敗した場合は、そのラウンドの1番最後に正しい重量で再試技できる。
(d)放送のミスで重量に間違いが起こった場合、レフリーは重量のつけ間違いと同様の決定を
   下す。
(e)しかるべき理由で、リフター又はコーチがプラットフォームの近くにいられず試技が失敗
   となった場合や、放送ミスでコールされなかった場合には、そのラウンドの1番最後にリ
   フターの申し出た重量で試技ができる。

9.3試技とも失敗した場合には失格となる。
10.バーをラックからはずす時以外は、リフターは補助員の助けを借りてはならない。
11.試技終了後、リフターは30秒以内にプラットフォームの外へ出なければならない。これを
  怠るとレフリーの裁量でその試技を失敗としても良い。
12.競技会中にリフターが怪我をした場合、オフィシャルドクターは、診察する権利を持つ。競
  技続行不能と判定した場合は、陪審員と相談しリフターに試技を中止するよう要請できる。
  この決定は、チームマネージャーまたはコーチに公式に通知する。
13.リフター・コーチがプラットフォーム付近で、スポーツを汚すような行為をした場合、公式
  に警告が与えられる。この行為が改めなかった場合は、陪審員又は陪審員がいなかった場合
  は、レフリーがリフターを失格とし、リフター又はコーチを会場から退出させることができ
  る。この警告、失格などは、チームマネージャーまたはコーチに公式に通知する。
14.国際競技会でレフリーの判定、競技進行、競技会に参加している人などに対して不満、抗議
  がある場合は、文書をもってチームマネージャーが陪審員長に提出する。これに対しては直
  ちに処理を施さねばならない。
  抗議等の内容で審議が必要な場合は、陪審員は競技の進行を中断し、審議の為退席する。審
  議の結果がまとまり、判定が出たら陪審員席に戻り判定の結果を通知する。陪審員の判定は
  最終のものであり、更にどこかに訴える権利はないものとする。
  中断された競技を再開する場合、次のリフターの試技開始までに3分間の準備時間が与えら
  れる。
  不満などが他のチームの選手や役員にあった場合、抗議文書とともに50ポンド(或いは、
  これらに相当する各国通貨)を提出しなければならない。陪審員がその抗議を受け入れられ
  ないと判断した時は、陪審員の判断により全額、或いは1部をIPFに没収する。
15.明らかにレフリーの判定ミスがあった場合、陪審員とレフリーの協議により、判定を覆すこ
  とができる。
16.国内にかぎってのみの特例として次の事を認める。
(a)スクワット種目に限ってのみAリフターが、その試技中につぶれたか、或いはアクシデン
   ト等によってバーそのものが、プラットフォームの床に落下したような事態が発生した場
   合に限って、次の準備をしていたBリフターに限ってのみ、そのラウンドの1番最後にも
   う一度最初に申し出た重量で再試技ができる。又、そのBリフターがそのラウンドの最後
   のリフターであった場合は、連続試技の為、3分間の猶予が与えられる。
(b)上記(a)が適用された場合、Bリフターの次のCリフターの順番はAリフターの次にな
   ることを放送にてCリフターに知らせなければならない。そして、Cリフターに対しての
   み、器具係が正しく申請重量をセットしなおしてから3分間の猶予が与えられる。
(c)Aリフターにアクシデントが起こっても、特に(a)及び(b)の特例をBリフター、C
   リフター共に希望しない場合は、この限りではない。

       
ベンチプレス選手権大会(種目別大会)のルール

1.第3試技目は2回の変更が認められる。この変更はデッドリフトのラウンドシステムのもの
  と同じである。
2.試技カード(使用する場合)には、1,2,3,試技用の枠の他に、2回の変更用の2ヶ所
  の枠が必要である。
3.ベンチプレス世界記録の更新は、従来の世界記録より500g以上、上回った時のみ認めら
  れる。500g未満の端数は切り捨てとなる。第4試技は、第3試技が成功しており、その
  時点での世界記録まで20s以内の時に認められる。但し、陪審員の判断により、却下する
  ことができる。日本記録についても同様とする。従って、特別試技を申請する場合は陪審員
  に申請する。
  ベンチプレス世界記録は、世界ベンチプレス世界選手権大会以外でも条件が合う場合(レフ
  リーが3人とも国際審判員であること、公認のシャフト・プレートであること、ドーピング
  検査で陰性であること)公認される。

      
レフリー(REFEREES)

1.レフリーは3名からなる。チーフレフリー1名(主審)、サイドレフリー2名(副審)
2.チーフレフリーは3種目の合図を行う。
3.3種目の合図は次の通りである。

種   目 開   始 終   了
スクワット 片手を上から下へ振り下ろし
「スクワット」と言う
両手を前から後方に引き
「ラック」と言う
ベンチプレス 片手を上から下へ振り下ろし
「スタート」と言う
両手を前から後方に引き
「ラック」と言う
デッドリフト なし 片手を上から下へ振り下ろし
「ダウン」と言う

4.バーがラックやプラットフォームに置かれ、試技終了の合図の後、レフリーは判定を下す。
  『成功』は白ランプ(旗)、『失敗』は赤ランプ(旗)とする。
5.3人のレフリーは各3種目が判定しやすい位置に椅子を移動させても良い。椅子から降りた
  り、立ったまま判定してはいけない。(やや離れた位置から全体を見ながら判定すると良く見
  える)
  但し、チーフレフリーはスクワットとデッドリフトの時、選手に合図が良くわかる位置にい
  なくてはならない。
  更に、障害のあるリフターには3種目共、良くわかる合図をしなければならない。
6.競技開始前にレフリーは、次の事を確認しておく。
(a)プラットフォーム、競技会用具がルールに適しているか。バーやプレートが揃っているか
   または不要のものはないか。
(b)体重計は正確であるか。
(c)選手が各クラスの制限時間内にそのクラスの体重になっていたか。
(d)選手の服装、用具がルールにあっているか。
7.競技会中レフリーは次の事を確認しておく。
(a)放送された重量とバーの重量があっているか。
   この確認のためレフリーは重量表を作成しても良い。
(b)プラットフォーム上の選手のユニフォームが、チェック時のものと同じかどうか。もし選
   手のユニフォームで不審な点を見つけたら、そのレフリーは、試技終了後にチーフレフリ
   ーに知らせ、3人のレフリーで服装や用具の再検査を行う。もし、選手がコスチュームチ
   ェックに提出した以外の服装や用具を身につけていた場合、直に失格となる。
(c)Tシャツの袖がまくれ上がったりしていないか。又、裏返しでないか。
(d)ラップの巻きの長さがルールの範囲を超えていないか。
(e)リストラップの親指ループが指に引っかかっていないか。
  ※リストラップの幅⇒8p以内  長さ⇒1m以内(ワッカタイプも同様)
8.各3種目の試技開始の合図前にリフターに反則行為が見られた場合、サイドレフリーはチー
  フレフリーに手を挙げて知らせる。(但し、全日本選手権大会以外の大会では、陪審員及びレ
  フリーが試技前の反則行為を発見した場合、口頭或いはゼスチャーでリフターに知らせても
  良い)
(a)3名のレフリーのうち、2名が同意したとき、チーフレフリーは試技開始の合図を送らな
   い。
(b)チーフレフリーが反則行為を見つけた場合、チーフレフリーは手を挙げない。(サイドレフ
   リーの様子を伺う)サイドレフリーが1名以上同意した時のみ(a)のように試技開始の
   合図を送らない。5秒たっても選手の姿勢が修正できない時は「リープレイス」と言って
   一旦バーをラックに戻し、やり直しさせる。
   例えば、ベンチプレスでリフターの肘がまがっている場合、チーフレフリーがそれを発見
   した時、両サイドレフリーの様子を伺って、どちらかのサイドレフリーの手が挙がれば、
   競技開始の合図を送らない。しかし、両サイドレフリー共、手が挙がらなかった場合、競
   技開始の合図を送り、チーフレフリーは判定の時に『赤』を入れれば良い。
※リフターとそのコーチは試技開始の合図がない理由を知る権利がある。陪審員はその理由を
 伝える義務がある。リフターは時間(1分)以内であれば、バーや姿勢の位置を直し、試技
 開始の合図を待つ。いったん試技開始の合図があった後は、サイドレフリーはたとえ反則を
 見つけても手を挙げて知らせてはならない。
 同様に、その試技が失敗と判定された理由について、リフター本人或いはコーチが陪審員に
 尋ねることができる。但し、次のリフターの試技が開始される前でなければならない。
9.競技開始前次の事を確認し、反則を発見したらサイドレフリーはチーフレフリーに手を挙げ
  て知らせる。
★スクワット
(a)膝が曲がっていないか。
(b)バーの担ぐ位置が低すぎないか。(三角筋の上端から3pより低く担いではならない)
(c)15度以上、上体が前傾していないか。
(d)両手でしっかりバーを握っているか。(サムレスグリップは可)
(e)チーフレフリーがサイドレフリーの意向に同意したら、スタートの合図を送らない。5秒
   たっても選手の姿勢が修正できない時は「リープレイス」と言って、一旦バーをラックに
   戻し担ぎ直させる。
★ベンプレス
(a)肘が曲がっていないか。
(b)両手でしっかりバーを握っているか。(サムレスグリップ、リバースグリップは禁止)
(c)肩、臀部がベンチ台から浮いていないか。
(d)つま先、踵が床や足台から離れていないか。
(e)足がベンチラックに触れていないか。
(f)チーフレフリーがサイドレフリーの意向に同意したら、スタートの合図を送らない。5秒
   たっても選手の姿勢が修正できない時は「リープレイス」と言って、一旦バーをラックに
   戻し持ち直させる。
10.レフリーは競技の進行に関係する文書(口頭も含む)を受け取ったり批判してはならない。
11.レフリーは、他のレフリーの判定に影響を与えるような行為をしてはならない。
12.チーフレフリーは、競技進行がスムーズに運ぶよう、サイドレフリー、陪審員、その他の役
  員の意見を聞いても良い。
13.競技終了後3人のレフリーは、公式記録表、記録認定証、その他の必要な書類に署名を行う。
14.国際的な競技会では、技術委員会がレフリーを決める。
  レフリーはレフリーカード(国際または国内)を提示する。
15.国際競技会ではどのレフリーがどのクラスを担当するかは抽選で決める。2ヶ国以上の競技
  会では、同じクラスに同じ国のレフリーが重ならないようにする。
16.チーフレフリーを選ぶとき、他のクラスでサイドレフリーを務めるレフリーを選んでも良い。
17.世界大会では、国際1級、国際2級レフリーだけが、レフリーを務めることができる。
  (国内では1級、2級、3級)
  世界大会では、各国は3名までレフリーを出すことができる。
18.レフリーと陪審員は、次の服装を着用する。
  男子⇒冬・・・濃紺ブレザーを着用し、左胸に純正IPFワッペンを付ける。
         ズボンはグレー、シャツは白、純正IPFネクタイをする。
     夏・・・白シャツにグレーのズボン。ネクタイは任意とする。
  女子⇒冬・・・濃紺ブレザーを着用し、左胸に純正IPFワッペンを付ける。
         グレーのスカートまたはズボン。シャツ又ブラウスは白。
     夏・・・グレーのスカートまたはズボン。シャツ又ブラウスは白。
  IPFワッペンとネクタイは1級審判員は『赤』、2級審判員は『青』とする。
  国内ではIPFに準じた服装とし、ブレザーにはそれぞれの級で色分けされたバッジを付け
  る。JPAで指定されたポロシャツの着用は可。ポロシャツの色は1級審判員は『紺』、2級
  審判員は『青』、3級審判員は『白』とする。
19.国際2級レフリーの認定
(a)国内において1級として10回以上の全国的規模の公式競技会の審判経験を有し、各加盟
   協会より推薦を受けること。
(b)各国協会の推薦を受けること。
(c)世界大会、大陸対抗、地域対抗などの国際競技会、又は各国全国競技会で筆記試験を受け
   る。
(d)筆記・実技ともに90点以上とること。
(e)IPFでは受験希望の3ヶ月以上前に、IPF審判管理の係に60ドイツマルクと審判員
   試験受験要請書を送り、IPFよりの受験可能かどうかの承認を得なければならない。
20.国際1級レフリーの認定
(a)過去4年間国際2級審判員であること。
(b)少なくとも4回の国際大会で審判実務を経験していること。
(c)75回の試技を審判し、その内35回はスクワットの審判を行わなければならない。但し
   各選手の第1ラウンドの試技はカウントに入れないこととする。
(d)受験者は25得点を与えられるが、コスチュームチェック、検量及びプラットフォーム上
   で審判をしている間、試験管の審査を受ける。各試験項目で1回ミスをする毎に0.5点
   差し引かれる。
(e)実技では一緒にレフリーをしている人の判断ではなく、陪審員の判定と90%以上一致す
   ること。
   試験管が2名以上いる場合、受験者の全判定が試験管陣の判定のうち、多い方に90%以
   上が一致していなければならない。(合格、不合格は多数決で決定される)
(f)試験を受けるに当たり、各国連盟の推薦状がIPFセクレタリーに提出されていること。
   推薦の基準は次の通り。
  @1級レフリーを受験する資格があること。
  A2級レフリーとして上位ランキングを占めていること。
  B将来レフリーとして、国際的に活躍する見込みがあること。
21.受験希望者は、次の基準でIPFにより受験資格を得る。
(a)IPFが受け取った受験希望者の数。
(b)実技試験実施に際し、受け入れられる人数。
(c)各国内における1級レフリーの必要性。
22.試験は次の要領で実施する。
(a)国際2級⇒IPFから試験管に指名された国際1級レフリーによるルール説明の後、筆記
         試験を行う。
         筆記試験終了後、受験者は陪審員席近くに座り、3種目均等に100試技以
         上の判定を国際1級レフリーの監督のもとに行う。判定は試験を行うレフリ
         ーメンバーと90%以上一致しなければならない。
(b)国際1級⇒女子マスター、ジュニアの世界大会、地域対抗などの国際大会で実技試験を受
   ける。(世界ベンチ大会は除く)受験者は3人の国際1級レフリーからなる陪審
   員の監督を受ける。陪審員と90%以上判定が一致しなければならない。
23.国際1級のいない国では、IPF国際2級レフリーを、国際2級レフリー試験の試験管に任
  命しても良い。
24.試験結果は、技術委員会委員長または技術委員会が指名した者が採点する。
  採点はIPFセクレタリーに通知せねばならない。
25.IPFセクレタリーは、採点を受け取ったなら、合否を受験者とその国のセクレタリーに通
  知する。
26.受験者の実技試験は次のように行う。
(a)試技が成功だと判定した場合は(/)とする。
(b)試技が不成功だと判定した場合は(×)とする。
(c)挙げることの出来なかった場合は(○)とする。
(d)試技を不成功だと判定した場合はその理由を書く。
(e)不成功とした判定がレフリーの合図無視の為であった時は(×)と(S)とを記入する。
(f)レフリーの合図が送られず試技が失敗とみなされた時は(○)と記入し、これも一つの試
   技と数える。
(g)受験者のこの用紙は、付け加えられたり交換されたりしないように、直ちにIPF技術委
   員会または指名された採点者の所に送らねばならない。
27.試験監督をしていた陪審員(もしくは国際2級の場合レフリー)が、実技試験を受けた受験
  者の合否を決める。
28.試験に合格した場合は、受験日がレフリー認定日となる。
29.試験に不合格であった場合は、少なくとも6ヶ月は受験することは出来ない。
30.登   録
(a)レフリーは全員IPFに登録し、認定を受けなければならない。
(b)再登録はオリンピックの年ごとに行う。
(c)レフリーは次の登録までのレフリー履歴(国際、各国全国大会)と20ポンドIPFに送
   らねば再登録できない。
(d)4年間活動をしなかったレフリーはその資格を失う。
(e)オリンピックの前の12ヶ月以内に発行されたレフリーカードは、その次のオリンピック
   まで有効となる。
31.IPFセクレタリーは各国に次の物を送る。
(a)現在登録されているレフリー名簿。
(b)再登録の必要のあるレフリー名簿。
32.国際1級、2級とも再登録に必要な経験は、4年間に3回以上、国際または各国全国大会で
  レフリーを行うことである。

★JPAレフリー種別
1.1級公認審判員は、国内全ての競技会の陪審員及びレフリーとしての資格を有する。
2.2級公認審判員は、国内全ての競技会のレフリー及び全国的競技会以外の陪審員としての資
  格を有する。但し、全国的競技会でも技術委員会の要請があれば陪審員としての資格を有す
  る場合もある。
3.3級公認審判員は、全国的競技会のサイドレフリー及び全国的競技会以外のチーフレフリー
  としての資格を有する。

★認   定
1.1級公認審判員は、最高の識見と技術を有するもので、加盟協会から推薦(加盟協会理事会
  承認)されたものについて、その申請に基づきJPA技術委員会が審査し、常任理事会で討
  議され、最終的に全国総会で承認されたものが認定される。
2.2級公認審判員は、高度の識見と技術を有するもので、加盟協会から推薦(加盟協会理事会
  承認)されたものについて、その申請に基づきJPA技術委員会が審査のうえ承認する。
3.3級公認審判員は、一定水準の技術を有するもので、認定基準に示す資格条件に適合し、認
  定試験に合格した上で認定、登録手続きを完了したもの。

★認定基準
1.1級公認審判員は、2級公認審判員であって、3年以上の経験を有し、公式競技会の審判員
  を10回以上行い優秀と認められたもの。但し、10回の競技会のうち、8回は全国的規模
  の競技会であること。(陪審員を行った場合でも審判実務経験とする)
2.2級公認審判員は、3級公認審判員であって、3年以上の経験を有し、公式競技会の審判員
  を10回以上行い優秀と認められたもの。
3.3級公認審判員受験資格
  3級公認審判員は、本協会の規約、競技規則、規程を認め、本競技の普及、発展の為に熱意
  のあるもの。
  年齢満20歳以上で、本競技歴3年以上またはウェイトトレーニングの経験(パワーリフテ
  ィングの3種目の実践)が4年以上のもの。但し、学連所属の受験者は満20歳以上で、本
  競技歴及び、ウェイトトレーニングの経験は2年とする。
  3級公認審判員試験は学科試験とし、その合格点は80点以上とする。

★認定手続
1.本協会の公認審判員としての資格を得ようとするものは、本協会所定の申請書にそれぞれの
  必要事項を記入し、公認審判員証(レフリーカード)を添え、所属協会を通じて技術委員会
  に提出する。(3級は申請書のみ)
2.いかなる場合も1階級をこえて上級の認定申請をすることはできない。
3.認定された公認審判員は、毎年度登録更新をしなければならない。
4.公認審判員には、認定証、審判員証を交付する。
  (各加盟協会は毎年度末に審判員名簿、登録費、その他必要書類を技術委員会に送付するこ
  とを原則とする)
5.公認審判員の昇級は毎年4月1日付けとし、昇給申請は加盟協会を通じ、所定の様式で、毎
  年度末日までに行うものとする。

★認定料・登録費
  認定料・登録費は指定した期間に納入しなければならない。指定した期間内に納入しないと
  きは認定を取り消すものとする。
  認定料・登録費については、その年度における決定額を納入するものとする。

        
陪審員と技術委員会

★陪 審 員
1.世界大会、大陸対抗では、各セッションを統括する陪審員を指名する。
2.陪審員は3名の国際1級レフリーで構成され、最年長の者が委員長となる。
3.IPF会長、技術委員会委員長を除く3名の者は、違う国の者とする。
4.陪審員はルール通り大会が進むように監督する。
5.競技会中、不適格と思われるレフリーがいれば、陪審員の多数決によって、レフリーを交代
  させることが出来る。レフリーはこの決定が下される前に警告を受ける権利がある。
6.レフリーの公正さは疑う余地もないのに、レフリーのミスとして警告を受けたとき、レフリ
  ーはどうしてその判断をしたのか説明することを許される。
7.レフリーに対して抗議を出す場合、直ちに知らせなくてはならない。
8.ルールに照らし、レフリーに重大なミスがある場合には、陪審員は適当な処置、すなわち選
  手に再試技を認めても良い。
9.明らかにレフリーの判定ミスがあった場合、陪審員とレフリーの協議により、判定を覆すこ
  とが出来る。
10.陪審員は、競技進行状況が良く把握できる所に席を設ける。
11.競技会の前に陪審員長は、陪審員のメンバーがルールを良く把握し、最新のルールや規則を
  理解しているか確認しておく。
12.薬物検査対象選手は、陪審員の無作為な抽選によって決められる。陪審員のいない競技大会
  では、大会セクレタリーが指名役員の全面で無作為に抽選して決める。

★IPF技術委員会
1.委員長はIPF会議で決定する。委員長は国際1級のレフリーでなければならない。6名の
  委員は委員長が各国より指名する。
2.各加盟国よりIPFに提出された技術的な提案などを検討する。
3.この決定権はIPF会議にある。
4.世界大会では、チーフレフリー、サイドレフリーを指名する。
5.国際レベルに達していないレフリーの指導や、既に国際レフリーである者達を再指導する。
6.レフリー試験、再試験の結果レフリー資格を持った者をIPF会議、会長、セクレタリーに
  通知する。
7.世界大会のような大きな競技会の前に、レフリー講習会を設ける。これにかかる費用は、大
  会主催者が支払うものとする。
8.国際レフリーカードの有効期限終了日時をIPF会議で発表する。
9.パワーリフティングに関する試技やトレーニングに関し、技術面の資料を発行する。
10.@競技会用具、個人用具など“IPF公認”の名の商品が実際にルールブックに照らし合わ
  せて合格の商品かどうか検査する。ルールに見合うものであれば、技術委員会の認定証を
  発行し認定料を課す。
  A毎年度末、再認定を受けるのであれば、認定料をIPFに支払わなければならない。もし
  構造などを変えたのであれば、再検査し、申請を受け直さなければならない。
  BIPF認定後、その構造などを変えたものは認められない。技術委員会が新たに検査し、
  ルールに合致すると認めた時のみ新たに認定証が発行される。
11.@陪審員は3名のレフリーに対し、試技中レフリーを審査する役目も果たす為に、存在する
  のであって、レフリーの判定の一定化・公平化に絶対不可欠な存在である。
  Aレフリーの判定に対して疑義のある場合はすぐさまレフリーを陪審員席に呼んで(3名の
  レフリー)意志の疎通をはかる。
12.JPA主催、各種全日本大会では技術委員長が審判長となり、全審判員の最高責任者となる。
13.各セッションの陪審員長、陪審員、チーフレフリー、サイドレフリー等を決定する。

       
世界記録(日本記録)

★世界大会、大陸、地域、各国全国大会
1.IPF公認の世界大会、大陸、地域、各国全国大会において、競技会前にバーやプレートの
  重量が検査され、選手の検量が規程通り行われているなら、世界記録が出た場合再検量の必
  要はない。
2.選手は直ちに3人の陪審員により服装、用具の検査を受ける。(次の競技のさまたげにならな
  い配慮)日本記録も同様に行う。
3.世界公認記録には、次の事項が必要である。
(a)大会がIPF加盟国の協会が認めるものであること。
(b)レフリーは国際レフリーの資格を持ち、IPF加盟国協会の一員であること。
   日本記録の場合、各種目の日本記録は3人とも2級以上のレフリーが判定すること。トー
   タルに関しては、3級でも構わない。
(c)レフリーが明らかに公平で誠実であれば世界記録は、レフリーと選手とが同国のものであ
   っても認められる。
(d)IPFが求める薬物検査が実施される事。

★その他の大会
4.上に述べた以外の大会で、世界記録が出された場合は、上記2,3の必要事項の他に次の事
  が必要である。
(a)世界記録が樹立されたら3人のレフリーは直ちにバーベルの重量を測り記録する。またそ
   のとき用いたバー、プレートの種類をすべてリストアップする。
(b)3人のレフリーは、次の事を確認して署名を行う。
   @選手の氏名、選手がサブジュニア、ジュニアまたはマスターズである場合は、その生年
月日
   A選手の所属する国
   B競技会のタイトル、開催地、開催日
   C選手の体重
   D成功した重量と使用したプレートの種類
   E検量計を6ヶ月以内に検査した検査機関名
   F世界記録申請書と共に記録の全結果も提出する。
    世界記録申請書に3人のレフリーと陪審員長または各国セクレタリーの署名を記入し、
    記録樹立日より1ヶ月以内にIPFセクレタリーに送らねばならない。
5.上記項目“1”で記載されている競技会で、第3試技で世界記録に20s以内の差で試技に
  成功している場合、陪審員または陪審員がいない場合はチーフレフリーの判断で、4回目の
  特別試技が許される。但し、陪審員または陪審員がいない場合チーフレフリーの判断により
  却下することもできる。日本記録についても同様とする。
  いかなる場合もこれ以上の試技は認められない。つまり、選手は第3試技を必ず成功させて
  いて、しかも世界記録(日本記録)に20s以内の重量に成功していないと第4試技はでき
  ない。
6.4回目の特別試技は、競技外とみなされる。
7.3種目とも競技を行わないと記録に挑戦する事は出来ない。(途中で失格になった場合も記録
   は無効となる)
8.2名の選手が同じ競技会、同じクラスで世界記録(日本記録)に成功した場合、体重の軽い
  方が記録保持者となる。
  体重が同じ場合は先に記録を出した方が記録保持者となる。
  県大会など、同日に違う競技会場で日本記録が樹立された場合は、検量体重の軽い方を日本
  記録保持者とする。
9.新記録は500g単位で公認する。500gを超える端数は切り捨てる。例えば,87.7
  00sは、87.500sとして登録される。
10.3種目のトータルも世界記録(日本記録)として公認される。但し、次の条項を満たさねば
  ならない。
(a)IPF公認(JPA公認)競技会で記録を出した時。
(b)IPF加盟国(JPA登録済)の選手である事。
(c)競技会前にバー、プレートの確認をしてある事。
(d)競技会終了後、選手、プレートなどの再検量の必要はないが、3人のレフリーは、世界記
   録申請書(日本記録申請書)に署名を行い、他の3種目と同じように登録申請を行う。
   新記録はFAX等で、できるだけ早く、技術委員会へ報告すること。
(e)記録は公式検量で決定したクラスのみで有効である。
(f)4回目の特別試技は、トータルに加算しない。
11.世界記録だけでなく、大陸、地域、各国全国大会の記録を認定する場合も同様の手順とする。
  但し、4回目の試技は、世界クラスの大会(例えば世界選手権大会、ワールド・ゲームズ)
  でなければ認められない。
12.3種目それぞれの記録の公認は、選手がトータルを出した時のみ有効とする。
13.ベンチプレスシングル大会の世界記録は、世界ベンチプレス選手権大会以外でも条件が合う
  場合公認される。
14.ベンチプレスの世界記録は、男子はスクワット、デッドリフトを体重の2倍、女子は1.5
  倍挙げている時のみ公認される。
  日本記録の場合は3種目とも、検量体重以上の挙上に成功していないと公認されない。
15.世界大会では、大会タイトルの記録更新は500g単位、特別試技は認められるが、それ以
  外のタイトルでは通常の2.5sの更新とし、特別試技もできない。(世界男子大会ではジュ
  ニア記録の500gでの更新、及び特別試技は認められない)
  国内では、現行通りとする。
16.第2試技で新記録狙いの為、500g単位の記録を申請した選手の記録が、第1試技で破ら
  れた場合、自動的に2.5sの倍数の重量で試技をしなければならない。
(例)現行の日本記録が102.5sの場合
   A選手が第1試技100sに成功し、第2試技103sの新記録を申請しても、B選手が
   第1試技で105sに成功した場合(新記録更新)、A選手は103sではなく、102.
   5sを自動的に第2試技で行わなければならない。

17.マスター3(60歳以上)の選手が、マスター2(50歳以上)、マスター1(40歳以上)
  の記録を超えた場合、マスター1,2,3の記録として認められる。
18.マスター2の選手がマスター1の選手の記録を超えた場合、マスター1,2の記録として認
  められる。
19.サブジュニアの選手がジュニアの記録を超えた場合、ジュニアの記録として認められる。
20.いずれのカテゴリーでも一般の記録を超えた場合、一般の記録として認められる。
21.国内ルールとして、N(ノーギア)競技の記録が、F(フルギア)競技の記録を超えた場合
  F競技の記録として認められる。

        
ディスエイブル選手の参加

1.世界ではディスエイブル選手の部門が廃止となった。
2.ルールに則り、通常の試技ができるならば、健常者と対等に競技することができる。
3.国際大会では、自力でベンチ台まで行けない選手は出場できない。又、1分ルールを適用す
  る。
4.国内においては、判定などのルールは健常者と対等であっても、付き添い者の手伝いを認め
る。又、2分ルールとする。
5.検量⇒下肢切断の場合は義足を外して検量する。
  次の体重を加算する。   
               足首以下の切断   体重の1/54を加算する。
               膝以下の切断    体重の1/36を加算する。
               膝上の切断     体重の1/18を加算する。
               股関節からの切断  体重の1/9 を加算する。
6.コスチューム
(a)リフティングスーツ着用は義務でない。
(b)選手がリフティングスーツを着用していない場合には、Tシャツを着用しなければならな
   い。両方着用しても構わない。
(c)トレパン(ランニング用ズボン)、尻や足の部分がピッタリとしているトレパン(スパッツ)
   ショートパンツを履いても良い。但し、検量の際レフリーの許可を得る。
(d)義足の装着、および義足等に靴をつけて試技をしても良い。
7.そ の 他
(a)もし選手が手術による肘の変形により腕をまっすぐに伸ばせない場合は、この事実をそれ
   ぞれの試技の前に3人のレフリーに報告せねばならない。
(b)もし選手が手術のため、その他怪我、病気により脚をまっすぐに伸ばせない場合は、この
   事実をそれぞれの試技の前に3人のレフリーに報告せねばならない。
(c)コーチは選手が試技のため登場する際、また退場する際に手伝っても良い。コーチは、陪
   審員か担当技術員(テクニカル・オフィサー)により、決められたコーチエリアで待機す
   る。
(d)リフターは、ベンチ台の上に仰向けに横たわる。
   肩、胴体(尻部分を含む)、脚、伸ばした踵は試技の間中ベンチ台に接していなくてはいけ
   ない。足を切断手術した場合の足首に関しては例外となる。