経済・IT東電、料金最大18%上げ容認へ なし崩しで税金投入も +(2/2ページ)(2011.5.13 20:43

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東電、料金最大18%上げ容認へ なし崩しで税金投入も 

2011.5.13 20:43 (2/2ページ)

 料金に転嫁されないのは、東電が公的資金の返済のために機構に拠出する年1千億円と想定される特別負担金だけというのが実情だ。政府が大幅値上げを容認せざるを得ないのは、コスト増で東電が赤字に陥れば、合計で年2千億円の負担金を拠出できなくなり、「枠組みそのものが成立しなくなる」(政府関係者)ためだ。

 政府は取引先金融機関による支援に期待を寄せるが、実現は不透明だ。枝野幸男官房長官は13日の会見で、「(銀行が債権放棄に応じない限り)国民の理解は得られない」と、恫喝(どうかつ)してみせた。

 だが、銀行側は債権放棄どころか、追加融資にも慎重だ。原発事故の発生直後には8行が計約2兆円を融資したが、これは「日本の産業を守る社会的使命」(奧正之・全国銀行協会長)による緊急措置という位置づけだ。「債権放棄に応じれば、不良債権として扱わざるを得ず、賠償金支払いや原発処理に必要な資金の追加融資が難しくなる」(大手銀関係者)と、政府側を牽制(けんせい)する。

 電気料金を値上げしても、金融支援がまとまらないと、東電が年2千億円の負担金を拠出できず、公的資金の返済に行き詰まる恐れがある。そうなれば、例外措置が発動され、税金による穴埋めで国民負担が生じる。

 これまで金融機関や日本航空などへの公的資金の投入では、破綻処理により対象企業だけでなく、株主や銀行にも損失を負わせ、責任を問うてきた。今回は、関係者に加え、原発を推進してきた国の責任も明確化せず、枠組みを決めることだけを優先した。(小雲規生)

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