2011年5月13日18時9分
【動画】浜岡原発4号機の運転停止 |
中部電力本店の中央給電指令所では、浜岡原発4号機を表す「H4」の出力表示がゼロを示した=13日午前、名古屋市東区、恵原弘太郎撮影 |
中部電力は13日午前、静岡県御前崎市にある浜岡原子力発電所4号機(113.7万キロワット)の運転を停止した。原子炉が冷えて安定した状態になるのは14日の見通しだ。経済産業省によると、政府の要請で、原発の運転が止まるのは初めて。
中部電では、13日未明から原子炉内に核分裂を抑える制御棒を徐々に入れ、4号機の出力を下げる作業に着手した。管内の送電をコントロールしている中部電本店(名古屋市東区)の中央給電指令所では、午前10時1分に4号機の出力を示す電光表示板の数字がゼロになった。
午後2時ごろには、制御棒が原子炉内に完全に入り、核分裂反応が止まった。原子炉の温度が100度を下回る「冷温停止」状態になるのは、14日になる。
5号機(138万キロワット)の作業手順も4号機と同じ。中部電は14日未明に運転停止に向けた作業に入り、午前10時に発電が止まる見通し。定期検査中の3号機と合わせ、浜岡原発のすべての原子炉が止まる。15日には5号機も冷温停止となる予定。
停止後も炉内の核燃料は水で冷やし続け、地震で停電になっても炉心溶融などの大事故が起こらない状態にする。
中部電は浜岡原発に高さ約15メートルの防潮堤が完成する2〜3年後の再稼働を目指す。浜岡原発の停止で、中部電の夏場の電力供給の余力はほとんどなくなる。中部電は、代わりとなる火力発電所を再稼働させるなど、供給力確保に全力をあげる。