大地震多発地帯、止められぬ「最も危険な原発」
福島第一原発事故を受けて、地震国アルメニアのメツァモール原発が国際的関心を集めている。
ソ連時代に運転開始し30年を超えた原発は、過去に何度も大地震が起きた危険地帯に位置する。
「陸の孤島」のエネルギー事情から、原発を止めたくても止められない状況だ。
首都エレバンから車で西に30分。桃やブドウ畑のかなたに4基の冷却塔が見えてきた。敷地周辺の荒れ野では、羊が草をはむ。牧歌的な風景にとけ込んだ古ぼけた施設が、「世界で最も危険な原発」(米誌)とも呼ばれるメツァモール原発だ。
1986年のチェルノブイリ事故後、国際社会は繰り返しメツァモール原発の閉鎖を求めてきた。国境から原発まで約15キロ・メートルしか離れていないトルコは「いつ爆発するかわからない原爆」とまで呼び、即時停止を求め始めた。ソ連時代のずさんな操業実態も最近明らかになり、88年の大地震では運転員の多くが逃げ出し、別の原発から人員を急派してしのいだ。
アルメニア政府は、追加安全策を講じるとともに、より安全な原発を新設し運転中の原発を停止できるよう国際社会に支援を求めている。エネルギー天然資源省のアレグ・ガルスチャン副大臣は「過去最大の地震などあらゆる事態への対応策をとった」と強調する。
アルメニアが原子力発電を続ける背景には、化石燃料が入ってこない事情がある。領土や歴史問題で対立するアゼルバイジャン、トルコとの国境は封鎖中。グルジアとロシアの対立のとばっちりで北からの資源も確保できない。イランへの過度の資源依存には警戒感が先立つ。四面
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