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【茨城】

放射線量公表で困惑 「高い数値」と国交政務官 取手市

2011年5月10日

 茨城3区選出の衆院議員で民主党の小泉俊明国土交通政務官が、地元の取手市などの小中学校に「放射線量が高い数値」として外出時にマスク着用を呼び掛けるファクスを送り、学校関係者や保護者らが戸惑っていることが分かった。放射線量は小泉政務官が独自に測定器で測り、自身のホームページ(HP)で公表している。

 これに対し、県保健体育課は「文部科学省は屋外で放射線量が毎時三・八マイクロシーベルトを超えない学校は、校庭などを平常通り利用しても差し支えないとしている。(小泉氏の)放射線量の測定値は問題のないレベルで対策を講じるほどではない」と、冷静な対応を促す。

 ファクスによると、六日の計測で、県南九市町村で東京と水戸の三〜五倍の高い数値を測定し、最大の守谷市で〇・五〇三マイクロシーベルトを計測。「マスクの着用と小さな子は外で長時間遊ばせないことを勧めます」と記す。

 HPを見た保護者から市教委などに問い合わせが相次ぎ、市教委が各学校に問い合わせたところ、全校にファクスされていたことも判明した。HPで「年換算で四・二ミリシーベルト。国際放射線防護委員会による一般公衆の年間被ばく許容限度の四倍以上の数値」とし、文科省の年間二〇ミリシーベルト以下の指針と、かけ離れた表現になっている。

 小泉政務官は「私は原発事故の担当で詳しい情報も入る。より正確なデータを提供したいと思った」と話す。県原子力安全対策課は「文科省の基準で安全な範囲だが(小泉氏は)さらに安心できるレベルのために注意を呼び掛けたのではないか」としている。 (坂入基之、土門哲雄)

 

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