学校の放射線量についての「暫定的考えかた」について考えた(追記あり4/30)

福島県内の学校を再開されるための基準が「福島県内の学校等の校舎・校庭等の利用判断における暫定的考え方について」として文部科学省から発表されている。
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/23/04/1305174.htmLink
それによれば、
..............
このようなことから、児童生徒等が学校等に通える地域においては、非常事態収束後の参考レベルの1−20mSv/年を学校等の校舎・校庭等の利用判断における暫定的な目安とし、今後できる限り、児童生徒等の受ける線量を減らしていくことが適切であると考えられる。
.............
とされ、さらに年間20mSvに相当するのは屋外線量が3.8μSv/hの場所としている。

これにはいろいろ批判があって、代表的なものとして、日弁連が会長声明を出している。
http://www.nichibenren.or.jp/ja/opinion/statement/110422_2.htmlLink
これの最後の対策提言5項目についてはその通りだと思う。一方、提言にいたるまでの部分で、「電離放射線障害防止規則」という平時の規則と比較して上限が緩すぎると主張する点については、全然筋が違い、正当化されないように思う。現在の状況では、ICRPの基準をもとにどうするかを考えるのが筋だろう。

ICRPは今回の事故にあたって簡単なメモを出しており、その訳が以下で読める
http://www.scj.go.jp/ja/info/jishin/pdf/t-110405-3j.pdfLink

今の問題は、放射能汚染地域で生活する場合なので、関係するのは1ページ目の最終段落にある「国の機関は、人々がその地域を見捨てずに住み続けるよう、必要な防護措置を取るはずです」以下の部分になる。ここでは
...........
委員会は長期間の後には放射線レベルを 1mSv/年へ低減するとして、これまでの勧告から変更するとなしに現時点での参考レベル 1mSv/年〜 20mSv/年の範囲で設定すること (ICRP 2009b 、48 〜50 節)を用いることを勧告します
..........
とされている。
このICRPの参考レベルの上限に設定したのが文部科学省の「暫定的考えかた」ということになる。その意味で、根拠ははっきりしており、おかしなことはしていないようではあるが(20mSv/年から屋外線量3.8μSv/hへの換算はよいものとして)、釈然としない思いは残る。

文部科学省の「暫定的考えかた」にはいくつかの注意が付されており、週一度程度の再調査で見直すことと、この「考えかた」が夏休み終了までの期間についての暫定的なものであることが書かれていることには注意したい。素直に読むなら、この20mSv/年という基準は「そこに1年いれば20mSv被曝する程度の線量を夏休み終了までは容認しましょう」という意味であって、本当に20mSvの被曝を想定しているわけではない。だから、ネット上で時折言われる「子どもに20mSvを強要」という表現は誇張というべきだろう。

しかし、それでも釈然としないのは、ひとつには、設定できる範囲の上限に設定してしまったのがいかにも安直に思えるからだ。たしかにICRPの参考レベルは大人も子どもも関係なく設定されているようなので、根拠としてはいちおう申し分ない。しかし、いっぽう、子どもに対しては大人よりも低い基準値にするべきだという議論は常にあり、それは考慮するべきだと思う。たとえば、半分に設定するなどはできたはずだ。

もちろん、設定を厳しくすれば、それだけ屋外活動を制限すべき学校が増える。屋外活動のメリットのほうを重視して、上限に設定するという考えかたもありうるとは思うが、それにしては説明が足りない。

説明不足の問題は深刻で、実は最大の問題は、暫定期間とされる夏休み終了時までに何をどうしたいのかがわからない点にある。たとえば、校内を細かく測定して、線量の強い場所についてはなんらかの対処をするのか、あるいは校庭の土を入れ替えるのかどうか、そして入れ替えるとすればいつをめどに行なうのか。

要するに、ICRPのコメントにある「長期間の後には放射線レベルを 1mSv/年へ低減するとして」という前提部分をいつまでに実現しようとして、そのために何をしようとしているのか、それがまったく書かれていないところが問題だろう。
既にヨウ素はかなり減ってセシウムが主体になっているので、これからは「待っているだけでは減らない」段階にはいる(セシウムが雨で減るかといえば、それほど楽観視はできない)。減らすためには、何らかの対策をとらなければならない。
対策が必要であることはわかっており、その対策が目標とする値も決まっている。過去の平常時の線量にプラス1mSv/年くらいを目標としなさいということだ。

逆に、夏休みをめどに土を入れ替えるなどの具体的な計画が示されるなら、短期的には20mSv/yの線量でもがまんしようという気になれるかもしれない。
現状の混乱は、見通しが示されないことによる部分が大きいと思う。

もちろん、100mSv以下の被曝ではそれによる発癌の増加はほとんど見られないという知見があるのも事実で、だから、仮に本当に年間で20mSvに達したとしてもその影響はまずないと思う。
それでもやはり、推奨される範囲の「上限」を子どもに対する基準として設定することには抵抗があるのだが、いかがだろう。

なお、ICRPの基準そのものに対する異議もあるかもしれないがここでは考えない。
リスクの観点からどれくらいの値を基準にするべきかについては、いろいろな人がいろいろなブログなどで議論していると思う。
野尻美保子さんの
http://nojirimiho.exblog.jp/Link
とか

[追記 4/25]
郡山市では線量の多い校庭で試験的に表土の除去作業をするそうです。自治体が独自に始めるのですね。早い対応だと思います。どうやるか、線量がどの程度下がるか、注目したいところ。
http://mainichi.jp/life/edu/news/20110426k0000m040042000c.htmlLink

[追記 4/28]
コメントもありますが、ICRP publication 111の日本語訳が出ています
http://www.jrias.or.jp/index.cfm/6,15092,76,1,htmlLink
ブログ本文を書いた段階ではあまり認識していなかったこともあり、またまとめたいと思いますが、ここでは参考レベルとして「1〜20mSv/yの範囲の下のほうから選べ」と書かれていることに注意しておきます。状況が許す限り低い値に設定することが望まれているわけです。その意味で、上限の20に設定するというのは、本来であれば例外的と考えるべきでしょう。その意味では、上に書いた「根拠ははっきりしており、おかしなことはしていないようではある」というのは適切でないのかもしれません。なぜ上限にしたかの説明は必要でしょう。

[追記 4/30]
上で低減の目標値を1mSv/yと書きましたが、それは誤読かもしれません。「長期間の後」というのは数年や数十年という長い期間を考えていて、目標値を設定するようなものではないのかもしれません。もちろん、それでも「低減の努力は続けること」が求められていることに変わりはないのですが。

― posted by きくち at 12:48 am commentComment [340] pingTrackBack [4]

この記事に対するコメント[340件]

1. ななみ — April 25, 2011 @01:03:19

こんにちは。
水道水の放射性物質が話題になった際には、飲んで問題があるのは乳児だけだと聞きました。今回は学校の話なので対象になっているのは小学生以上ではないのですか?乳児の時期はもうとっくに過ぎているでしょう。それに対して果たしてそこまで過敏になる必要はあるのでしょうか。
同様の放射線に晒されている事実は大人も変わらないのに、「子ども」の心配だけするというのが、少子化を叫ばれてからというものの日本社会の子供偏重のグロテスクさを感じます。
過酷な状況にある作業員の心配をするのはよくわかりますが…。

2. Katase — April 25, 2011 @01:10:18

放射線の影響は、細胞分裂が活発な組織ほどその影響が強く出ます。
成人でも、造血細胞や腸の粘膜細胞などは体の中でも最も放射線によりダメージを受けやすくなります。
これは、分裂をせずに静止している細胞よりも、どんどん分裂して増えている細胞に放射線が当たると、DNAそのものの変異に加えて、DNA複製の異常などの頻度も高くなり、細胞が死滅したり癌などの病気を発症しやすくなる為ではないかと思われます。

個体でいうと、成長期にあって体の細胞分裂が盛んな時期ほど放射線の影響が強くでます。これは、例えば、放射性物質の実効線量の係数が、年齢によって影響の強さが異なっていることにも反映されています。

・飲食物摂取制限の指標について 
http://trustrad.sixcore.jp/wp-content/uploads/2011/03/7221186cfa36d490b84f398707fcf5e2.pdfLink
P5の表1に、各放射性物質についての実効線量、甲状腺等価線量の一覧があります。

チェルノブイリ事故の際も、青年期までの子供に甲状腺癌が明確に増加しました。乳児ではなくても、小学生や中学生は成長が盛んな時期であり、成人よりも放射線の影響を受けやすいので、その点の考慮は必要だと思います。

きくちさんなどが指摘される様に、安全対策として、放射線量が高めの学校は、校庭の土を入れ替えるなどをして放射線量を下げていく対策はしていった方がいいと思います。

3. Katase — April 25, 2011 @02:12:09

追記です。

チェルノブイリ事故の際には、青年期までの子供に甲状腺癌が明確に増加したと書きましたが、誤解の無い様に、年間で20mSv程度の外部被曝では甲状腺癌などの発症の恐れはかなり少ないと思います。

ただし、年間で20mSvまでは「絶対に安全」とまでは言い切れないと思います。
WHOも低線量被曝の影響については慎重な態度をとっており、疫学調査で発癌リスクの増加の証明が無い(増加が有意ではない)という事は、何も増加が起こらなかったという証拠ではないという見解を示しています。

(参考) warblerk日記−「放射線の健康影響について−チェルノブイリ事故から」 
http://d.hatena.ne.jp/warbler/20110419/1303226576Link

年間で20mSvという放射線量を浴びたとしても健康に影響が出る可能性はかなり低いものの、先に書いたコメントの理由も含めて、子供達については大人よりも慎重に考えて、学校などの場所の放射線量を下げる配慮をしていく方が、安心感という精神的な問題も含めて無難だろうと思います。

4. bksyuya — April 25, 2011 @05:14:38

[もちろん、100mSv以下の被曝ではそれによる発癌の増加はほとんど見られないという知見があるのも事実で、だから、仮に本当に年間で20mSvに達したとしてもその影響はまずないと思う。]ということですが、
ICRPは確定的影響について「・・約100mGyの線量域まででは臨床的に意味のある機能障害を示すとは判断されない」といっているのであり(示さないとはいっていない)。 「確率的影響の誘発(がんのリスク)についてはLNTモデルを維持している」こと、さらに基準値が一般成人についてのものであり子供の場合はより影響が大きいともされている。従ってもしICPRの勧告に基づいて考えるのなら確率の大小は別としても影響がないとは決していえない。むしろICPRは確率的影響があることを承知で「国が先行き何とかしてくれるはずだから今のところは少々の被曝はガマンしなさい。」といっているのである。子供にそのガマン値のしかも最大値を押し付けるべきではない。

UpOwner Comment きくち  April 25, 2011 @10:18:33

ほかのところにも書いたとおり、僕は防護の観点から「閾値なし線形モデル」を採用することには合理性があると考えていますので、その立場で書いています。
ICRPのコメントの肝は、長期的には1mSv/yにするというところにありますので、そのためのロードマップが示されない点を問題視しました。「その場所を捨てずに生活するためには」という視点は重要だと思います。

「閾値なし線形モデル」が正しいかどうかはまた別の話で、現実にはほとんど問題にならないと思いますが、だからといって、「閾値ありモデル」を防護指針に使うべきではないということです。

6. ちがやまる — April 25, 2011 @06:38:25

非常に線量の高い所があったとして、ただちに土の入れ替えというのも、粉じんによって曝露レベルが上がる影響にも注意する必要がありそうです。

かといって散水も、セシウムなどが土中に浸透するでしょうから、希釈という意味ではいいかもしれませんが最終的に土を入れ替えるとしたらその目的にはそぐわないかもしれない。

放射能汚染除去の方の専門家にぜひ出てきてほしいところと思います。

一方、学校薬剤師など環境測定を担当するスタッフには、めんみつな測定と状況把握をお願いしたいところです。

Owner Comment きくち  April 25, 2011 @10:21:59

そうなんです。客土は現実的な解だと思いますが、そのための方法は検討しないと、却って放射性物質を撒き散らしかねない。それも含めて、ロードマップが示されればいいなと

8. テスト好き — April 25, 2011 @06:36:12

冷静な解説ありがとうございます。
東北地方の被災地の復興のために新幹線や高速道路を止めることはできないので、福島県中通り北部に対して、このような韓国を出さなければならなかった。ただし、説明が非常にずさんでした。また、線量を下げるために、学校や子供、保護者は注意や行動を求めるのに、指導する側が具体的な行動を示さなかったのは、失敗だったと思います。土の入れ替えには莫大な費用がかかるが、もう一回爆発したらやり直しで、また費用が・・・という冷徹な計算をしているのではないかと、見捨てられたという絶望感が先になってしまったのではないかと思います。現地に居ない人が安全ですっていっても決めてた基準値を大きく上回る数値が出ていればどうしたって不安になるのに。数字でだけでは安全にはならないと思います。原発事故のニュ−スにしても、依然として危機的な状況となっている福島第一・・・・これででは勧告も通じないかなと思いました。
 表土を5cm削ると線量は10%に下がるので・・・具体化策なしでがんばれはひどいよと感じました。

9. 技術開発者 — April 25, 2011 @07:50:17

こんにちは、皆さん。

楽観的な観測をすると「嘘だ」と決めつけられる様な雰囲気が日本中蔓延している気がするのですが、まあ書いてみましょう。

汚染のほとんどが放射性のセシウムだとすると、これから五月雨の季節を迎える事で、かなりの量が洗い流されていくのじゃないか、と予想しています。まあ、その分河川とかの濃度は一時的に上がる可能性はありますけどね。

もともと、日本の土壌というのはアルカリ性のミネラルを失い易い環境にある訳です。雨というのは大気中の二酸化炭素を溶け込ませながら降るために常にpH6弱の弱酸性であり、その結果として土壌にあるアルカリ性のミネラル分を溶け込ませては流れていく傾向にあるわけです。そのため農業などでは石灰や苦土石灰をすき込んで調整しないと、作物が育ちにくい訳ですね。セシウムはアルカリ性のミネラルですから、雨が降り続くと次第に減っていくだろうと予想している訳です。

Up10. Katase — April 25, 2011 @08:14:49

技術開発者さんのご意見として、

>セシウムはアルカリ性のミネラルですから、雨が降り続くと次第に減っていくだろうと予想している訳です。

との事ですが、それに対しては「日本土壌肥料学会」はもっと慎重な見解を示しています・
・ 放射性セシウムに関する一般の方むけのQ&Aによる解説 
http://jssspn.jp/info/secretariat/4137.htmlLink

>A1. 土の汚染では特にセシウム137(Cs-137)に注意が必要です。
セシウム137の方が問題となる理由は、放射性ヨウ素と比べて寿命が長く、自然に崩壊して半分に減るまでの期間(半減期)が30年と長いことと、土に含まれる粘土や有機物と強く結びつくために、長期的にその影響を調べたり評価と対策を考えておくことが必要になるからです。

・原発事故関連情報(1):放射性核種(セシウム)の土壌−作物(特に水稲)系での動きに関する基礎的知見 
http://jssspn.jp/info/secretariat/post-15.htmlLink  

>3.土壌に降下したセシウムの挙動

>わが国の水田および畑土壌のCs-137濃度は、……作土内における滞留半減時間は水田作土で9〜24年、畑作土で8〜26年と報告されている(駒村ら, 2006)。

>原子炉からCsが環境中に放出された場合、イオン態として雨に溶けた状態で土壌に降下する割合が大きいと考えられる。Csは土壌に降下するとKと同様に1価の陽イオンとしてふるまう。土壌は負の電荷を帯びているため、正電荷を帯びた陽イオンを引きつけ、土壌の表面にとどめる性質がある。土壌に含まれる粘土鉱物の中には、負電荷のある場所がCsを閉じ込めるのにちょうどいい大きさを持つものがある。このため、Csは他の陽イオンに比べ土壌から離れにくい傾向にある。

>Csは土壌に沈着した後、時間の経過に伴い土壌により強く保持されることが知られている。土壌に放射性Csトレーサーを添加した実験では、添加10日後に水で抽出されるCsが添加量の0.1%という事例が報告され、その時のイオン交換態は26%であったが、約1年後には11%にまで減少した(塚田ら, 2008)。

実際の日本の土壌での例も出されていますが、Cs-137濃度は少しずつ減少していくものの時間はかかっている様子です。放射線量が問題となっている校庭の土質を調べてみないと分かりませんが、1〜2ヶ月ではそんなに減らない恐れがあり、「これから五月雨の季節を迎える事で、かなりの量が洗い流されていく」という予想については、どうだろうという疑問があります。

11. ちがやまる — April 25, 2011 @09:46:47

作業環境の(許容)基準をもとに曝露レベルの高さを考えるのも筋が悪い(本質的なつながりのないところを無理やり結びつけることになる)ので注意が必要だと思います。

平気で
「3月あたり1.3mSvというのは、0.6μSv/時である。」、
(「暫定的考え方」に出てくる数字は)「放射線管理区域の6倍」
なんて書く人もいます。http://wiredvision.jp/blog/gohara2/201104/201104201515.htmlLink

これは大変な間違えで、もとは週168時間のうち40時間働く作業者の曝露量が3か月で1.3mSvになるという話ですから、そのような作業場所の放射線強度は2.53μSv/hになります。(これを越える場合には省令で決められた様々な管理が必要になる。)

今回「暫定的考え方」で、年間20mSvに対応するレベルはどのくらいかを示すのに屋内1.52μSv/h に16時間、屋外3.8μSv/h に8時間滞在すると例示しています。この曝露量を1日でならすと2.28μSv/hになります。

作業環境の基準は、原子炉事故などない状況で成人が労働契約をむすんで働く上で「多くの」人に健康上の問題が生じないことを考えて決められていますから、これをもとに学校の子供の曝露レベルを考えてはいけないでしょう。それにもかかわらず、年間20mSvというところから見れば不整合があるわけでもないことがわかるかと思います。

12. 落花生 — April 25, 2011 @13:53:37

客土は現実的な選択肢でしょうけど、これまた現実的な問題として、運び出した土は、どこにどうやって置いとくんでしょうね。
単に「瓦礫の受け入れ」といっただけで、川崎市のあの騒動ですから。
頭の痛い問題です。まさか、東電の敷地内とかいうつもりかな。

Owner Comment きくち  April 25, 2011 @14:17:40

「まさか」ではなく、より汚染のひどい地域に持っていくというのは現実的な解だと思います。東電が土地を用意するのがいいのではないかと

14. Indy — April 25, 2011 @14:27:56

わたしは、きくちさんのご意見に賛成で、今後の見通しがつかないことが、
住民のいちばんの不安要因だろうと思うし、また、今後の見通しがつかないことが、
政府に20mSvという最大値を選択させることにもなったのだろうと思います。

日弁連の声明に、野外活動を制限するような教育環境においていいものかどうか、
というのがありますが、それと疎開を比較するとどんなものか、難しいところだと思います。

Up15. こなみ — April 25, 2011 @14:38:11

Kataseさん: April 25, 2011 @08:14:49

>・原発事故関連情報(1):放射性核種(セシウム)の土壌−作物(特に水稲)系での動きに関する基礎的知見 
> http://jssspn.jp/info/secretariat/post-15.htmlLinkLink  

日本の土壌は酸性ということがよく言われるわけですが,それはケイ酸分のせいで,Si-OH の H+ が働いているわけですね。その部分が Na+ とか K+ といった1価のアルカリ金属イオンと交換してしまって,セシウムイオンもトラップされる。そんなところでしょう。技術開発者さんもよくご存知のイオン交換クロマトグラフィーの原理です。

これを追い出すには,普通だと酸を使うわけですが,それだと作物に影響が出てしまいます。放射性セシウムのイオンを追い出すだけであれば,カリウム塩かあるいは安定同位体のセシウム塩の溶液を流せばいいはずです。そもそもフォールアウトの放射性セシウムの量自体は恐ろしく少量なので,加えるものもごく希薄でいいのです。

と考えると,いっそカリウム塩を肥料として過剰にならない程度に施してやって,同種イオンによる押出効果を狙う,同時に適当な植物を植えて吸収させてしまえばよいのかも知れません。カリウムは植物の必須栄養素のひとつなので根から選択的に取り込んでくれますし,セシウムイオンも同時に取り込むという報告を見たことがあります。

願わくは,そうやって育てた植物をバイオマスとしてエタノール合成に使って,残渣は残留放射能を検査の上でそれなりの処分をすればと思うわけですね。NEDOを中心にしたバイオマスの研究は盛んだし,東電にはこのさい実証プラントを建ててもらって(まあ東電は期待できないかな?),現地で運用できたら結構未来指向じゃないかなあと。
と,この間からの空想なのでした。

16. Katase — April 25, 2011 @15:40:39

こなみさん

土壌の徐染方法としては、畑などではそういった方法も可能かもしれませんね。
ただ、今問題にしているのは学校の校庭ですので、校庭で運動や遊びが制限される期間はなるべく短い方が生徒達にとって良いと思いますので、のんびりと植物を生やして収穫まで待つのはどうかなとも思います。

よく考えてみると、校庭の汚染された表土が風などで舞い散って、生徒達が鼻や口から吸い込む恐れもありますので、外部被曝だけではなく内部被曝の可能性も多少はありますね。
校庭の対処は、やはり考えた方がいいのではないかと思います。
汚染の程度によっては、表層を削り取らなくても新しく土を被せることで放射線量を下げて、汚染土の飛散を防ぐことが出来るかもしれません。

汚染が高ければ、校庭の表面を削り取る必要があると思いますが、その場合には東電が責任をとる形で、東電の原発周辺の敷地内に汚染土を運び込むことは、私も「有り」だと思っています。
校庭からの汚染土を事故を起こした原発周辺に集約するのはそんなに変な対処ではないと思います。汚染土を汚染していない場所に運んで分散させる方が色々と問題が出ると思います。
現在東電が所有する敷地内に適当な場所がもし無ければ、原発から20km圏内の土地のどこかを東電が責任をとって買い上げ、その用途に用いればよいのではないかと思います。
東電の敷地内というのは、責任を負って貰うという意味でも、住民は納得できるのではないでしょうか。

また、東電の敷地内に集めることで、現場の放射線量を増やして事故の対処にあたっている作業員達への健康問題を悪化させるのではないかという危惧もあるかと思いますが、量の問題で、元々汚染がかなり高い所に少々の汚染が増えたところで大差は無いだろうと思います。
(上手くすると、その原発敷地内の汚染のレベルがかなり高い土の上に、ずっと汚染の少ない校庭の土の入った土嚢を並べることで、逆にその部分の土地表面からの放射線量は薄まるかも知れません)

17. こなみ — April 25, 2011 @16:24:50

すみません。校庭の除染の話でした。

この場合の対応は,急いで表土を取り去って,より汚染がひどい場所に移動してしまうことが最善であると思います。急がないと降水のたびに地下に滲み込んでより多くの土を剥がさなければならなくなりますからね。客土のイメージではなく,表土の除去を優先,地面が凹んだ分は後から持ってくればいいだろうという二段階の構えではないでしょうか。

また,これも議論されているところですが,汚染のひどいところにさらに汚染した土をもっていくのはどうかという疑問や抗議が出そうなことが気になります。実のところ強い汚染のところは,すでにケタ違いな強度なわけですから,それほど影響されるわけではないのですが。

18. K.T. — April 25, 2011 @16:23:01

安積黎明高校が、校内の詳細な調査をしています。
それを見ると、学校内でも場所によりかなりの違いがあります。
また、例えば同じ福島市内でもの学校ごとに驚くほどバラツキがあります。
多分、同じ学区内の児童生徒の個々の自宅ごとでも相当の違いがあるでしょう。
その点はICRPも指摘してたと思います。
だから学校の放射線量を厳密に規制してもあまり意味はないのではと考えます。最低このレベルは守るくらいの基準と思っています。
菊地さんがご指摘のように、長期的には1mSv/yにできるように、やれることはやっていく位のスタンスでよいのではないでしょうか。
側溝のヘドロが問題との指摘も聞いています。校庭も、2,3センチ削ればだいぶ改善するという考えもあるようです。屋上の活用もあるでしょう。
疎開などのもたらす弊害がどれだけ大きいかを十分考慮していただきたいと思います。
福島県の住人としての意見です。

19. 佐々木(以下秘密) — April 25, 2011 @16:39:42

こなみさん。日本土壌肥料学会のリンク、Linkなしじゃないと飛びません。
http://jssspn.jp/info/secretariat/post-15.htmlLink

一般の方向けの解説もあります。
http://jssspn.jp/info/secretariat/4137.htmlLink

Up20. 技術開発者 — April 25, 2011 @16:56:41

こんにちは、皆さん。

皆さんにお願いしたいのは、まず、元データをきちんと確認して、その上で議論すると言う事です。

http://purple.noblog.net/blog/q/11192987.htmlLink

このホームページのデータで言うと、赤から黄色黄緑くらいが、対象となる学校という事になります。これらの観測データの元データも

http://www.pref.fukushima.jp/j/schoolmonitamatome.pdfLink

にあります。このうち赤で示された地域は計画的避難が検討されている地域ですから、或る意味、校庭だけきれいにしても意味はない事になります。でもって黄色はほとんど無くて、黄緑の校庭ですが、数十%も減少してくれれば、年間20ミリシーベルトには達しなくなる可能性がある訳です。

ここで、現在の土壌汚染がまず、どういう状態なのか?がある訳ですが、まだ、汚染から1ヶ月と少しですから、全部、土壌にしみこんで粘土鉱物にトラップされている状態では無いだろうと考えています。まだ、砂礫の表面に吸着している状態のセシウムも多いのだろうと思います。これから雨の多い季節を迎える訳ですが、その段階で数十%も減少は充分にあると考えている訳ですね。

なんていうか、年間20ミリシーベルトというのはかなり安全率をとった基準ですから、今すぐ対策を考える必要も無くて、梅雨明け程度まで、モニタリングを続けて、その結果として測定値が下がらなければそれ以降の下がりは遅いだろうと予測して、それから対策を考えれば良いだろうと思っています。

21. 落花生 — April 25, 2011 @17:39:16

いくつかコメントをいただきました。
私の脳内で混線していたところがありますので、少し言い訳させてください。

校庭の表土の除染だけなら、私も東電の敷地(福島第一原発のどこか)に集積しておくのは現実的な選択肢だと思います。

土壌肥料学会のページなんかを読んでいたので、このエントリの主題が「学校の放射線量」だったことを忘れて、無意識のうちに農地など広範囲の除染に思考を広げてしまっていました。「まさか」と言ったのはその無意識からきています。失礼しました。

いずれにしても、土壌の放射線量が思うように下がってこなければ、いずれは校庭だけじゃなく他の土地のことも考えなければならないわけですから、技術開発者さんご指摘のように線量が比較的短期間で下がってほしいところですね。

22. Katase — April 25, 2011 @17:38:13

このエントリーの冒頭できくちさんが示された様に、20mSv/年から屋外線量を換算すると3.8μSv/hとなります。
ですので、技術開発者さんがリンクしたマップ 
http://purple.noblog.net/blog/q/11192987.htmlLink

では、3.8μSv/hは「赤から黄色黄緑くらい」までというよりも水色の上限まで入ると思うのですが…。だとするともっと広い範囲になると思います。また子供達が日中生活する学校に滞在している間は、学校の敷地の放射線量が低く抑えられることで、安全性の効果はあると思います。

(また、子供達の環境を考えると、大人と同じ基準の上限20mSv/年にするよりも、校庭の客土などによって、もっと低く抑える方向を目指した方が保護者達も納得するのではないかと思います)

また、先に私のコメントで引用したデータからは、 
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1303660138#CID1303686889Link

>土壌に放射性Csトレーサーを添加した実験では、添加10日後に水で抽出されるCsが添加量の0.1%という事例が報告(塚田ら, 2008)

とあるように、放射性セシウムを土壌に添加してから10日後には水で抽出できる放射性セシウムはたった0.1%という実験結果があり、技術開発者さんの「これから雨の多い季節を迎える訳ですが、その段階で数十%も減少は充分にあると考えている訳ですね。」というお考えの根拠の出所をもう少し詳しく知りたいと思います。

こなみさんの、
>急がないと降水のたびに地下に滲み込んでより多くの土を剥がさなければならなくなりますからね。

というご意見もあり、可能ならば早めに対処した方が良いのではないかと思います。

23. 技術開発者 — April 25, 2011 @18:03:27

こんにちは、落花生さん。

>技術開発者さんご指摘のように線量が比較的短期間で下がってほしいところですね

実の所、一過性の汚染の汚染直後の減少挙動というのはよく分からない面があります。例えば1960年代から70年代の大気中核実験は世界中に放射性セシウムを降らせた訳ですが、なにせ一発の実験で地球を何周かしながらセシウムが降りまして、そしてそれが収まる頃には次の実験がどこかでやられるみたいな状態で、いつ降ったのがその後どうなったかなんて考えられなかったんですね。分かるのは、或る意味土壌中にきちんとトラップされるとなかなか減らなかったという事だけです。チェルノブイリは、初期値がよく分からないんです(ソ連の報告はずいぶん後ですからね)。これも土壌トラップが起こった後の減り方しか分からない。唯一、私なんかが参考に考えているのが、広島・長崎なんですが、これは降った放射性セシウムは今回よりもかなり少ないです。それでも今回の数十分の1か百分の1くらいになると思います。多くは無いのですが、終戦後に米国が広島で調べた時には爆心地付近でも既にかなり減少していた訳です。広島も長崎も汚染直後に結構雨が降りまして(いわゆる「黒い雨」ですけどね)、汚染直後の雨というのは結構、汚染を洗い流す力があるのではと考えたりしている訳です。

24. wings4 — April 25, 2011 @18:19:07

> 逆に、夏休みをめどに土を入れ替えるなどの具体的な計画が
> 示されるなら、短期的には20mSv/yの線量でもがまんしよう
> という気になれるかもしれない。

笹木竜三文部科学副大臣記者会見録(平成23年4月20日)
http://www.mext.go.jp/b_menu/daijin/detail/1305246.htmLink

記者)
 どうして、校庭にトンボをかけるような形で、表面の上澄みだけどこかへ捨ててしまおうという発想にならないのでしょうか。そうすれば簡単に校庭の放射線量は減っていくという科学者もいますが。

副大臣)
 そういうことは、特に議論にはなっていません。むしろ、今、早くこの基準を出すことが大事だろうというふうに考えて、この原則を出しています。ただ、生活上のいろいろな注意とともに、そういう現場における対応等も、今後も更に付け加えていく可能性はあると思います。今時点は、この年間で20ミリシーベルトという基準にのっとって、再調査した結果を踏まえて早く発表を出すことが大事だということで、対応についても発表させてもらいました。

記者)
 今後、放射性物質を取り除く活動はしないんでしょうか。グラウンドは表面を削る、そのほか壁とかは、雑巾で拭くとか、何か落ちるものを付けて落とすとか、子どもが触ったり遊んだりしても大丈夫なように、教職員や文科省の人が行って取り除いちゃう、もう心配ないですよというふうに。

副大臣)
 生活上の指導も含めて、あれをやらないと安全ではないということじゃないんですが、例えば時間設定じゃないんですが、それ以外の子どもに対する生活上の指導を先生に行ってくださいと、その通知も一緒に出したわけですが、あれをやらないと安全じゃないということではなくて、更に放射線量の影響を受けるのを減らすためにこういう方法がありますよということで通知をしています。それと同じようなことで、そういういろいろなやらないといけない課題が、今後も当然、出てはくるだろうと思っています。まだ、それを具体的に決めている段階ではありません。

要するに文科省は「調べて基準を作って通知は出す。でも具体的な作業はやらない」ということのようです。

UpOwner Comment きくち  April 25, 2011 @19:31:48

やや、それはまた困りましたね。
「夏休み後くらいまでの暫定」っていうのが、それまでに具体的な対策を考えるという意味じゃないのだったら、いかんですよ。
考えてもらわないと困ります

Owner Comment きくち  April 25, 2011 @20:09:49

追記しましたが、郡山市は試験的に表土の撤去を始めるそうです。効果に期待

27. Indy — April 25, 2011 @21:50:21

wings4さん — April 25, 2011 @18:19:07

これは困ったものですね。
生活上の注意はするけど除染作業はやりません、って感じですね…。
会見の様子を見てないので分からないのですが、開き直ってるのですかねぇ…。

28. 佐々木(以下秘密) — April 25, 2011 @21:58:50

効果に期待したいです。客土は対策として誰もが考えることでしょうけれど、今日、「表土の入れ替えで800万」という話をちらっと聞いたところなので、さて、地震による学校施設本体の被害(天井が落ちる、壁が崩れるなど)に加えて、となると、どこまでお金が出るのか・・・    う〜む。

29. アカチバラチ Website — April 25, 2011 @22:47:43

みなさまこんにちは。はじめまして。
再臨界の話でここに辿り着いて、それからちょくちょく覗かせてもらっている者です。

皆様の高度な議論を参照し、勉強させてもらっておりまして、本来ならば私のような者が口を挟むべきでは無いと思うのですが、これまでのところ、少し気になったことがあるので、今回初投稿させていただきます。

学校の土壌の件ですが、文科省の土壌分析結果によると、まだヨウ素もそれなりに出ているようですし、セシウム134も137の8〜9割の数字が出ているようです。
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/detail/__icsFiles/afieldfile/2011/04/19/1305187_0414.pdfLink

例えば、計画的避難区域内を除いて、最も高い線量である5.6μSv/hが確認された伊達市立小国小学校では、ヨウ素131:6800Bq、セシウム134:6700Bq、セシウム137:8100Bq検出されています(/kg)。
今確認されているこの5.6μSvという値は、セシウム137からだけでなく、ヨウ素131やセシウム134からも放射された線量の合計です。

既に皆様ご案内の通り、ヨウ素131の半減期は8日、セシウム134の半減期は2年です。
上の数字の調査日は4月14日なので、仮に9月14日までの5ヶ月間の減衰を考慮すると、ヨウ素131はほとんどゼロ、セシウム134は90%くらいに減っていることが予想されます。

これを、線量定数を用いて線量を仮に計算すると、5箇月間のうちに、79%まで低減することになると思います。
従って、(単純計算ですけど)5.6μSvの線量は、5箇月経てば、時間減衰だけで4.4μSv程度には下がるのではないかと思います。
この場所の場合はこれでも3.8μを下回りませんけど、他の4μ前後の学校は、時間経過だけで3.8μを下回ってくるところも複数あると思います。

ちなみに、5.6μの小学校ですが、ここが3.8μを下回ってくるのは、同じように(単純)計算していくと、1年間で70%となり3.9μ、15箇月で3.76μ(67%)になると思われます。

土壌について、何らかの対策があった方がより早く放射線量を低減できるのはその通りですが、線量を考えるときには、未だそれなりにあるヨウ素131と、半減期2年のセシウム134の存在を考慮するのは有用ではないかと思います。


また、雨による流出効果ですが、私は毎日、茨城の線量をチェックしていまして、4月19日の大雨の時は、通常ならば雨で上がるかと思っていたのに、複数の地点で1割程度の線量の減少が見られました。
これは参考までに、減少が典型的に見られた局舎です。
http://d.hatena.ne.jp/akatibarati/20110425/1303732569Link

セシウムが土壌と結びつきやすいのは上に示されている通りですが、その結びつきの度合いは時間とともに強くなりますので、早い段階であれば、ある程度の流出効果は期待できるのでは無いかと思います。
また、結び付いてしまった後でも、要は土壌の粒子にくっついている状態なわけですから、土壌の粒子が流れるようなことがあれば(泥水)、くっついているセシウムも一緒に流れるのではないかと思います。

今後、9月までには、五月雨、梅雨、台風とあります。どれだけ流れてくれるかは未知数ですが、出来るだけ川を通じて海へ流出してもらい、なるたけ周辺環境からは少なくなってくれることを期待したいです。

Up30. outsidervoice Website — April 26, 2011 @00:24:22

冷静な発信の最後の?砦として拝見しています。

ちょっと、恥ずかしさをこらえつつ質問させていただきます。

汚染表土、積極的に下水に流したらどうでしょう?

川や海はそれなりに汚れますし、下水処理で発生する汚泥の処理が面倒くさいというのがありますが、もしそれで地表がいくぶんかキレイになるのであれば、その差し引きとして、海の広大さが許してくれたりしないかなとか、もし、下水処理の汚泥に放射性物質が溜まっていくのなら、コンパクトになって処理も楽ではないいかと。

しかし一番の理想は、下水処理場でなんか良い方法があれば、そこで一括処理できるのではないかと・・・。

ここまで書いて、下水の専門家に聞くべきことかもと思ったのですが、いつも応援しておりますということで、このコメント残させていただきます。

31. 技術開発者 — April 26, 2011 @04:23:22

こんにちは、outsidervoiceさん。

>汚染表土、積極的に下水に流したらどうでしょう?

泥水による環境破壊の方が問題になりそうですね(笑)。

汚染水とかがれきの処理に関しても少し書いたのですが、汚染物を処理するときに安易に減量濃縮を行うと、濃縮物の方が扱いにくくなるという面があるんですね。平時の原発などでもいわゆる「低レベル」の汚染物というのは出るんですね。管理区域の中を清掃した際の雑巾とか洗浄水とかね。「わずかでも管理区域から外に出すな」が平時の基本ですから、吸着や焼却、あるいは蒸発処理などで減量するんですね。そうすると、量があった「低レベル」の汚染物が、量は少なくなるけど「中レベル」の汚染物に変わるわけですね。低レベルに比べて中レベルの汚染物は扱いにくくなるわけです。少し冗談めいた妄想をすると、例えばセシウムのみを吸いこんでフィルターにためる掃除機みたいなものがあるとしましてね。それで校庭を掃除して歩くとするじゃないですか、校庭1面をキレイにした後のそのフィルターというのは、たぶん、あまり近寄りたくないレベルの放射線をだすのじゃないかなんて妄想するわけですね(きちんと考えたわけではありませんけど:笑)。

こうやって、事故で広がってしまった放射性物質の処理みたいなことを考えるときに、「集めて処理する」という考え方では対応できない面はどうしてもある気がします。どこかで「薄めることで無害化する」という視点で考えていく必要があるわけですね。平時の「広げるな」という意識とはぶつかるわけですけどね。例えば、校庭に雨が降って、上手く流れてくれなくて、地下への浸透がおきたとしても、基本的には土壌中で下に「薄まる」形ですから、地上で子供が浴びる放射線は薄くなる可能性が高いんですね。

なんていうか、どなたかが「穢れ」の意識といわれていましたが、穢れだから薄くなっても広がることを嫌悪される面はあるような気がするんですね。でも現実的にはある程度薄まれば自然放射線と見分けがつかないレベルになるわけです。現実に年間20ミリシーベルト程度というのは、自然放射線として浴びている地域の人もいる程度の量ですからね。

インドのカーストではないけど、高貴な皆さんが「穢れは集めてどこかにやってくれ」というと、集めて濃縮した穢れを扱わなくちゃならない下層の民が必要になる。まあカーストでは不可触階層なんていいまして、高貴な人の目には触れない存在とされるんで、高貴な皆さんが気にすることはしないのかもしれませんけどね。

32. wings4 — April 26, 2011 @08:55:55

> 汚染表土、積極的に下水に流したらどうでしょう?

下水で懸念される放射性物質 農作物や建築資材への影響も
http://diamond.jp/articles/-/11832Link

 この記事で触れられていますが、下水の汚泥処理の段階でおそらく 集 ま っ て しまうことは既に予想されているようです。(汚水はダダ漏らしに海に流してるわけではないので)

 上の記事にあるように通常の焼却処理は「焼却温度850度程度の一般的な焼却炉で処理される」とのこと。沸点651度のCsは本当に「灰に濃縮された放射性物質がそのまま残る」のかしら?と疑問は残りますが、いずれにしても;

地方自治体「国が率先してほしい」
国交省「人手が足らない。規制対象と基準を決める環境基本法そのものを変える議論が必要」

つまり、文科省と同じで「ウチは知らないよ」のようですね。

個人的には低レベル汚染物質(下水汚泥とか土壌表皮など)は、適切に固化する前提で海洋(深海)投棄というのは緊急避難的にアリかと考えています。

たぶん方法は色々あります。
でも、「誰が」やってくれるのでしょうね?

33. ちがやまる — April 26, 2011 @11:16:27

下水道に土を流すのはまずいでしょう。

くわしい者ではないのですが、ちょっとググッてみたところ、わざわざ「雨水マス」に「泥だめ」などを設けて土砂などは下水設備に流れこまないようにしている位のようですね。

なんでも下流に流しておしまい、という感覚ではマズイようです。

34. outsidervoice Website — April 26, 2011 @11:31:21

技術開発者さん、

集めると、放射線レベルが高くなりますよね。表土を削って運ぶというのも、集積、運搬、廃棄の地点で、ほんとに大丈夫? と思います。

表土の削除は、後処理考えずに、「それしかない」と火をつけてしまった専門家?がいるみたいなんですね。

だったら、集めずに運ぶ方法はないだろうかと、最終地点だけに集中できるのなら、なんとかなるような・・・という素人考えでした。

福島市の下水処理場では、自衛隊の放射線処理班?が働いている、みたいなイメージでした。


wings4さん、

確かに、「灰に濃縮される」が疑問です。念のため、今日問い合わせてみたのですが、どこの下水処理場も通常処理を続けているようです(汚泥を焼却したり、リサイクルしたり、肥料にしたり)。ちょっと、問題ですよね。


ちがやまるさん、

そうなんです。自分でも調べてみたら、土流すのは、本来よろしくないみたいんんですね。

土を洗って、その汚水だけ流すみたいなことが、簡単にできないといけないということでしょうか?

Up35. com — April 26, 2011 @11:59:04

こんにちは。 
 
今このタイミングでこういうことを書くと顰蹙を買うかもしれませんが…。 
どういう対策を採るにせよ、最低限として以下の2点を実施して欲しいと考えている次第です。 
 
1.過渡のゼロリスク要求にならないようにする。 
2.リスク評価した結果を誰でも検証できる程度に情報公開する。 
 
#あ、決して対策が不要、とか発言しているわけではないことを明言しておきます。

36. こなみ — April 26, 2011 @13:13:30

wings4さん April 26, 2011 @08:55:55

http://diamond.jp/articles/-/11832Link

>  上の記事にあるように通常の焼却処理は「焼却温度850度程度の一般的な焼却炉で処理
> される」とのこと。沸点651度のCsは本当に「灰に濃縮された放射性物質がそのまま残る」
> のかしら?と疑問は残りますが、

これは元素の単体と化合物の性質をごっちゃにしています。セシウムはイオン化傾向が極めて大きいアルカリ金属ですので,単体として振舞うことはありません。陽イオンとして陰イオンと塩を作っています。仮に塩化セシウムなら沸点は1300℃で遙かに高いのです。

ただし,放射性同位元素の化学的挙動を考えるさいには,その存在量が超微量であることを意識しておかないといけないというのが放射化学の心得です。フォールアウトの中のセシウム137は普通に塩になっているわけはなく,似通った性質のカリウムなどと連れ立って振舞っているはずです。

37. KY — April 26, 2011 @13:46:59

空気読まずに、
outsidervoiceさんの仰られている
> 表土の削除は、後処理考えずに、「それしかない」と火をつけてしまった専門家?がいるみたいなんですね。
に関しては、TVタックルでそんなことを言われている方がいらっしゃいました。
お名前は失念しましたが、その方かもしれませんね。
その方は、雨のシーズンになったら手遅れだ、などと言われていましたが、
これが正しいか否かに関しては、KYには判断できません。

38. 技術開発者 — April 26, 2011 @12:50:58

こんにちは、outsidervoiceさん。

>土を洗って、その汚水だけ流すみたいなことが、簡単にできないといけないということでしょうか?

まあ、私が言っているのは、それを自然の降雨にやらせるということでしてね。せめて梅雨明けまでモニターしながら対策を待っても良いんじゃないのという事なんですね。どのみち雨が多いと校庭の使用率は下がる季節ですからね。まあ、その期間にどういう工事をするかも検討するのも良いかも知れません。全部の小学校の校庭が梅雨の雨で洗われて使用可能になるかどうかは分からないけど、「雨に洗われてもだめだったか」と見極めを付けてからとりかかっても手遅れになるような話では無いんですよ、年間積算で20ミリシーベルトなんて被曝量はね。

私に言わせると、表土を削るとその捨て場がまた問題になるから、いっそ上に土を5センチも被せて固めちゃうなんて事も可能かな、なんて思いますね。土ってのはコンクリほどじゃないけど結構遮蔽能力がありますからね。無くさなきゃいけないみたいな「穢れを祓う」意識じゃなくて、「浴びる放射線量を減らしたい」を中心に考えて貰うと工事方法は広がりますね。

>確かに、「灰に濃縮される」が疑問です。

別なところでも書きましたが、汚染された可燃性のがれきに関しては専用の焼却炉を作る必要があると思っています。普通の焼却炉でも外に出さずに燃やすのは可能ですが、例えは100トンの汚染されたがれきを燃やして、数トンに濃縮された灰とか、焼却炉の粉塵フィルターとか、あるいは排気の洗浄水とかを、普通の焼却炉の作業員の人に扱わせる訳にはいきませんし、それらを扱うにはやはり専用の道具だてというのも必要ですからね。なんていうか、私が皮肉として「高貴なカーストのには不可触カーストは見えない」なんていうのは、みんな「焼却に伴う放出」の方は気にするけど、濃縮物の取り扱いについては気にしない部分を皮肉っている訳です(性格が良くないのは承知の上です)。

39. Isshocking — April 26, 2011 @13:25:44

きくちさん:
>郡山市は試験的に表土の撤去を始めるそうです。効果に期待
その前に文科省から横槍か?
『文科相、福島・郡山の小中学・表土除去に「事実関係確認したい」』
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110426/dst11042613220023-n1.htmLink

Up40. 技術開発者 — April 26, 2011 @14:25:36

こんにちは、KYさん。

>その方は、雨のシーズンになったら手遅れだ、などと言われていましたが、
>これが正しいか否かに関しては、KYには判断できません。

No.31でも書いているけど、或る意味で、平時なら間違っていないんですよ。例えば、こんな感じですね。

「すみません、放射能汚染水を10リットルほど敷地の外にこぼしました」
「急いでそこの土をドラム缶に詰めて管理区域の建物の中に運び込め、雨が降ったら手遅れになるぞ、メーターで検出出来ないところまで掘って詰めるんだぞ」

つまり、手に負える範囲なら「汚染は広げてはならない」は鉄則です。こぼした直後で雨が降っていないなら、その土を全部管理して、汚染が広がらないようにすべきなんです。

問題は今回の事故のように広い範囲に放射性物質をまき散らしてしまったときに、この鉄則に従う事が物理的に可能かどうかということです。どこかで、「このレベル以下の汚染に関しては、薄まるのを待つ(あるいは薄める)事で対処しよう」は必要になると思うんですね。もちろん、上でがれきの焼却のことを書いているみたいに「できること」はした方が良いんだけどね。或る意味で、それは「健康への影響」というのを専門的に横目でみながらも、基本的には政治判断だろうと考えたりしますけどね。

41. こなみ — April 26, 2011 @15:05:18

雨の問題は微妙ですね。私にも見極めがつかないのですが,とりあえずその効果を考えるための量的な感覚を持っておくとよさそうです。
降雨というのは人間が叶わない規模の水を地面に供給するもので,ほんのお湿り程度の 1 mm の降水量でも,1平米あたり 1 L の水が落ちてきます。学校の敷地を1万平米とすると 10トン。
これくらいだと逆に放射性物質を固定しかねないという心配がありますが,やや強めの1日降水量 20mm なら実に200トンの水が敷地を洗うわけです。

大雨が来れば,そんなわけでかなりの洗浄効果が期待できるとは思うのですが,それは東北地方では6月下旬以降と見ておくべきでしょう。梅雨期の降水量は 1000 mm 程度と見込めますから,ヨーロッパよりも遙かに有利とは思います。

なによりも児童・生徒の放射線被曝量の積み上げは時間積分で効いてくるわけですから,表土を剥がすことで減らせるのであればさっさとやるべきです。試みに100平米もやれば効果が確認できるし,費用も簡単な工事程度なのですから,一日もはやくそれはやるべきだと思います。もし効果があったら大急ぎで進めれば,そのぶん被曝量の積算値が減るのだという発想が大切ではないでしょうか。

42. 技術開発者 — April 26, 2011 @16:29:38

こんにちは、こなみさん。

>費用も簡単な工事程度なのですから,一日もはやくそれはやるべきだと思います。

私なんかが気にするのは、工事費用よりもその表土をどこに処理するのかの方ですね。まあ費用にからんでも来るんですが、建築土木って世界は結構「土のやりとり」というのがある世界でしてね。どこか「高いところを削る工事」があると、どこかには「低いところを埋める工事」があって、なんとかバランスしているものなんですね。もちろん、工事の時期に差があると「土置き場」に山にして半年1年寝かしたりもしますけどね。さすがにこの表土は山にしておくのは、周りの人が許してくれそうにないからなんとか処理しなきゃ成らない訳です。なんていうか、私なんかの建築土木の認識からすると、そのあたりの捨て場の調整をするだけで1ヶ月程度は優にかかりそうに感じていて、それなら「梅雨明けまで様子を見たら」なんて考えてしまう訳です。郡山市はその表土をどうするつもりかは、実の所とても興味があったりしますね。文科省の事実関係の確認にしても、表土の処理計画なんかもきちんと知りたいという意識を感じます。表土を適当な所に積まれて、後で問題がおきても困りそうですからね。

>そのぶん被曝量の積算値が減るのだという発想が大切ではないでしょうか。

このあたり、教育者であるこなみさんと、産業人である私の差が結構大きくでる部分なんですね。私なんかは積算値を上げない方策として「とりあえず、校庭を使う時間を減らして」とお願いすることで、積算値をあまり上げないで様子を見たがる面がありますね。たぶん校舎の屋根なんかに降った放射性物質はすでにけっこう流れていて、校舎内の数値は校庭ほど高くないんでしょうからね。まあ、校庭の使用を控えるというのが教育上どの程度問題か、分かっていない部分はありそうですけどね。

43. こなみ — April 26, 2011 @17:12:53

> > 費用も簡単な工事程度なのですから,一日もはやくそれはやるべきだと思います。
>
> 私なんかが気にするのは、工事費用よりもその表土をどこに処理するのかの方ですね。

一日も早くやるべき事は,対象地全体の処理と言っているわけではありません。試験的に100平米の面積を3センチ削って,その土を校庭の片隅に1メートルの高さに積んだとすると,3平米しか必要じゃないわけですよ。表土の処理といっても試験段階ならそれで済むわけです。急いでやるべき事というのは,それで効果を評価することです。
その結果として顕著な改善があって児童・生徒の被曝量のレベルを引き下げられるのであれば,費用を掛ける意味はあるでしょうし,そうでなければ別の対応をしなければならないということです。

44. Katase — April 26, 2011 @16:58:08

校庭の表土が風で舞い散って生徒達が放射性物質を鼻から吸い込んだり口から飲み込んだりする他に考えられる内部被曝のもう1つの懸念としては、時間制限で校庭を使用した場合に、もし運動中に転んだりして怪我をしてズリっとすりむくなどの傷を負ったときに、汚染された土が直接傷口に触れてそこから放射性物質が入り込むという可能性もあるかと思います。

子供はよく転んで怪我をするので、もし可能であればやはり早めの放射線量軽減の対処があると安心ではないかなと思います。

技術開発者さんがご懸念の表土を削った場合の運び先は、私のコメント 
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1303660138#CID1303713639Link
で考えた、東電に責任を持って福島原発の敷地内or原発から20km圏内のどこかに場所を用意してもらうというのは、非現実的な案でしょうか?

それと、降雨で校庭から放射性物質が流れ出るという可能性もありますが、逆に周辺から学校の敷地に流れ込むという恐れはないでしょうか?
立地によっては、周辺に山や高台があれば、そこからの雨水が学校側に流れ込んで運が悪いと逆に放射線量が上昇してしまわないかともちらっと思ったのですが、どうでしょう。
学校によっては、校庭の水はけが悪かったりしますし…。

放射線量が降雨によって増えるか減るか、どっちになるかはなってみないと分からないかもしれません。
積極的に除染の処置をすれば、その分減らすことはできるので、運を天に任すよりは良いのではないかと思うのですが、どうでしょう。

Up45. sasanokawa — April 26, 2011 @17:38:51

除去した土は郡山市の郊外にある埋め立て処分場へ持っていく事になっております。
下記URLの質疑応答部分に載っていますのでご参照ください。
http://www.city.koriyama.fukushima.jp/pcp_portal/PortalServlet?DISPLAY_ID=DIRECT&NEXT_DISPLAY_ID=U000004&CONTENTS_ID=23201Link

一郡山市民としてはこの試作が良い結果を生み、他の治自体でも行われることを願って止みません。

46. outsidervoice Website — April 26, 2011 @17:52:20

素朴な疑問なのですが、

郡山市で削った表土を集めたときの、その塊の線量はどういう計算になるんでしょうか。

運搬とか作業や廃棄地で、気をつける必要はない土塊なんでしょうか。行為としては、濃縮ですよね。

たとえば、土の山の前で作業する人は大丈夫? ダンプで運ぶとして、ずっと背後にそれを乗せている運転手は大丈夫? みたいなことですけど。

技術開発者さんが心配されているのも、集めるがゆえに、一般には扱えないものになる恐れがあるのではないかと・・・。心配ないのならいいんですが・・・。

47. こなみ — April 26, 2011 @17:55:07

ツイッターで野尻さんとやり取りしながら考えたのですが,Cs137で汚染された土のγ線は,薄く広い表土の層を剥がして丸く積んでしまうだけでも外に出る量は激減するんですね。鉛と密度を比較するとγ線の遮蔽(2,3桁下げる)のに必要な土の厚みは50センチほどになりますから,その内側のものは閉じ込めてしまったのと同様です。もしも穴に埋めて表面に土を1メートルもかぶせてしまえば,ほぼ問題はなくなるだろうと思います。

sasanokawaさんの話では埋立処分場を使うということで,もちろんそれはベストですが,実は校庭内での積み上げとか埋設でさえ結構な効果はありそうだと思いました。

48. 井口堂 — April 26, 2011 @17:26:40

校庭の表土を剥ぎ取る場合、必ずしも、その土を東電の敷地へ運ぶ必要はないと思います。
校庭の片隅にコンクリートで囲いを作り、剥ぎ取った表土を入れた後、水を表層の10cm程度上まで充たして、金属製のふたをかぶせる程度のことで十分ではないでしょうか。(水は、土が乾燥して飛散しないためと、土表面からの放射線の遮蔽効果が期待できるため)

校庭の面積が50m×100m=5000m2であり、表土10cmを剥ぎ取るとすると、土量は500m3になります。
25m×20mの囲いに入れれば、高さは1mです。コンクリートの高さを1.4m程度にすれば十分でしょう。

表土剥ぎ取り案は、剥ぎ取った土をどこが受け入れるかを決定するまでに時間がかかる可能性があります。また、運搬路の問題でも調整に時間がかかりそうです。
取り敢えず校庭の片隅に隔離しておくほうが現実的ではないでしょうか。

なお、責任の点から考えると、東電の敷地という案になるのかもしれませんが、放射性物質があるからということで、即、東電の敷地と考えるのは、現実的ではないと思います。特に、福島第一に関しては、原子炉を安定化させるために必要な施設を建設することが最優先です。優先順位をつけて考えることが必要かと思います。

49. 井口堂 — April 26, 2011 @18:07:37

#48のコメントに追加です。

表土を剥ぎ取る工事において、予め、表土を湿らせておくことは言うまでもありません。

Up50. こなみ — April 26, 2011 @18:08:57

outsidervoice さん: April 26, 2011 @17:52:20
> 素朴な疑問なのですが、

> 郡山市で削った表土を集めたときの、その塊の線量はどういう計算になる
> んでしょうか。

すでに書きましたが,土自体は数10センチで通常のγ線遮蔽の効果を持つので,できるだけ表面積の小さい塊にしてしまえば,そこから外に出るγ線の量は劇的に下がります。その効果を考えると,むしろ集めてしまったほうがよいのです。

51. outsidervoice Website — April 26, 2011 @18:13:41

さきほどsasanokawaさんに教えていただいた記事を見ると、うすく剥ぎ取ろうとしていますよね。

http://www.city.koriyama.fukushima.jp/pcp_portal/PortalServlet?DISPLAY_ID=DIRECT&NEXT_DISPLAY_ID=U000004&CONTENTS_ID=23201Link

こなみさんの考えでは、厚く剥ぎ取った方がいいということのようなきがするのですが、郡山市の薄く剥ぎ取る方法は問題ないですか?

52. かとう — April 26, 2011 @20:04:24

>outsidervoice — April 26, 2011 @18:13:41
いや、こなみさんの書いている事は、厚く剥ぎ取るって話では無いです。
剥ぎ取った後の土を狭い場所厚く置けば、それで十分っなのでは?て話です。
処分する場所が見つからなかったとしても、薄く剥いだ表土を一箇所にかためておくだけでも直にやった方がいいという提案です。

53. こなみ — April 26, 2011 @20:53:10

帰ってからざっと試算してみました。使っているパラメータとしては土 0.5m でγ線が 1/1000 に減衰するということだけで,この数字はやや曖昧です。

さて,10000平米の校庭の土を厚さ3センチ剥ぎとって,高さ3メートルの円筒状に積み上げたとすると直径が11メートルになります。校庭の土に広く撒かれていた放射性物質からの放射線全体の強さ(単位面積当たりの強度掛ける面積)と,この円筒の側面と天井から放出される放射線全体の強さの比は,500:1 程度になります。
また単位面積あたりの強度は 6:1 程度です。
表面の近くだけは汚染されていない土やコンクリートにしてしまえば,単位面積当たりの強度はさらに2桁程度減らすことは比較的容易でしょうね。

まあ,そんな汚染土の棺桶みたいな建造物が学校の校庭にあるなどという風景は,21世紀の学校の怪談になってしまいそうですが。

54. えおじの — April 26, 2011 @21:10:17

表面を剥ぎ取った後さらに1m位掘って表面の土を入れてから埋め戻すとかはできないんですかね
気になるならさらに他から持ってきた土を加えるとか

捨て場所気にする必要ないし
保護者は気にするかもしれませんが

そんなに校庭に土の厚みがないんですかね

Up55. アカチバラチ — April 26, 2011 @21:19:15

すいません、皆さんの意見を拝聴していて、また触発されたところがありまして、また発言させていただきます。

この問題を考えていく場合、そもそも、20mSvという基準が妥当であるか否か、そこのところをしっかりと確認しておくことが、大前提なのではないかと思います。
どこまでが安全でどこからが危険なのか、そこのところをしっかりと確認しておかないと、対策を行うと言っても、線引きが難しくなるのではないかと思います。

学校全体の内、一部の学校で20mSvを超えました。この超えた学校でだけ対策を行うと言うのなら分かりやすいのですが、他の基準値を下回っている学校でも行うとなると、計画的避難区域との関係で、整理が難しくなってくると思います。

計画的避難区域も、20mSvが基準とされています。
子供は、学校だけで生活しているのではなく、家に帰ってからも多くの時間をそこで過ごします。
家の近所で呼吸もしますし、走り回りもするでしょうし、遊びや通学途中で転ぶことだってあるでしょう。

もしこれが、学校には10mSvを基準とし、家は20mSvであるとしたら、整合性が問われます。計画的避難区域の基準を10mSvまで引き下げるか、それとも10mSvを超えれば学校かどうかを問わず対策を実施するか、そういったように全体を対象に考えないと、防護対策の整合性が取れず、住民からの問合せにも答えられないと思います。

20mSvが安全なラインであるとして、そこからさらに対策を行うとすれば、それは「やった方がより安心感がある」というのが理由でしょう。
ですが、「やった方がより安心感がある」という理由で対策を行うべきとなれば、それは10mSvでも5mSvでも、どのような数字でも成立ちます。
どのような数字でもやった方がいい、ということになり、それは結局、会津以東の福島県の大半に当てはまることになってしまうと思います。
線引きをするにも、そして現実に対策を行うにしても、非常に難しくなると思います。

自治体独自の判断であれば、「やった方がより安心感がある」という理由で独自に対策を行うのは現実的に可能でしょうが、国としては20mSvを安全ラインとして決めている以上、「この部分だけはやった方が安心感があるからやります」というのは、なかなか現実的に難しいのではないかと思います。

子供が生活しているのは学校だけではなく、むしろ家の方が長いのですから、「全域的にやれ」という話になりかねないと思いますし、穿った見方をする人の中には、「国は20mSvを安全と言っておきながら、学校だけは特別に対策をするという。これは、本心では20mSvを危険と思っている証拠だ!」と騒ぎだす人もいるかもしれません。
「10mSv以上と言えば自分の家だって10mSv以上だ。一体安全なのは、20mSvなのか10mSvなのか、国はきちんと説明しろ」、と言い出す人も出かねません。

対策をやらないよりかはやった方が放射線量が下がる、というのは正にその通りですが、それを理由にやるとなると、国が自分で決めた基準値を自ら否定することにもなりかねません。
問われるべきは基準値である20mSvが安全であるかどうかであり、安全ならそのまま、10mSvや5mSvでないと安全性が確保できないならそこまで下げさせる、そういう、基準値の妥当性を固めることが、そもそも論なのではないでしょうか。

国とは違った立場の自治体が、独自の判断で「より安心感」を求めるのは成り立つかもしれませんが、国が「より安心感」を求め出したら、そもそも始めから「より安心感」が得られる基準に設定しておけと、そういう話になるのではないかと思います。

(ちなみに、原子力安全委員会委員の中で「子供は10mSvを基準にした方がいい」、と言った委員がいますが、その委員の専門は原子炉物理・原子炉工学で、別の被ばく医療の専門家として選ばれている委員が、そう言ったわけではありません)

余談ですが、原発敷地内に散布した飛散防止剤、効果があって本格実施だそうです。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110426/t10015559901000.htmlLink
栗田工業の「クリコートCー720グリーン」というものらしいですが、どんな成分なのか全く知らないのですが、もし公園や宅地に使えるものなら、こういう可能性もあるかもしれませんね。

56. outsidervoice Website — April 26, 2011 @21:36:00

こなみさん、

丁寧にどうもありがとうございます。

もし、可能ならでいいのですが、勉強のために、計算式も教えておいていただけますか。

素人は、計算式を辿っていかないと、自分の実感と違う感じを納得させることができなくて・・・。

お手数をおかけしますが、よろしくお願いします。

57. こなみ — April 26, 2011 @21:11:29

すみません,大きな計算ミスがありました。
上の想定による放射線の放出量は円筒に閉じ込めた場合で 0.04倍程度に下がり,表面積あたりの強度は2.4倍程度に強くなります(これは表面から深くまで分布している放射性物質からの放出の総和が,薄い表面からだけのものよりも強くなるわけで当然)。

そんなわけで,この円筒の外側をコンクリート+土の層で遮蔽することが必要ですが,それでさらに1/100 ぐらいに下げることは上に書いたように容易です。

58. outsidervoice Website — April 26, 2011 @21:39:47

こなみさん

あ、そうか、円柱の山の少し内側にあるものは完全に閉じ込められているということですね。

すみませんでした。

59. outsidervoice Website — April 26, 2011 @21:52:33

こなみさん、

私のコメント、とんちんかんなタイミングで入っていますが、理解しました。

ほんとうに、ありがとうございます。

2.4倍の段階が注意事項といえば、注意事項ですか。元々、そんなに高くないとも言えますけど・・・、郡山。でも、念のために市には伝えられた方が、後々、市が変な非難を受けなくて済むのではと思いますが・・・いかがですか。


それから、土の遮蔽効果に関する資料がどこかにアップされているでしょうか。これ、すごく重要な情報だと思いますので、素人仲間にも伝播させようかなと・・・。

Up60. outsidervoice Website — April 26, 2011 @22:00:09

こなみさん、

すみません。

土をもっと厚く削ったら、表面強度が劇的に下がりませんか?

(理解していない質問?)

61. K.T. — April 26, 2011 @21:49:59

アカチバラチ さん

私も素人なんで、その範囲での意見なんですが、
ICRPの勧告でも、これで良いという基準なのではなく、20mSvを切っても、そこで弛むことなく、元の自然状態に近づけるべく努力を続けるべきであるという意味のことを言っていたと思います。

そもそも、20ミリでも10ミリでも目安に過ぎにないのだから、誰がどんな手段でやったにせよ、下がればそれに越したことはないわけです。

それに文句をつける人はお役人以上にお役人的発想になっている人だと言ってやればよいのだと思ます。

62. outsidervoice Website — April 26, 2011 @22:04:57

アカチパラチさん、

お話の参考になるかどうかわかりませんが、私たち素人仲間では、もし、表土除去作業の危険性が低いと確証が持てれば、学校については、父兄が自主的に作業するという方法があるんではないかと考えています。

姿勢としては、「国の基準は安全だけど、子どもは将来があるので、親の気持ちとして長く時間を過ごす学校くらいは、さらにキレイにしてやりたい」みたいなところです。

実は「国の基準は安全」という姿勢は、(疑いを持っていても)親としては重要なんではないかと考えています。子どもの心の健康のために。それでなくても、子どもはすごく心配していますもんね。

というようなことを、私、神奈川在住なんで、当事者の方々の気持ちは理解してないかも知れませんが、考えました。

63. 哲人774 — April 26, 2011 @22:18:02

outsidervoiceさん

父兄の自主的な作業については費用の面や作業開始までの時間の早さ等の利点があると思いますが、「国の基準は安全だけど、(中略)さらにキレイにしてやりたい」という姿勢には賛同しかねます。

子供の安全となればついつい過敏になってしまうのが親心です。それは時として過剰な反応を起こします。悪くすると「○○校は2m掘ったらしい。じゃあウチは3mだ」と言うような競争意識が起こったり、「国の安全基準を満たしただけの学校よりも、もっとキレイにした学校がある。同じ公立ならそっちに行きたい」と言うような学校格差を引き起こすことも考えられます。最悪の場合、国の安全基準を満たしているにも関わらず「あそこの校庭は危ない。あそこに通っている生徒には注意しろ」等の差別が起こることさえありえます。

作業の人手や費用の面で親御さんたちの負担協力を仰ぐことになるとしても、地域や濃度等の基準に沿ってある程度一律な対応をしないと却ってその後の混乱を引き起こすのではないかと危惧します。

64. アカチバラチ — April 26, 2011 @23:15:42

>K.T.さん

いや、おっしゃるとおりでして、放射線量を下げることを考えれば、やらないよりかはやった方がいいわけです。
ただそれを、ICRP勧告に基く1mSvに持っていくための措置、と位置づけて国がやるとなると、「じゃあ他のところはどうするんだ」という質問が待ってるんだろうと思うのです。
住民から、「自分の家の周りも10mSv超のエリアだぞ、家には子供がいるんだぞ、ここもやってくれ」と言われれば、ICRP勧告に基づけてしまう以上は、出来ませんとは言えないわけです。
いつやるんだ、という話が必要ですし、マスコミにも「他の場所は?」と当然聞かれると思います。

ICRP勧告に基く措置と位置づけると、当然、他の場所への対処も必要になるし、説明もしなければならないわけです。
「とりあえず学校だけ応急的にやります」「他のところは検討中です」
という説明で押し切るつもりならいいかもしれませんが、ICRP勧告に基く措置と位置づけるなら、恐らく本筋としては、福島県内の居住地を1mSvに近づける計画なり工程表があって、その中で学校を優先的にやるんだ、という整理が必要なんだろうと思います。
あくまで国がやるとすれば。

で、そうなると、もちろん、やれるなら全部やった方がいいんですが、やる気の問題というよりも、リソースをどう使うかという実施段階の問題になるのでは無いかと思います。
学校や公園だけなら市町村レベルでできるでしょうけど、地域全体の除染となってくれば、優先順位のつけ方なんかも出てくるでしょう。

線量の高いエリアに集中的に振り向ける、あるいは各市町村毎に分散させて進める、考え方は色々あると思いますが、あくまで国が、ICRP勧告に基く措置と位置づけて対処していくなら、概算でどれくらいの費用が必要なのか、いつまでにどれくらいの作業を進められそうなのか、そういう整理もしておく必要があるのでは無いかと思います。

UpOwner Comment きくち  April 27, 2011 @00:19:46

ICRPに従うかぎり、20mSv/yより低いところも、最終的に1mSv/yを目指すような対策を取るのが筋ですし、そうするべきだと思います。
ただ、そのためには優先順位をつけて、順に進めていく必要があり、その優先順位を理解してもらえるように説明するということでしょうか。

66. KOH — April 26, 2011 @23:15:56

学校のグラウンドなどは土の飛散や流出,固化をしないように,また水はけを良くするよう改質土の舗装のようになっている場合が多いのではないかと思います.
その場合の表層はおそらく100mm程度ではないかと思います.
その下は砕石や暗渠パイプが走っている,そんな断面だと思いますので,厚く剥ぎ取ろうという場合は基盤からやり直さないといけないと思います.

67. outsidervoice Website — April 26, 2011 @23:07:43

哲人774さん、

なるほど。

掘る深さは、数センチ以上になると、効果には関係ないと思うのですが、削った学校、削ってない学校の格差問題ですね。愛情のない親が集まった学校とか、そういう揶揄も想定されるでしょうか・・・。

すると、次の選択としては、基準値を全く外して、全部の学校がやるか、やらないか、みたいな選択ということでしょうか。

たとえば父兄が手伝うから、郡山市は全部やってくれ、と要望を出すんでしょうか? 行ける人は、他の学校にも行きます、みたいに。

じゃあ、今度福島も行かせてくれ、とか。みなさん、それどころではないのが現実だとは思うのですが・・・、うーん、私は手伝いに行ってもいいですが・・・。と言う人も、たくさん、いるような気もします。「全国のお父さんお兄さん、次の土日はスコップ持って福島集合!」みたいなこと?

以上、部外者の勝手な思い付き(妄想)です。たぶん、解決案になってないと思うのですが・・・。

ただ、まずは、この作業の安全性確保ですよね。郡山市にとっても。ここで、こけたら先が辛いですよね。

68. outsidervoice Website — April 26, 2011 @23:28:12

こなみさん、KOHさん、

3センチが6センチになっただけでも、表面強度全然変わりませんか?


たくさん書いてすみません。

69. outsidervoice Website — April 26, 2011 @23:35:35

こなみさん、

度々すみません。標準的に積み上げた山の表面積あたりの強度がなんとなく1(元と同じ)になるような削り方がわかると、非常に、作業の安心感があるかと・・・、つまり、郡山方式が進展できるかと・・・。

まだ私この件、理解してないかも知れませんけど・・・。理解してない場合は、ここで、この質問打ち切りますので・・・お許しを。

Up70. さんちゃん — April 27, 2011 @00:04:20

グランドの断面図はこんな感じ。(全部がこうなっているとは限らんが)

http://www.ayaha.co.jp/kankyo/ccsoil/ccsoil3.htmlLink

表層だけとればOKかな?
基盤まで掘ると大変そう。

71. 憂鬱亭 — April 27, 2011 @00:17:34

情報提供だけ。

郡山市で削る表土の厚さは2センチです。

福島県では、校庭に金をかけてないので、
単純に地面、というところが多数です。

また、多くの学校では、改善策をとらないまま、
26日または27日から屋外活動開始になります。

私の勝場では地震対策と称して、
避難訓練で今日校庭に整列、座らせました。
だれも何も注意しません。
生徒が指で土いじりしてましたが、
生徒も教師もスルーです。

72. K.T. — April 26, 2011 @23:52:10

アカチバラチさん

ご心配のような状況が、起きる可能性は大いにあるとは思います。

例えば福島市内の場合、資料を見ると、4キロ足らずの距離で二倍以上の放射線量の違いがある小学校があったりします。

また、十数階のマンションに住む児童がいるかと思えば、その近くには昔ながらの木造一軒家があって其処にも児童がいるといったことも当たり前にある地方都市です。

だから、エリアを一応分けたとしても、一人一人の積算線量はかなり違ってくると思います。既に他の方が指摘済みのことですが。

ご心配のような状況が発生したとしても、実際には対処のし様が無いと思うのです。

結局、考え方を変えて目安でしかない事を理解してもらうことが一番大切だと思います。
その上で、市町村は、管轄の学校や公園を緊急性のあるところから改善し、あとは、学校自体や父兄の自主的な取組みがあれば支援するぐらいのゆるいスタンスでやらないと息切れすると思います。

73. こなみ — April 26, 2011 @23:55:35

いろいろ質問していただいていたのにお答えしてなくてすみません。



この計算の基本的な部分は,次のようになります。最初放射性物質は表面付近の数センチの厚みの中に均一にあるものとします。別に均一でなくても結果は変わらないのですが便宜上です。この場合地上に向かって放出されるγ線はほとんど遮蔽をうけません。そこで厚み d の層の土の内部から上方に向かう放射線の強度は厚みに比例して ρd と置けることになります。ρは放射性物質の「濃さ」に比例する係数です。

今度はこの土を積み直して厚い層にしましょう。今度はその厚みによる遮蔽効果が効いてきて,表面から奥にある放射性物質からの寄与は指数関数的に減少します。この減衰を exp(-λx)で表します。x は厚み方向の深さで λは減衰定数です。この状況で表面から飛び出す放射線の強度は簡単な積分で計算でき,ρ/λとなります。

結局,表土からの放射線の強度と,それを厚く積み直した土の内部からのそれの比は, d : 1/λ ということがわかります。ここで d = 0.03 m, λ= 13.8/m とおくと 1 : 2.4 ということになります。
なお,λの値の根拠としては,鉛(比重11.3)によるγ線の遮蔽が10cmで1000分の1程度として,土(比重約2)遮蔽効果が密度に比例するとして求めたものです。ここはえいやっと決めたので,セシウム137によるγ線について妥当かどうかはちょっと自信がありません。仮に上記の鉛による減衰を 1/100 とすると,λ= 9.2/m あたりになり,そんなに大きくは違わないでしょうけど。


で,後は表面積の比で放射線の総量を計算すればいいわけです。

計算のプロセスはともかく,要するにあけっぴろげに広がっている放射性物質をコンパクトに丸めてしまえばよいというわけです。厚みの効果があるので,外に出る放射線の量はさほど増えない(これがポイント)し,表面積は減らせるので,周りを数10センチのコンクリートや土で覆うとか,穴を掘って埋めれば,このレベルの放射線だったらほぼ完全に遮蔽できるはずです。

多分,かなりの人が放射性物質を含む土を積み上げるとすごく強い放射線を発することになるのだろうというふうに想像するだろうと思うのです。しかしそれは土そのものが遮蔽効果を持つので違うんだということが,ここでのそもそもの発想なんですね。

74. こなみ — April 27, 2011 @00:53:01

outsidervoiceさんは,私が書いている方式を,何か特別な削り方でもしていると思っておられるようですね。私は長々と書いていますが,要するに単純に表土を削って,表面積をなるべく小さくした塊にして積むなり埋めるなりしちゃえばいいんだというのが言いたいことです。非常に単純な方法でしかありません。

Up75. 井口堂 — April 27, 2011 @00:46:51

文部科学省の福島県内の学校の放射線量率のデータ(4月14日測定)を見ていると、「コンクリート敷地値」の値が「校舎外平均値」の3〜5割減程度になっています。
表の下欄に「校舎外平均値の空間線量率の数値で校庭等の空間線量率を判断」と記載されており、どう解釈すればよいか少し迷うところですが、「校舎外平均値」が単純に校庭での測定値のことであれば、土が剥き出しになっている場所よりコンクリート部分の線量率が低いことを示していることになります。

市街地のほとんどは、コンクリートやアスファルトで固められており、そこに落下した放射性物質は降雨毎に洗い流され、側溝から下水道(下水道が整備されていない場合は河川等)に移動して減少します。
これに対して、校庭は水はけが良いことから降雨があっても洗い流されることなく、その一部が地下に浸透するにとどまります。

結果として、市街地の中では例外的に土の剥き出し部分を持つ校庭が周囲に比べて線量率が高くなる可能性があるように思われ、表土を削りとるという行為は、局所的に線量率が高くなっている部分を除去することにも繋がるような気がします。

76. かとう — April 27, 2011 @01:24:23

井口堂さん

福島県立安積黎明高等学校のHPに載っている、
http://www.asakareimei-h.fks.ed.jp/housyasen_4_25.pdfLink
このデータを見てください。

77. outsidervoice Website — April 27, 2011 @01:17:07

こなみさん、

ほんとすみません。食い違っている部分がわかりました。

わたしが厚みにこだわっているのは、今は、表層近く1センチ以内くらいに放射性物質が集中していると考えているからです。表層近くにあることが共通理解だろうと思いながら、ずっとお話を伺っていました。

で、その場合なんですが、汚染されていない部分の土の厚み(量)を加えることで、より遮蔽効果、つまり、集積場所の放射線量(作業の安全性)が高まると思ったのです。

層状に重ねるとしたら、たとえば、放射性物質のある表面を下向きに置くだけでも違うだろうと。また、厚みによって、1層下の放射性物質はかなり影響が小さくなるだろうという考えです。また積み上げたものの側面は、余分な土も含めた場合バームクーヘンの断面状態ですが、それだと、かなり遮蔽されるだろうと・・・。

願いとしては、作業時に、元の土より数値が上がる時点があるというのは、必ず問題が出てくるので、それを防ぐ方法を知りたいなというところなんです。2.4倍のときがあるというのは、たぶん、行政の人は追及されると困るだろうと。おそらく普通の業者を使うわけですし。

変なこと言ってたら、「理解してないですよ」ということで、終わりにしちゃってください。

78. 井口堂 — April 27, 2011 @01:39:05

かとう様

福島県立安積黎明高等学校のデータには、私も気付いておりました。
ただ、「アスファルト面」がどのような場所か判断がつかないため、言及しませんでした。(図を見ると、体育館と校舎の間とされる「アスファルト面」には屋根があるようにも思えます)

学校の線量データをもとに#75で推論を展開しましたが、このようなデータを見る以前から、コンクリート等で固められた市街地の放射性物質が降雨で洗い流されるイメージを持っていました。
逆にいうと、下水処理場が大変かなと・・・。

79. 技術開発者 — April 27, 2011 @04:00:40

こんにちは、outsidervoiceさん。

>技術開発者さんが心配されているのも、集めるがゆえに、一般には扱えないものになる恐れがあるのではないかと・・・。心配ないのならいいんですが・・・。

基本的に「集積」であれば問題はありません。上では焼却炉などの「減量」の話も一緒に書いてしまったので、混乱したかもしれませんね。

私が「様子を見ながら」と言っているのは、どちらかというアカチバラチさんが言われているような「不安を下げるための行為が新たな不安を引き起こす」みたいな面への心配があります。急に心理学に話を振って申し訳ないのですが、人間には「一貫性」という性質がありまして、何か行為を始めてしまうと、その行為の方向性を延長・拡大させることには抵抗感が薄れ、止める方向には抵抗感が増大するものなんですね。そのため、「校庭を」と処理を始めると、「児童公園は」「通学路は」「自宅の庭は」と次々と不安の種を自分で見つけて、処理する前よりも抱える不安の量が大きくなってしまう可能性はあるわけです。「やらないより、やったほうがよい」という考え方からすると「梅雨明けまでモニタリングの結果を見続けてから、それでも必要な校庭に関して行う」というのは、とても消極的に見えると思うんですが、ある意味、「なぜ、その校庭についてはやるのか」みたいなことをきちんと考える時間を持って欲しいという思いがあるわけです。

Up80. コンピュータはCG — April 27, 2011 @05:32:30

地表を削って一箇所に固めて除けてしまうことで校庭での被曝量を容易に1/100程度にまでは低減できる、ということですね。

いわれて見ればその通りですが気が付きませんでした。


ところが、より問題なのは生徒児童より妊娠の可能性のある女性なんですね。

ICRPの1-20μSvは、緊急時においても無原則に陥らないための窮余の策としてのガイドラインなのであって、本来許されるのはやはり1μSvである、と解釈すべきものです。

そして、それでも最悪で20μSvといっているのですから、標準的な児童生徒の生活様態においてそれ以下であろう、なんて環境に長期間住民を生活させることICRPの基準に従うならはおよそ許されないのです。

もうね、こんな「暫定的考え方」を出す政府は対外的にも信用されませんし、我々も一切信用すべきでは在りません。



電離放射線障害防止規則

(放射線業務従事者の被ばく限度)
第4条 事業者は、管理区域内において放射線業務に従事する労働者(以下「放射線業務従事者」という。) の受ける実効線量が5年間につき100ミリシーベルトを超えず、かつ、1年間につき50ミリシーベルトを超えないようにしなければならない。
2 事業者は、前項の規定にかかわらず、女性の放射線業務従事者(妊娠する可能性がないと診断されたもの及び第6条に規定するものを除く。)の受ける実効線量については、3月間につき5ミリシーベルトを超えないようにしなければならない。

Owner Comment きくち  April 27, 2011 @08:41:55

解釈については、本文に書きました
ICRPは「土地を見捨てずに住み続けること」に一定の重きを置いていて、そのための上限値を20mSv/yとしているのであって、平時の「放射線業務従事者の被曝限度」を持ち出すのは筋が悪いと思います。平時の規則は放射線業務従事者であってもいくらでも厳しく設定することができます。
ただし、妊婦や子どもは大人より厳しい設定であるべきだという点は同意ですが。

ICRPの1-20mSv/yは1mSv/yに下げるための対策をとるという前提でのものであることが一番だいじでしょう。その対策が見えていない(やるのかやらないのかわからない)点が最大の問題です

82. コンピュータはCG — April 27, 2011 @07:54:20

訂正: 誤 μSv 、 正 mSv

83. outsidervoice Website — April 27, 2011 @08:26:16

技術開発者さん、ご丁寧にどうもありがとうございました。

あと、みなさん、たくさん書いていてすみません。と、気が引けつつ、書くんですが・・・・

「集積」の件ですが、私もお話お伺いして、問題ある数値にはならないのだなとは思っているのですが、ちょっと、郡山市職員になりきって考えると、やっぱり心配なんですね。

放射線は微妙な問題ですので、作業中に幾分かでも数値が上がることが予想されるのであれば、それは、何としてでも避けたいなと。その最大の理由は、後からのクレームが怖いから、なわけなんですが・・・(「数値が上がる可能性を予想しながら作業させていたのか!市にそういう権利があるのか!もし、作業員が将来病気になったら、市が保障するのか!」みたいなクレームです)。

ですので、数値が上がらない(下げる)作業の仕方というのがあれば、現場でちょっと「集積」したものの数値が避けたい値に近づいたら、「数値上がってきたので、ちょっと○○しましょう」と現場で指示することができますし、クレームが来たときにも、そのように作業しましたと言えるかなと。

今、お伺いしている話では、この「○○しましょう」が「ちょっとだけ深く掘りましょう」でOKなのかなという感じがしたわけです(ここの理解が違っていたらだめですが)。すると、そういう風に作業しましたという報告も堂々と?できると。

また、そのためには、放射性物質は現状、地面近くの濃度がより高く、浸透が相当浅いことが前提なのだと思いますが、この前提は、まあ間違いないだろうと。


心理的なことの話は、書かれている通りだと思います。私は半分以上は、郡山市は本来、この作業はやるべきではないと思っています。

ただ、やるみたいですし、文科省もストップしないみたいですし、じゃあ、できるだけ、後に問題になりそうなことを、避けるようにしてもらいたいなと。

それから、やるのであれば、「集積」したものの数値が従来環境以上に上がらない方法を検証しておいてもらうのは、後々、意味が大きいかなと。それに気をつける必要はないかも知れませんが、方法も簡単だとわかっていれば大きいかなと。

そういうことで、質問し続けさせていただいています。

ほんと、すみません。

84. KOH — April 27, 2011 @09:10:01

>outsidervoiceさん

>3センチが6センチになっただけでも、表面強度全然変わりませんか?

毎日の記事によりますと

> 原発から放出された放射性物質は地面の表層にとどまっているとの専門家の指摘があり、市独自に対策を取ることにした。

とのことですので,対応のスピード,施工性,費用,リスクといったものと期待される効果を勘案したものでしょう.
厚く剥ぐことが有効と思うだけの根拠は私にはないです.

>憂鬱亭さん

> 福島県では、校庭に金をかけてないので、
> 単純に地面、というところが多数です。

たとえば,
福島県の小中学校等の放射線量マップ
http://atmc.jp/school/Link

の中の郡山市立橘小学校 4.6μSv/h(1cm高さ),3.3μSv/h(1m高さ)

は舗装メーカーの実績表に見ることが出来ます.
http://www.highclay.co.jp/jigyou_htm/jisseki1.html#fukushimaLink

こういう学校が少数なのかもしりませんが,そんなに格差はないのかも?と思った次第でした.

Up85. 技術開発者 — April 27, 2011 @09:00:00

こんにちは、outsidervoiceさん。

>作業中に幾分かでも数値が上がることが予想されるのであれば、それは、何としてでも避けたいなと。

私に言わせると、その段階で、outsidervoiceさんもまた一つの心理トラップにはまり込んでしまっている様に見えるんですね。順番に考えると、現在の校庭の放射線強度は、1ヶ月くらい浴び続けても現実には何も問題の無い量です。問題にしているのは、それを子供が1年間浴び続けると累積で問題があるかもしれない(これもまた充分に安全率をとって考えてのことですが)から、なんとかしようか、なんて考え方なんですね。例えば工事の間に10倍強い放射線の場所ができたとしますね。そこに作業員が累積で24時間いて浴びたとします。それでも、累積で言えば今の校庭に10日ほどいたのと同じであるわけですね。しかも大人です。

outsidervoiceさんの書き込みを例に出してしまいましたが、別に含むところが有るわけではありません。私も含めて人間という生き物の心理傾向というのは、そうなりやすいのです。「少し問題だから対策しようか」とはじめても、対策に意識を集中するとその前提であった「少し問題」が「問題だから対策している」となり、いつの間にか「徹底的に対策しなくてはならない問題」みたいな認識になっていく面は、誰もが持っている訳ですね。つまり問題の軽重の認識が対策するという行為を行う事で揺らいでくる面があるんですね。私が恐れているのは、それが集団で起きる事であったりするわけですよ。

放射性物質の問題に関しては、人の議論がどうしてそうなりやすい気がしています。地球上の特定の地域では年間累積量で20ミリシーベルトに近い自然放射線量の場所で普通に生活している人もいる訳です、先祖代々ね。まあ、だから構わないという事でもないんですが、校庭の表土を削って対策するにしても「基本的に大きな問題は起きないだろうけど、念のために表土を削って放射線量を下げようか」という最初に持っている意識を無くさないで、対策を進めるというのは結構難しいものだし感じています。

86. outsidervoice Website — April 27, 2011 @09:24:10

技術開発者さん、ありがとうございます。

その件はわかってますよ。同じ作業員が必要期間、その作業を続けることまで考えておいたいいとは思いますが、「自分としては」全く気にする数値でないと思っています。

ただ、行政の現実で考えた場合に、環境より数値が上がらない方法を知っておくということが大きいのではないかと。逆に、上げてはいけない強い仕事上の圧力が予想できるわけです。

その(ロジカルでない)現実を、望んでいる人は少ないでしょうけど、たとえば、今回の20mSV/年が、平時の「20倍」というインパクト(印象)で多くの人は話を展開していますよね。何倍かの話より、危険がどれくらい想定されるのかの方が重要であるにも関わらず、です。

で、この表土除去作業の「印象」を一番左右するのが、「作業時に放射線数値が上がるのかどうか」だと思うわけです。それは、その数値が、どれくらい危険かということとは関係なく。一度、気になった人はそこにこだわりますから、「作業時の線量が高いということは、一般の人よりも増加するのではないか。どういう権利があって市がそういう作業をできるのか」とか、そういう話にもなりかねないと。最悪の場合ですけど、そんなクレームが来ない方法を想定できていると、担当者は、より安心して作業ができるんではないかと。

また、このあとの無駄な議論を省けるのではないかと。

この作業がなぜ必要なのかという議論も予想されるのですが、上記の議論よりは、はるかにマシな議論だろうと思うわけです。そのマシでないほうの可能性は摘んでおくにこしたことはないのではないかと考えました。

それと、繰り返しになりますが、「作業時の放射線数値が環境より確実に上がらない簡単な方法がある」ということが確認できれば、それが、いろんなターニングポイントになるのではないかとも予想しています。
表土削除が本当に必要な地域にとっての。

87. トンデモブラウ — April 27, 2011 @09:37:35

何カ月も屋外活動なしというのは非現実的なので(特に幼稚園とか)、校庭を重コンで被覆して、人工芝でも貼っておけばいいのではないでしょうか。
とりあえす120年ほど。

Owner Comment きくち  April 27, 2011 @10:39:56

コンクリと人工芝は子どもの運動に向かないと思うにゃー

89. リチャード — April 27, 2011 @10:20:47

コンクリ+人工芝は痛いんで堪忍してください。
ロングパイルのいいやつならマシなんですが、今度は引っ掛かりが増えて
よくこけるので、幼稚園には向かないと思いますよ。

Up90. トンデモブラウ — April 27, 2011 @10:40:51

では、ペルシャ絨毯ということで。

91. Katase — April 27, 2011 @10:48:47

ICRP Publication 111の日本語訳が提供されているので紹介します。

・日本アイソトープ協会「ICRP Publication 111 日本語版ドラフト」 
http://www.jrias.or.jp/index.cfm/6,15092,76,1,htmlLink

内容をかいつまむと
「publication 103で勧告された1〜20mSvの範囲の下方部分から選定することを勧告する」となっていて、
その目的としては、「個人線量を参考レベルを下回る様に防護策を実施すること」であり、「小児や妊婦などの特別なグループにも留意すべき」とも書かれています。


92. wings4 — April 27, 2011 @11:39:55

校庭の表土除去始まる=小学校などで放射線対策−福島・郡山(2011/04/27-10:33)
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011042700050Link

> 薫小学校では、工事業者が校庭の放射線量を測りながら、
> 土ぼこりが舞い上がらないように水をまいた後、道路の
> 表面を削って平らにする重機「グレーダー」などを使っ
> て、広さ約9000平方メートルの校庭の表土を厚さ3
> センチ程度除去した。土は市内の埋め立て処分場に運ばれる。

始まりました。

93. さんちゃん — April 27, 2011 @12:05:09

削った土の処分方法ですが、盛り土にしてコンクリートで固めて巨大堤防をつくるのはどうかなぁ。

そういえば、野球部の保護者がグランドの芝生を無断で撤去した事件があったが、勝手に表土を削る人はでてこないよねぇ・・・・。

94. 井口堂 — April 27, 2011 @15:38:28

郡山市での表土除去に関する情報です。
http://www.minpo.jp/view.php?pageId=4107&blockId=9834149&newsMode=articleLink

福島民報HPからの引用です。
「市は、20日に開成山陸上競技場サブグラウンドで表土除去効果を検証。その結果、セシウムの値が1センチ除去で4・1マイクロシーベルトから1・97マイクロシーベルトに、5センチ除去で0・00マイクロシーベルトに低下した。作業は民間業者が重機やスコップで行い、土は市内の河内埋立処分場の一角に埋める。放射線取扱の国家資格を持つ市環境保全センター幹部が、現状での数値は埋設しても環境に影響がないと判断したという。費用は約5000万円だが、市の基準を上回る民間の幼稚園(毎時3・0マイクロシーベルト)や認可・認可外保育所も要請があれば応じる方針で、総額で1億円に上る見込み。当座は市の予備費を充てる。」

また、処分先である河内埋立処分場に関する情報は以下のとおり。
http://www.city.koriyama.fukushima.jp/pcp_portal/PortalServlet?DISPLAY_ID=DIRECT&NEXT_DISPLAY_ID=U000004&CONTENTS_ID=13348Link

郡山市が運営する処分場であり、隣接する河内クリーンセンターでの焼却残渣等の処分も行っているようですが、先月下旬からは、災害ごみの仮置き場としても使用しています。
汚水処理施設がありますので、降雨による放射性物質の地下への浸透状況についてもモニタリングが可能と思われます。

Up95. hakugen — April 27, 2011 @16:48:20

避難区域、計画的避難区域、緊急時避難準備区域等になっていないところで、短期的に校庭の表土を除去することに合理性があるかは疑問です。
言い換えれば、居住できる区域で何故校庭を他の場所と区別して優先的に除染するのか?

「児童生徒等の受ける線量を考慮する上で,16時間の屋内(木造),8時間の屋外活動の生活パターンを想定すると,20mSv/年に到達する空間線量率は,屋外3.8μSv/時間,屋内(木造)1.52μSv/時間である」
屋外3.8μSv/時のところで(1.52×16+3.8×8)×365≒20000と想定しているのを
校庭だけ除染したらどうなるのか?、どれだけ線量下がるのか。
屋外3.8μSv/時に満たないところでは?

1〜3mSv/年くらい下がることを期待しているのなら、当面様子見でもいいんじゃないですか。例えば半年くらい。
様子見でもそれくらい(あるいはもっと)下がるかもしれないのだし。

費用対効果を他の場所も含めた他のオプションと比較して「校庭除染が線量低減効果大であるから優先的にやるべし」という話になってるのとは違うように思えますが。そこに違和感を覚えます。

96. アカチバラチ — April 27, 2011 @19:38:29

「除染というのは、話として、とても大きな話になってくる」という事なんだと思います。

私の推測になりますが、国としてもおそらく、いずれその局面になることは理解していると思います。
いずれ除染というミッションが浮上してくるのは理解していても、それをどう進めるかの検討にはそれなりの時間が必要でしょうし、発表のタイミングも重要でしょう。

これらには、原発の状態や継続的モニタリングの結果が重要になるわけですが、一番重要なのはやはり原発の状態でしょう。
今はなんとか押さえ込みに成功していますし、私としても今後収束に向かっていく可能性の方が高いとは思いますが、悪化のリスクは残っています。
ICRP勧告に基づく除染を進めていくとして、除染計画を立てて作業を進めても、もし仮に原発に変化が起これば、計画や作業そのものがやり直しとなります。

また汚染地域全体を1mSvに持って行く計画を立てるにしても、やはり実施段階のリソースの振り向け方として、避難区域やその周辺といった線量の高い地域からやっていくのか、各市町村まんべんなくやっていくのか、そういう方針が必要になるわけですが、それが決められるのは、やはりある程度原発のコントロールに見通しがついて、各地域の汚染状況が確定した段階になるのではと思います。

ICRP勧告に基づいた除染を進めていくことはもちろん必要なのですが、そのような意味から、今の段階で除染の具体的中身を示すことは時期的にまだ早いのかなと。現実的には、夏休み明けと言わず半年や1年は学校を使っていても健康への実害は小さいと思いますので、原発をコントロール下に置けて、放出を管理できるようになる見通しがついた段階の方が、混乱を少なくできて良いのかなと思います。

そんなわけで、今の段階で国として、「ICRP勧告に基づいた除染を進めていく」という具体的中身を伴った方針を示すことは、少し難しいのかなと思います。
ただ、スローガンというか意気込みとして、「国としては除染をやっていくつもりだ」という意気込みを示すことは出来るし、不安解消や希望を与えるという意味でも、そうするべきだと思います。

ただこれは、政府事務レベルの問題というよりも、政治家の姿勢の問題になってくるとは思いますが・・・

>ICRPは「土地を見捨てずに住み続けること」に一定の重きを置いていて

これは多分、放射線の危険性を訴える多くの人が考えているより、健康に重要な意味を持っているのだと思います。
チェルノブイリの時は、住み慣れた土地から強制的に離れたことにより、避難住民に大きなストレスが生じたことが指摘されています。
放射線量そのものによる障害と言うよりも、ストレスなどの複合要因により、多くの健康障害が出たことも指摘されています。

放射線量だけを見て危険や避難と言うことは簡単ですが、避難範囲を拡大すればするほど、こういった精神的要因による健康への悪影響も考慮する必要があると思います。
もちろん、精神要因の面は定量的な分析が進んでいないところでしょうから、推測でやっていくしかないわけですが、実際には健康への悪影響のない数字で、避難範囲を拡大することが、一方で精神要因の健康障害を生み出してしまう危険性も考慮されるべきと思います。

現実として避難範囲が拡大すれば、倒産や失業もそれだけ発生し、困窮死・経済死というものの危険性も上がるでしょう。妊婦や子供だけ基準を厳しくして家族離れ離れということになっても、精神的ストレスは増加するでしょう。

放射線による危険性が現実に憂慮されるレベルなら、避難を即断することが必要ですが、そうではなく、現実的には健康へ悪影響が及ばないレベルの線量である場合には、放射線から来る健康への悪影響と、避難による精神的ストレスから来る健康への悪影響と、それらを包括して、リスクを考えていく必要があるのではと思います。

97. 落花生 — April 27, 2011 @19:49:26

hakugen ― April 27, 2011 @16:48:20 さん

> 校庭だけ除染したらどうなるのか?、どれだけ線量下がるのか。

私も、効果、費用、作業者の被曝、残土の処理など検討すべき事項は多岐に渡り、合理性の評価はなかなか難しいと感じますが、一方で

> 居住できる区域で何故校庭を他の場所と区別して優先的に除染するのか?

については、次のことが理由付けになるんではないでしょうか。

1. 放射線の影響をより受けやすい小児の被曝量を優先して低減すべきである。
2. 人々の生活・居住区域は様々だが、ほぼ100%の学童が平日の日中の大半を学校で過ごしている。
3. 校庭は草木や建造物がなく平坦で、除染の労力やコストが少なく、線量の変化も評価しやすい。

すべての学校を対象にするかは別として、手始めに行う試験的な除染の対象としてはいいんじゃないかと。

98. 井口堂 — April 27, 2011 @20:33:58

校庭の表土除去問題を考える時には、「ある濃度で、そこに存在する汚染が拡散することを容認したほうがよいか、拡散する前に回収したほうがよいか」という視点も必要であると思います。

校庭の表土は、常にWETの状態をたもたなければ、周囲への拡散はさけられません(しかし、常にWET状態では学校の活動に支障をきたすと思います)。校庭の放射線量という視点から考えれば、拡散によって減少が促進されることになりますが、それが全体にとって良いことなのかとの判断が必要だとおもいます。

例えば、海洋への放射性物質の放出が生じてしまいましたが、放出した放射性物質の拡散を促進し濃度を下げるほうが良いのか、放出が生じた海域を準閉鎖状態において放射性物質の回収をはかるほうが良いのか、「拡散すれば濃度が下がるから」と単純に決定できる問題ではないと思います。

勿論、常に回収するほうが良いという結論にはならないと思いますが、まとまって存在する放射性物質を拡散後に同量回収しようとした時の困難さを考えると、こうした視点での検討も必要ではないかと思います。

99. かとう — April 27, 2011 @21:28:40

アカチバラチ — April 27, 2011 @19:38:29

僕はこのアカチバラチさんの意見に賛成です。
国としてやろうとすると指摘されている様なさまざまな問題点もあり、今すぐ着手するのは困難だと思います。
しかし、今回の郡山が、自治体自身でが予算を組んで始めてしまうのも賛成です。
特に費用対効果を考えるに、試験的にどこかで試してからやるわけで、そのテストケースとして自治体がやっちゃってくれれば一番いいし、その後国として対策をする事が決まれば後払いで助成金を出せばいいんだし。
KOHさんが最後に紹介してくれた様に、時々グラウンドのメンテナンスは必要なんだから、助成金が出なくてもグラウンドのメンテだと思えばいずれ市がやらないといけなかったんだと思えば、まあ許容範囲だし。

そういう意味で、私立にもお金を出すという郡山の決断はある意味立派だと思います。
#うちの市長になってくれないかな。。。

Up100. zyx Website — April 27, 2011 @23:10:53

こんな話もあります。興味ある方は覗いて見てください。

101. zyx Website — April 27, 2011 @23:15:08

訂正します、興味ある方は以下のサイトを覗いて見てください。

http://onihutari.blog60.fc2.com/blog-entry-44.htmlLink

102. Katase — April 27, 2011 @23:35:23

zyxさん

それ、誤った情報ですね。
・【あやしい】米国でプルトニウム・ウランが検出される:過去20年間で最大値【注意】
http://togetter.com/li/128687Link

Owner Comment きくち  April 29, 2011 @01:42:45

データの見かたがわからないまま、あわてちゃったということですね

104. Toshi2100 — April 28, 2011 @00:19:45

がっこーの放射線量を考えるのに、なんで慌て者の話が…?;w)

本題です。
郡山の校庭の土処理で、処分先と揉めてるようです。(信頼度無しな新聞なので、要注意ですが。)

http://www.yomiuri.co.jp/feature/20110316-866921/news/20110427-OYT1T01051.htmLink

福島の瓦礫を川崎へ…の郡山内部バージョンですかね。

Up105. 井口堂 — April 28, 2011 @02:42:53

>郡山の校庭の土処理で、処分先と揉めてるようです

郡山市の対応の早さに驚いたのですが、記事が本当だとするとコミュニケーション不足ですね。
政府の情報発信に注文をつけている自治体が同じことをやっては、洒落になりません。
解決方法を間違えると、埋立処分場を使うという手が、今後、他の自治体でも使えなくなる可能性があります。

106. 井口堂 — April 28, 2011 @03:02:35

Katase — April 27, 2011 @23:35:23

>それ、誤った情報ですね。
・【あやしい】米国でプルトニウム・ウランが検出される:過去20年間で最大値【注意】
http://togetter.com/li/128687Link

RTした人物の開き直りツイートが載っていますが、この論理が許されるなら何でもありです。
インターネット社会のコストとして、このような人物がでてくることも許容しなければならないのでしょうか?

107. たろう冠者 — April 28, 2011 @04:04:30

みなさんこんにちは。ROMってました。

(理屈はともあれ)孫を持つものとして、とても安心できません。
放射線の悪影響は累積です。郡山市の早い対応は評価できます。
予備費からの支出だそうですが・・・。
汚染除去は本来、東電が駆けつけて、やるべきことではないですか?
東電のそそうは東電が(はやく)始末すべきです。

108. zyx Website — April 28, 2011 @05:10:30

>>井口堂さん
おはようございます。
了解です。かなり雑なデータの解釈をしてますね。

109. zorori — April 28, 2011 @06:02:32

たろう冠者さん、

>東電のそそうは東電が(はやく)始末すべきです。

そうですが、火事は消防署ではなく出火者が消火すべきといっていたら、遅くなってしまいます。
避難所なども東電ではなく、各自治体が対応しています。

Up110. たろう冠者 — April 28, 2011 @06:59:04

>そうですが、火事は消防署ではなく出火者が消火すべきといっていたら、遅くなってしまいます。

おやおや。
何も「東電の社員達が来て」片付けろといってる訳ではありません。
責任の所在を言ったつもりだったのですが。
東電が本当に責任をとるつもりがあるのなら、下請けでもよこしても
よいのではないでしょうか。

今はとにかく(梅雨で汚染が深くしみこむ前に)早い対応が必要かと
思います。

Owner Comment きくち  April 29, 2011 @01:45:31

やってしまってから、請求書を送りつけてもいいわけですよ

112. KOH — April 28, 2011 @08:46:48

学校の話のエントリですから拡散させたくもないのですが,農地の場合も表層から500mmぐらいを天地ひっくり返して置き換えるという方法もあるらしいですね.
(ソースは昨日の帰り道聞いたNHKラジオですが)
ただ,二度はできないので今後新たな放射性物質が降らないという見通しがついてから,ということでした.

113. Enzo Romeo — April 28, 2011 @08:18:16

たろう冠者 さん

>責任の所在を言ったつもりだったのですが。

ここ(kikulog)で「東電に責任はない」と言っている人はいないはずなので…。

東電任せにしていたら間に合わないと思ったら、自治体等自分達でやって、掛かった費用は後で東電に請求すればいいのですよ。
原子力損害賠償法は無過失責任を定めていますからね、損害が発生したら注意義務違反がなくても賠償責任を負います。

114. 技術開発者 — April 28, 2011 @08:12:45

こんにちは、井口堂さん。

>勿論、常に回収するほうが良いという結論にはならないと思いますが、まとまって存在する放射性物質を拡散後に同量回収しようとした時の困難さを考えると、こうした視点での検討も必要ではないかと思います。

私もこの部分について考えているのですが、たぶん、私の方が井口堂さんより、「回収しない範囲」を広く考えている面があると思います。これは、上でも書いていますけど「放射線管理」について良く教育訓練を受けた人ほど「回収して管理下におく」という意識が強いのだろうと思います。

なんて言いますか、たろう冠者さんの書き込みなんかを見ていても思うのですが、民事の「原状回復」と言う事の難しさですね。こんなたとえ話をすると、皆さんに叱られるかも知れないけど、例えば新車を買って直ぐに追突された様な事故でね。「板金修理で直るって言ったって、無傷の新車が事故履歴のある車になったじゃないか、新車にしてくれよ」なんて話は山ほどある訳ですね。そう言われる気持ちの部分はとてもよく分かるけど、少なくとも日本の判例基準では板金塗装で使用に問題がなく直るなら、その範囲の賠償にしてきたわけですよ。「一緒にするな」と言われる事を覚悟の上で言うと、やはりどこかに「事故前に比べれば、放射線レベルは高くなっていますが健康には差し支えませんのでそのまま居住して下さい」の線引きはできてくる訳です。もちろん風評被害の様に「損害」として認められる部分はある訳だけど、同時にどこかに「事故前の状態(原状)とは異なっているが、それは許容される範囲である」もまた出てこざるを得ない。

そんな事を考えていると、その「許容」部分に関しては或る意味「拡散する事で薄くなる」を中心に考える事になるのかなと思ったりする訳ですね。

Up115. 技術開発者 — April 28, 2011 @10:37:05

こんにちは、Enzo Romeoさん。

>東電任せにしていたら間に合わないと思ったら、自治体等自分達でやって、掛かった費用は後で東電に請求すればいいのですよ。

今回の郡山市が校庭の表土を処理した費用が損害賠償の対象となるかどうかを考えていましてね。私なりの見方では、たぶん、損害賠償の対象になるだろうと判断します。ところがね、じゃあ、これを例えば市民が自分の庭について、処理業者を呼んで処理させて、そのかかった費用を損害賠償として請求した場合、微妙ですね。学校の場合には、校庭の使用を控えるような指示が出ている部分がかなり大きく効く気がしています。

116. wings4 — April 28, 2011 @12:51:19

郡山市の校庭表土除去、見直しも 運搬先の住民猛反発
http://www.asahi.com/national/update/0428/TKY201104280113.htmlLink

「地域に事前の説明なしで、なぜ物事を進めるのか」
「バカにするな」
「国や東京電力がやるべき問題で、市がやることではない」
「市の勇み足だ。国がノーと言っているのに、なぜ、市だけが急ぐのか」

被曝云々以外に、こういう「害」も出てしまうところがこの災害の過酷なところだなあと思います。

117. かとう — April 28, 2011 @13:03:56

ここで議論されている通り、これでも児童が受ける放射線は少なくなりますし、実際行った後の測定でも減っている事が確認出来ているはずです。(何か情報統制があるようで、結果の公表は出来ないみたいですが)
勇み足でも無いし、適切な処理だと思います。
誰か郡山市役所に知り合いのある方がいらっしゃれば、ここを見せてあげて欲しいぐらいです。

118. さんちゃん — April 28, 2011 @14:42:20

20ミリシーベルトは高いと指摘。

・ノーベル賞受賞医師団体「日本政府が設定した子供の許容被曝量高すぎる」がんになるリスクは成人の倍以上
http://www.excite.co.jp/News/net_clm/20110427/Rocketnews24_91660.htmlLink

119. 技術開発者 — April 28, 2011 @14:58:01

こんにちは、さんちゃんさん。

>ノーベル賞受賞医師団体

なんだかよく分からない表現ですね。医師がノーベル賞をとるとすると医学生理学賞かと思うのだけど、該当しそうな人が調べてもいません。医学生理学賞は基本的に団体に送られる事はなくて、団体での授賞があるのは平和賞だけなんですね。平和賞は「国境無き医師団(1999)」とか団体に対する授賞の経緯はあります。可能性のある団体としては、「核戦争防止国際医師会議(1985)」とか「赤十字国際委員会(1963、1944)でしょうか?

Up120. dwn — April 28, 2011 @15:34:11

>ノーベル賞受賞医師団体

「核戦争防止国際医師会議(IPPNW)」の方みたいですね。ヘルファンド博士は北米代表副会長だそうで。

(IPPNWの日本語HP)

http://www.hiroshima.med.or.jp/ippnw/ippnwnitsuite/Link

ここの人なら出しそうなコメントではありますが、記事の見出しに「ノーベル賞受賞」と書くのは医学生理学賞受賞者だという誤読を狙った悪質なやり口な気がします。

121. かとう — April 28, 2011 @15:32:57

そこで言われているのは、IPPNW(核戦争防止国際医師会議)ですね。
核戦争防止の為にちょっと安全側に倒し気味の所です。
こうやって殊更取り上げる人は、IAEAがノーベル平和賞を取っている事には気がつきたくないんですよね。

まあ、IPPNWがちょっと安全側に倒しているとすれば、IAEAはちょっと危険側に倒していると思いながら、色々なものを見ましょうっていう話かと。

122. さんちゃん — April 28, 2011 @15:43:24

技術開発者さん

参照もとの記事の映像を見ると反核で平和賞をとった団体のようですが、詳しくは分かりません。

http://news.tv-asahi.co.jp/news/web/html/210427018.htmlLink

123. Toshi2100 — April 28, 2011 @15:46:37


124. 技術開発者 — April 28, 2011 @15:37:02

こんにちは、dwnさん。

その後調べていったら、「社会的責任を果たすための医師団」という名前に当たりました。でもって、1985年に「核戦争防止国際医師会議」とともにノーベル平和賞を受賞したという記事もあったのですが、ノーベル賞の記録をみてもそうはなっていませんでした。共同授賞というのは、例えば、「赤十字国際委員会」の1963年の授賞は「赤三日月国際委員会(イスラム圏の同じ活動をする団体ね、十字をシンボルにはできない歴史がありますからね)」と共同授賞になっているみたいにきちんと記録がのこりますからね。

「社会的責任を果たすための医師団」というのを調べてみたら、ずいぶん歴史は古くて、1960年代からあったみたいです。そういう意味では、「核戦争防止国際医師会議」より前からあります。ただ、ずいぶんマイナーな団体だったみたいでして、最近になって米国で盛んになってきた団体のようです。

Up125. wings4 — April 28, 2011 @15:51:49

校庭の土除去“冷静対応を”
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110428/k10015612671000.htmlLink

> 高木文部科学大臣は、福島県郡山市の小学校などで校庭などの
> 表面の土を取り除く作業を行うことについて、
> 「土や砂を入れ替えなくても屋外活動ができる」と述べ、
> 冷静な対応を呼びかけました。

「土や砂を入れ替えなくても、政府が目安として示した1時間当
 たり3.8マイクロシーベルト未満の放射線量なら通常の屋外
 活動ができる。3.8を若干超えても、1日1時間に収めれば
 屋外活動ができる」
「大事なのは継続的に放射線量の測定をしっかりやることだ。
 学校の先生に線量計を持ってもらい、安全性の確保を心して
 いくことが重要だ」

だそうです。

126. hakugen — April 28, 2011 @16:17:06

私は郡山市の対応は馬鹿げていると思いますが。
損壊した家屋等の災害廃棄物(放射性ではない)の処理を川崎市が引き受けると表明した件でさえ苦情が殺到したのに。よその放射性の汚染土を持ち込むなんて話を勝手に進めて搬出先の住民がすんなり納得してくれるとでも思ったのか。

どうしても校庭除染したいんだ、というのなら。
校庭を深めに掘って上方の土と下方の土を入れ替えたらいいんじゃないですかね。

私はそれでも疑問ですが。費用対効果が疑わしい。
今慌てて校庭だけ除染しても20mSv/年がせいぜい17mSv/年くらいにしか減らないでしょう。郡山以外でもやったら校庭除染だけで何億もかかりますが。急いで金かけてやる必要あるのかと。
「子供の健康上20だと危険だが17だと安全」という訳ではないのに。

避難区域、計画的避難区域、緊急時避難準備区域等になっていないところの校庭よりも、もっと他に優先すべきところがあるんじゃないですかね。居住や耕作等ができなくなっているところを回復する方が費用対効果大だと思いますが。

127. かとう — April 28, 2011 @16:48:09

河内埋立処分場は、郡山市内にあり、郡山市役所の一組織です。
別に他所じゃないですよ。
自分家のこっちの部屋からあっちの部屋に移すだけです。
だからこそ迅速に進んだわけで、迅速すぎて処分場の近くに住む方へ事後承諾になってしまった。それを今、反省してらっしゃって、今後の対応策を考えてらっしゃる所です。

>校庭よりも、もっと他に優先すべきところがあるんじゃないですかね
郡山市内の話ですか?
郡山市内にその他色々ある問題と比べて、それらは校庭と同程度の優先順位だと判断したんだから行ったと思います。
郡山市外の話なら、それこそ郡山市長や市役所には何の権限も無いので勝手な事は出来ません。相手自治体から要請があって、始めて何か動けるようになります。

>郡山以外でもやったら校庭除染だけで何億もかかりますが。
郡山以外でもやるなんて誰も言ってませんね。もちろん、郡山市長がそう発言しても、塵一つ動かせませんが。法的権限がありませんので。

あと、
>今慌てて校庭だけ除染しても20mSv/年がせいぜい17mSv/年くらいにしか減らないでしょう。
この見積もりはどうやってだしたのでしょうか?
僕は、上のほうでこなみさんが行われた計算を支持します。

128. 技術開発者 — April 28, 2011 @17:13:56

こんにちは、皆さん。

郡山市の話なんかをみていると「行政」というものについて考えたりします。「お役所仕事」みたいなのは「無能で遅い仕事」という意味で使われたりします。私の親父は町役場の職員だったのですが、私が中学生くらいの時期には、親父の仕事が「会合(寄り合い)」ばかりだった時があります。いわゆる「地べた」の調整だったのですが、個々の利害がどうしても絡む話を一地区ずつ説得して歩いては土木工事を起こして居たわけです。そこまで親父が頑張っても苦情の電話なんてのはしょっちゅう掛かってきていました。笑い話ですが、私が声変わりしていたので親父と声が似ているんですね。だから電話に出るなり苦情がはじまるわけで、親父のやっている仕事が良く分かったんですね(笑)。

研究所で移転なんかの実務にも巻き込まれたのですが、うちの研究所を今の場所に誘致した市の担当者が、なんていうか、漂わせている雰囲気がその頃の親父と一緒だったんですね、つまり「地べた屋」さん(笑)。本当は私も、そうそうゴネたりしたくなかったけど、私だって自分の研究所の利害を背負って会合に出ている面があるから、いろいろ要求したりもした訳です。移転が終わった頃に市のその担当者も「10年やってやっと配置転換して貰えました」なんて言うので、心から「ご苦労様でした」なんて言った訳です(笑)。

なんていうかな、行政って「調整」があるから遅い面はあるんですね。でも、今の風潮は「役人はとにかくさっさと動け」でしょ、調整なんてまだるっこしい事は「いらない」と市民が思うから、たぶん「工事するならさっさとやれ」なんだと思うんですね。じゃあ、市民は文句言う処分地の側の住民を「黙らせ」てくれるはずなんですよ、「さっさと動け」という人たちがね(笑)。

129. hakugen — April 28, 2011 @18:28:32

逢瀬町の住民から見たらいくら郡山市内でも逢瀬町以外は「よそ」じゃないんですか。「自分家のこっちの部屋からあっちの部屋に移すだけ」というのは、えてして「持ち込む側」の言い分であって「持ち込まれる側・受け入れる側」にはそう簡単には通用しないと思いますけど。

そもそも放射性の汚染土を持ち込むことは処分場建設時には想定していなかったことだし、逢瀬町の住民も了解していないことでしょう。廃棄物の処理及び清掃に関する法律にも抵触するのでは。

>郡山市内の話ですか?

郡山に限らず、です。
野菜は特に福島県内で郡山も含めてまだかなりの範囲で出荷制限かかっていますし。避難区域、計画的避難区域、緊急時避難準備区域等になっているところの「現実の経済的損失」もありますから。それらは「生活かかってる」訳で。

>郡山以外でもやるなんて誰も言ってませんね。

初めの方のコメントでは「福島県でやるべし」みたいな主張が見受けられるようですが。
2番目のKataseさんとか17番目のこなみさんとか、郡山に限った発言ではないでしょう。かとうさんだって99番目で「よそも郡山に続け」みたいなニュアンスでは。

>この見積もりはどうやってだしたのでしょうか?

屋外3.8μSv/時のところで(1.52×16+3.8×8)×365≒20000と想定しているのを
数字変えたら計算できるでしょう。
校庭だけ除染したら3.8×8のところが変わります。
例えば、校庭2時間として除染で1.52まで落ちるとか0になるとか試算。
0になる場合なら(1.52×16+3.8×6+0×2)×365≒17000
休日や雨の日を考えたら、実際の線量低減効果はもっと小さいんじゃないですか。

Up130. 井口堂 — April 28, 2011 @18:32:11

#126で技術開発者さんがコメントされているように、この手の問題には、複数の利害関係者の利害の対立という問題が必ずといっていいほどあって、行政が行動を起こすまでに時間がかかるのは、この利害の対立を「できるだけ円満に解決する」ことを目指すからです。

一般に信じられているように「役人が責任感がなくすぐサボる」ことが時間がかかる第一の理由ではありません。露骨に、市民=善玉、役人=悪玉と考えているわけではないでしょうが、それに類した深層心理で「市民対役人」の関係で物事を判断する馬鹿馬鹿しい習慣は止めましょう。

問題は、市民間の利害対立です。これを果断な処置で解決できたという例を私はほとんど知りません。時間がかかることも覚悟して、地道に調整を
続ける王道を選ぶ以外に選択肢はないように思います。

最初、郡山市が表土の除去を行うと知った時は、郡山市の調整能力の高さに賛辞を送りたい気持ちでしたが、結局、踏まなければならない手順を飛ばしただけと分かってガッカリしました。
モタモタする国との違いを見せたかったのでしょうか。
苛々する状況に力む気持ちはわかりますが・・・。

131. かとう — April 28, 2011 @20:38:25

hakugenさん
あなたの発言がおかしいんであって、反対を言う逢瀬町の住民の発言が間違っているなんて言ってません。
郡山市がすべき事は郡山市民とその市民が選んだ郡山市長、郡山市議会で決めるべき事であり、国がすべき事や県がすべき事とごっちゃにしているからおかしいという指摘をしているんですが。
逢瀬町に住む郡山市民が反対を言う事は例え感情的だとしても全く問題ありませんし、今回の処置に対して次回選挙時に逢瀬町の意思を示せばいいでしょう。
他の自治体の人でも郡山市の行動に賛意を示したり反対意見を言うのは、大いに言えばいいですが、上記に書いたように市の責任で出来ない事を「やらない」とか言い出しているから的外れな事だと述べています。

>初めの方のコメントでは「福島県でやるべし」みたいな主張が見受けられるようですが。
やった方がいいと言う意見を言っている人は沢山居ますし、僕もそういう意見です。
僕の指摘は繰り返しますが、自治体が自治体の権限で出来る事、出来ない事をごっちゃにして、めちゃめちゃな意見になっている事に対して異議を述べているだけです。
だから、そこに引用してある「誰も」は各自治体の首長や議員等の権限を持った人を指しており、それ以外の一般の人は指していません。

計算の所は、指摘しながら気がついてもらうのを待つのがめんどくさいので先に答えちゃいます。
木造屋内での放射線の見積もりは、屋内に放射性物質がある前提ではなく、屋外の放射性物質から透過して来る前提ですよね。屋外のグラウンドの放射性物質を取り除けば、屋内値が下がる事も期待できるわけで、もっと下がる事が期待出来ます。だからこそみんなやった方がいいと述べているわけです。

132. outsidervoice Website — April 28, 2011 @22:27:39

また、素人の質問です。すみません。

郡山のことに絞った話ではないのですが、工業的に?放射性物質を取り除く土壌洗浄法はないのでしょうか?

どうしても取り除かなくてはいけない土壌は、土壌洗浄プラントに持って行けば、数ヵ月後、キレイになって戻ってくるみたいなことがあれば、一番、いいのかなと・・・。まあ、プラントの立地がもめるような気もしますが・・・。

そんな方法があれば、とっくに誰かやろうと言っているとは思うのですが、念のため、質問させてください。

133. 井口堂 — April 28, 2011 @22:30:50

#115かとう様

>実際行った後の測定でも減っている事が確認出来ているはずです。(何か情報統制があるようで、結果の公表は出来ないみたいですが)

27日の表土除去レポートを郡山市が発表しています。
http://www.city.koriyama.fukushima.jp/pcp_portal/PortalServlet?DISPLAY_ID=DIRECT&NEXT_DISPLAY_ID=U000004&CONTENTS_ID=23270Link

線量測定結果の他、各作業工程の写真12枚も公開していますので作業状況がよくわかります。

134. 井口堂 — April 28, 2011 @23:02:58

outsidervoice様

技術を持っているとすればアレバ社ですが、「土壌洗浄プラントに持って行けば、数ヵ月後、キレイになって戻ってくる」などということは、不可能と思っておいたほうがよいと思います。

基本的には、土壌に吸着している放射性物質を何らかの方法で引き剥がし、かつ、それが環境中に洩れでないような配慮をしながら、元の土壌量よりもかなり少ない量にすることが必要です。(元の土壌量より目に見えて減らないようでは、意味がありません)

方法としては、酸洗浄してその汚水を処理するとかを考えるのでしょうが、少量ならいざしらず、そんなプラントを一生懸命動かす費用と効果を秤にかければ、考えるだけ時間の無駄という気がします。

Up135. かとう — April 28, 2011 @23:03:18

見落としてました。
上にあるほど新しい情報というシステムが多いので、一番上がその関連の記者発表なので、続報が無いと勘違いしていました。
小学校の方は半減ですか。保育所の方は1/4ですね。
土の方は3cm以下に場所まで染み込んでたんでしょうかね。
芝生をはがした保育所は土まで落ちてたのが少なくて、植物の上あたりにチリとして積もっていた分が多かったんでしょうね。
雨が降るともう少し土に移ってしまうだろうから、やってよかったですね。
早めの対策でよかったと思います。

結果の公表の方は、どうやらよく解らないです。
郡山市小学校の小学校から、一旦、

「先日、これまで行ってきた放射線値の掲載について、中断することをお知らせしました。その理由として、まず第一に、現在、国や文部科学省から正確な数字が公表されていること。本校の数値は、あくまで教職員の手によるものであり、ご家庭に参考としてお知らせすることと考えておりました。」

とweb上に中止するという話が出て実際中止され、どこかから何か言われた様でした。その後

「校内で現在も測定しております放射線測定値は、今後は「学校便り」で保護者の皆様にお知らせいたします。また、地域の方々からのご要望もあり、ホームページにも同様のデータをPDFファイルで掲載することといたしました。学校便り、ホームページの発表は毎週月曜日を予定しております。」

と、週一回月曜日に発表する事に変わってました。
何か歯切れの悪い印象を持ちましたので、教育委員会辺りから言われたのでは?と邪推中です。

outsidervoiceさん
放射性同位体のみを取り除く方法は無いです。
セシウムを土中から集める方法としては、ひまわりが比較的セシウムを取り込みやすいと言う話があるらしく、ひまわりを植える方法を提案している人も居ます。これは放射性のセシウムだけを取り除くのでは無く、全部のセシウムをひまわりが取り込むという話です。
その体内?にセシウムを取り込んで成長したひまわりは、放射線を出すひまわりとなります。そのひまわりの処理はまた別途考える必要はあります。
量的にどの程度かってのはちょっとよく解らないです。僕が気がついた時には、すでに尾ひれがついていたので、怪しい話とごっちゃになってて正しく解説してあるところを上手く見つけられなかったです。

136. outsidervoice Website — April 29, 2011 @00:22:48

井口堂さん、かとうさん、

さっそく、どうもありがとうございます。

質問しただけではいけないと思って、自分でも、わからないながら調べてみました。

すると、素人を期待させるような情報が・・・

http://www.j-tokkyo.com/2007/G21F/JP2007-271306.shtmlLink

http://www.nies.go.jp/kanko/news/15/15-1/15-1-06.htmlLink

期待するのは、やはり素人のみでしょうか・・・。まあ、期待できるんなら、もう誰かが騒いでますよね・・・。

137. outsidervoice — April 29, 2011 @02:21:38

上記の発明が、三菱、日立、東芝などのものなので、ふと思ったのですが、福島県などの土壌浄化に、これらの福島原発建造会社こそ責任を持つべきではないでしょうか。

彼らに向かって、何が何でも土壌浄化プラントつくれ!という主張もあり得るような・・・。

138. Toshi2100 — April 29, 2011 @02:51:14

> 原発建造会社こそ責任を持つべき

一般消費者にはPL法というのがあるらしいのですが、事業者にも適用されるのでしょうか?(私、法律は疎いです。)

おっしゃりたいことはわからないでもないですが、さすがに万人に無限責任は問えないのではないかと思います。(自動車で人を轢いた責任を自動車メーカーが負うようなものではないでしょうか?)

最後には「福島原発で発電した電力を使った人間は責任をとるべし」まで行くことになりやしませんかね。

139. Katase — April 29, 2011 @03:15:07

放射性物質が付着した可能性のある土の処分方法については、今の法律で定められておらず、原子力安全保安院や環境省などが検討を急いでいるとのことです。原発事故によって起きるこういった事態に対しては、これまできちんと対応策などが考えられていなかったのでしょうね。

それまでは、校庭から取り除いた土は当面の間、校庭の一角に保管することになった様です。

私の意見としてはこれまでのコメントで書いてきた通りですが、議論する上で、その地域に住む方々の視点で考えていく必要もあると思っています。
もし何か被害が出るとしたら、そこで生活している人々です。そこに住む人達の立場になれば、子供達に何か健康被害が出ないかと不安に思う気持ちは当然だろうと思います。
私は母親でもあり、やはり子供達の安全は気に掛かります。
父親や祖父母の視点からも、同様に気にしている人達は多いと思います。

http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1303660138#CID1303868927Link  
で紹介したICRP Publication 111の勧告に従って日本政府はその上限の20mSv/yという数値を採用していますが、このICRP Publication 111は、そこに住み続ける住民の為に、設定した基準値(参考値)から1mSv/yまで下げていく様に環境を整えていくことをその第一目的として掲げています。
「個人線量を参考レベルを下回る様に防護策を実施する」ことを伴う勧告です。
それに従って数値が採用されたのでしたら、政府は防護策の実施を同時に行っていく必要があります。

またICRPの勧告では「小児や妊婦などの特別なグループにも留意すべき」としてあり、これに従って住民の安全に配慮をしていくべきです。
そこで生活をする住民の立場になれば、今から少しずつでも環境の放射線量を下げていく施策をしていく方がいいですし、放射線の影響を受けやすい子供達を優先して手を付けられる所から行っていくことは妥当でもあります。

防護策の実施を行っていくために、原子力安全保安院や環境省は除去した校庭の土の処分方法についてなど、早めに対応策を決めて頂きたいと思います。

Up140. normed_vector Website — April 29, 2011 @04:40:13

#124. 技術開発者さん

>「社会的責任を果たすための医師団」というのを調べてみたら、ずいぶん歴史は古くて、1960年代からあったみたいです。そういう意味では、「核戦争防止国際医師会議」より前からあります。

それは当たり前のことではないでしょうか。核戦争防止国際医師会議(IPPNW)は、冷戦下においても交流のあった米ソの医師が核戦争を防止するために、社会的責任を果たすための医師団(PSR)の医師らと共同で創設されたものです。この会議は、1979年から1980年初頭にPSRのBernard Lownがソ連のEvgueni Chazovに核戦争を防止するための医師の運動を提案したことがきっかけで始められたものです。

1980年2月にPSRは医学と核戦争に関する会議をアメリカで初めて開き、カーター大統領とブレジネフ書記長に対して米ソからなる医学組織の設立を公開書簡で促し、12月にはIPPNW設立のための歴史的な会合がジュネーブで開かれています。IPPNWは1981年にアメリカで初めて開催されました。
http://www.ippnw.org/physician-diplomacy.htmlLink
http://en.wikipedia.org/wiki/Physicians_for_Social_ResponsibilityLink

141. normed_vector Website — April 29, 2011 @05:07:11

>#140.
訂正です。

設立を公開書簡で促し → 設立の支援を公開書簡で促し

142. K.T. — April 29, 2011 @10:15:09

ご報告

28日福島民報社の記事によると、

郡山の薫小学校 路面清掃車などの重機を使用して1〜3cmの表土を除去。
地上1cm高で4.1μSv/h→1.9μSv/h、地上50cm高で3.3μSv/h→1.6μSv/h

鶴見坦保育所 20人ほどがシャベル等の手作業で除去。
地上1cm高で4.5μSv/h→0.9μSv/h、地上50cm高で3.1μSv/h→0.9μSv/h

(いずれも市の測定結果)

除去土の量は、写真から見る限りでは、薫小の場合約7,000屬旅残蹐農磴離マクラ1個分ぐらいでした。

わりに手軽で有効な方法に思われますが、処分について紛糾中で、現在は校庭の一隅にブルーシートで保管中です。
纏めることで、放射線量が上がるなどの思い込みが市の担当者側にもあるらしいです。

143. 落花生 — April 29, 2011 @11:11:41

outsidervoice さん

プラントができて土壌が除染されるようになると、それは大変喜ばしいことなんですが、一方で必ず放射性廃棄物の問題が出てきますよね。
それはおそらく、低レベルの汚染水か、何らかの方法で濃縮するとなると中レベルの汚泥といった形で出てくることになるでしょう。この処分でまたもめることになるのは目に見えています。

結局、雨水がうまいこと洗い流してくれれば、それが一番エネルギーもコストもかからず、もめることも少なくていいんじゃないかと思ってしまいます。
地下水に浸透されるとそれはそれで嫌ですが、海に流れてしまえば、ね。

# 雨で海に流れるのも、土壌除染プラントから出てきた汚水を海に捨てるのも、結局は同じことのはずなんだけど、きっとまたどこかのジャーナリストさんが「説明責任」とやらについて「鋭く追及」されるんでしょうね。

# 客土が広く行われるようになると、「低レベル土砂」とか「高レベル土砂」とかに分けられて、高レベル土砂の処分先確保のために低レベル土砂を云々となって、またジャーナリストさんが鋭k(ry

144. 井口堂 — April 29, 2011 @11:53:04

校庭の表土レベルの放射能だったら、校庭の片隅にずっと置いておけばと思ってしまいます。
さすがにブルーシートは拙いですが、周りをコンクリートで囲って遮蔽と飛散防止を行い、水が入らないようにして100年も置いておけば、Cs137は、1/10以下になります。

Up145. 井口堂 — April 29, 2011 @12:13:37

#135かとう様

郡山市小学校の件
>「先日、これまで行ってきた放射線値の掲載について、中断することをお知らせしました。その理由として、まず第一に、現在、国や文部科学省から正確な数字が公表されていること。本校の数値は、あくまで教職員の手によるものであり、ご家庭に参考としてお知らせすることと考えておりました。」・・・中略・・・何か歯切れの悪い印象を持ちましたので、教育委員会辺りから言われたのでは?と邪推中です。

当然の措置ではないでしょうか。

発信する情報を一本化することの重要性については、「政府、保安院、東電」の関係の中で散々言われてきたことです。
まして、「国関係の測定値」と「教職員が測定した数値」が食い違えば、そのこと自体が憶測を呼び、風評につながります。

146. kurita Website — April 29, 2011 @12:56:51

> 「国関係の測定値」と「教職員が測定した数値」が食い違えば、そのこと自体が憶測を呼び、風評につながります。

測定の精度とか校正の問題などを理解して利用するのであれば、誰が測定していようが結構なことだと思いますけど。 特に学校の教職員の方がやってくれるのであれば、少なくとも何処の誰かもわからない人がネット上で公表する数字よりは信頼し易いでしょうし、同じ機器を使って同じ場所で測定を続けてもらえるのであれば、役に立つことはあっても、害になるようなことはなにも無いと思います。

そもそも、そんなことで「憶測を呼ぶ」ような世の中、最近の風潮がどうかしてるんですよ。 にわか陰謀論者みたいのが(見たくもないのに)これでもかというぐらいに目に入ってきて、本当にうんざりです。(TT)

Owner Comment きくち  April 29, 2011 @13:34:22

僕も多数の「定点観測」が重要だと思います。
精度や正確さについては注意書きが必要ですが、それはなんとかなるのでは。

ただ、自動化されていないので、本業の合間にきちんと定点観測するのは結構大変という話もあるようです

148. 井口堂 — April 29, 2011 @12:34:40

#136 outsidervoice様

ご紹介の技術は、水溶液からセシウム等を生物処理で除去する技術であって、土壌には直接適用できません。

この技術を適用する前に、土壌から酸等でセシウムを水に抽出する工程が必要です。さらに、抽出された放射性物質含有溶液を生物処理が可能な液性に変えるとともに、抽出後の土壌については、埋め戻しが可能な状態にまで水洗する必要があります。

薫小学校では、広さ約9000平方メートルの校庭の表土を厚さ3センチ程度除去したとのことなので、土量は約270m3です。対象となる施設は小学校、中学校だけでも35校程度はありそうなので、保育所、幼稚園も含めると1万m3を超えます。他方、発生する放射性物質含有水溶液の量は、少なく見積っても処理土量の4〜5倍はあると考えられます。

現在、福島第一原発内で処理しなければならない汚染水が6〜7万t程度あり、これだけでも大騒ぎをしているのに(なお、建設しようとしているプラントは生物処理方式ではありません)、さらに、土壌からの抽出工程を含むプラントを建設することなど考えられないと思います。

また、平成18年の特許出願時の実施例として試験装置の説明がなされていますが、「0.45μmのメンブランフィルターで・・・」の文言等から考えると、この時点では、実験室レベルの検証であるように思います。プラントレベルの検証が済んでいないとすると、たとえ建設費用を調達できたとしても、実現に時間がかかることは確実です。

149. 井口堂 — April 29, 2011 @13:27:48

#146 kurita 様

>特に学校の教職員の方がやってくれるのであれば、少なくとも何処の誰かもわからない人がネット上で公表する数字よりは信頼し易いでしょうし、同じ機器を使って同じ場所で測定を続けてもらえるのであれば、役に立つことはあっても、害になるようなことはなにも無いと思います。

#135かとうさんのコメントで、私が中略として省略した部分です。
>その後 「校内で現在も測定しております放射線測定値は、今後は「学校便り」で保護者の皆様にお知らせいたします。また、地域の方々からのご要望もあり、ホームページにも同様のデータをPDFファイルで掲載することといたしました。学校便り、ホームページの発表は毎週月曜日を予定しております。」と、週一回月曜日に発表する事に変わってました。

データが食い違って問題になりそうな場合、検証する時間を設けたのだと推測します。

Up150. いまい — April 29, 2011 @13:37:01

4号機、燃料溶融寸前だった…偶然水が流入し回避 http://bit.ly/ilJ2flLink  実は稼動してない4号機が一番危険で幸運に助けられたのではという話です。もしプールの水が流れ込まなかったらどのくらいの被害が出たのでしょうか。作業員など近づけなくなったのでしょうか?

151. kurita Website — April 29, 2011 @13:52:30

> データが食い違って問題になりそうな場合、検証する時間を設けたのだと推測します。

“憶測”してるわけですか… f(--;

今回の件も、最初は文部科学省から(あるいは他のどこかから)圧力があって発表できなくなったのではないかと考える人も多くいたようですが、そういう部外者による“推測”なんて、大抵の場合に的をハズしてるんですから、あれこれ妙な想像力を働かすのは止めた方が良いと思います。 学校の教職員の方にも失礼です。

152. 井口堂 — April 29, 2011 @18:07:25

#151 kurita 様

私は、20年余り「計測」という仕事でお金を貰ってきた人間です。
いくつかの恥ずかしい失敗をも含む、多くの経験の中で得た考え方の一つを別のエントリーで述べました。

Cl38は誤検出 #8 井口堂
>「出力された測定結果から自動的に結論が導けるわけではない」ということを科学の常識として教育する必要があると思います。
測定から結論が導きだされるまでには、いくつもの暗黙の前提条件があって、それが前提条件どおりであることによって初めて結論が正しく導きだされます。

線量計での測定は比較的簡単なように見えますが、その簡単な測定の場合でも上記の原則外であるわけではありません。
学校の教職員の方は、測定のプロではありません。守られなければならない前提条件に全て通じているわけではなく、国(実際は福島県だと思いますが)が行う計測よりも誤りが起こり易いと考えます。

誤解なさっているようですが、私は、「学校が文部科学省の圧力で発表できなくなった」と考えているわけではありません。「教職員による簡易な測定が誤測定を生み、それが国の測定結果と食い違うことで新たな混乱を生ずる可能性がある」との指摘があったのではないかと推測しているのです。
そして、それを回避するために、「検証する時間を設けた」と推測したのです。

なお、kuritaさんのコメントの「“憶測”してるわけですか…」の部分ですが、憶測とは、「いいかげんな推測」のことです。
こういう言葉を簡単に使ってしまうということに対して、多くの人の信頼できる情報源となっている、このブログの価値を低下させるのではないかと懸念します。

153. outsidervoice — April 29, 2011 @20:18:25

落花生さん、井口堂さん、

いろいろとご指摘ありがとうございます。たいへん参考になりました。というか、やっぱり、そんな甘くは無いですよね。


土壌浄化の問題は、今は退避になっていないところでさえ、すっきりするまでには、すごく長くかかりそうですよね。また、放射性物質が生活圏に留まる場所というのは結局土壌なので、かなり優先順位の高い問題だと思っています。

しかし、ここをどうするのか、政府の方でも、というか、誰も答えを持っていないように見えます。

というのは、おそらく、実際、良い方法が無いからだと思うのですが、方法が無いからといって、この問題が小さくなるわけではないのが悲しいところですよね。

じゃあ、どうしたらいいのか、というと、諦めるか、良い方法を見つけるしかないわけですが、なんとなく思い出したのは、その昔、月に行く国家的な競争とプレッシャーがあって、結局月に行けたみたいな、ことです。

もし、土壌浄化が重要な問題であり続けるのなら(そうでないと思っている人もいるとは思います)、この分野の進化を推進する力というのは、何なのでしょうか。

土壌浄化の技術ができるだけ早く進化するためには、何をしたらいいと思われますか?

ひとつは、土壌浄化技術を研究してきたところと、原子力発電所をつくってきたところが重なっているので、そこには、プレッシャーをかけなくてはと、安易なことを思ったのですが、これ、プレッシャーをかける正当性が無いというご意見ですよね・・・。

うーん、どうしたらいいですか?


尚、この問題ずるずる長く続くと思うので、3年後くらいに画期的なことが起きても、万々歳でしょうか。住んでいる人は、絶対に我慢できないでしょうけど、現実的には、そういう感じなんでしょうか。

それから、ご指摘いただいたように、技術の問題だけではないですよね。放射性物質を結局どうするかを含む、大枠というか・・・それこそ、これに関する行程表が必要なんでしょうか。でも、現状は全く終点が見えない行程表をどううまくつくるか・・・。

たぶん、何が何でも、これを「やる」なのか「やれ」なのか、強い意思表示が必要なんではないかと。で、その意思表示として、いろんな会社も脅すと(笑)。


話戻します。土壌洗浄の技術が早く進化するためには、何すればいいんでしょうか?(若干、福島の農家の気分などが憑依してます)

あるいは、「そもそも、これは重要でない」とみんなが思えるようなことにんあっても、それはそれでいいかと思うんですが・・・。

154. くぐり — April 29, 2011 @23:35:02

参考までに。
福島市にある福島西高等学校の化学部による放射線量計測 http://www.fukushimanishi-h.fks.ed.jp/news/2011housyanokeisokuhyo.htmlLink

Up155. 井口堂 — April 29, 2011 @21:36:39

#129 hakugen様

>屋外3.8μSv/時のところで(1.52×16+3.8×8)×365≒20000と想定しているのを数字変えたら計算できるでしょう。
校庭だけ除染したら3.8×8のところが変わります。
例えば、校庭2時間として除染で1.52まで落ちるとか0になるとか試算。
0になる場合なら(1.52×16+3.8×6+0×2)×365≒17000
休日や雨の日を考えたら、実際の線量低減効果はもっと小さいんじゃないですか

上記の計算はちょっと違うかな、と思います。
そもそも、屋外3.8μSv/時間、屋内木造1.52μSvの数字がでてきたのは、文部科学省が「福島県内の学校等の校舎・校庭等の利用判断における暫定的考え方」の中で「児童生徒等の受ける線量を考慮する上で、16時間の屋内(木造)、8時間の屋外活動の生活パターンを想定すると、20mSv/年に到達する空間線量率は、屋外3.8μSv/時間、屋内木造1.52μSv/時間である。」と書いたところからきています。

つまり、20mSv/年という放射線量なら屋外3.8μSv/時間、屋内木造1.52μSv/時間という分配だと考えるよ、と言っているのであって、「現実」の空間線量率ではありません。

実際の空間線量率を4月14日の郡山市立薫小学校からデータからとれば以下のようになります。(高さは、全て50cm)
校舎外平均値(校庭と考えられる)  3.8μSv/時間
コンクリート敷地値         2.4μSv/時間
校舎内平均値            0.2μSv/時間
体育館               0.3μSv/時間
この傾向は、他の学校でも同じです。

一方、同じ4月14日の郡山市内中心部での道路6箇所で測定したデータがあり、地上1mで1.1、1.2、1.2、1.4、1.4、1.9(μSv/時間)となっています。
学校のデータで地上50cmと1mのデータを比較すると、地上50cmのほうが0.1〜0.4μSv/時間高くなっているので、道路のデータに0.4μSv/時間を足した値を「道路における地上50cmの空間線量率」とすると、1.5、1.6、1.6、1.8、1.8、2.3(μSv/時間)となって、2.0μSv/時間未満がほとんど、平均では1.8μSv/時間となります。

また、家庭に居る時の数値として用いられている木造家屋の屋内1.52μSv/時間についても、今後、家の周囲の表土を除去したり、飛散防止剤で放射線を遮蔽したりする家庭が多くなることが予想され、数値がもっと小さくなるでしょうし(kikulogを見ていれば当然考えるでしょう)、そもそも集合住宅に住んでいる家庭には、この数値は当てはまりません。

結果として、現在でも「校庭」を除く他の場所の空間線量率は、計算における仮定より低い値であると考えられますし、今後、もっと低くなるでしょう。
つまり、児童が受ける放射線量における「校庭」の比重が高くなる、即ち「校庭」の表土を除去することによって児童が受ける放射線量を大きな「割合」で減らすことができると考えられます。(「校庭」を除く放射線量が仮定より小さくなっているので、相対的に「校庭」の線量低減効果が大きくなっているという論です)

全体の線量が低くなっているのだから「校庭」など良いではないかという考え方もあるでしょうが、児童が受ける放射線量に対して低減効果が大きいとすれば、保護者が対策を望むのは自然な感情のように思えます。

4月14日の福島県内の学校の空間線量率データ
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/detail/__icsFiles/afieldfile/2011/04/19/1305187_0414.pdfLink

4月14日の郡山市内の道路の空間線量率データ
http://www.city.koriyama.fukushima.jp/pcp_portal/PortalServlet?DISPLAY_ID=DIRECT&NEXT_DISPLAY_ID=U000004&CONTENTS_ID=23134Link

156. ncm — April 30, 2011 @01:04:19

年20マイクロシーベルト

福島の保育園には、乳児はいないのでしょうか?

みなさん、空間線量のむずかしい話ばかりですけど、それプラス、内部被曝でしょう? 実際には。

福島の子供たちは、毎日何を飲み、何を食べているのでしょう?

特に給食では地産地消。

十二分に洗い流してから行われる、野菜のほんのごく一部のサンプリング検査で「基準値」以下とされたら、その野菜がとれた近くの、ひょっとしたら《ホットスポット》となっている畑で生産された、高濃度汚染野菜であっても、子供たちは無条件で口にしなくてはならないのでは。

ホットスポットは、チェルノブイリでは、小さなものでは、児童公園くらいのサイズで、随所に出現していました。

チェルノブイリから1500-2000km離れたドイツですら、25年もたった「いまだに」セシウム基準値を上回り出荷禁止となる食品(特に野生のキノコ類、獣肉)が見つかっています。

乳幼児・子供たちの長期にわたる低線量被曝の影響に関する科学的知見が定まっていないというのに、また、そもそものICRPの勧告についても、その解釈のしかたで意見が大きく割れているというのに、
乳幼児や子供たちに、平気で、好んで、低線量被曝させ、リスクを負わせようとする文科省は、原子力安全委員会は、いったい、何を、誰のために、守りたいんでしょうね。

一つだけ、たとえ数十年後に、追跡調査により今の福島県の子供たちの発ガン率に有意な差異が見られたとしても、政府も、東電も、決して責任はとりはしない、ということだけは、はっきりしているのでは。

親が子供を守らずして、誰が守るのか....

福島の子供たちのお母さん・お父さん、頑張ってください。

157. Katase — April 30, 2011 @01:33:41

内閣官房参与である小佐古敏荘氏が、政府の対策に抗議して辞任しました。小佐古氏は、放射線安全及び放射線遮蔽などに関する専門家です。
( http://getnews.jp/archives/104822Link )

#御用学者、反旗を翻すという感じでしょうか。

・NHK「かぶん」ブログ−「官房参与が辞任・記者会見資料を全文掲載します」
http://www9.nhk.or.jp/kabun-blog/200/80519.htmlLink

>東京電力福島第一原子力発電所の事故への対応に当たるために、先月、内閣官房参与に任命された、原子力の専門家で東京大学大学院教授の小佐古敏荘氏が、記者会見し、「政府の対策は法にのっとっておらず、場当たり的だ」として、内閣官房参与を辞任することを明らかにしました。

抗議の内容の一部を抜粋します。

>初期のプリュームのサブマージョンに基づく甲状腺の被ばくによる等価線量、とりわけ小児の甲状腺の等価線量については、その数値を20、30km圏の近傍のみならず、福島県全域、茨城県、栃木県、群馬県、他の関東、東北の全域にわたって、隠さず迅速に公開すべきである。さらに、文部科学省所管の日本原子力研究開発機構によるWSPEEDIシステム(数10kmから数1000kmの広域をカバーできるシステム)のデータを隠さず開示し、福井県、茨城県、栃木県、群馬県のみならず、関東、東北全域の、公衆の甲状腺等価線量、並びに実効線量を隠さず国民に開示すべきである。


甲状腺の被曝は、チャルノブイリ事故で最も大きく健康に影響が出ました。「データを隠さず開示し、福井県、茨城県、栃木県、群馬県のみならず、関東、東北全域の、公衆の甲状腺等価線量、並びに実効線量を隠さず国民に開示すべきである」という提言は、とても重要だと思います。


>今回、福島県の小学校等の校庭利用の線量基準が年間20mSvの被曝を基礎として導出、誘導され、毎時3.8μSvと決定され、文部科学省から通達が出されている。これらの学校では、通常の授業を行おうとしているわけで、その状態は、通常の放射線防護基準に近いもの(年間1mSv,特殊な例でも年間5mSv)で運用すべきで、警戒期ではあるにしても、緊急時(2,3日あるいはせいぜい1,2週間くらい)に運用すべき数値をこの時期に使用するのは、全くの間違いであります。警戒期であることを周知の上、特別な措置をとれば、数カ月間は最大、年間10mSvの使用も不可能ではないが、通常は避けるべきと考えます。年間20mSv近い被ばくをする人は、約8万4千人の原子力発電所の放射線業務従事者でも、極めて少ないのです。この数値を乳児、幼児、小学生に求めることは、学問上の見地からのみならず、私のヒューマニズムからしても受け入れがたいものです。年間10mSvの数値も、ウラン鉱山の残土処分場の中の覆土上でも中々見ることのできない数値で(せいぜい年間数mSvです)、この数値の使用は慎重であるべきであります。

>小学校等の校庭の利用基準に対して、この年間20mSvの数値の使用には強く抗議するとともに、再度の見直しを求めます。


小佐古氏は「緊急時(2,3日あるいはせいぜい1,2週間くらい)に運用すべき数値(年間20mSv)をこの時期に使用するのは、全くの間違い」「警戒期であることを周知の上、特別な措置をとれば、数カ月間は最大、年間10mSvの使用も不可能ではないが、通常は避けるべき」というご意見です。
年間20mSvという数値については、「この数値を乳児、幼児、小学生に求めることは、学問上の見地からのみならず、私のヒューマニズムからしても受け入れがたいものです」としており、子供に年間20mSvという数値を適用することは専門家から見てもかなり疑問のある数値だということです。年間10mSvの数値でも慎重であるべきだとしており、これでも子供には高くてぎりぎりの数値とのことです。

小佐古氏の、良心に従ったこれらの提言には重みがあると思います。

政府は「年間20mSvより下回れば特に何もせずに様子をしばらく見て、それからどうするか決めていく」のではなく、子供の被曝量をなるべく下げていく防護策を具体的にきちんと示し、できるだけ早く実行していって頂きたいと思います。

158. Katase — April 30, 2011 @02:58:06

小佐古氏の辞任・記者会見資料に書かれている、
「データを隠さず開示し、福井県、茨城県、栃木県、群馬県のみならず、関東、東北全域の」
という文中の、福井県は福島県の誤植だろうと思います。

159. zorori — April 30, 2011 @08:30:48

小佐古敏荘氏の言われていることが、ちょっと良くわからないのですが。

>今回、福島県の小学校等の校庭利用の線量基準が年間20mSvの被曝を基礎として導出、誘導され、毎時3.8μSvと決定され、文部科学省から通達が出されている。これらの学校では、通常の授業を行おうとしているわけで、その状態は、通常の放射線防護基準に近いもの(年間1mSv,特殊な例でも年間5mSv)で運用すべきで、警戒期ではあるにしても、緊急時(2,3日あるいはせいぜい1,2週間くらい)に運用すべき数値をこの時期に使用するのは、全くの間違いであります。

年間20mSvとは、そもそも、通常の作業者に対する線量限度で緊急時ではありませんね。緊急時なら年間ではなく、1日とか1時間などの期間で定められているはずで、別の数値が有りますね。
一方、一般公衆に対する通常時の線量限度は年間1mSV(自然放射線に追加分)です。

で、今回のように一般公衆で非常事態はどのように考えるかが私にはよくわかりません。例えば女性の作業者に対する3ヶ月間で5mSvを準用するのが妥当とも思えるのですが、どうなのでしょう?

1.胎児への影響を考慮してあるので、小学生にも適用出来る。
2.自らの意図で危険を受け入れる作業者への線量限度は、収入とリスクの兼ね合いで高めにするが、何のメリットもない公衆に対しては厳しくしなければならない。しかし、一般公衆に対しても、緊急事態になってしまったという時点で考えれば、避難や対策のデメリットとの兼ね合いで考える必要がある。

多分、2.の判断が簡単ではないので揉めるのだと思いますが。
それから、緊急事態の線量限度であるので、当然ながらこの状態を続けてよいということは無いわけで、一般公衆平常時の年間1mSv(自然放射線量への追加線量)に向けて収束を図る必要があります。小佐古敏荘氏はいきなり収束状態を求めているようにも思えるのですが、違うのでしょうか。

Up160. Katase — April 30, 2011 @08:39:10

小佐古氏の主張は、全文を読めば分かると思いますが、まず「法と正義に則り行われるべきこと」、「国際常識とヒューマニズムに則りやっていただくべきこと」を政府は軽視していると指摘しています。

1.「原子力災害対策も他の災害対策と同様に、原子力災害対策に関連する法律や原子力防災指針、原子力防災マニュアルにその手順、対策が定められており、それに則って進めるのが基本だ」ということ。

しかし、とりわけ中核となる原子力安全委員会は、法に基づく手順遂行、放射線防護の基本に基づく判断に随分欠けた所があるようにあったと指摘しています。
その上で、「公衆の甲状腺等価線量、並びに実効線量を隠さず国民に開示すべきである」と提言されています。
また、放射線業務従事者の緊急時被ばくの「限度」についても、250mSvの数値使用が「妥当である」としていたのに、今になって500mSvを限度へとの、再引き上げの議論も始まっている状況を疑問視しています。「モグラたたき」的、場当たり的な政策決定であり、放射線審議会での決定事項をふまえないこの「行政上の手続き無視」は、根本からただす必要があると指摘しています。
極めて短時間にメールで審議、強引にものを決めるやり方には大きな疑問を感じるとして、「放射線審議会での決定事項をまったく無視したこの決定方法は、誰がそのような方法をとりそのように決定したのかを含めて、明らかにされるべき」と進言されています。

政策決定のプロセスを明かし、手続きをきちんと取るべきだという意見だと思います。

2.「国際常識とヒューマニズム」に則ってやっていくべきということ。

緊急時には様々な特例を設けざるを得ないし、そうすることができるわけですが、それにも国際的な常識があり、それを行政側の都合だけで国際的にも非常識な数値で強引に決めていくのはよろしくないし、そのような決定は国際的にも非難されることになると指摘しています。

その上で前のコメントで紹介した理由で、「小学校等の校庭の利用基準に対して、この年間20mSvの数値の使用には強く抗議するとともに、再度の見直し」を求められています。

ここで、「年間20mSv近い被ばくをする人は、約8万4千人の原子力発電所の放射線業務従事者でも、極めて少ない」として原子力発電所の放射線業務従事者の例を引き合いに出したのは、他の一般的な感覚との整合性を求めたのだろうと思います。

「この数値を乳児、幼児、小学生に求めることは、学問上の見地からのみならず、私のヒューマニズムからしても受け入れがたい」として、人道的見地から、子供達に適用する数値としてはどうかという疑問の提起です。

小佐古氏は「警戒期であることを周知の上、特別な措置をとれば」年間10mSvの設定からこの数値を数ヶ月間に留めてそこから被曝量を下げていくことをすることは容認できるとしている(と解釈できる)ことから、ICRP勧告に従った「個人線量を参考レベルを下回る様に防護策を実施する」という事を前提としたものだと思います。

また、今回の福島の原子力災害に関して国際原子力機関(IAEA)の調査団が訪日して調査報告会等が行われているが、そのまとめの報告会開催の情報は、外務省から官邸に連絡が入っていなかったという様に、「情報」がきちんと伝えられない事についても問題視されています。

全体的に小佐古氏の抗議は、必要な「手続き」「情報開示」がきちんとなされていない事と、子供などに対する「人道的な配慮」が欠けていることを訴えていると思います。

論理としては、きちんと考えられた抗議文だと思います。

161. ごんべえ — April 30, 2011 @09:23:53

「通常の授業を行おうとしているわけで、その状態は、通常の放射線防護基準に近いもの(年間1mSv,特殊な例でも年間5mSv)で運用すべき」っていうのはなるほどと思います。緊急時扱いするなら、そこで通常の授業を行おうとすることはないわけで、たとえば、校庭の線量率が高く、体育館が低ければ、体育館利用とするというような対処でも、被曝線量は低減できますよね。

「その都度放射線量を計測して、基準以下であれば(表土除去などの)必要はない」(高木義明文部科学相)という使われ方をする基準として20mSvを使うのは疑問ですよね。

「原子力安全委員会は年間20ミリシーベルトが適切と判断している。政府の最終判断だ」(細野豪志首相補佐官)は数字の意味がわからずに決定していると宣言しているようなもので、なんでこの期に及んでそんなお役所的な発言をするかねと思います。(まあ、実際良くわからないわけですが)

162. zorori — April 30, 2011 @10:36:52

Kataseさん、

>小佐古氏は「警戒期であることを周知の上、特別な措置をとれば」年間10mSvの設定からこの数値を数ヶ月間に留めてそこから被曝量を下げていくことをすることは容認できるとしている(と解釈できる)ことから、ICRP勧告に従った「個人線量を参考レベルを下回る様に防護策を実施する」という事を前提としたものだと思います。

そうですね。「小佐古敏荘氏はいきなり収束状態を求めているようにも思える」というのは私の読み間違いでした。

Owner Comment きくち  April 30, 2011 @15:58:37

僕は小佐古氏が本当は何を言いたいのか、ちょっとわからなくなってきました。
ICRP111を前提として、子どもなんだから参考レベルは低く設定するのが筋、と言っているのかどうか・・

いずれにしても「低減策」が前提であることに変わりはないのですが

164. コンピュータはCG — April 30, 2011 @11:17:58

官邸と、現地で治療に当たった医師との認識の差を見て下さい。
どちらが科学者として誠実な態度で事実を捉えているかは一目で分かると思います。

「学校の放射線量についての暫定的考えかた」の発想を理解する参考になるでしょう。



東日本大震災への対応 / 首相官邸災害対策ページ /「チェルノブイリ事故との比較」 平成23年4月15日

http://www.kantei.go.jp/saigai/senmonka_g3.htmlLink


東洋経済online / 「チェルノブイリの経験を生かして悲劇を回避せよ――松本市長/医師・菅谷昭」

http://www.toyokeizai.net/business/interview/detail/AC/87adf82c8e8e79c78d307293e4538587/Link

http://www.toyokeizai.net/business/interview/detail/AC/ebe4d52776e27ccb7e55b412b48d23c5/page/1/Link

Up165. Katase — April 30, 2011 @15:05:53

参考までに

・原子力安全委員会−「放射線防護の線量の基準の考え方」(PDF)
http://www.nsc.go.jp/info/20110411_2.pdfLink

グラフの形にして解説してあります。

(a)事故発生初期大きな被ばくを避けるための基準
   屋内退避:10mSv
   避難: 50mSv

(b)緊急時の状況(事故継続等)における基準
   20‐100mSv/年

(c)事故収束後の汚染による被ばくの基準
   1‐20mSv/年
   長期的な目標:1mSv/年

となっています。現在、ICRP111が適応されているのは、(c)の段階になります。

166. K.T. — April 30, 2011 @16:31:31

コンピュータはCG さん

現在、住民が住んでおられる地域では、浪江と飯館で小字名で特定できるようなホットスポットがあるようですが、其処を除けば、福島県全体の被曝状態というのは、ベラルーシに擬するのがそもそも間違いで、実態は北欧に近いのではないかと思います。
下記のブログを見ての感想です。

http://blog.goo.ne.jp/yoshi_sweLink

そうだとすると、松本市長の体験からの意見も順当かどうか検討が必要かと思います。

放射線に詳しい方からのご意見をいただければと思います。

167. Katase — April 30, 2011 @16:59:07

きくちさん April 30, 2011 @15:58:37

>僕は小佐古氏が本当は何を言いたいのか、ちょっとわからなくなってきました。
ICRP111を前提として、子どもなんだから参考レベルは低く設定するのが筋、と言っているのかどうか・・

そうですね。小佐古氏の文書では「特別な措置をとれば」数ヶ月間10mSv/yの基準を容認できると書かれているのですが、ICRP111については言及していないので、それを前提にしているのかは不明ですね。
その点についてはご本人に確認できればいいのですが。
(誰か、インタビューをして下さらないかしら)

168. ごんべえ — April 30, 2011 @17:04:07

「これで大丈夫というより、ここをスタートにして、線量を下げる努力をしなければならない」(4月30日午前菅首相http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110430-00000040-jij-polLink )と「土や砂を入れ替えなくても、政府が目安として示した1時間当たり3.8マイクロシーベルト未満の放射線量なら通常の屋外活動ができる。」(4月28日高木文科相http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110428/k10015612671000.htmlLink )は整合性が低いですねえ。

批判を受けて心を入れ替えたのか、人によって不一致だったのか。
問題の文科省の通知文には「今後できる限り、児童生徒等の受ける線量を減らしていくことが適切である」http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/23/04/1305174.htmLink
と書いてあるのに、その努力に否定的な見解を述べる文部科学大臣がおかしいだけかもしれないけど。

いや、そもそも20mSv/年に達する可能性のある場所は「計画的避難区域」になるはずだから、それより濃いところ(16時間は建物内の計算なので)を校庭にしていいとか不整合もいいところですよね。

169. 技術開発者 — May 1, 2011 @07:23:35

こんにちは、皆さん。

>僕は小佐古氏が本当は何を言いたいのか、ちょっとわからなくなってきました。

基本的には、「宝くじは当たるから買うべきだ」という人と、「宝くじなんて当たらないから買うべきでない」という人の違いですかね。まあ、庶民の楽しみとして、懐に余裕があるなら、かって夢見るのは悪いこととは思いません。ただ他に使うべきことが沢山ある中で宝くじをかうかどうかですね。日本は世界に冠たる豊かな国だから、おそらく、使い道にこまっているという事なら、それこそ、福島県全体の土の入れ替えをおやりになればよいのではないでしょうか?

Up170. 井口堂 — May 1, 2011 @11:36:29

小佐古氏の話が扱われているのでここに書きます。

小佐古氏の辞意表明資料の後半部分(学校の放射線量に関する部分)が
議論になっていますが、私は、前半部分のほうに大きな疑問を感じています。
どなたか説明をしていただけたら幸いです。

ちなみに後半部分についても、論理に変なところがあるので、きくちさんと同じく、本当は何を言いたいのか、ちょっとわからないのですが、基本的に、地元で復興しようとしている人達が安心できるように、放射線量はできるだけ下げたほうが良いと思っているので、ここでは触れません。

小佐古氏の書いた前半部分で疑問を感じるところは、以下のとおりです。

>例えば、住民の放射線被ばく線量(既に被ばくしたもの、これから被曝すると予測されるもの)は、緊急時迅速放射能予測ネットワークシステム(SPEEDI)によりなされるべきものでありますが、それが法令等に定められている手順どおりに運用されていない。法令、指針等には放射能放出の線源項の決定が困難であることを前提にした定めがあるが、この手順はとられず、その計算結果は使用できる環境下にありながらきちんと活用されなかった。

「法令、指針等には放射能放出の線源項の決定が困難であることを前提にした定めがあるが」と書いていますが、どこにありますか?
SPEEDIの公開が遅れた理由が「放射線源情報が得られなかった」ことであることは、このブログの常連の皆さんはご存知だと思いますが、放射線源の情報が得られない場合にSPEEDIに計算をさせる手順を定めた「法令等」を、私は「原子力防災指針」を含む手持ちの資料の中から見つけることはできませんでした。

>また、公衆の被ばくの状況もSPEEDIにより迅速に評価できるようになっているが、その結果も迅速に公表されていない。

SPEEDIの計算結果は文部科学省のHPで公開されています。
http://www.nsc.go.jp/mext_speedi/index.htmlLink

>初期のプリュームのサブマージョンに基づく甲状腺の被ばくによる等価線量、とりわけ小児の甲状腺の等価線量については、その数値を20、30km圏の近傍のみならず、福島県全域、茨城県、栃木県、群馬県、他の関東、東北の全域にわたって、隠さず迅速に公開すべきである。

「甲状腺の被ばくによる等価線量、とりわけ小児の甲状腺の等価線量」を直接測った数値はないと思いますので、何らかのデータから計算するのだと思います。そのデータとしては、私には3月中旬に各地で計測された空間線量率しか思い浮かびませんが(I137の量は、エイヤッと係数を掛けて推定する)、その値ならば公開されており、小佐古氏なら簡単に計算できるのではないでしょうか。それとも、もっと確実な情報をどこかが持っているというのでしょうか。(じゃ、それはどこ?名指しすべきでは?)

また、そのデータを「福島県全域、茨城県、栃木県、群馬県、他の関東、東北の全域にわたって」公開すべきと書いているということは、それらの地域についても小佐古氏は憂慮しているということでしょうか?本気?

>さらに文部科学省所管の日本原子力研究開発機構によるWSPEEDIシステム(数10kmから数1000kmの広域をカバーできるシステム)のデータを隠さず開示し、福島県、茨城県、栃木県、群馬県のみならず、関東、東北全域の、公衆の甲状腺等価線量、並びに実効線量を隠さず国民に開示すべきである

WSPEEDI(SPEEDIではない!)で、そのように信頼性の高いデータがでるのですか?距離が遠くなれば、シュミレーションの不確実性が増すことは常識ですよね。まして、平面がずっと続くわけではなく、山あり谷ありの地形で局地的な風もある状態ですよ。そんな精度でプリュームのサブマージョンが予想できるのだったら、天気予報が外れることはないんじゃないでしょうか。

171. ふくたん — May 1, 2011 @12:08:40

郡山の幼稚園関係者ですが、先日、保護者の方々と手作業で表面を3センチほど削って隅っこにまとめました。
園庭の中央は、3マイクロシーベルト程度だったのですが、削ったあとは半分以下にまで下がりました。
問題は、まとめた土が、最大で20マイクロシーベルト以上もありました。
(怖くて途中で測るのやめました)
ぞっとしました。
うちの幼稚園は、広くないので、結局子供たちが立ち入りできないエリアを作り出してしまいました。
下手に数値が上がってしまったので、処分先も勝手にはできないし、困っています。
健常な土で覆えば、子供たちは大丈夫なんでしょうか?
市が掘削した(危険だと認めた)ので、近所の人の中には自分の敷地も学校と同じ数字だろうと、土を川に投げ捨てしに行った人もいるそうで、学校周辺はプチパニック状態です。
基準値に振り回されているのは学校だけじゃありません。付近の住民も不安なんです。
郡山市だけでなくほかの町も積んである土の状態を公表しないのが怖いです。勝手に処分して数値を悪化させた土を国や東電が責任を持ってくれるかも不安です。
取り留めのないことを書いてすみませんでした。

172. Isshocking — May 1, 2011 @13:26:54

毎日新聞によれば、
>記者会見には民主党の空本誠喜衆院議員が同席、「同僚議員に20ミリシーベルトは間違いと伝えて輪を広げ、正しい方向に持っていきたい」と語った。空本氏は小沢一郎元代表のグループに所属する一方、大震災発生後は小佐古氏と協力して原発対応の提言を首相官邸に行ってきた。

ということなので、参与は内閣が要請したというより、誰かさんが無理やり押し込んだっぽい。
菅首相は早くから東大閥を嫌って自分の出身の東工大の学者の採用に積極的でしたから、東大出身の空本-小佐古ラインはどうやっても主導権は無理。
そこへ首相降ろしの話がきたのをさいわい、最後っ屁をかまして悲劇の人権派を演じた上で距離をおくことに見事成功。にわかファンまでついてしまった。
・・・って陰謀論だなぁ。
でも、海千山千の東電経営陣や政府官僚、政治家、原爆訴訟関係者と長年わたり合って地位を守ってきた人がヒューマニズムのために涙を流すってのは、あまり考えられない話でもあります。

173. ふぃっしゅ — May 1, 2011 @13:59:07

上記、isshockingさんの最後の一文に説得力を感じてしまいますね。

それほど、最近国会の質疑を見ていても感情で批判だけしている国会議員は党派に関係なくヒューマニティを感じないです。
冷静に、データーや情報から対案をさぐりつつ質問している議員さんの時には、心を打たれます。

脱線、失礼しました。

174. 佐々木(以下秘密) — May 1, 2011 @15:37:48

涙目になっても、お辞めになっても、校庭などの放射線量が下がるわけじゃなし・・・
とりあえず基準値を出してもらったので、知人宅のガタイのいい中3男子などは「これで外でブカツができる〜!!!」と小躍りしておりますが。

東大出の学者先生には「あああっ、体動かしてぇええっ!!」という十代はなかったのかしらん。多分なかったんだろうよ、勉強ばっかしてて。なんて、地元主婦の井戸端話でした。

若い動物を狭い檻に閉じこめてストレスを与えるのと、年間最大20mSvではあるが外でのびのびと飼うのと、どっちが健康にいいんでしょう。

私は後者だと思うんですがね。

Up175. Katase — May 1, 2011 @15:25:25

井口堂さん — May 1, 2011 @11:36:29

>SPEEDIの公開が遅れた理由が「放射線源情報が得られなかった」ことであることは、このブログの常連の皆さんはご存知だと思いますが、放射線源の情報が得られない場合にSPEEDIに計算をさせる手順を定めた「法令等」を、私は「原子力防災指針」を含む手持ちの資料の中から見つけることはできませんでした。

原子力安全委員会の「原子力施設等の防災対策について」のP97に、「SPEEDIネットワークシステムを用いた予測線量の算定について」という付属資料があります。
http://www.nsc.go.jp/info/20100823.pdfLink  

>このシステムでは、緊急事態の発生したサイトに係る情報(放出核種、放出量等)、各地方公共団体の連続モニタのシステムの気象観測情報、気象庁の数値予報格子点データ及びアメダス情報等を入力することにより、風向・風速等の予測処理と、それに基づく放射性プルームの移流拡散の状況を計算する。緊急時には、文部科学省からの指示により計算結果等の表
示を行い、原子力災害対策本部等の関係機関においてこれらを活用することができる。

SPEED気慮開については、外国のシミュレーションがどんどん先に公開されていったので、なぜ日本はSPEED気離轡潺絅譟璽轡腑鵑侶覯未鮟个気覆い里という要望が多く出て、それから遅れた説明を付けて公開したという経緯があります。

・原子力安全委員会 プレス発表 平成23年3月23日
緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の試算について 
http://www.nsc.go.jp/info/110323_top_siryo.pdfLink

小佐古氏の指摘は、この公開の遅れのことであって、公開していないという事ではありません。公開が遅れた理由については、見解の齟齬があるかもしれません。

>私には3月中旬に各地で計測された空間線量率しか思い浮かびませんが(I137の量は、エイヤッと係数を掛けて推定する)、その値ならば公開されており、小佐古氏なら簡単に計算できるのではないでしょうか。それとも、もっと確実な情報をどこかが持っているというのでしょうか。(じゃ、それはどこ?名指しすべきでは?)

甲状腺の等価線量については原発の周辺地域については公開されています。対象が1歳児で甲状腺に対するものです。(上のプレス発表資料にSPRRD気離轡潺絅譟璽轡腑鷏覯未箸靴禿塞)ただし、3/12〜3/24までの積算値です。

小佐古氏の指摘は、
>初期のプリュームのサブマージョンに基づく甲状腺の被ばくによる等価線量、とりわけ小児の甲状腺の等価線量については、その数値を20、30km圏の近傍のみならず、福島県全域、茨城県、栃木県、群馬県、他の関東、東北の全域にわたって、隠さず迅速に公開すべきである。

とある様に、原発の周辺地域だけではなくもっと広い範囲についてこの様なデータを公開した方がいということです。

>また、そのデータを「福島県全域、茨城県、栃木県、群馬県、他の関東、東北の全域にわたって」公開すべきと書いているということは、それらの地域についても小佐古氏は憂慮しているということでしょうか?本気?

実際にほうれん草などの農作物では広範囲の地域に放射性ヨウ素などの汚染が確認され、検出された放射能値が基準を超えたことで福島以外の複数の県で収穫された色々な農作物が出荷停止になりました。この様な出荷停止となる様な基準値を超えた作物がでた地域では、子供達の放射性ヨウ素による甲状腺への影響を気にしている住民の人達も多いのではないでしょうか?

甲状腺などへの内部被曝は、外部被曝よりも健康に与える影響が大きいので、その量を心配している人達も多いと思います。ある程度の指標となるデータを知ることで、過剰な不安が解消される場合もあります。

また、小佐古氏の指摘は、政府による公式発表として迅速に行うべきということで、小佐古氏個人が独自にデータを出すのとは違ってくると思います。独自に計算したものなどは、例えば早野氏のグループなどのボランティアの人達によってネットで公表されていますね。

176. Katase — May 1, 2011 @16:35:22

低線量被曝による健康への影響については、特に妊婦さんや子供達についてのデータが過去の原爆生存者や原発事故にから得られるものに限られてしまっており、なかなか正確な影響の程度の判断をするのに情報が充分ではなくて、専門家の間でも意見が大きく分かれているのが実情です。

ただし、大人よりも成長期の子供などが、より強く放射線の影響がでるのは間違いありません。その理由は 
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1303660138#CID1303661418Link で簡単に説明をしました。

100mSvより低いレベルでの影響については、特に妊婦や子供達はグレーゾーンとして用心して考えるという捉え方が良い様に思います。
「100mSv未満なら安心」とか「ほんのちょっとでも被曝したら危険」という様な両極端な意見に分かれがちであると思うのですが、どちらもあまり良くないと思っています。

低線量被曝についての意見は、Natureで紹介されている記事も参考になると思います。(和訳して紹介されています)

・Nature−「低線量被曝の危険性に関する知識はまだ不十分」 2011年4月5日  
http://www.natureasia.com/japan/nature/special/nature_news_040511.phpLink

>低線量被曝が健康に及ぼす長期的危険性については、いまだにほとんどわかっていない。合理的な判断の根拠となる知識を得るには、低線量被曝に関する集団研究と発がん機構に基礎研究を組み合わせていく必要がある。

実際に、20mSv/yというレベルが子供達にどれくらいの影響を与えるのかは、思ったよりも大した事はないかも知れないし、想像したよりも大きな影響がでるかも知れません。どちらかはまだ良く分からないのです。

言えることは、放射線の被曝は通常の状態よりも高い状態が続くのは良いことではないと思うので、ICRP111でも書かれている様に「小児や妊婦などの特別なグループに留意」して放射線量低減の対策をとっていくのは必要であり、政府は(校庭の土壌は原子力安全保安院や環境省が中心になると思います)、その手続きとして具体的なプランを出して対策を進めて欲しいと思います。

177. 井口堂 — May 1, 2011 @17:00:18

Katase様

私の疑問の内容が正確に理解されていないと感じましたので、少し説明を加えました。

1.SPEED気慮開の件
「原子力施設等の防災対策について」の「SPEEDIネットワークシステムを用いた予測線量の算定について」には、私も目を通しています。
しかし、Kataseさんが引用された部分を含めて、「放射線源のデータ(放出核種や放出量)」がない場合に、これらの項をどう代用するについては書かれていません。これらの項は、「各地方公共団体の連続モニタのシステムの気象観測情報、気象庁の数値予報格子点データ及びアメダス情報等を入力することにより、風向・風速等」では、代用できません。

なお、小佐古氏の指摘「公衆の被ばくの状況もSPEEDIにより迅速に評価できるようになっているが、その結果も迅速に公表されていない。」を、小佐古氏が現在においても迅速に公表されていないと言っていると、私は解釈しています。
しかし、過去についてのみの話であるとの解釈も可能であることには同意します。

2.甲状腺の被ばくによる等価線量の公開の件
私の疑問は、「原発の周辺地域だけではなくもっと広い範囲についてこの様なデータを公開した方がいい」かどうかではありません。
そのようなデータがどこにあるの?と聞いているのです。
そして、一次データがなく、ある仮定に基づいた計算で求めざるを得ないのなら、その計算は、公開データで簡単にできるのではないの?(ただし、その結果が妥当かどうかは別問題)と言っているのです。

また、公開(ただし、そのデータがあればの話ですが)の範囲について、農作物の汚染があった福島県の隣接県が含まれることは理解できますが、小佐古氏は、「関東、東北の全域にわたって」と書いています。
だから、「それらの地域についても小佐古氏は憂慮しているということでしょうか?本気?」と書いたのです。

なお、「政府による公式発表として迅速に行うべき」ことが重要であることは、私も強く思っています。しかし、「発表が迅速に行えない」ことが「隠している」こととイコールではないとも思っています。
これは、「仕事の結果の提出を急がされるというよりは、追いまくられてきた」自身の体験によるものですが・・・。(私は、マンパワーが足りないことが第一の原因だと思います。従って、早野氏のグループなどのように深い知識を持った人達が勝手連的に動いているのは、非常に良いことだと思っています。このkikulogもそういうレベルに近づけないと・・・)

178. baijing Website — May 1, 2011 @17:35:27

「子供について、20mSv/yを見直す必要があるかも」という点は理解できますが、小佐古会見の全文を読むと、新聞やテレビで報道されているのとはニュアンスが異なる点もあるような気がします。たとえば……

>放射線業務従事者の緊急時被ばくの「限度」ですが、この件は既に放射線審議会で国際放射線防護委員会(ICRP)2007年勧告の国内法令取り入れの議論が、数年間にわたり行われ、審議終了事項として本年1月末に「放射線審議会基本部会中間報告書」として取りまとめられ、500mSvあるいは1Svとすることが勧告されています。法の手順としては、この件につき見解を求められれば、そう答えるべきであるが、立地指針等にしか現れない40−50年前の考え方に基づく、250mSvの数値使用が妥当かとの経済産業大臣、文部科学大臣等の諮問に対する放射線審議会の答申として、「それで妥当」としている。ところが、福島現地での厳しい状況を反映して、今になり500mSvを限度へとの、再引き上げの議論も始まっている状況である。まさに「モグラたたき」的、場当たり的な政策決定のプロセスで官邸と行政機関がとっているように見える。

作業員に関する緊急時の基準設定が低すぎる点が指摘されていて、それが現場作業の進捗を阻害しかねないとされています。

SPEEDI予測の公開ですとか、子供の被曝量基準ですとか、安全側に依った提言については、政府に対してマスコミが批判してきた論点とも重なりますので、大きくとり上げられていますが、「現場作業員の被曝限度は当初よりさらに引き上げておくべきだった」という点はほとんど触れられていません。

小佐古氏の主張の中心は、あくまでも法的な基準に照らして対策を実施すべきだったという点にあるように思います。それが、ヒューマニズムという(大切なことではありますが、多分に心情的でもある)箇所が強調されて報道されているような。

お詳しい方々は、どうお考えになりますか?

Owner Comment きくち  May 2, 2011 @02:50:15

ICRPはこういう場合の作業員についての参考レベルを500mSvから1Svとしていて、それを採用することに事前に決まっていたはずだから、250とかにせずに最初から500にするべきだった、ということみたいですね。

だから、あらかじめ決まっていることをその場の裁量で変えることに異議を唱えているのであって、線量の制限がきついとか緩いとかではない、ということなのでしょうね

Up180. Katase — May 1, 2011 @18:48:28

井口堂さま

小佐古氏へのSPEEDIへの指摘に対しては、細野豪志統合本部事務局長の見解が紹介されている記事がありました。

・ニコニコニュース
小佐古氏の発言に「SPEEDIでの予測から、すでに実測へと移行している」と細野豪志氏 
http://news.nicovideo.jp/watch/nw58257Link

>「いま『SPEEDIがどうか』というと、おそらく小佐古先生もわかっておられると思うが、すでに実測データがでているので、そちらのほうがより実態そのものを表している。SPEEDIが本来持つべき機能は『予測』で、十分なモニタリングができない時期にそれなりの効果があった。その時期に機能しなかったことにおいて、小佐古先生が厳しく評価をされているのは当然だ。だが、今からこういった公開をすることにどれくらい意味があるのかということについては、率直に言って疑問があるというか、それほど大きな効果のある情報が期待できない」と語った。

細野氏の見解として、実測データがあるので現在はその必要がないということです。

それと、広域での甲状腺の被ばくによる等価線量などのデータは、実測値に基づいたものがあるのでしたら、そちらを利用してこれまでの累積値などを算出して公開して頂けると参考になると思います。
市場には流通しませんでしたが、東京で採取されたものでも放射能の基準値超えをした作物が過去に出ています。 
http://mainichi.jp/life/food/news/20110325k0000m040167000c.htmlLink
この様に規制値を超える野菜がかなり広域にわたって出てしまった事を考え合わせても、関東・東北も含めて広範囲で気になっている人達はいると思います。

ちなみに私としては隠蔽を疑って責任追及をしているのではなく、これから先、有用なデータをとってなるべく迅速に出していってもらえると判断材料として良い参考になるので、政府の方はそうしていって頂けたらと思っています。

また、現在学校に適用されている20mSv/yの基準値を急にまた変更してしまうと混乱してしまうので、とりあえず現行規定のままにしておいた上でいいので、20mSv/y未満ならば特に対策をせずに様子を見るということではなくて、積極的に子供達の被曝量を通常のレベルに近づけるように低減していく手段を示して順次実行していった方がいいと思います。
これは、ICRP勧告の目的にも沿ったものです。

181. かとう — May 1, 2011 @19:21:17

ふくたんさん
その纏めた土と言うのはどの様な形状でしょうか?
だらっとした感じで集めているとあんまり線量は減りません。
量にもよりますが、例えば、先に穴を掘っておいてそこに剥いだ表土を埋めて、その上に穴を掘った時の奥の方から出た土(表面の方の土は、出来るだけ奥側へ)や、今線量の低くなっている場所からもう少し土を持ってきて盛り土する等で、もう少し下げられると思います。

このエントリの上の方でこなみさんがざっと計算されてますが、50cmぐらいの盛り土にすれば大分減ると思います。
ご心労、ご苦労大変だと思いますが、あと少し工夫をお願いします。

182. かとう — May 1, 2011 @19:43:28

すいません。捕捉です。
あと、穴を掘ってそこへ埋める場合、後に表土の処分先が決まった時にどの程度を掘って処分場に持って行けばいいか、また雨等で周囲の土に放射性物質が流れ出さないように、穴にブルーシートを敷いてからの方がいいです。
また、盛り土した後、その山へ上からもブルーシートをかけた方がいいです。

183. outsidervoice Website — May 1, 2011 @20:18:02

ふくたんさん、

そういう事態を想定して、ここで、みなさんに質問させていただいていた者です。

私の理解では、以下のようにまとめました。


<表土削除マニュアル(作業時の放射線数値を環境以下に抑えたい現場用)>

前提:放射性物質の地中への浸透がある程度の深さに抑えられていること(これには問題ないと思います)。

★放射性物質が浸透している部分だけを削除する場合は、計算上、その集積土の放射線数値が、環境より高くなる可能性があります。しかし、これはコントロール可能です。

★環境値と同じあるいはそれ以下に抑える場合は、浸透部分以外も削除するようにします。汚染されていない土が集積土に加わる量を少し増やすことで、数値を下げることができます。

★また、土を集めるときに、より濃度の高い地面を下に、汚染されていない土を上にして積み上げるようにするだけでも、数値の低下が期待できます。


ふくたんさんの現場の場合、既に、濃度の高い土を盛り上げてしまっているわけですから、上から濃度の低い土をかけて覆ってみるのが一番、簡単な対処法ではないでしょうか。で、測った結果を教えていただけますか?

私のブログは、こちらになります。http://memo.outsidervoice.com/?day=20110313Link

よろしくお願いいたします。

Owner Comment きくち  May 2, 2011 @13:41:21

投稿者の希望で文章の一部を削除しました
大筋に影響はないと思います

Up185. Isshocking — May 1, 2011 @20:21:56

河川工事に使われる1トン土嚢袋に入れておけば、何するにせよ扱いが楽だったと思うのですが、郡山市もそこまでは気が回らなかったみたいですね。
そんなに高いものではありません。
http://www.e-fukuyoshi.com/kentikusizai/dono/dnton1/Link

186. そあ — May 1, 2011 @20:57:36

下水に入り込んだらどうなるかな、と思っていたのですが、やはり汚泥に濃縮されるようです。

下水汚泥に高濃度放射性物質
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110501/t10015660021000.htmlLink

187. outsidervoice Website — May 1, 2011 @21:03:53

Isshockingさんへ、

郡山の件、たぶん、扱いが難しいという話より、表土を集めてしまったことによる放射線数値の上昇を心配されているんだと思います。

放射線を防ぐ袋などあれば、良かったんですよね。もしかしたら、ありますか?

188. Isshocking — May 1, 2011 @21:09:56

outsidervoiceさん:
>放射線を防ぐ袋などあれば、良かったんですよね。もしかしたら、ありますか?
そういう袋はありませんが、別の土嚢袋に普通の土を入れて周りを囲ってしまえばいいのです。

189. outsidervoice Website — May 1, 2011 @21:24:43

Isshockingさん、

なるほど。わかりました。ありがとうございました。確かに扱い全然、楽そうですよね。郡山市に提案されたらいいのではないかと・・・。

しかし、園庭スペース、結局、結構圧迫されてしまうんですかね・・・。


そあさんへ、

その濃縮能力を土壌浄化に生かせないかと、ここで質問させていただいている者なのですが、その濃縮には脱窒菌のセシウム集約能力が関わっているのではないかと思っています。

下水処理場の応用みたいな土壌浄化プラントつくれないかとか、ファイトレメディエーションとバイオれメディエーションを絡めたら、現場での浄化を効率化できないかとか、いろいろ思うのですが、何か良い情報ありましたら、ぜひ、お教えください。

Up190. disraff — May 1, 2011 @22:48:20

outsidervoiceさん>
何度か指摘されていますように、洗浄技術そのものより、結果として生じる放射性物質濃度の高い廃棄物の扱いの方が問題ではないかと思います。放射能は化学や生物学ではどうにもなりませんから。

191. そあ — May 1, 2011 @23:30:22

outsidervoiceさん。

正直なところ、あなたがなぜ下水処理場に固執するのか私には理由が良くわからないのです。

土 → 下水処理場で汚泥化 → 溶融炉 → スラグ、という手間を掛けるぐらいなら、はじめっから土を溶融炉に放り込んでしまえばもっと簡単に、スラグに凝集するんじゃないですか?

※そして、そのスラグの処分場所に困る、と。

192. Katase — May 1, 2011 @23:25:12

ここでのエントリーで上がっている問題のいくつかについて、考える上での参考になる資料がありますので紹介します。

・震災にともなう放射線リスクと科学情報発信 
 高エネルギー加速器研究機構 野尻美保子 2011年(PDF)
http://research.kek.jp/people/nojiri/asahi_f_nojiri.pdfLink  

スライドのデータが豊富で、とても良くまとまっています。内容は、
・震災と原発事故の概要
・放射線の種類と知識
・リスクの考え方(誤った比較の仕方につても)
・原発事故にともなう公衆被曝の拡大について
・SPEEDIの公開についての問題点
・気象学会の対応についての問題点
・放射線の測定について
・健康への影響
・20mSv/年は安全か
・文部科学省の対応について
・食品の安全性について
・過剰に被曝リスクを強調することの問題点

どれも重要なのですが、一部抜粋して紹介するとSPEEDIの公開が遅れた事については、

>今回の事故では、原子炉施設における測定によって放出源情報を得ることができないことから、SPEEDIを用いて発電所周辺の放射性物質の濃度や空間線量率の値を計算することができない状態が続いていました。

>このため、原子力安全委員会では、SPEEDIを開発した(独)日本原子力研究開発機構の研究者の 協力を得て、原子炉施設での測定に代わる方法を検討し、試行錯誤を繰り返した結果、環境中の放射性物質濃度の測定(ダストサンプリング)結果と発電所から 測定点までのSPEEDIによる拡散シミュレーションを組み合わせることによって、ダストサンプリングによってとらえられた放射性物質が放出された時刻に おける放出源情報を一定の信頼性をもって逆推定することができるようになりました。 

まず運営者が計算プログラムを理解していなかった問題と、「環境中の放射性物質濃度の測定(ダストサンプリング)結果と発電所から 測定点までのSPEEDIによる拡散シミュレーションを組み合わせる」ことで可能になったことについて「シミュレーション業界ならあたりまえ」という突っ込みが入っています。

それと、学校への20mSv/年の基準の適用に対する考え方としてとても参考になる記事を江川紹子さんが書かれているので紹介します。

・「『適切でない』と申し上げた」〜”子どもにも20mSv/年”問題と放射線防護学の基礎 
http://www.egawashoko.com/c006/000330.htmlLink

原子力安全委員会のメンバーである本間俊充氏((独)日本原子力研究開発機構安全研究センター研究主席・放射線防護学)は「私は(緊急事態応急対策調査委員として)原子力安全委員会に詰めていたんですが、(子どもについても)20mSvが適切か、ということに関しては、私は『適切でない』と申し上げたんです」と、20mSvの適用には賛成ではなかった様で、原子力安全委員会の中で全員一致で決められたものではなかった様です。

記事中には、ICRPの2007年勧告(ICRP111が含まれる)の分かり易い解説と、放射線防護「確定的影響」と「確率的影響」についての解説がされています。

>ICRPは、大人も子どもも一緒でいい、などとは言っていません。確かに外部被曝の影響は大人も子どももあまり違いは出ていませんが、やはり子どもは感受性が高く、より守らなければならない。他に、妊婦などの感受性を考えなければならない人たちがいます。
 今は、日本人の3分の1がガンで死にます。ガンを発症する理由はいろいろで、多くは何が原因か分からない。私のような年だと、多少放射線を浴びても、それが原因でガンを引き起こす前に、別の理由でガンになって死ぬでしょう。でも、子どもは余命が長い(ので、その間に影響が出る可能性は年長者より高い)。だから、子どもに関しては特にケアしていくべきです。

>限度を半分の10mSv/年にすればかなりの数の、従来の1mSv/年にすればほとんどの学校が対象になってしまい、学校が再開できなくなってしまう、ということで、20mSv/年としたのでしょう。文科省はとても急いでいて、早く原子力安全委員会のお墨付きをちょうだい、という感じでした。

>ただ、決めてしまったからには、この線量を少しでも下げる努力をすることです。被曝を少なくするためには、高い所から優先的に対応をとっていく。校庭であれば、表土を削ぐくらいはやるべきでしょう。

>3月21日にICRPが出した声明も、日本政府に対して、許容線量を20mSv/年に引き上げろと言ったわけではありません。ICRPの勧告では、できるだけlower part(低いところ)を目指せと言っています。1〜20mSv/年の範囲で、どこを参考レベルに設定するかは、まさに政府の判断です。

>特に、子どもに関して、飯舘村で計画的避難の指標として出した20mSv/年としたら、「とても受け入れられないでしょう」と申し上げた。ただ、ではいくらならよいか、と言われると、これは難しい。5mSv/年とか10mSv/年とか数字を言うのは簡単ですが、その根拠を科学的に説明するのは難しいんです。
 ただ、こうした問題を考える時、人々に「受け入れられる」というのはとても大切です。

>たとえば、レントゲンやCTなどの医療放射線は、ガンを発見する、というリスク以上の利益がある場合などを言います。そういう利益があるから、放射線を浴びることのリスクもがまんできる。事故が起きた当初、食べ物の放射線レベルをCTスキャンと比べて発表していましたが、あれは適切ではありません。今回の事故による放射能汚染は、誰にもベネフィットはありませんから。
 特に、福島の住民の場合、何のベネフィットもありません。利益ではなく、不利益をどうしたら減らせるか、という問題です。例えば、多くの人は仕事などもあるし、簡単に引っ越すわけにはいかない。そういう場合、そこに住み続けることの方が不利益が少ない。あるいは、牛をたくさん飼っている人が、避難すればその牛を安い価格で売らなければならなかったりして、そのためにコストが生じる。それを回避するために、(将来ガンを発症する可能性がないとは言い切れないなどの)リスクを甘んじて受ける、という判断もあるでしょう。子どもの場合は、「学校に行かれなかった時の不利益」や「転校する時の不利益」がありますね。そういう不利益とリスクとのバランスの中で、住民はそこに住み続ける判断するわけです。

>だから、せめて被曝ができるだけ低いレベルになるよう、住民の協力も得ながら、精一杯改善を図らなければなりません。子どもについては、校庭の表土を取り除いたり、ドロ遊びをして土が口に入ってしまった、などということがないように気をつける。校庭で遊んだ後、土やほこりが衣服についたまま教室に入って部屋の空気を汚染したりしないように防ぐ。
 子どもだけではありません。そこにはたくさんの人が生活しています。「この辺りは線量が高いのでできるだけ通らないようにしましょう」「しばらくは家庭菜園はやめておきましょう」という情報をこまめに提供して、住民と納得づくで対策を話し合っていくことが大事です。住民が自分の生活を管理していくことも大事なので、こういうことはお上が勝手に決めるのではなく、stakeholder(利害関係人)が参加し、関与し、納得するというプロセスが大切です。ICRPも、stakeholderの関与ということを盛んに言っています。

>1〜20mSv/年の中でどこに設定するか、といった事柄は、まさに国がdecision make(意思決定)すべき問題です。今の状況は、責任あるところが責任あるメッセージを出していない、と思えてなりません。


江川さんの提言はこれらの問題を考える上での参考になると思います。(大事だと思う部分を引用して紹介しましたが、量が多くなってしまいました) 私の見解も江川さんとほぼ近いです。できましたら、ICRPの2007年勧告(ICRP111が含まれる)と、放射線防護についての解説もとても分かり易く書いてありますので、この記事全文を読んで頂けたらと思います。

193. outsidervoice Website — May 2, 2011 @00:06:51

disraffさん、そあさん、

私は頭がおかしいと思われているんだろうなあと思うのですが、一応、書きますね。

まず、農地のこととか考えても、土壌浄化の必要性はありますよね。今後、数十年の問題として。また、農地は特にですが、表土を単に取ってしまう方法は、何かと問題が多いですよね。で、土をそのまま現場で処理するか、プラントで処理して戻す方法はないかということが課題だと考えています。

その答えを探すときに、今、材料のひとつとして、下水処理場で放射性物質が濃縮されているらしいというのがあります。で、おそらく、脱窒菌とか、そういうものが取り込んでいる可能性が高いと。それを裏付ける研究もあると。

汚泥がどんどん増えるとまずいですが、別に、汚泥法だけじゃないですよね、細菌を使った下水処理と言っても(いい加減な知識で書くわけですが・・・)。でも、せっかく下水処理のノウハウがいろいろあるわけですし、設備もあるわけですから、もしちょっと応用して使える方法やモノがあるのなら、使った方が効率的なので、まず、そちらの可能性を考えてみるのは、どうだろうと思うわけです。

もちろん、もっと簡単な土壌浄化の方法があれば、そっちの方がいいと思います。現場で全部済むんならそっちの方がいいですし。でも、探しても出てこないんですよね。

なにか、アイディアあるでしょうか? 専門知識のある皆さんから、一番聞きたいのは、そこです。何かちょっと振ったら、いっぱいアイディアが出てくるのかな、とか期待しているのですが・・・。もちろん、いろんな問題点の指摘もありがたいのですけど・・・。

いい方法があれば、困っている福島の農地でテストしたいとも考えています。あまりに動きが無いですし、切実なのに、先の見えてない問題ですから、数打つのも必要だろうと。もちろん、何も考えずにということではありません。今回の状況を考えると、多少、焦ってはいます。焦らなくても、自分の場合は、特にたちまち問題はないのですが・・・。

濃度の高い廃棄物の量はできるだけ少なくしなければならないことは間違いないと思うのですが、その廃棄場所などの問題は、また少し別問題なのではと思います。

ということですが、やっぱり、意図不明ですよね?

郡山の表土を集めたらどんな放射線数値になるか、という質問から入らせていただいたので、ここの様子が、いまひとつ分かっていないので、すみませんでした。

194. 井口堂 — May 2, 2011 @01:01:16

下水処理場で放射性物質が検出された件、予想されたことが起きたようですが、NHKのニュースでは、

「この浄化センターから出る汚泥は、県外に運ばれてセメントの材料として再利用されていたということで、県では、当面の間、再利用を見合わせるとともに、原発事故のあとで搬出された汚泥がどのように使われているのか、追跡調査を行っています。また、県内の同様の施設でも汚泥などの調査を行うほか、作業員の健康に影響がないか調べるとともに、作業員の安全確保や、放射性物質を含んだ汚泥の処理などについて、早急に方針を示すよう国に求めています。」

予想していなかったようになっています。本当?
本当だったら筋が悪すぎます。

小佐古氏を含む政府関係の科学者は、こういうことこそ政治家にアドバイスする義務があるはずです。
それとも、守備範囲がタコツボ化して自分の専門外は常識的予想もできないのでしょうか?

Up195. baijing Website — May 2, 2011 @06:24:20

きくち May 2, 2011 @02:50:15 様

>あらかじめ決まっていることをその場の裁量で変えることに異議を唱えているのであって、線量の制限がきついとか緩いとかではない、ということなのでしょうね

全文を普通に読めば、そういうニュアンスになると思うんですが、一般には違った捉え方をされているようです。ただ気になるのは、会見の配付資料には下線が引かれているようで(NHK「かぶん」ブログ)、そこだけを読めば政府の情報隠しと安全性への疑義を申し立てているようにも取れることなんです。http://www9.nhk.or.jp/kabun-blog/200/80519.htmlLink

新聞報道や多くのブログでも、下線部を中心に論じていますし、「かぶん」ブログへのコメントも、ちょっとおかしな方向になっているような。

一筋縄ではいかない感じです。

196. mimon — May 2, 2011 @07:04:43

#192.outsidervoice ― May 2, 2011 @00:06:51さん、
その高濃度の放射性物質が汚泥から見つかった県中浄化センターですが、処理方法は、普通の標準活性汚泥法です。
http://www.pref.fukushima.jp/gesuidou/webpage/summary/syori/syori.html#1Link
ただ、処理量が多いので、短期間に「たくさん集まった」だけではないでしょうか。
つまり、汚泥に吸収された放射性物質は一部だけで、大部分は放流水のほうに回ったと考えられます。
セシウムのようなアルカリ金属イオンが大量の水で薄まっている場合、それを現実的なコストで有効に集めるというのは、たいへん難しい事なのです。
まして、下水処理場は、有機物を分解するのが目的ですから、放射性物質が吸収されたというのは、「たまたま」だったと解釈して、あまり過大な期待を抱かないでください。

197. ごんべえ — May 2, 2011 @06:58:23

outsidervoice May 2, 2011 @00:06:51
>下水処理場で放射性物質が濃縮されているらしい
って何と比べて濃縮されていると?アスファルトやコンクリートの上に降った、放射性物質の多い埃を効率よくけんだくして集めて沈殿しただけで説明できる話じゃないんですか?

198. Katase — May 2, 2011 @07:22:34

baijing さま

>ただ気になるのは、会見の配付資料には下線が引かれているようで(NHK「かぶん」ブログ)、そこだけを読めば政府の情報隠しと安全性への疑義を申し立てているようにも取れることなんです。

NHK「かぶん」ブログに掲載されている配付資料には下線は、「*文中の下線は、原文のままです。」となっており、元の資料そのままで、「かぶん」が独自に強調したものではありません。

ちなみに私の解釈は、April 30, 2011 @08:39:10に書きましたが(そのうち、ICRR111を前提にしていたかどうかはまだ分からないです)、全体的に小佐古氏の抗議は、場当たり的で必要な「手続き」「情報開示」がきちんとなされていない事と、子供などに対する「人道的な配慮」が欠けていることを訴えていると思います。

特に、必要な「手続き」「情報開示」がきちんとなされていないという指摘が報道などで見落とされがちなのは問題があると思います。
(会見の小佐古氏の涙目といった面に引き摺られてしまったのもあるのでしょうか) あまり感情論に偏ってしまうと良くないと思います。

子供などに対する「人道的な配慮」についても、20mSv/年というレベルが実際にはどういう状況なのかを例示して、一般的な感覚との整合性、すなわち「子供に適用するものとして受け入れ易い数値かどうか」という点を述べています。

全体的に論調がズレてしまいがちなのは、どうしたものかと思います。

また、小佐古氏の辞任には政治的な対立という背景もあったであろうと思います。でも政治的な対立があればこそ、この様な問題点が一般に向けて提示されたという面もまたあると思います。

井口堂さん

>小佐古氏を含む政府関係の科学者は、こういうことこそ政治家にアドバイスする義務があるはずです。
それとも、守備範囲がタコツボ化して自分の専門外は常識的予想もできないのでしょうか?

小佐古氏の辞任は、色々と提言しても聞き入れて貰えなかったのが理由です。また、もう辞任されているので政府の関係者としての権限はありません。

199. outsidervoice Website — May 2, 2011 @08:09:56

mimonさん、ごんべえさん、

どうもご指摘ありがとうございます。ブレストの場所なのかと思って入り込んできているので、面食らっているのですが・・・。

みなさん、こういう不明な問題の答えを探すとき、どういう風にされるんですか?

じゃあ、ブレスト風に、角度を変えて、一旦、違う問題について質問しますね(ブレストの場ではないのかも知れませんけど・・・)。でも、こっちの方が、至近の問題でしょうし。

★放射性物質が検出されるようになった下水処理場は、どう対処したらいいんですか? 対処しないという選択もあると思うのですが、その場合も理由を知りたいです。


それから、他のことに応用できそうな問題としては、

★汚泥から放射性物質を分離する方法としては、どういうことがありますか? あるいは、現在の技術では想像することさえ不可能ですか?

Up200. baijing Website — May 2, 2011 @08:29:43

Katase — 2011/5/2@07:22:34 様

>NHK「かぶん」ブログに掲載されている配付資料には下線は、「*文中の下線は、原文のままです。」となっており、元の資料そのままで、「かぶん」が独自に強調したものではありません。

そうなんです。ですから、文章を普通に読んだときに受ける印象(小佐古氏の主張)のバイアスが、下線を引いたことによって大きく変わってくるように思うわけです。

>あまり感情論に偏ってしまうと良くないと思います。

>全体的に論調がズレてしまいがちなのは、どうしたものかと思います。

この「感情論」や「論調のズレ」が、下線を引いたことによって生じている側面があるような気がしています。新聞報道も下線部を中心になされましたし、「かぶん」ブログで全文を読んだ方(多くのコメントが寄せられています)が感情論に流されているのも、下線に導かれてはいないだろうかと。そういう仕掛けがされているのではないかと思ってしまいました。

実は、私は最初別のブログで全文を読んだのですが、下線の有る無しでイメージが随分違うのですよ。たとえば…
http://www.webdice.jp/topics/detail/3037/Link

提言自体は有益なものを含むと思いますし、あまり穿った見方はしたくありませんが、一筋縄でいかない文書だと思ったのは、上記のような理由によります。

201. 落花生 — May 2, 2011 @09:01:42

outsidervoice ― May 2, 2011 @08:09:56 さん

> ブレストの場所なのかと思って入り込んできているので、面食らっているのですが

では、そのように発言目的を明示しましょう。
このエントリで問題となっているのは、「学校の放射線量」という現実的かつ喫緊の問題です。児童の被爆線量を減らしつつ通常の学校生活が続けられるようにするにはどう考えればよいか、さしあたって何をすればいいか、が真面目に議論されています。

農地その他の土壌の汚染も現実的で喫緊の問題かもしれませんが、校庭の表土ほど話は簡単そうではなく、除染はさしあたって人間の手では実現可能性の低いものとみなさん考えているわけです。
「非現実的でもいいから、何か可能な方法について考えたい」ということなら、そのように言わないとエントリ本題との温度差で相手にされないのも無理はないと思います。
私自身は、多少のエントリずれは許されると(勝手に)思っていますが、あまり突拍子もない夢物語をこのブログで語ってもなあ…と感じるところですが。

202. かとう — May 2, 2011 @09:13:38

>みなさん、こういう不明な問題の答えを探すとき、どういう風にされるんですか?

研究する以外にあるんですか?
てきとーな事を言い散らかすのなら、そこらへんのマスコミに出まくっている『知識人』と同じだと思うんですが。

203. 井口堂 — May 2, 2011 @07:25:39

Katase様

小佐古氏の件、新たなコメントをいただきましたので、私もコメントを追加します。

1.SPEED気慮開の件
細野氏の発言「すでに実測データがでているので、そちらのほうがより実態そのものを表している。」には、同意します。
ただし、「実測データがあるので現在はその必要がない」というのは、少し違うと思います。測定点が増えているとはいえ、それは点であって面ではありません。また、ある限られた時刻のデータであって、時間的に連続したデータでもありません。
今、実測データとシュミレーションの間に非常に良い関係が築かれ、状況が平面+時間で見ることができるます。重要だと思います。
なお、Kataseさんの示されたSPEED気了駑舛砲蓮3/12〜3/24までの積算しか載っていませんが、文部科学省のHPには、3/12〜4/24までの積算データが載っています。

野尻さんが、『まず運営者が計算プログラムを理解していなかった問題と、「環境中の放射性物質濃度の測定(ダストサンプリング)結果と発電所から 測定点までのSPEEDIによる拡散シミュレーションを組み合わせる」ことで可能になったことについて「シミュレーション業界ならあたりまえ」』と突っ込んだのは、当然のことだと思います。
ただ、3中旬の状況を推測すれば、関係者は水素爆発等で大慌ての状態でダストサンプリングのことなど考える余裕もなかったのかもしれません。

2.甲状腺の被ばくによる等価線量の件
甲状腺の被ばくの等価線量は、空気中のI137を吸入することによる内部被ばくの量として計算されているはずです。従って、ある地域における甲状腺の被ばくの等価線量は、その地域の空気中I137の濃度が分からないと計算できません。
福島第一の近くですら20日になってダストサンプリングを行ったというのに、それよりも遠くの地域でI137濃度を把握できていたところは、どれだけあったでしょうか?また、I137濃度が分かったとしても、それは1日の中のごく限られた時間だけです。他の時間のデータは空白です。

福島県で甲状腺の被ばくの等価線量が計算できたのは、SPEEDIと他地域よりも多い実測データを組み合わせることによって、県内のI137の濃度分布を時間的に連続して計算することができたからです。
時間的にも、地点的にも欠落だらけのデータで、しかもSPEEDIの範囲外である他地域で、甲状腺の被ばくの等価線量のデータが計算されていると考えるのは無理があり過ぎます。

#170で、「3月中旬に各地で計測された空間線量率に、エイヤッと係数を掛けて(どんな係数にするかも問題ですが)I137の量を推定する」という主旨のことを書きましたが、こんな方法でまともに推定できるはずがありません。だいたい、1日1回、1県1箇所しか空間線量率の測定データがなかったら、そこから計算される値を県全域で24時間継続する値とするのでしょうか?(でも、他に計算方法があるとも思えません)
そういうわけで、私には、小佐古氏が何か変なことを言っているな、としか感じられないのです。

3.#191で紹介された野尻美保子さんの資料の件
非常に面白かったです。有難うございました。
特に、P46でセシウム量の今後の予想について、「コンクリート(アルカリ)と結合」とあったのは、私が気が付いていなかったことなのでアッと思いました。(土のセシウムはかなり残るが、コンクリート部分のセシウムは、相当量、雨で流されると思っていました)
ただ、これがすでに証明済みのことなのかが明確ではなく、量的な言及もなかったので、今後のデータを注視したいと思います。

204. 佐々木(以下秘密) — May 2, 2011 @09:28:39

ふくしまけんのとある研究機関には、ながさき・ひろしま・とうきょうなどの大学の先生方が大量に訪れているようです。
研究するしかないでしょう。10年、20年というスパンで。
とりあえずは「校庭」「園庭」ですが。

Up205. 井口堂 — May 2, 2011 @09:45:37

Katase 様

#197のコメントを見落としていたので・・・。
「小佐古氏を含む政府関係の科学者は、こういうことこそ政治家にアドバイスする義務があるはずです。」と私が書いたのは、最初、「政府関係の科学者は、こういうことこそ政治家にアドバイスする義務があるはずです。」と書いてから、でも、こんなこと少なくとも1ヶ月前には予想できていたから、あなた(小佐古氏)も例外じゃないよね、と思い直して「小佐古氏を含む」を付け加えました。
従って、主眼は「小佐古氏」ではなく、「政府関係の科学者」です。

206. Katase — May 2, 2011 @10:26:49

井口堂さん

とりあえず、思い違いがあるといけませんので、
何度も書いておられるので、最初はタイプミスかと思って一々指摘しませんでしたが、放射性ヨウ素は「I137」ではなく、「I131」(放射性ヨウ素は他の種類もありますが原発事故ではI131が主要となります)です。放射性セシウム「Cs137」との混同ではないでしょうか?

207. outsidervoice — May 2, 2011 @09:51:36

落花生さん、かとうさん、

建設的でない議論をしていただくことになっていて、すみません。それは、私の意図でもないのですが・・・。

農地はテーマ外という感じがしているのは、わかりました。私は、もうこの段階になると、地表全体の問題だと、勝手に決め込んで書いていたような気がします。「農地」に絞って書いてもいないのですが・・・。

何よりも、私の聞くニュアンスがわかりにくいという問題はあるとは思います・・・。


>研究する以外にあるんですか?
研究する前に、最初はいろいろと案とか方向性とかを考えるんだと思ってました。

今回の場合、どんな研究に入っていくんでしょうか?・・・この辺の感覚、私はわかってないです。


>てきとーな事を言い散らかすのなら、そこらへんのマスコミに出まくっている『知識人』と同じだと思うんですが。

「てきとーな事を言い散らか」してはいないんです。案ですから、当たり外れはいろいろありますけど。ですから正確に書きますと、てきとーな事をいっぱい言うかも知れませんが、散らかしてはいないんです。

ここでも、学校の土の件、現場のことを考えるとどうしても、集積土の数値が懸案になってしまうので、それについて質問しましたよね。


私(たち)は、いろんな場所で、見逃されていると思われる危険や課題を現場に伝えたり、アイディアの元を提案したりしています(最初は意図してではなかったのですが、自然とそんな感じになりました)。それで、実際に動いたことも、未然に防いだ危険もいくつかあります。課題や危険を伝えた専門家がメディアで発言してくれたりというようなことも含めて。


>あまり突拍子もない夢物語をこのブログで語ってもなあ…と感じるところですが。

「突拍子もない夢物語」だったら、ここで聞かなかったですけど・・・。当然、現場を想定して聞いているわけです。そこで、使えるアイディアが出てくればいいなと。小さな研究であれば、いろいろ試せますよね。素人でもできることが、いっぱいあるんですよ。あと、専門家や専門業者に提案してみるという方法もありますし。

たぶん、みなさんだと、恥ずかしくてできないですよね。間違っているかも知れないけど、役に立つかも知れない、くらいのことでとりあえず動いてみるなんて(ここでの質問なんかもそうです)。でも、その辺から始まることも、結構あるんですよ。想像つかないかも知れませんが・・・。

もちろん、間違いは、避けるようには努力はしていますし、間違いでないかどうかを継続的に、いろんな人に聞くようにはしています。


しかし、まあ、自分のスタンスと素人であることが、ここではすごくご迷惑をおかけすることがよくわかりましたから、これで失礼しますね。(TT)


あ、あと、学校の線量の件ですが、わたしが想像する現場の感覚からすると、基準値の解釈というより、今の環境が、実際どういう危険なのか、から知りたいんだろうなあ、そこから議論をはじめたいんだろうなあ、とは思います。


どうも、ありがとうございました。

208. 井口堂 — May 2, 2011 @13:23:19

Katase 様

ご指摘ありがとうございます。
それまでCs137の話を書いてきたことと、昨日から今朝まで嫁さんのお供であちこち出掛けた合間に慌てて書き込んだせいで、うっかり「I137]と書いてしまいました。
私のコメントの内容を見ていただければわかるように、#170と#202は、全てI131について書いています。
念のために他のエントリーも確認しましたが、I131とCs137の書き間違えはないようです。
申し訳ありません。I131として読んでください。

209. 技術開発者 — May 2, 2011 @15:30:33

こんにちは、Kataseさん。

>ただ、これがすでに証明済みのことなのかが明確ではなく、量的な言及もなかったので、今後のデータを注視したいと思います。

この元ネタはソヴィエトの技術者の報告でして、コンクリートに吸着したセシウムを洗い流そうと頑張ったけどなかなか落ちなかったという話なんです。ところが、そういう話を聞くと、逆にセシウムの濃縮処理とかをやっている人は、「これは良い話を聞いた、セメントゲルでセシウムの濃縮ができるかも知れない」と確かめる訳ですね。でもって実験結果は、
http://www.iaea.org/inis/collection/NCLCollectionStore/_Public/31/027/31027916.pdfLink
でして、う〜ん、なかなか評価が難しいですね。落としやすいとは言えない分配係数ですが、吸着除去に利用するには離れ易す過ぎるという所でしょうかね。

Up210. 技術開発者 — May 2, 2011 @15:55:17

こんにちは、outsidervoiceさん。

>建設的でない議論をしていただくことになっていて、すみません。それは、私の意図でもないのですが・・・。

たぶん、だけどね。問題のポイントが理解出来ていないんじゃないかな?

低濃度の放射性セシウムを濃縮する技術なんてのは、すでにいろんな方法が開発されているのね。原発の中の6−7万トンと言われる汚染水の除去の話なんかで、「たぶん、こうやるつもりだな」なんてのは、私には想像出来るのね。もちろん詳細の部分は分からないけどね。ゼオライトを1トンも詰めた管の中に汚染水を通せば、出たときはほとんど検出されなくなると思います。理論的には1トンのゼオライトは200キロのセシウムを吸着出来ることになっているからね。7万トンの高濃度汚染水と言ったって、中に入ってるセシウムの総量は1キロもないはずです。もちろん、水の中にはセシウム以外のゼオライトに吸着する成分も多いから、理論よりも沢山のゼオライトが必要になるし、水を処理するに連れて、そのゼオライトはどんどんと高レベルになっていくだろうけどね。

そういう意味では水に溶けてくれた放射性セシウムを処理する技術は既にあるわけね、別に活性汚泥の濃縮なんて効率の悪い濃縮に注目しなくてもね。なんていうかな、土の処理の場合にはゼオライトみたいな吸着物質の中を通すところまで、持っていくのが大変なんですね。土の中のセシウムを水に溶かして、そして土と分離する(これが一番大変な部分ね)なんてのは、きちんとやろうとすると、相当に大きなプラントが必要になるのでね。

211. Katase — May 2, 2011 @16:39:26

技術開発者さん

>でして、う〜ん、なかなか評価が難しいですね。落としやすいとは言えない分配係数ですが、吸着除去に利用するには離れ易す過ぎるという所でしょうかね。

話の流れを掴まえておられなくて誤解がある様なのですが、コンクリートの話が出たのは放射性物質の吸着剤の開発についてではなくて、「環境中から放射性セシウムがほとんど流れでない」という実測データに関して野尻美保子さんの考察の中での1つとして挙げられたものです。 
http://research.kek.jp/people/nojiri/asahi_f_nojiri.pdfLink  
スライドのP46

この中でコンクリートについては盲点だったと井口堂さんが取り上げて論評されただけです。野尻さんも「吸着除去に利用」しようしているのではありませんし、私もその様な目的で紹介したのではありません。

どうも、outsidervoiceさんの放射性物質の除染技術の話が同時に流れているので、話の筋が混乱してしまった様ですね。

212. 井口堂 — May 2, 2011 @18:14:34

技術開発者 様

>この元ネタはソヴィエトの技術者の報告でして、コンクリートに吸着したセシウムを洗い流そうと頑張ったけどなかなか落ちなかったという話なんです。

私は、この元ネタに興味があるのですが、チェルノブイリの時の話でしょうか?単位面積あたりの吸着量等のデータがわかれば、今後残留する放射能の状況を考える上で役立つと思うのですが・・・。(勿論、コンクリートによって吸着量が千差万別であることを踏まえた上での話です。少なくとも、この程度は現実に吸着した例があるという意味で価値があると思います)

213. disraff — May 2, 2011 @19:07:16

Kataseさん>
技術開発者さんは単に「コンクリートのセシウム吸着の強さについてなら既に実験データがあるよ」と情報を提供されたものと読みました。

214. Katase — May 2, 2011 @20:21:42

disraffさん

ああ、そうなのか。(^^;)
吸着の程度としては、吸着除去に利用できる程の強さは無いということなのですね。
同時進行の吸着除去技術の話が活発?でしたので、そちらの話の一環と勘違いされたのかと思ってしまいました。

Up215. そあ — May 2, 2011 @20:18:53

PSRとIPPNWの関係について、きちんと言及した記事がありました。

学校放射線基準は「安全でない」 ノーベル賞受賞の米医師団
http://www.47news.jp/CN/201105/CN2011050201000194.htmlLink

記事のタイトルに恣意を感じるのは相変わらずですが・・・

216. ごんべえ — May 2, 2011 @22:23:27

outsidervoice Website ― May 2, 2011 @08:09:56

> ★放射性物質が検出されるようになった下水処理場は、どう対処したらいいんですか? 

まず、どこにどれだけの放射線があるかを測定しておくこと。それから、電離放射線障害防止規則に準じて作業員の被曝管理はしたほうがいいでしょう。

あとは、どっかで基準値を決めて、普通の廃棄の流れ・埋め立て等にするか、低レベル放射性廃棄物として管理するかを決めるんでしょう。

> ★汚泥から放射性物質を分離する方法としては、どういうことがありますか? あるいは、現在の技術では想像することさえ不可能ですか?

まず、どんな濃度なのかを認識したほうがいいと思います。
汚泥で26.4kBq/kg(http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110501/dst11050118550020-n1.htmLink )ということですが、全部がセシウム137だとしても(実際には134もある)1Bq=3.1e-13g (計算はhttp://d.hatena.ne.jp/elm200/20110326/1301093130Link )より8.2e-9g/kgほどであるわけです。技術開発者 ― May 2, 2011 @15:55:17の話はまあ、水から水じゃないものを集める話なのでそれなりでしょうが、そうして集まった水じゃないものからセシウムだけを除こうってなると、ちょっとどうするの???となります。100年置いておけば一桁、300年も置いておけば3桁下がり、千分の1以下になりますっていうのが、いちばん簡単そうな話に思えます。

で、特別濃いのは、ドラム缶詰で管理かもしれませんが、あとは、埋め立てておくくらいじゃないと量が多いでしょうねえ。いずれ、生活区間から遠くにおいておくに越したことはないというものです。

217. そあ — May 2, 2011 @23:47:16

ニュースの紹介ばっかですいませんが。こんなのが出てました。

校庭の土、上下入れ替えを検討 文科省
http://www.asahi.com/national/update/0502/TKY201105020441.html?ref=rssLink

218. コンピュータはCG — May 3, 2011 @00:05:00

Kataseさん

> 全体的に小佐古氏の抗議は、場当たり的で必要な「手続き」「情報開示」がきちんとなされていない事と、子供などに対する「人道的な配慮」が欠けていることを訴えていると思います。

他に読みようが在りませんよね。
そして、基本的に正しい指摘であることも否定しようがありません。

一応説明すると、この場合の「正しい」は事実ではなく当為の問題です。
一般には、当為は真実に反してはいけませんが、行政は政策策定において永久に真実そのものを議論し追求している時間がありませんから、一定のオーソライズを経た知識と法によって定められた手続きに従うしかありません。そしてそうした「正しさ」を(この事故に関しては全人類に)説明する義務がある。そこを蔑ろにして結果的に国民の生命健康などの権利の侵害があれば犯罪ですから、責任ある立場の専門家が「片棒は担げない」と考えるのは当たり前です。

安心情報に反する見解には強迫観念に駆られているかのように得体の知れない曲解を勝手に付け加えてでも噛み付こうとする人が居るのは実に不可解です。
「パニックを起こすな!」って「まず、お前がな」と。

219. 井口堂 — May 3, 2011 @00:49:44

>校庭の土、上下入れ替えを検討 文科省

これは、場当たり的なのでは?
中長期的にどうするか考えていないのではないでしょうか?
選択1 中長期的にも校庭の土をいじらずに共存する。
選択2 処理方法が決まれば、掘り起こして搬出する。(でも、処理土量は確実に増える)

Up220. disraff — May 3, 2011 @00:53:32

「強迫観念に駆られているかのように得体の知れない曲解を勝手に付け加えてでも噛み付こうとする人」というのは、福島第一原発問題に関しては「徒に危険を煽る言論への批判」に対してのそれしか見た事がありません。批判の対象となるのが広瀬隆などの弄する「陰謀論」的な言辞であることが多いので、そういうのに嵌りやすい=強迫観念に駆られやすい人がよく引っかかるんじゃないかと思われます。

221. baijing Website — May 3, 2011 @02:07:32

コンピュータはCG — 2011/5/3@00:05:00 様

>他に読みようが在りませんよね。
そして、基本的に正しい指摘であることも否定しようがありません。

>そしてそうした「正しさ」を(この事故に関しては全人類に)説明する義務がある。そこを蔑ろにして結果的に国民の生命健康などの権利の侵害があれば犯罪ですから、責任ある立場の専門家が「片棒は担げない」と考えるのは当たり前です。

基本的に同意見です。私が下線にこだわったことを、「得体の知れない曲解」とおっしゃったのかもしれませんが、私には小佐古氏の提言を否定するつもりはありません。また、安心情報に反する見解も、あまりに煽情的なもの以外は問題視しておりません。

政府の情報提供に問題があり、人道的観点を欠いた(四角四面な)対応を批判すべきこと、法的根拠に基づいて施策が提示されるべきだという点は全くその通りだと思います。

その上で、重箱の隅をつつくような議論で恐縮ですが「他に読みようがない」はずの文書が、断章取義的にとり上げられることで一部違った理解を招き、それに(結果的に)下線が関与してしまっているような危惧を申し述べたに過ぎません(どうして下線が付けられたのか、気になったまでです)。

どうか悪しからず願います。

222. 井口堂 — May 3, 2011 @03:14:52

コンピュータはCG 様

「得体の知れない曲解を勝手に付け加えてでも噛み付こうとする人」と思っていらっしゃる中には、私も入っているのですか?

私は、小佐古氏の辞意表明資料の前半部分に書かれていることが、あまりにも技術的に変で納得がいかないので、おかしいのではないですかと、申し上げているだけなのですが・・・。(ぶちゃけて言えば、「この人、現場の技術システムに関与することがなくなって、何ができて何ができんことか分からんようになってるんやないやろか。疑問に思たことは、若いもんに「何で?」て聞いたんかいな」と、内心思っています)

小佐古氏は、「関東、東北全域の、公衆の甲状腺等価線量、並びに実効線量を隠さず国民に開示すべきである」と書いていますが、技術的に(無責任なものなら作れるかもしれませんが)開示できるデータはないと思います。それを「隠さず」とか「開示すべきである」とか言うのは、科学者として無責任やろと感じるので、このエントリとは少し外れていることは承知の上で、問いかけをさせていただいています。

私は、きくちさんの「科学者の(ある種の)社会的責任あるいはいかにすれば社会は健全な科学的知識を共有できるのか」という問いに共感しています。だからこそ、こんな時に科学者がおかしなことゆうてたらあかんやろと思うのです。

223. ごんべえ — May 3, 2011 @06:18:32

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110502-OYT1T01026.htmLink

守秘義務違反というのは参与になることによって職務上知りえた秘密があるっていうことですから、「隠さず国民に開示すべきである」のに開示していないデータ・推定計算結果があるんでしょうか?

「子供の被曝量はせいぜい年間5ミリ・シーベルトにとどめるべき」ということだったら公開情報だけから説明できそうですよね?

「守秘義務違反」というのも又聞きによる報道なんで、確度は良くわからないところですが。

224. zyx — May 3, 2011 @08:03:10

>>ごんべえさん
 何が「守秘義務」になるのか?今回の件は興味あります。公開できないデータなんかあるのですかね?データは「職務上知りえた秘密」になるのでしょうか?

Up225. じゃん — May 3, 2011 @11:23:07

ああいう役職だったら多少の守秘義務は当然あると思いますよ
しかしこれでまた変な隠蔽論が湧き上がっていますね

226. 井口堂 — May 3, 2011 @10:54:28

小佐古氏の辞意表明資料の前半部分に技術的な視点から疑問を投げかけた話は、取り敢えずこのあたりで止めておきます。政治家が出てきて、どうのこうの言い始めたら、すでに話は泥沼の方向に進み始めています。
今のところ、技術的な内容で私の疑問に答えていただけたコメントはありませんが、「それは井口堂さんの思い違いや」という内容で技術的なコメントがいただけるのなら大歓迎です。その時には、また私からもコメントをさせていただきます。

話の流れが分からない方は、私の#170の疑問、#177と#203の補足をお読みください(ただし、#170と#203においてI131と書くべきところを、慌てたためI137と書いています。I131に読み替えてください。なお、きくちさんのコメントが入ったりすると、#番号は1個ずつ変わるそうなので、私が記した番号にない場合は、付近の番号を探してください)

学校の放射線量についての「暫定的考えかた」については、小佐古氏の件とは関係なしに、まだまだ突っ込み足りないところがあると思っています。次は、この件について書かせていただこうと思っています。
(今から、嫁さんと一緒に出掛けるので、少し休みます)

227. 琴 — May 3, 2011 @12:20:29

報道された内容からだけでは伝聞に推測を重ねることになってしまいますが。
守秘義務というのは、データではなくて、内閣官房参与として聞く機会のあった閣議の内容とか、文部科学省内の検討事項などではないかと思います。
データに基づくご自分の見解だけならば守秘義務違反にはならないと思うのですが。

228. ハッター — May 3, 2011 @12:58:49

結局、小佐古氏のおっしゃったことで少し不明だったり確認したいところをうかがえるかもしれない機会がなくなった上に、よくわからない守秘義務というのが増えた感じになりましたね。

一体どうなっているんでしょうか。

さっきテレビでは民主党の原口氏が20msvを特に取り上げる形で激しく政権を批判していましたね。

229. Katase — May 3, 2011 @20:09:12

井口堂さま

>今のところ、技術的な内容で私の疑問に答えていただけたコメントはありませんが、

私は、井口堂さんが無いとおっしゃられていたSPEED気陵用手順の存在を示し(それには原子炉施設の放出源情報が直接得られないと計算できないとは書いてありませんでした)、そして「原子炉施設における測定によって放出源情報を得ることができない」から無理だとしていたのが、実は運用者の理解不足であって、「環境中の放射性物質濃度の測定(ダストサンプリング)結果と発電所から 測定点までのSPEEDIによる拡散シミュレーションを組み合わせる」ことで可能であった事も示しました。

それと、細野氏が「実測データがあるので現在はその必要がない」ということでSPEED気両霾鶻示の必要性はいと弁解されていたので、ではその実測データで充分というのなら、それで甲状腺被曝量の累積推定値を出してみれば?と皮肉を込めて書きました。

甲状腺被曝量の累積推定値を大まかな目安でもいいので、不安に思っている人達を安心させる為にも情報提供をもっと広域について出してもいいのではという理由もこちらで説明しました。もし警戒した方がいい被曝量が示された地域があるのなら、そこの住民達が今後の健康診断などを怠らない様に注意喚起することもできます。

それと、その前の話になりますが、学校で自主的に放射線値を測定してホームページなどで情報公開していくことについても否定されましたが、複数の人達が参加してきめ細かなデータポイントでの情報を公開し合うことで、互いに変な値であれば気が付いて校正しなおすチャンスもできるし、何よりも政府の情報隠蔽などを疑う必要も無くなるので良いと思います。

もし、甲状腺の被曝量の目安の数字に正確さが欠けるということならば、数値に誤差の範囲を付けて、数値(±誤差)の様な形で提示すればいいだけだと思います。

なぜ、学校などでの自主的な放射線量測定結果の情報公開や、甲状腺被曝量の推定値の情報公開など、住民にとって役立つ情報の公開に否定的な態度をとられるのでしょうか。実験データなどには、必ず誤差は含まれますし、正確な値といっても、常にある程度の誤差は含まれてしまうものです。厳密さに拘ってデータを出さないというのは、緊急時には通用しないものもあると思います。SPEED気覆匹領磴發修Δ任靴燭諭なるべくリアルタイムで出すデータも現在は必要だと思います。(その場合の不正確さについては、先にも書きましたが、一般の人達にも分かる様にデータの確からしさの範囲についての説明を付ければいいと思います)

それと、小佐古氏の様な政府の内部に居た人が「開示すべき」データがあると言ってるのに対し、外部の人が推測だけで「開示できるデータはないと思います」と断言できるのはどうしてでしょうか?
(私は、あるとも無いとも決めつけられないと思います。もしあるのならば、政府は出した方がいいと思います)
それと、小佐古氏が自分でそのデータを公表すればいいという指摘に対してですが、政府内で得た情報の「守秘義務」があるので、政府を通じずに出す事はできません。

私は、学校での放射性測定の公開中止の件の経緯の話題でも、井口堂さんがご自分の推測だけで「決めつけ」をしがちなのがとても気になります。

ついでに苦言を言わせて頂きますと、kuritaさんに対して、
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1303660138#CID1304068045Link
>こういう言葉を簡単に使ってしまうということに対して、多くの人の信頼できる情報源となっている、このブログの価値を低下させるのではないかと懸念します。

とのご発言は、これまでずっとkikulogにレギュラーとして参加し続けてブログの価値を上げることに貢献してこられたkuritaさんにとても失礼だと思います。kuritaさんの折角の助言に対する返答がこれかと、とてもがっかりしました。

例えば、私の意見に対する井口堂さんの反論も、
>ただ、3中旬の状況を推測すれば、関係者は水素爆発等で大慌ての状態でダストサンプリングのことなど考える余裕もなかったのかもしれません。

などと、ご自分の推測でしかないのに、それで反論が成立したと思っておられる様です。kuritaさんの助言に聞く耳を持たずに同じ事を繰り返していますね。とても残念です。

それでもって「技術的な内容で私の疑問に答えていただけたコメントはありませんが」とされてしまっています。困りますね。

それと、kikulogは、情報提供の他にも議論などを通じて考え方を提供するなど、これまでにとても役立っていると思います。私は去年から、kikulogのきくちさんをはじめレギュラーの方々の見識の高さに感心して、皆さんに色々と教えて頂きながら参加をさせて頂いております。

>このkikulogもそういうレベルに近づけないと・・・
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1303660138#CID1304236818Link

このご発言も、これまで常に良識的な意見や情報を提供してkikulogのレベルを維持してこられたレギュラーの方々に対してどうかと思います。
kikulogは、早野さん達のツイッターによる情報提供とは性質が異なっていますし、それとは別の役割を以前からしてきていると思います。
最近書き込みを始められたばかりの井口堂さんが、これまでの歴史をよく知らないのもおありでしょうが、それに比べて劣っているなんて簡単に言われてしまうのは、正直に言わせて頂きますと、「偉そうに、何様?」と思ってしまいました。まるでご自分がkikulogを率いておられる様な口ぶりにも違和感を覚えました。
井口堂さんが、あまり周囲がお見えでない様ですので敢えて助言させて頂きます。
(今回の大災害で精神的な緊張感から気分が高揚しがちな人も多い様なので、あなたもそのお一人なのかもしれませんが…)

井口堂さんに、気が付いて頂きたいので書きましたが、井口堂さんにこれから書き込んで欲しくないということではありません。

Up230. Katase — May 3, 2011 @22:34:39

ハッターさま

>さっきテレビでは民主党の原口氏が20msvを特に取り上げる形で激しく政権を批判していましたね。

私は、現在既に20msv/yという基準が適用されて実施されてしまっているので、この数字だけを問題にして批判するのはどうかと思っています。
それよりも大事なのは、如何にして特に子供達の環境の放射線量のレベルを下げていくかということで、この対策のプランを立てて、なるべく早く実施していく方に意識を向けていくべきだと思います。

数字だけを政争の材料にしてしまうのは、現時点では好ましくないと思っています。

231. 井口堂 — May 3, 2011 @21:14:20

子供に対する放射線量という問題で、これから何回か書かせていただこうと思います。
その前に、この問題に対する私の基本的考え方は、 #192でKataseさんが紹介された本間俊充氏の考え方とほぼ同じであることを明らかにしておきます。
本間俊充氏の話(正確には、本間氏が話したことを江川紹子さんがまとめた記事)は、小佐古氏の件もあったためか、20mSvの適用をめぐる「『適切でない』と申し上げた」発言がタイトルになっていますが、話の内容は
放射線防護に関する基本知識と本間氏の考え方を誠実に語っているものです。
特に、後半部分にでてくる『不利益とリスクとのバランスの中で、住民はそこに住み続ける判断するわけです』や『stakeholder(利害関係人)が参加し、関与し、納得するというプロセス』という考え方は、重要です。
20mSv/年が適切か、ということに引っ張られないで、ぜひ、全文を読んでいただきたいと思います。 
http://www.egawashoko.com/c006/000330.htmlLink

子供に対する放射線量という問題
このエントリのコメントの多くが校庭の表土の問題に偏ってしまっていますが、年20mSvの基準から許される空間線量率を計算した式
(1.52×16+3.8×8)×365≒20000(μSv) からも分かるように家庭内で受ける放射線量も大きな割合を占めています。上の式のように木造家屋を想定する場合は、全体の約45%にもなります。

さらに、これが乳児の場合を考えると、24時間家庭内にいるといってもよい状況ですので、木造家屋では、1.52×24×365≒13300(μSv)、13.3mSvになってしまいます。これを下げるには、自宅の周囲の放射線量を下げるしか方法がありません。
校庭の表土も重要ですが、木造家屋の周囲も同じくらいに重要な問題です。
なお、マンションの1階や2階の場合は、上の式で1.52が0.19に置き換えられるので0.19×24×365≒1700(μSv)、1.7mSvとなり問題は生じません。 

木造家屋の場合は、自宅の周囲が土であることが多いと思いますので、表土を剥がして放射線を遮蔽可能な箱に保管する方法をベストとして、自治体が専門家の意見を聞いて何種類かの現実にあった方法を広報すべきかと思います。
この時、注意すべき点としては、以下のようなことが考えられます。
1.飛散防止の措置をとる(土粒子に付着した放射性物質が飛散すると内部被ばくが発生する)
2.後日、汚染土の処理が可能になった時に搬送可能な状態にしておいたほうがよい。(搬送が難しい状態にすると、いつまでも放射性物質と共存しなければならなくなる)
3.表土の除去等の措置を行う時に内部被ばくが生じないように、予め、措置方法、服装等をよく検討する。
早めに対応したほうが、放射性物質が変なところへ拡散していくことを防ぐことができるのではないでしょうか。 

232. 落花生 — May 3, 2011 @23:26:23

Katase ― May 3, 2011 @20:09:12 さん

> 正直に言わせて頂きますと、「偉そうに、何様?」と思ってしまいました。まるでご自分がkikulogを率いておられる様な口ぶりにも違和感を覚えました。
> 井口堂さんが、あまり周囲がお見えでない様ですので敢えて助言させて頂きます。

私が拝見した限りでは、上記の記述についてはそのまま

> (今回の大災害で精神的な緊張感から気分が高揚しがちな人も多い様なので、あなたもそのお一人なのかもしれませんが…

のご指摘がブーメランとなりうる可能性を感じました。個人の感想ですが、老婆心ながらご留意いただく必要があるかもということで。

233. 井口堂 — May 3, 2011 @23:30:10

#229 Katase 様

#231のコメントを送ってから Kataseさんのコメントを読みました。
感想を送ります。
#229を読んで、KataseさんがSPEED気箙綻腺被曝量の累積推定値等について私が示した技術的内容を理解されていないことが分かりました。
現在の状態で、もう一度、説明を繰り返しても理解されることは難しいと思いますし、私もそれほど根気がよくないので止めて置きます。
後日、私が先に書いたコメントを読み返してみてください。

kuritaさんとKataseさんはお友達のようなので、Kataseさんのコメントから敵意がなんとなく漂ってくるのは、そのせいかとは思っていましたが、議論の場では、そういうことは無視すべきと思いましたので、コメントを続けさせていただきました。
ただ、社会人の常識として、他人に対して「“憶測”してるわけですか」などという言葉を投げるのは、非常に失礼な行為であることは理解してください。

私は、先月中旬に偶然、このブログにたどりついたのですが、自身が大学、大学院とも阪大であったということや、たまたま現在、自由に使える時間がそれなりにあるということもあって、このブログのコメント欄を利用させていただきました。
「あまり周囲がお見えでない様」と評されてしまいましたが、見えていないわけではなく、十分見えておりましたが、性分として群れることが好きではなく、毎日もう書くのはやめようかなと思いながら、もう少し続けてみようかという気持ちで書いておりました。

非常に高い見識をお持ちの方がいらっしゃることは、よく理解しています。(だから、ここに書いていたということもあります)
ただ、20年以上社会で揉まれてきた目から見て、情報の吟味の仕方が甘いなと感じることも多々ありました。その辺りをもうちょっと何とかして欲しいな・・・と。(専門性で早野さん達に追いつこうなどとは思っていませんでしたが、情報の吟味の仕方は同じレベルにできるはずですから)

私がKataseさんに気分が高揚しているように見えたとしたら、対策のあまりの筋の悪さに怒っていたせいだと思います。下水処理場から放射性物質を含む汚泥が外部にでていってしまった件など、自身が下水処理場の仕事にも関係していた経験から、当然、対策がとられていてしかるべき時間的余裕があったはずなので、何してんねん、助言する者がおらんかったんかい、と思わず叫んでしまいました。

Kataseさんからコメントをいただいたのを機会に書き込みは止めるつもりです。「子供に対する放射線量という問題」が中途半端になってしまいましたが、別のことに時間を使いたいという気持ちもありますので、良い機会かなと思います。

234. ハッター — May 4, 2011 @00:41:06

Kataseさま

>私は、現在既に20msv/yという基準が適用されて実施されてしまっているので、この数字だけを問題にして批判するのはどうかと思っています。

私もそう思います。
書き方が本当に上手くないのですが、

”一体どうなってるんでしょうか”っていうのにそのあたりも入っていました。
きちんとコメントを読んで理解しているつもりです。

Up235. Katase — May 4, 2011 @01:17:06

井口堂さん

私は、kikulogから井口堂さんを追い出すために書いたのではありません。井口堂さんの論理展開に疑問があり、それは前にも別の人が指摘されていた事と同じ事が何度も見受けられたので、指摘をさせて頂きました。

誤解をされているご様子ですが、kuritaさんと私が特別に親しいわけではありません。これまでにレギュラーとして書き込みをされている方々とは、等しく仲良くさせて頂いております。

私もまだ不慣れな頃には、きくちさんや古参のレギュラーの方々から何度か手厳しく指摘を受けたこともあります。(2度や3度ではありません)
その都度、なるほどと思いその意見を取り入れてきました。

たった2回だけ指摘を受けただけで、不機嫌になって「もう書き込みしない」とされるのはご自由です。
また、ご自身が「大学、大学院とも阪大」だとされていますが、それが何か関係ありますか?こちらに書き込まれている方達は、特に出身校に学閥の様なものがあるわけでもありません。

私は、阪大と遜色のない大学の大学院を出て理学博士の学位をもっておりますが、相手がどの様な方に対しても出身校を示してどうこう言ったこともありませんし、自分がそれでその人よりもしっかしていると思った事もありません。
(学歴を一々披露しなくても、その方々の書き込みの内容を見ればその人の質が分かりますし、それは表面的な学歴とは関係の無いことだと思います)

>Kataseさんからコメントをいただいたのを機会に書き込みは止めるつもりです。

というのは、「井口堂さんにこれから書き込んで欲しくないということではありません」と誤解の無い様にきちんと書いておきましたのに、大変に心外であり、残念です。

236. 咲坂&桃内 — May 4, 2011 @10:42:19

このような流れになってしまうのも、原発事故の二次被害という事なんでしょうか


オレも含めて落ち着こう、ニッポン

237. K — May 4, 2011 @11:45:14

>>小佐古氏が自分でそのデータを公表すればいいという指摘に対してですが、政府内で得た情報の「守秘義務」があるので、政府を通じずに出す事はできません

 本人が捕まる覚悟なら、いくらでも出来ますよ。治安維持法みたいにまだ起こしていない犯罪を元に予防的に拘束する法律は存在しませんから。
 それに今の世論、状況で逮捕、起訴もできんでしょう。単に計測データのみを扱うなら尖閣のビデオの時以上に難しいと思うし。

238. ハッタ― — May 4, 2011 @12:04:11

>本人が捕まる覚悟なら、いくらでも出来ますよ。

こういうところにこだわる話なんですか。

239. masudako — May 4, 2011 @12:36:07

井口堂さん、この記事はともかく、「放射性物質拡散予測、またはシミュレーションの解釈を間違えるとデマのもと」でのコメントは積極的に続けてくださいますようお願いします。

Up240. yamaguchi — May 4, 2011 @12:30:28

> Katase ― May 4, 2011 @01:17:06さん

>また、ご自身が「大学、大学院とも阪大」だとされていますが、それが何か関係ありますか?こちらに書き込まれている方達は、特に出身校に学閥の様なものがあるわけでもありません。

井口堂さんは学歴を云々されているのでは無いと思いますよ。
母校への思い入れといったところでしょう。

> 私は、阪大と遜色のない大学の大学院を出て理学博士の学位をもっておりますが、相手がどの様な方に対しても出身校を示してどうこう言ったこともありませんし、自分がそれでその人よりもしっかしていると思った事もありません。

Kataseさんのほうが、むしろ肩に力が入りすぎています。
落花生 ― May 3, 2011 @23:26:23さんのコメントをお読みになってください。

241. Katase — May 4, 2011 @12:21:47

誤解の無い様に書き加えさせて頂きます。

kikulogは「仲良しクラブ」ではないと思います。
互いの主張に異議がある時には、誰であっても指摘をし合っています。
指摘があることで気が付く場合も多いですし、もし誤解であればきちんと説明します。
こういった、互いに指摘し合う姿勢があって、kikulogのレベルが維持されてきたと思います。

時々レギュラーどうしでも議論となる時もありますし、それを外野が「仲間割れ」と揶揄された事も何度かありますが、この議論は人格攻撃ではなく互いを認め合った上で行われています。
こういう議論は、kikulogとは別の場所でも行われたりしてますが、その後の様子を見て頂ければ分かる通り、一通りその議論が終われば、また元の様に後腐れ無くやりとりをしている場合がほとんどです。
(少なくとも、私の場合はそうして頂いています)

私が先のコメントで「これまでにレギュラーとして書き込みをされている方々とは、等しく仲良くさせて頂いております」としたのは、そういう事です。
震災後のつい最近からkikulogを見始めて参加されたりしている方々は、まだこういった側面をお知りになっていないかも知れません。

私は、kikulogに書き込む時には、自分の見識不足や論理の誤りがあるかも知れませんし、それに対して容赦ない突っ込みが入ることを覚悟で、毎回かなり緊張しながら投稿しています。
また全般に、一般の方よりも、科学分野の専門知識を持っていたりする人に対してはより厳しい指摘がされますが、これはその人のレベルに合わせて行われる傾向があります。
(井口堂さんに、少しきつい目に指摘をさせて頂いたのは、ご自身が20年以上のキャリアのある専門知識のある技術者だと明かされたからでもあります)

242. K — May 4, 2011 @13:32:55

>>ハッタ―さん

 いや、そんなに憂いているのなら、それぐらいするのかな?と思ったまでで。
 でもそこまでする必要はないとのご判断なのでしょう、小佐古氏は。

243. Katase — May 4, 2011 @13:35:28

yamaguchiさま

学歴を云々ついてはご指摘の通りだと思います。
私のせいで、もう書き込みをやめるとおっしゃられたので、とても心外でありやや冷静さを欠いてしまった様で、その点について反省しております。

ただ、ご本人が憶測を根拠にして(他の人の指摘を無視して)話を進めて行ってしまう危うさを何度か感じましたので、それはまずいのではないかという私の指摘については、そのままにさせて頂きます。

244. outsidervoice — May 4, 2011 @14:42:34

すみません。お礼をお伝えしておきたいので、お邪魔します。

#210の技術開発者さんへ、

ご指摘いただいている点のほかに、セシウムがほとんど、もうがっちり土壌などに吸着されていることも私は全然知らずに、質問し続けていました。積極的に水に溶かそうと思えば、ある程度は溶けてどんどん流れていくんだろうと・・・。そしたら、排水経路のつながりで処理を考えるのはどうかなと・・・。

もし細かい粘土に吸着しているのなら、流してしまう方法はあるのかなという未練はあるのですが、効率的でないですよね。処理も違いますし。

しっかり吸着しているということは、ざっくり、どっかに埋めておいても、おそらく地下水への影響などないので、放っておいてもいいということですよね。

とにかく、どうもありがとうございました。あと、みなさん、すみませんでした。


#216のごんべえさんへ、

ご丁寧に教えていただき、ありがとうございました。難しさがよくわかりました。

Up245. ncm — May 4, 2011 @22:40:09

>・ニコニコニュース
小佐古氏の発言に「SPEEDIでの予測から、すでに実測へと移行している」と細野豪志氏 
http://news.nicovideo.jp/watch/nw58257Link

>「いま『SPEEDIがどうか』というと、おそらく小佐古先生もわかっておられると思うが、すでに実測データがでているので、そちらのほうがより実態そのものを表している。SPEEDIが本来持つべき機能は『予測』で、十分なモニタリングができない時期にそれなりの効果があった。その時期に機能しなかったことにおいて、小佐古先生が厳しく評価をされているのは当然だ。だが、今からこういった公開をすることにどれくらい意味があるのかということについては、率直に言って疑問があるというか、それほど大きな効果のある情報が期待できない」と語った。

>細野氏の見解として、実測データがあるので現在はその必要がないということです。


●その後、これまでに、どなたもコメントされていないようで、気になりまして、割り込みさせていただきます。

5月2日夕方の合同会見で、細野補佐官は、前言を撤回しています。

3月23日の原子力安全委員会のプレス発表:
http://www.nsc.go.jp/info/110323_top_siryo.pdfLink

「…濃度が測定でき、限定的ながら放出源情報を確定できたことから、本システムの試算を行うことが可能となりました。」

は、「ウソ」でした。

3月11日の事故当日から、安全委員会では、ちゃっかりと、最悪シナリオの予測データまで、SPEEDIで試算しており、その総数は5000枚に及ぶといわれます。

安全委員会は、「そんなの、どこにもないよ」と、平然とウソをついて、隠していたのです。それを暴いた小佐古氏を、関係者は、そんな事実はない、とよってたかっていじめたわけです。

細野さん自身も、その日に初めて、データの存在を聞かされた、と弁明していました。

当初のデータは、これから全数、公開される予定ですが、最悪シナリオについて、細野氏は、ごていねいにも、日本人の良識を信じる、とか、これは「予測」データであるから、「パニック」を起こさないようにとか、コメントしていました。(ライブ中継された会見から)。

肝心の最悪シナリオについては、今現在、まだ公表されていませんが..
それを見れば、欧米がなだれをうって出国した理由がわかるかも。

一部の未公開データは、昨日よりすでに公表されています。

http://www.nsc.go.jp/mext_speedi/index.htmlLink
http://www.nsc.go.jp/mext_speedi/past.htmlLink


この「ウソ」問題は、ある意味では、年20mSv問題よりも、はるかに深刻だと思います。

よくもまあ、国民を、政治家を、だまし続けられたものですねえ。
こんな重要なデータを、誰が握りつぶしていたのでしょうねえ。
いったい、誰にまで、データは公表されていたのでしょうねえ。
データにアクセスできた連中は、日本国民の命運を掌中にした「神様」きどりでいたのでしょうか。

文科省は、ずっと「ダンマリ」を決め込んでいました。
高エネルギー加速器研究機構 野尻美保子氏は、データの存在を知っていて、そのようなコメントを出されたのでしょうかねえ。


●あと、話かわって、福島の汚染土の処理問題ですが、

私は、これについては中部大学の武田先生と同意見で、
学校や幼稚園に汚染度をそのまま放置しておいたり、自治体に処理をお願いしたり、さまざまな処分法を被災者側で検討したりするのではなく、「ゴミ」を出した張本人である東電に連絡して、福島原発に、そのまま引き取ってもらえばよい、東電には、当然、自分が出した「ゴミ」を引き取る義務がある、と思いますが。

246. Toshi2100 — May 5, 2011 @00:00:20

すみません。一つだけ話の流れがつかめないので教えてください。

> 高エネルギー加速器研究機構 野尻美保子氏は、データの存在を知っていて、そのようなコメントを出されたのでしょうかねえ。

この「そのような」とはどの部分のことなのでしょうか?

247. disraff — May 5, 2011 @00:06:25

どういう評価軸で「ウソ」と言うのかよくわかりません。
逆問題を精度良く解くためには、広範囲の経時的な測定データが必要なのは事実です。放出源を適当に設定すればそりゃシミュレーションはできるでしょうけど、結果を5000枚出そうがそれと現実が合致している保証はどこにもありません。一部の専門家にとっては「重要」なデータと言えるかも知れませんが、一般の人が行動の指針を決める上で役立つようなものでは「全く」ないと思います。

248. disraff — May 5, 2011 @00:24:34

>「ゴミ」を出した張本人である東電に連絡して、福島原発に、そのまま引き取ってもらえばよい

そんな処理を持ち込んで、ただでさえてんやわんやな事故処理現場を更に混乱させようというわけですか。武田氏がほんとにそんなこと言ってるとしたら、考えなしも極まれりだなぁ。

249. Katase — May 4, 2011 @23:50:15

ncmさん

>3月11日の事故当日から、安全委員会では、ちゃっかりと、最悪シナリオの予測データまで、SPEEDIで試算しており、その総数は5000枚に及ぶといわれます。

>一部の未公開データは、昨日よりすでに公表されています。

これらは、例えば3/11当日の予測データなど、当日に計算されたものではなくて、過去の記録を使って後で計算可能と分かってから算出されたシミュレーション結果であると理解していますが、違いますでしょうか?

それと、野尻美保子さんは政府の関係者ではないので、政府内の情報にはノータッチですし、職務上も原発関係とは利害関係の無いお立場です。
(また、野尻さんとは震災がおきるずっと以前からツイッターを介して交流がありますが、信頼出来る人物だと思います)

3月11日の事故当日から、安全委員会でちゃっかりと計算をしていたというのは、陰謀論の類の匂いを感じます。情報の出所を確認された方がいいと思います。

また、中部大学の武田氏については、正しい事もおっしゃられるのですが、素人には分かり難い間違いも散見されますし、やたらとあおり立てる風な書き方をされるので要注意人物の一人と見ています。

>「ゴミ」を出した張本人である東電に連絡して、福島原発に、そのまま引き取ってもらえばよい、東電には、当然、自分が出した「ゴミ」を引き取る義務がある、

東電の敷地内に放射性物質を含んだ土壌を置くという案は私を含めて何人かが既に提案していることでもありますが、「東電に引き取る義務」があるとまでは言い切れないと思います。
東電側に責任をとってもらい、東電の敷地内に置かせてもらう場合でも、交渉手続きは必要だと思います。

武田氏の言説の危うさについては、NATROMさんが検証しておられますので、参考にして下さい。

・武田邦彦氏の過去の発言を検証してみる 
http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20110415Link

・武田邦彦氏の功罪 
http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20110318#p1Link

・生活習慣病が増えているにも関わらず寿命が延びているのはなぜか? 
http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20100410#p1Link

・アスベストの有害性は疑わなくていいの? 
http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20100518#p1Link  

Up250. かとう — May 5, 2011 @00:06:46

>当初のデータは、これから全数、公開される予定ですが
一番基本的な事を理解してらっしゃらないようです。
それはデータでは無いです。

それは色々条件を変えて、ああなったらこうなる。そうなったらどうなる。と言う応答集です。
野球で言えば、試合中にここで投手を代えろとか、バントをしとけとかそういう一個一個の案に対して、その場合の試合結果の予想をしている様なものです。
今日の夜の天気予報で、「明日の東京の天気は、南から来る低気圧が今の勢力のまま時速30kmで来た時には、降水確率30%です。時速40kmで来た時には降水確率40%です。勢力を増した場合は降水確率50%です。西から張り出す高気圧が・・・」って20パターンぐらい予測値を出してうれしいですか?普通の視聴者は、で、明日の降水確率は何%だよ。って問い合わせると思います。
その3000枚ってのは、上記の天気予報のいろんなパターンの羅列と同じです。それを読んで意味があると思う人は、あとでそれを丹念に読めばいい。
ただ、過去のあの時点で政府関係者や国民に可能性の低いさまざまな組み合わせのものを見せる意味が無いと言うだけの話です。

251. 憂鬱亭 — May 5, 2011 @00:44:02

すみません。また情報提供だけして、しばらく消えます。

5月1日に福島県の親の会が確認したところ、原子力安全委員、同専門委員会のうち、年20ミリシーベルト、毎時3.8マイクロシーベルトという目安に同意した科学者は一人もいないということです。

したがって、この「暫定的考え方」は科学者の同意なしに作られたものだと思われます。

以上。また、消えます。

252. Katase — May 5, 2011 @00:33:30

SPEEDIによるシミュレーション結果と実際の観測データの比較について、ツイッターで早野さんが資料を提供されています。

・【SPEEDIと実測の比較】SPEEDIの計算と,線量測定マップを並べてみた. 
http://twitpic.com/4t53efLink

また、SPEEDIによる最新の内部被ばく臓器等価線量の積算線量(3月12日6:00から4月24日0:00までのSPEEDIによる試算値)のヨウ素合計・1歳児・甲状腺のデータをみますと、 
http://www.nsc.go.jp/mext_speedi/0312-0424_in.pdfLink  

100mSvのラインまで示されていますが、原子力安全委員会による飲食物摂取制限に関する指標の考え方としては、
「国際放射線防護委員会(ICRP)publication 63 等の国際的動向を踏まえ、甲状腺(等価)線量50 mSv/年を基礎として、飲料水、牛乳・乳製品及び野菜類(根菜、芋類を除く。)の3つの食品カテゴリーについて指標を策定した」 
・福島第一原発災害を受けた食品中の放射性物質の規制について
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000018iyb-att/2r98520000018j83.pdfLink
となっており、SPEEDIのデータも50 mSvのラインの範囲などに広げて示してもらえると、あくまでもシミュレーションの結果としてですが、警戒すべき範囲などの参考の1つになるのではないかと思いますが、如何でしょうか。

disraffさんは

>一部の専門家にとっては「重要」なデータと言えるかも知れませんが、一般の人が行動の指針を決める上で役立つようなものでは「全く」ないと思います。

とのご意見ですが、SPEEDIによるシミュレーションはやはり「全く」役に立たないものなのでしょうか?

253. disraff — May 5, 2011 @01:04:42

Kataseさん>
私見ですが、役立つ場合と役に立たない場合があって、たとえば放出源が精度良くわかっていたならば有用でしょう。が、今回のようなケースでかとうさんおっしゃるところの「応答集」を早期に公開したとしても、とうてい役立てることはできないだろうと考えます。
早野先生が比較されている図ですが、いろいろ行われた中から結果的に初期条件が「正解」に近かったものを選んで比べてみた、と理解しました(間違っていたらすみません)。これから、今度何かあった時に初期条件が良くわかっていればSPEEDIは比較的確度の高いシミュレーション結果を出してくれそうだ、とは言えると思います。

254. disraff — May 5, 2011 @01:42:19

また、食品や水については(濃度の高い場所で地産の物を洗わずに食べ続けたりしていれば別ですが)積算値にはさほど意味がなく、あくまで現在の線量が問題なのではないでしょうか。それは何らかの仮定に基づくシミュレーションなどではなく、実際に測定して確認すべきことですよね?

Up255. Katase — May 5, 2011 @01:46:17

disraffさま

SPEEDIで出されている積算はmSvであり、これまでの累積線量の予想だと思います。
食品や水からの摂取についても、トータルとしてどれくらいの被曝があると健康に問題が出てくるかが警戒する判断材料の1つとなりますので、最終的には累積線量の値も大事になってくると思います。
また、同じ累積線量でも短時間での方が長時間でのものよりも影響は大きくなりますが、(ICRP)publication 63 等の基準として放射性ヨウ素の場合に甲状腺(等価)線量が1年間で50 mSvという(その値をなるべく超えない方が良いという)基準値も大まかな目安の1つとなるのではないかと思います。
特に、乳幼児は影響を受けやすいので用心が必要だと思います。

256. Katase — May 5, 2011 @02:05:56

結局、被曝量は外部からのものと内部からのものとがありますし、最終的には両方の影響を足したものになりますので、ほぼ同じ所に住んでいても食べ物や飲み物の内容によっては各個人でも少しずつ違ってきますし、厳密には簡単ではないと思います。
(食べ物については、基準値を超えるものは極力流通していませんし、水道水も現在は検査されていて基準を超えた場合は飲まない様に通達があるので、かなりの部分は安心かとは思います。家庭菜園などは検査されないのでちょっと心配ですが)

専門家によっては、特に原発周辺地域の人達は事故発生時からの行動記録を忘れないうちに思い出して書いておいて、後からの被曝量予想に役立てられる様にしておくといいというアドバイスがされていたりします。
それによって、放射性物質が多く飛散していた時間帯に外出していた時間がどれくらいであったかとか、家の中に居た時間が長ければ影響は少ないでしょうし、そうしたことで被曝の予想量の推定もある程度できると思います。気になることがもしあって(何年か後になったとしても)医療機関に行って受診する際などにもその記録が参考になる可能性があると思います。

257. disraff — May 5, 2011 @02:22:46

すみません、今そこにある食料品や水の安全性の話かと勘違いしていました。内部被曝について積算が効いてくるのは(口幅ったいですが)おっしゃる通りかと思います。
ご指摘の内部被曝臓器等価線量シミュレーション結果は、逆問題がそれなりに解けるようになってからのもののようですね。これは役に立つでしょう。門外漢なもので、移流拡散シミュレーションの結果からどうやって「内部被曝臓器等価線量」を算出するのかちょっと見当つかないのですが。

258. disraff — May 5, 2011 @02:46:09

繰り返しますが、入力の確度が高くなってはじめてシミュレーションの結果を判断基準にできる(可能性がある)のであって、その意味で

>濃度が測定でき、限定的ながら放出源情報を確定できたことから、本システムの試算を行うことが可能となりました

という説明はウソでもなんでもない、と考えます。

259. zorori — May 5, 2011 @08:33:33

>それを見れば、欧米がなだれをうって出国した理由がわかるかも。

それは、極秘情報を知っていたのではなくて、単に出国のコストが小さいからでしょう。
海外で災害が発生すれば、日本人は早々に避難するでしょうが、現地の人はそういうわけにいきません。
福島県に出張中の人も早々に引き返したと思いますが、居住されている人は簡単に避難できずにいまだに揉めています。

>3月11日の事故当日から、安全委員会では、ちゃっかりと、最悪シナリオの予測データまで、SPEEDIで試算しており、その総数は5000枚に及ぶといわれます。

非常時に5000枚も公表してどうするんでしょうかね。今後の研究者の資料にはなるんでしょうが。
官邸や東電には5000枚どころではない未公表の資料が山積していると思います。そういう意味では、情報の公表には篩が掛けられていますが、それを情報操作と見る人もいるんですね。

Up260. Katase — May 5, 2011 @08:48:35

disraffさま

SPEEDIについては、当初運営側がこの計算プログラムの仕様を熟知していなくて、そのシステムには観測値からシミュレーションを補正するツールがちゃんと付属しており放出源情報が欠けていても「環境中の放射性物質濃度の測定(ダストサンプリング)結果と発電所から 測定点までのSPEEDIによる拡散シミュレーションを組み合わせる」ことで一部のデータが欠けていても充分に計算可能なものであったのを見落としていて「シミュレーションは不可能」と思い込んで本来の出番である肝心な時に使わなかったというミスが指摘されています。

SPEEDIにはデータが一部とれなくても、観測値からシミュレーションを補正するツールが付属していたので、この機能を使っていたら当初から比較的正確な予想ができたということです。
緊急時の為にこの様な配慮がなされた優れた機能があらかじめ用意されていたのに、肝心の時に運営側がなんとこの機能を知らずに、「できない」と判断してしまい、最も効果的に使える時期を逸してしまったという失態があったということです。「いろいろと検討の結果できる様になりました」というのは、ちょっと言いわけが入っている気がします。

元々緊急時用のプログラムなので、緊急時に「一部のデータがとれない」というありがちなシチュエーションに対する対策はちゃんと盛り込み済みであって当然ですよね。(原発事故は起こらないだろうという前提での気の緩みがあったことで、真面目に緊急時のSPEEDIの使用方法について勉強していなかったのではないかという指摘もあります)

念のために、現在発表されている3/11などのシミュレーション結果などは、後から「計算可能」という事実を知って急いで算出されたものであり、ncmさんが思われている様な「当日からデータを出していたのに隠していた」ということではないと思います。

261. コンピュータはCG — May 5, 2011 @10:18:00

「汚染拡大予測、政府生かせず 2号機破損時、対応後手」2011年5月4日 asahi.com
http://www.asahi.com/national/update/0504/TKY201105040273.htmlLink


上の記事にある通りですが、政府はより危険の大きい地域を予測できていたが公表しなかったし、従って避難もさませんでした。

少なくとも現時点で振り返って評価するなら、政府がパニックを避けることを過度に優先し、現実の被害を防止する必要な処置を怠った、という非難は避けられないでしょう。

繰り返しいわれていることですが、彼らは予防原則の考え方に反する行為を悉くといって過言ではないほど繰り返しています。

SPEEDIの予測の妥当性についてここでも技術的な議論があるようですが、それがどうであれ、良く分からないから逃がす必要が無いのではなく、良く分からないから広めに逃がすという考え方を理解することが必要です。

そうした方針がまず在って、その上で方法としていくつかの村の住民をほんの10kmほど危険な方向から逃していれば、3月中ごろの大きな被曝は避けられた。

事態に対処する能力を欠くが故にパニックや風評を防止する事に固執している政府が、損害賠償の当事者であり原子力政策を継続するために事故の規模をできる限り小さく見せたい動機を持つ東電-保安院-経産省ライン、プラントメーカー、債権を保全したいメガバンク等に判断を引っ張られてしまっている、というのが現状でしょう。

20mSvの問題でも、同じことを繰り返そうとしている、といわざるをえません。

262. disraff — May 5, 2011 @12:26:10

Kataseさん>
そうですね。初期から「どうにか役立てよう」「何かできることはないか」という懸命の努力がなされはしなかった、ということに異論はありません。とはいえ、

>SPEEDIにはデータが一部とれなくても、観測値からシミュレーションを補正するツールが付属していたので、この機能を使っていたら当初から比較的正確な予想ができたということです。

結局のところこれは逆問題を併用しつつシミュレーションそのものを校正して行く機能、と看做さざるをないと思います。「当初から比較的正確な予想ができた」という主張にはにわかには諾えないです。何に対して「比較的正確」なのかにもよりますが。
数値計算科学的な見方では、いささか不謹慎ですが、SPEEDIにとってはまたとない機能検証の機会だった、と言えるかと思います。二度とあって欲しくはありませんが、もしまたこのような事があった暁には、初動からできる限りの成果を出してくれんことを。

263. Katase — May 5, 2011 @13:11:03

disraffさん

>数値計算科学的な見方では、いささか不謹慎ですが、SPEEDIにとってはまたとない機能検証の機会だった、と言えるかと思います。二度とあって欲しくはありませんが、もしまたこのような事があった暁には、初動からできる限りの成果を出してくれんことを。

本当にそうですね。今回の事例は、もし万が一、今後日本以外の国で同様な事故があっても生かされていくだろうと思います。
外国では既にSPEEDIと同様なシミュレーションの結果が、SPEEDIの結果の公開よりも早くいくつか出されていましたが、それらにとっても機能検証の絶好の機会となったのではないかと思います。

ちょっと転んでしまいましたが、「転んでもただでは起きない」という風に次には生かされていくといいなと思います。

264. かとう — May 5, 2011 @14:30:54

外国では似たようなものが何故早く公開されたのか?日本のSPEEDIは何故公開されていなかったのか?

簡単な事です。
外国のものは研究レベルのものであり、何の責任も負っていません。
計算終了後直ちに順次公開していき、そのうちのどれかと初期値、境界条件が同じものがあった時に、その結果の精度が解る。そういった各研究者が持っているシミュレーション方法の妥当さを試すいい機会だからです。
SPEEDIの非公開は?と言うと、これは政府からの委託であり、その結果を勝手に公表するのもおかしいし、これは一義的には政策決定(避難区域を決める等)の為の情報とするものであります。目的が違う。

そもそも目的が違うものを並べて、公開の是非を問う事はナンセンスです。

その本来目的のシミュレーションとそれに伴う避難が迅速に出来たかと言うのは別の話です。そちらに関して、妥当性云々をする事はいいですが、しかし避難基準の放射線量が、今の政府の不見識の為に二転三転している現状で、どんなシミュレーションも生かせるわけが無い事は僕の意見として表明しておきます。

Up265. コンピュータはCG — May 5, 2011 @14:45:55

かとうさん


SPEEDIは防護の為に放射能の拡散を予測するものであって、実測すれば足りる時期になってではなく、(生データでは無く分かり易いように内容を集約したりはあるでしょうが)一刻も早く出すべきものです。それ以外に存在する目的が在りません。

「国民がパニックになることを懸念した」(ので公開しなかった)と統合本部事務局長である細野首相補佐官が明言しているのですから、そうだと考えるしかないでしょう。

266. かとう — May 5, 2011 @15:35:28

>一刻も早く出すべきものです
これは、「どこへ」出すと言ってます?
結果を速やかに原子力安全委員会に出すべきだというのならその通りです。
国民にシミュレーション結果を公表するという意味だと違います。

>それ以外に存在する目的が在りません。
目的はきちんと説明したのですが。

267. disraff — May 5, 2011 @15:27:58

まずいのは、初動を誤って「予測として意味のあるシミュレーションが行えなかった」事であって、「なんでもいいから“データ”を出せばいいのに出さなかった」事ではありません。「数千例あるうちのどれかが定性的には当たるかもしれない(が、定量的には合っているわけがない)」物を早く出したって意味はない。
何かの都合で「政府はこんなデータを持っていたのに隠匿していた!」という形の批判に持って行きたいのかも知れませんが、それは筋が違います。

268. masudako Website — May 5, 2011 @15:49:47

SPEEDIと同様な、福島県内の市町村を区別できるような空間スケールの細かいシミュレーションが、外国の研究機関で行なわれたでしょうか? わたしが見落としている可能性は高いですが、ためしにやったものはあっても、継続してやっているところはないだろうと思います。

日本の気象庁がIAEAに出しているシミュレーションと同様に、全地球を100km程度の升目で計算したものならば、オーストリア気象庁がCTBTのためにやっているのをはじめとして、いろいろあります。これは福島から出た放射性物質がアメリカで検出されるかどうかといった問題には有用ですが、福島と東京を区別して認識することも困難です。

269. Katase — May 5, 2011 @15:58:45

SPEEDIのシュミレーション結果を全て国民に公開するかどうかの議論は別として、政府が原発周辺の住民の避難や屋内退避の指示を出す参考となるものをSPEEDIの運用側の認識不足で事故発生当初に使えなかったことは、問題があるかなと思います。

緊急時に政府が活用する為に開発されたSPEEDIには、かなりの開発費用(100億円以上、一説には150億円近く)がかけられていたのですが、これを肝心の時期に上手く使えなくて政府に住民避難などに関わるシミュレーション結果を迅速に提供することができませんでした。
一部のデータが欠けても計算可能であったりと、多額の税金を投資して優れたプログラムを開発していたのに、無駄とまではいかないですが肝心な時に使いそびれたのは勿体なかったと思います。

必ずしも当初政府が直ぐにデータを公開する必要は無いとは思いますが、政府がそれを利用できなかったのは手痛いものだったと思います。

Up270. ncm — May 5, 2011 @15:58:24

★246. Toshi2100さんへ

> 高エネルギー加速器研究機構 野尻美保子氏は、データの存在を知っていて、そのようなコメントを出されたのでしょうかねえ。

>この「そのような」とはどの部分のことなのでしょうか?

⇒ 192. Katase さんの投稿にある、次のコメントです。

>今回の事故では、原子炉施設における測定によって放出源情報を得ることができないことから、SPEEDIを用いて発電所周辺の放射性物質の濃度や空間線量率の値を計算することができない状態が続いていました。

>このため、原子力安全委員会では、SPEEDIを開発した(独)日本原子力研究開発機構の研究者の 協力を得て、原子炉施設での測定に代わる方法を検討し、試行錯誤を繰り返した結果、環境中の放射性物質濃度の測定(ダストサンプリング)結果と発電所から 測定点までのSPEEDIによる拡散シミュレーションを組み合わせることによって、ダストサンプリングによってとらえられた放射性物質が放出された時刻に おける放出源情報を一定の信頼性をもって逆推定することができるようになりました。

★247/248/267. disraffさんへ

247:
>どういう評価軸で「ウソ」と言うのかよくわかりません。

私には、disraff さんが、どうしてそう思われるのか、不思議でなりません。

原子力安全委員会は、実際には、事故直後から、自分たちで、山ほどシミュレーションを行って、有用なデータを蓄積しておきながら、そのあまりにもの深刻な内容から、公表すればパニックは必至であると判断して、対外的には、「システムに不具合があった、そのようなデータは一つもない」などといって、データの存在すらを隠していた ― これを「ウソ」といわずして、なんというのでしようか? 国民のパニックを心配したありの親心であった、とでもいうのでしょうか?

原発事故の影響は、《幸い》なことに、現状レベルでとどまっておりますが、もし、より遥かに深刻な事態を招いていたら、データを握りつぶしていた連中は、どうやって、責任をとるつもりでいたのでしょうか。
国民など、初めから、見殺しです。その意味で、原発村の首脳陣は、国民の命運を掌中にした「神様」きどりだ、と書きました。

248:
また、「ゴミ」問題について、絶対に出してはならない「ゴミ」を出したのは、東電である、という事実は揺るぎません。

貴殿は、汚染土の処理問題を、原発事故処理問題の一環としてとらえるのではなく、被災自治体/住民の、地方公共団体/個人的なレベルの問題としてとらえよ、とおっしゃるのでしょうか? 
原発から出て、風にのって飛んでいってしまったから、もう、東電には何の責任も義務もない、とおっしゃるのでしょうか?

私は、汚染水の問題と同様に、原発の現場処理と並行して、東電の責任において、処理されなければならない問題だと思います。
ここはロシア/ウクライナではありません。

「周りに迷惑をかけた、だから、かけた本人が責任もって善処する」

まず、その大原則を前面に打ち出して、とりあえずは、各地の高濃度汚染土を、すでに十二分に汚染されている、立ち入り禁止措置が取られている原発周辺に移送して、汚染地域を少なくとも広域から局所に限定する。
その後で、ゆっくりと腰をすえて、このブログでも提案されているさまざまな手法で、汚染土処理にとりかかればよいのではないでしょうか?

放射線を発し続ける汚染土を、住民の居住地域に放置しておくこと自体、異常でしょう。
だからといって、たとえごく微量たりとも、汚染土や汚染がれきを、処理目的で他所に移送すれば、それに伴い、汚染が拡大されることになるだけでは。

267:

>まずいのは、初動を誤って「予測として意味のあるシミュレーションが行えなかった」事

については、次のKataseさんへのコメントと同様、私は、5/2合同会見での発表から、「当初から想定/期待されていたとおりの、(その意味では有意な)シミュレーションが実行されていた」ととらえています。

★249. Katase さんへ

私は、上のコメントと同様、SPEEDIが、当初いわれていたように、不具合によりシミュレーションそのものを行うことができなかった、のではなくて、当初から想定/期待されていたとおりの、シミュレーションが実行されていた、ととらえています。

SPEEDIの特性/仕様の詳細について、残念ながら、私は存じ上げておりません。

>3月11日の事故当日から、安全委員会でちゃっかりと計算をしていたというのは、陰謀論の類の匂いを感じます。情報の出所を確認された方がいいと思います。

原子力安全委員会は、5月2日の合同会見で隠蔽の事実を自ら認めて謝罪し、すでに3月11日の事故当日分以降についても、SPEEDI解析資料を公表していますが、その上でのご意見でしょうか?

私が承知している事実は、

・行っていない/データはない、と公言されていた、シミュレーションが、実際には事故発生と同時に、実行されており、その未公表データの枚数が5000枚にも及ぶ、ということ。

・パニックを恐れた関係者(データにアクセスできた人々、データの内容を知らされた人々)は、その公表を見送ったばかりか、データそのものがとれない、と国民にも政治家にも国際社会にも、あからさまなウソをついていたこと。

・小佐古氏の辞任に伴う、SPEEDIデータ秘匿の暴露とその公表要請を受けても、そのようなデータはない、と細野氏が、いったんは断言していたこと。

・その翌日(5/2)、細野氏が事実関係を初めて知るに至って、夕方の合同会見で、データの存在を初めて公表し、隠蔽の事実を認めて謝罪し、原子力安全委員会、文科省、原子力安全保安院に対して、全データの公表を指示したこと。原子力安全委員会、文科省、原子力安全保安院の三者とも、会見の場で隠蔽の事実を認め謝罪したこと。

私はこれまで、可能な限り、インターネットでライブ中継されるさまざまな記者会見を視聴しております。(どのメディアも、会見内容をつまびらかに報道してくれませんから)

「情報の出所」を確認した方がよい、といわれましても... 
すべて、この目で実際に見て聞いたことなのですが...

貴殿ご自身で、ニコニコ動画などで、当日(5/2)の会見の模様(4時間ぐらいだと思います)のビデオ記録を視聴されたらいかがですか?

★250. かとうさんへ

私が言っていたのは、SPEEDIによるシミュレーションデータのことです。貴殿の説明と何ら矛盾しない、と私は思いますが....

SPEEDIは、重大事故が起きた場合に、被害を未然に最小限に防ぐために何百億円をも投下して開発された予測プログラムの一つです。解析データの公表が、各方面から執拗に要求されていたにもかかわらず、今月に入るまで隠蔽されていたのは、貴殿がおっしゃるとおり、さまざまな前提に基づき予測された、最悪シナリオを含む「予測データ」であり、実測データではありませんが...

★259. zozori さんへ

>それは、極秘情報を知っていたのではなくて、単に出国のコストが小さいからでしょう。
海外で災害が発生すれば、日本人は早々に避難するでしょうが、現地の人はそういうわけにいきません。
福島県に出張中の人も早々に引き返したと思いますが、居住されている人は簡単に避難できずにいまだに揉めています。

おっしゃるとおり、私が知る限り、少なくともドイツ政府は、SPEEDIを初めてとして、政府が公開したデータ以外の極秘情報をつかんではおりません(これについては、情報源に関するあるドイツ人からの問い合わせに対して、ドイツ大使館が公式に回答しており、日本学関係のドイツ人のメーリングリストで紹介されています)。実際に、日本政府の要人すら、解析データの存在すらも、今月に入るまで知らなかったわけですし...

しかし、当然ながらドイツ政府も、SPEEDIに準じたプログラムによる事故影響の解析を行っており、ドイツ気象庁などは、事故当初より、その予測結果を公開しております。

私がそう書いたのは、ドイツ側で公表された最悪シナリオにほぼ近いシミュレーションが、実際には日本側でも、早い段階で、一部の人間に把握されていたのでは、との推測からです。

それにもかかわらず(極秘データを得ていたわけでもないのに)、ドイツ政府は、

・原子炉への海水注入の決定がなされたこと

※ メルケル首相は、海水注入について、これは、原発事故対策として万策つき果てた後に、最後に残された投げやり的な措置であり、原発がもはや《制御下にない》ことにある証明にほかならない、と評していました。
この《制御下にない》は、核爆発を含む種々の爆発の可能性が高まったことと同義です。

そして、

・(当時日本では一切報道されなかった)三号機におけるMOX燃料の使用による、大量のプルトニウム放出の懸念

の二点を主な理由として、在日ドイツ人に国外退避を早々と呼びかけました。

13日(日)には、在日ドイツ人の大半に退避勧告情報が行き渡っています。
14日(月)にはチャータ機の第一便が飛来、多くのドイツ人はそれで出国しました。

>海外で災害が発生すれば、日本人は早々に避難するでしょうが、現地の人はそういうわけにいきません。

貴殿がおっしゃりたいことは、よくわかります。

諸外国政府の退避勧告について、枝野官房長官は、

「原子力発電所からの退避指示の内容については、いくつかの国が日本におられる自国民に対する指示等の内容と政府が発表している内容が確かに異なっております。しかしながら、これまでも何度も申し上げてきているが、海外におられる自国民保護という観点からは一般的に求められている水準よりもより保守的な水準でさまざまなことを指示をするというのが、私はそれぞれの政府の当然の対応だと思っております。私が同じ立場に、つまり国外で同種の事態が生じて、日本国民の退避についてさまざまな判断をするに当たっては、科学的、客観的に適切だと思われるのを超えて、 さまざまな指示をすることは当然、政府の責任としてあり得ると思っております。そうしますとその中で、日本政府としては、今さまざまお話がありましたが 今、私どもが把握をしている専門家の意見を含めたデータの中で、適切と思われる退避に対する指示等を出させていただいている。そしてその数字の違いについては、アメリカ政府の中からも日本政府の判断は適切であるという趣旨のご発言も出ているというふうにも受けたまわっております」

とコメントしています。

私が、この問題に関して、声を大にして唱えたいのは、欧米先進国政府の対応と、日本政府の対応との間の、温度差です。

チェルノブイリ事故の当時、日本政府は、在欧邦人に対して、完璧に無策でした。
在留者に正確に伝わるかたちでの、情報提供は、一切、行われませんでした。
(エジプト政変に際して日本政府が邦人救出のために急派したチャーター機、日本政府は、搭乗者からお金をとったことは、みなさん、ご存知でしょうか?)

今回の事故でも、日本政府は、有史以来最大の国難にありながら、当初は「大本営発表」を繰り返すのみで安全デマを喧伝し、今では、責任のない多くの住民に、見返り補償なしで、被曝を強要しています。
何としてでも、国民を、子供たちを、未曾有の災害から守ろう、という、政府の気概は、残念ながら、私には、伝わってこないのです。

今、大きく立ち上がろうとしているのは、福島県民以外では、ごく一部の原発反対派だけでしょう。

私自身、チェルノブイリのパニック/被曝を直接経験した身でありながら、原発反対運動に身を投じることもなく、傍観者を決め込み、電化生活を享受してきたことを、今になって、猛省しております。

271. 文太 — May 5, 2011 @16:55:37

みなさん、こんにちは。

ncmさんのコメント
>この《制御下にない》は、核爆発を含む種々の爆発の可能性が高まったことと同義です。
上記のコメント内で核爆発を含むとありますが、本当に核爆発は起こりえるのでしょうか?私は、原子炉内の核燃料では、濃縮度合いも形状も核爆発を起こすには不十分だと認識しています。
「核爆発」という言葉はとてもインパクト強い言葉なので、気になって質問させていただきました。もし、ご存知でしたら今回被災した福島原発、もしくは同様のモデルの原子炉での「核爆発」に至るプロセスをご教示頂けたらと思います。勿論、参考URLでも構いません。よろしくお願いいたします。

272. かとう — May 5, 2011 @17:07:40

文太さん

起こらないです。
彼の人がただの煽情家であり、科学的考察をしてないし、する気も無い人だった事が判明したコメントです。
論ずるに値しないレベルかと。

273. 文太 — May 5, 2011 @17:19:43

かとうさん、お答え有難うございます。
私も調べてみたのですが、原子炉での核爆発に関して信頼できる情報が見つからなかったため、もしかしたらと思い質問させていただきました。
核爆発は起こらないとの認識を変えずに済みました。
どうも有難うございました。

274. disraff — May 5, 2011 @17:21:53

「反論」するならせめて人が書いたことを読んでからにしてほしいものですが。

>私は、上のコメントと同様、SPEEDIが、当初いわれていたように、不具合によりシミュレーションそのものを行うことができなかった、のではなくて、当初から想定/期待されていたとおりの、シミュレーションが実行されていた、ととらえています。

「とらえる」のは勝手ですが、事実とは異なります。もし「細野氏がそう言った」んだとすれば細野氏も誤解しているのでしょう。

ひとつ言えることは、ncmさんのようにシミュレーションの意味を完全に誤解して結果に飛びつく人が少なからず居るようであれば、公開を避けた判断はおおむね正しかった、ということですね。このひとつ前に「読売新聞から返事をいただいていた」というエントリがありますが、読売新聞ですら「ドイツの予測結果」の意味を誤解して大々的に報じてしまうくらいですから。

Up275. Katase — May 5, 2011 @16:48:50

・文部科学省 緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)による計算結果(2011.05.03掲載)
http://www.nsc.go.jp/mext_speedi/index.htmlLink

>(1) SPEEDIによる単位量放出を仮定した予測計算結果(これまでに行った1時間毎の予測)
○ 今回の事故においては、事故発生直後から、文部科学省の委託業務契約に基づいて財団法人原子力安全技術センターが予測計算を実施しています。ただし、ここでは、上記のように放出源情報が得られていないことから、「単位量放出」を仮定した予測計算を行っています。これは、原子炉施設から放射性の希ガス又はヨウ素が1時間あたり1ベクレル(Bq)放出(単位量放出)される状態が1時間続いたものと仮定して、放射性希ガスによる地上でのガンマ線量率(空気吸収線量率)の分布と、大気中の放射性ヨウ素の濃度分布の時間変化を予測するものです。この予測は、これらの量の測定(緊急時モニタリング)の参考とするため、原子力防災関係者間で共有されてきました。この予測結果は、現実の放出量の変化を反映したものではありませんし、気象予測の誤差の影響を含んでいます。
○ ここに示すこれまでの予測計算結果は、原子力安全委員会が文部科学省から提供を受けたものです

確かに、5/3掲載の文部科学省の公表によると「事故発生直後から、文部科学省の委託業務契約に基づいて財団法人原子力安全技術センターが予測計算を実施しています」と書かれていますね。

コンピュータはCGさん — May 5, 2011 @10:18:00
が紹介された朝日新聞の記事によると、

「汚染拡大予測、政府生かせず 2号機破損時、対応後手」2011年5月4日 asahi.com
http://www.asahi.com/national/update/0504/TKY201105040273.htmlLink

>福島第一原発事故で、放射能汚染が原発から北西方向を中心に広がると、原発2号機が破損した当日の3月15日時点で政府は予測していた。この方向にある福島県飯舘村など5市町村の住民に避難を求めると、政府が発表したのは4月11日で、結果として対応は後手に回った。

>3月15日午前6時すぎに原発2号機の圧力抑制室が破損。約3時間後に正門付近で、放射線量が1時間あたり10ミリシーベルト超まで急上昇した。保安院は破損の影響を調べるため、同日午前7時前に試算した。

ということは、それまでの説明とは少し違っていて、SPEEDIのシミュレーション結果は3/11から出されていて政府にちゃんと渡されていた様ですね。(開発費の百数十億円は無駄になっていなくて、その点はよかった…)
そのデータの公表を5/3になって初めて行ったということですね。

※ncmさん、すみません。私の確認不足でした。

(野尻さんの資料は、4/30に朝日カルチャーセンターで講演会をやった時のものですので、5/3の文部科学省からの公表前であり、政府の以前の説明しか無かった時のものです)

3/15日に放射能汚染が原発から北西方向を中心に広がるという予測(実際にもそうなっていた)を政府は把握していたのに、実際に福島県飯舘村など5市町村の住民に避難を求めたのが約一ヶ月後の4/11になってしまったということは、最も放射線量の高かった時期に住民に警戒する様に指示を出さなかったことにもなり、放射線防護の観点からは宜しくないですね。

なぜこんなに判断が遅れてしまったのか、住民避難に伴う政治的な難しさがあったのでしょうが、結局は避難指示を出すことになったわけですから、(SPEEDIのシミュレーション結果を公開するかどうかに関わらず)もっと早めに避難指示を出しても良かったのではないかと思います。

276. disraff — May 5, 2011 @18:04:44

Kataseさん>
なにか話が通じていないように思うのですが、「放出源を適当に仮定した」シミュレーションはできますよね、仮想的な入力を入れればいいわけですから。様々な仮想入力に基づく数多の仮想出力を「公開」されて、どれだけの人がそれを役立てられるでしょうか。

飯館村の避難がかくも遅れたのは大きな問題だと思いますが…。

277. Katase — May 5, 2011 @18:24:44

disraffさん

実測値ではなく、あくまでシミュレーションなので、この先の予想を立てていく参考の1つにするというものになると思います。
ただし、SPEEDIはなかなか優秀みたいで、原発から北西方向を中心に広がるという実際とほぼ近い予測ができていたということですし、政府としてはこの情報は有用だったということになります。

先の私のコメントにある様に、結果が出された直後はひとまず政府内部の参考資料として公表しないでもいいと思います。朝日新聞などで報道された3/15日に出されたシミュレーション結果のケースでは、3/15日から数日後には実測データで裏付けられて信頼性が確認されてくるので、住民に避難などの必要性を示す際に「こんなの出ました」と実測データと共に公表して避難計画を早めに話し合い始めても良かったのではないかと思います。

どのタイミングで公表するかということは、とても難しいとは思いますが、なるべく上手に出していくことが疑いを抱かれない上で大切になってくるだろうと思います。

278. ncm — May 5, 2011 @17:45:20

★271. 文太さんへ

>この《制御下にない》は、核爆発を含む種々の爆発の可能性が高まったことと同義です。
上記のコメント内で核爆発を含むとありますが、本当に核爆発は起こりえるのでしょうか?

上記のコメントは、原発事故勃発直後の、情報がまったく開示されていなかった、種々の憶測が飛び交っていた段階での、あくまでも「可能性」としての話であって、現在では、その可能性は「ない」、というのが欧米に共通する見解です。ご安心ください。

もっとも、新たな水素爆発や水蒸気爆発の可能性については、残念ながら、完全には否定されてはいませんが。

「爆発」については、当初も、「再臨界はあり得ない」「万一再臨界が起きたとしても、いわゆる「核爆発」には至らない、局所的な事象にとどまる」という論調が、主流でしたね。

これについては、純ウラン燃料の場合は、確かにその通りであるけれども、3号機のMOX燃料については、再臨界にいたる諸条件の違いから、残念ながら、再臨界が起こりえないと断定できるだけの知見は集積されておらず、事故直後の混乱の中で、必ずしも、再臨界の可能性、さらには、万一それが現実となった場合は、人的被害を覚悟しない限り、冷却作業を中止せざるを得なくなることから、他の原子炉にも影響が波及して、最悪中の最悪の場合は、核爆発に匹敵するような連鎖反応に至る「可能性」が、《当初》は、完全には否定されていなかったのではないでしょうか?

ことMOX燃料のこの再臨界の可能性の問題について、私の上記の認識に、大きな誤りがあるのであるのであれば、どうぞ、お教えください。私と認識をともにしている多くの人々にも、正しい情報を伝えたいと思います。

実際に当初から、最悪でも水素爆発/水蒸気爆発だけにとどまる、と100%確実に予想できていたのであれば、首都圏から外国人が退避することもなかったと思います。
ドイツ政府は、一時期、静岡・長野・新潟まで、退避勧告を出しました。当時は、唯一、イギリス政府だけが、(核爆発に近い)再臨界の可能性を否定していました。しかしそのイギリスですらも、「インフラの崩壊」を理由として、遅れて、自国民の首都圏からの退避を勧告しました。


★274.disraffさんへ

>「反論」するならせめて人が書いたことを読んでからにしてほしいものですが。

この「人が書いたこと」を具体的に、詳しくご教示いただけませんか?

このブログの情報量の多さから、はしょって見落とした箇所が多々あるかもしれません。

逆に、お尋ねいたします。

disraffさんの、267.の次のコメント:

初動を誤って「予測として意味のあるシミュレーションが行えなかった」事

は、いったいどこからの情報であるか、これについても情報源をご教示いただけないでしょうか?
少なくとも、私は、この情報源にこれまで行き着くことはできなかったものですから。


>ncmさんのようにシミュレーションの意味を完全に誤解して結果に飛びつく

これについて、「シミュレーション」に、シミュレーション以外の、どのような意味があると、私が「誤解」していると、判断されているのか、ちょっと理解できません。

それとも、SPEEDIの「シミュレーション」は、技術分野において広く一般に行われている「シミュレーション」とは、まったく異なるものなのでしょうか?

私が投稿した文章の、どの部分によって、貴殿に、私が「シミュレーションの意味を知らない」という誤解を与えてしまうことになったのか、これについても、ご教示いただけましたら幸いです。
もう一度、確認して、誤解を招く文章であれば、訂正したいと思います。

私が問題としているのは、「公開を避けた判断」そのものの適否について、ではなく、むしろ、「ウソ」というモラル上の問題です。

私自身、個人的には、SPEEDIの最悪シナリオの公開を避けたのは、賢明であったと思います。(今日はまだ確認していませんが、本日深夜の時点では、そのデータは、まだ公開されていませんでした。これまでに、公開されたのは、5000枚のデータの中の、ごくごく一部に過ぎません)

でも、それと、データ自体がない、と「ウソ」をいったのは、完全に別次元の問題です。

最初から、正直に、ウソをつかずに、シミュレーションはしたけれど、その結果は、パニックをあおることになるために、または、公表しても一般国民には正しく評価されないと思われるために、規定に反して、公開は見送りたい、といえばよかったのです。

これで、これまで、マスコミで報道された専門家諸氏の種々のコメントではなく、最終的には「政府の公式発表」だけに全幅の信頼をおいてきた、私を初めとして、諸外国の信頼は、完全に裏切られました。

さまざまな情報が飛び交う中、少なくとも、首相官邸、原子力安全委員会、原子力安全保安院の情報は、信頼できる、とドイツ政府もPRしていただけに、また、私自身、さまざまな情報に惑わされずに、政府の公式発表だけに注目するように、多くの方々にアドバイスしてきただけに、本当に残念です。

くどくなりますが、これ以上の誤解を避けるためにも、繰り返します。

私が問題視しているのは、

このブログで盛んに論議が展開されいた、SPEEDIによるシミュレーション自体の内容・目的・精度・公開の適否の問題ではなく、

今回の情報隠蔽とそれを糊塗するための「ウソ」の発信により問われる、政府、特に原子力安全委員会/文科省の「情報公開」の基本姿勢と、「公式情報の信頼性」に関わる、ゆゆしき問題です。

279. disraff — May 5, 2011 @18:47:27

「単位時間における単位量放出」を仮定した予測計算、ですから、その結果を具体的な予想に反映するには「どの時刻にどれだけ放出されたか」を推定なりして掛けて重ね合わせる、という作業が必要になるでしょう(おおむね重ね合わせで近似できるだろうとは思いますが)。
参考にするにも、人を選ぶ「データ」です。

ただ実際、3/15の水素爆発は今のところ唯一の大規模な大気中への放射性物質の放出ですので、3/15のシミュレーションにはそれ単体で(たとえ定性的であっても)特段の価値があったと思います。適切に役立てられなかったのは残念です。

Up280. Toshi2100 — May 5, 2011 @19:07:31

ちょっと提案です。

ここは「学校の放射線」のテーマなので、SPEEDIに関してはこちら http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1302031557Link に集約させませんか?

管理人さまでないのに出すぎた真似すみません。

281. e10go — May 5, 2011 @20:33:58

>#278. ncm ? May 5, 2011 @17:45:20
>「爆発」については、当初も、「再臨界はあり得ない」「万一再臨界が起きたとしても、いわゆる「核爆発」には至らない、局所的な事象にとどまる」という論調が、主流でしたね。

 そんな“主流”話は知りませんが、原理的に“問題になる再臨界”は起こりません。“問題にならない再臨界”が起きるのは否定できない、だけです。
 そもそも、当初から“問題になる再臨界 = 継続的な再臨界”が起きる条件が整わないですから。

>これについては、純ウラン燃料の場合は、確かにその通りであるけれども、3号機のMOX燃料については、再臨界にいたる諸条件の違いから、残念ながら、再臨界が起こりえないと断定できるだけの知見は集積されておらず、事故直後の混乱の中で、必ずしも、再臨界の可能性、さらには、万一それが現実となった場合は、人的被害を覚悟しない限り、冷却作業を中止せざるを得なくなることから、他の原子炉にも影響が波及して、最悪中の最悪の場合は、核爆発に匹敵するような連鎖反応に至る「可能性」が、《当初》は、完全には否定されていなかったのではないでしょうか?

 “純ウラン燃料”であろうが“MOX燃料”であろうが“核爆発に匹敵するような連鎖反応”は理論的にありえません。
 “核爆発”は“超臨界状態”になると起きます。“超臨界状態”は原子炉の中で起きる“臨界状態”とは比べ物にならない“連鎖反応”です。
 燃料のウラン235・プルトニウムの濃度からしても、原子炉の中で“超臨界状態”を起こすのは理論的に不可能です。
 水素爆発や水蒸気爆発の起きる可能性は否定できないけど、起きても“核爆発に匹敵する”規模にはなりません。

282. disraff — May 5, 2011 @20:46:11

Toshi2100さん>
了解です。といっても僕には今更付け加えるべきこともないので、そちらのエントリのhttp://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1302031557#CID1304480293Link で masudako さんが紹介されているblogの記事をじっくり読んで、それでもなお「有用なデータを得ておきながら」「情報隠蔽した」などと考えるのであればまぁお好きにどうぞ、という程度にとどめます。

283. NiKe — May 5, 2011 @20:48:58

#270. ncmさん (May 5, 2011 @15:58:24)
> 私はこれまで、可能な限り、インターネットでライブ中継されるさまざまな記者会見を視聴しております。(どのメディアも、会見内容をつまびらかに報道してくれませんから)

> 「情報の出所」を確認した方がよい、といわれましても... 
> すべて、この目で実際に見て聞いたことなのですが...

つまり、専門家がきちんとまとめた情報ではなく、記者会見でのあわただしい説明がソースということでしょうか。
そりゃ情報としての質は低いですよね。

「この目で実際に見て聞いた」なんて何の意味があるのでしょうか(苦笑)。

> 貴殿ご自身で、ニコニコ動画などで、当日(5/2)の会見の模様(4時間ぐらいだと思います)のビデオ記録を視聴されたらいかがですか?

騒ぐ人に限って動画サイトが好きですね。

284. 文太 — May 5, 2011 @21:27:34

ncmさん、コメント有難うございます。

私の考えは、e10goさんの ― May 5, 2011 @20:33:58でのコメントの考え方と同じです。
再臨界に関しては、可能性として起こり得る事態の一つに挙げられると思います。ですが、「核爆発」に関しては、e10goさんのコメント通り、理論的に起こり得ないので、事故当初だろうが現在だろうが核爆発は可能性として起こり得る事態の一つにも挙がらないと認識しています。
スレッド違いなので、核爆発に関する私からのコメントはこれにて終わりにさせて頂きます。
お答え頂いたみなさん、有難うございました。

Up285. キャス — May 5, 2011 @22:21:59

皆さんこんにちは

私の理解では、SPEEDIのシミュレーションは放射性物質の流出量(核種含む)と気象条件(と地形)により、各地の放射線濃度というか強度を出すものです。気象条件は計測(将来の推定含め)できていたわけですから、SPEEDIが避難判断に使える精度があったのかどうかとうい問題は、「放射性物質の放出量が必要な精度で計測できたか」、「逆解析による推定がいつごろから可能であったか」が議論のポイントになります。

シミュレーションの入力条件から分類すると、例えば下記のようになります。
A)放射線物質の流出量が分かっている->精度の良い予測ができる(通常)
B)放射線物質の流出量が不明(今回、わざと隠蔽していなければ)
 B-1)流出直後->汚染される地域を推定。ただし濃度は不明。
 B-2)マイクロダストの遠隔地での計測後->逆解析で過去から現状の濃度を推定

「シミュレーションできる」という意味は大きく分けて2つあります。「計算機上でプログラムが動く」と「目的とした結果が必要な精度ででる(ここでは放射線(性物質)の濃度)」。前者はA、B-1、B-2全てに当てはまりますが、後者はAかB-2の場合です。B-1の場合は正規の予測が出来ていないわけですから、専門家であればシミュレーションはできていないと答えるのが当然です。シミュレーションは魔法の小箱ではありません。

実際の所は、シミュレーションは常時まわしていたわけですから、今回は少なくともB-1の状態ではあったわけですが、この状態ではSPEEDIの結果を元に避難判断は行えません。「放射性物質が飛んでくるけれども量は分かりませんが避難してください」といわれてもおいそれと避難は出来ません。避難をさせるリスクをとらせる方が無責任ですし、非難パニックで事故でもおきたら目も当てられません。避難を判断できる精度がないにもかかわらず、いい加減な精度の結果を元に避難指示を出していれば「あいまいな結果で避難指示、損害○億円」などと非難されます。

ただし、B-1の場合でも大量の放射性物質の流出があったと判断できた場合は別です。低く見積もっても基準値以上の放射性物質の降下が基準を超える場合は、高濃度が推定される地域に避難指示を出す判断ができます。現状の飯舘村などの放射線量をみると、このような判断が行えたぎりぎりの範囲だったかもしれないとは思います。平時(地震はなく原発事故だけがあった)であればもう少し良い判断が出来たかもしれません(避難すること自体ののリスクが少ない)。もし自分が判断者であった場合には、「正門で10mシーベルト/hr&SPEEDI」の結果を元に非難の判断は難しかったと考えます。事前に「正門で○○シーベルト/hrを超えたら避難する」など決めておく必要があったと考えます。

現状公表されているSPEEDIの結果をみてみると、15日の段階では単位放出での予測結果になっています(全部は見ていませんので、誤りがあればご指摘下さい)。朝日の報道にある「15日に予測していた」は「汚染される地域の推定は出来ていたが、定量的な濃度は不明」は確かだと思います。ただし「どの地域を避難させる判断に使える」には少し隔たりがあると考えます。報道にあるようにSPEEDIが15日に予測していたのは「汚染区域」であって、汚染濃度ではないと報道の文間を読んでいます。これは6時過ぎの放出を7時前に計算(この時点では放出量は不明)していること報道しているからも推定できます。現在公開されているSPEEDIの結果から見て、15日の時点で避難判断が出来たと考えるのは難しいと考えます。


避難判断が遅かったのは確かにその通りですが、「SPEEDIの結果を有効に使えずに避難が遅れた」というのは的外れだと考えます。その後に調査が入り、米国の結果含め高濃度の地域が判明した段階から避難判断までの期間が長すぎたのはその通りです。実測の結果が3月末にはあったわけですから、避難指示にSPEEDIは不要だったわけです。

286. ncm — May 5, 2011 @22:24:03

Toshi2010さんへ
再び年20mSv問題から離れ、はなはだ恐縮です。 ご容赦ください。手短に済ませます。

★281. e10go さんへ
早速の貴重な情報提供、ありがとうございました。

>純ウラン燃料”であろうが“MOX燃料”であろうが“核爆発に匹敵するような連鎖反応”は理論的にありえません。核爆発”は“超臨界状態”になると起きます。“超臨界状態”は原子炉の中で起きる“臨界状態”とは比べ物にならない“連鎖反応”です。
 燃料のウラン235・プルトニウムの濃度からしても、原子炉の中で“超臨界状態”を起こすのは理論的に不可能です。

正に、ご指摘のように、電力会社その他の関係機関が、一貫してMOX燃料の、万一の事故時の安全性をうたってきたことは、私も承知しております。
私が知りたいのは、MOX燃料の危険性を指摘した、たとえば次にあげるような声に対する、門外漢であっても納得のいくような、科学的な反論です。 ぜひ、ご意見をお聞かせください。

http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/kouen/isnmk091222.pdfLink 、京大原子炉研究所小出助教

「核分裂時の発生中性子数が多い⇒反応が進む
 原子炉で核分裂の連鎖反応を制御できるのは核分裂後ゆっくり放出される「遅発中性子」があるためで、ない場合は、臨界に達した核分裂現象があっという間に爆発に至る」

http://kakujoho.net/mox/mox99Lyman.htmlLink  核管理研究所(NCI)科学部長エドウィン・S・ライマン博士

「MOXの使用はまた、重大事故の発生の確率を大きくする可能性もある。MOX燃料の熱電導率は、ウランの場合よりも約10%小さくなっている。一方、MOX燃料の中心線の温度は、50%高くなっている。このため、MOX燃料の燃料棒に蓄えられている熱は、低濃縮燃料の場合よりも大きい。MOX燃料の中央線の温度と蓄えられたエネルギーとが通常のウラン燃料よりも大きいため、冷却材喪失事故の初期段階における燃料棒の被覆管の温度の上昇と、被覆管の酸化率が、ウラン燃料よりも大きくなる可能性があり、冷却材喪失事故の影響の緩和のためにNRCが設けている規定を満足させることはMOX炉心の方が難しくなるかもしれない。」

★また、ここにきて、3号機の爆発は、実は、水素爆発により誘発された即発臨界である(=核爆発である)、との見方もでてきていますが、これについても、ぜひご意見をお聞かせください。

http://www.youtube.com/watch?v=P4KXX24Dv1ULink

最後に、273.かとうさんが、煽情家であると名指しした「彼の人」とは、おそらく、私のことをさしているのであろうと思いますが、そういうご指摘を受けた事実を、私は、しっかりと受け止めたいと思います。


いずれにせよ、一国の首相が

「原子炉が《制御下にない》」

と発表した場合、原発専門家ならともかく、一般人が、「《最悪の場合》は核爆発に至る可能性がある」とうけとめるのは、ごく自然なことだと思います。

私が知りたいのは、真実、ただそれだけです。

284.文太さん、

お返事、ありがとうございます。

私も、SPEEDI/核爆発に関するコメントは、これで打ち切りにいたします。

ご意見・ご批判をお寄せいただいたみなさま、ありがとうございました。

287. Katase — May 5, 2011 @22:38:57

間近のやりとりを見ていて思ったのですが、安易な「反原発」対「アンチ反原発」の構図になってしまっていないか気になります。

実際に原発事故が起こった3.11以降は、これまでありがちだった互いを認めない不毛な論争を続けてもしょうがないですし、相手が「反原発」的な発言をしているからとそれに反射的に反応して否定的な意見ばかり言っていてもよくないのではないかと思います。

「合意できる点」と「合意できない点」が互いの論にあると思うので、「合意できない点」ばかりではなく、「合意できる点」についても考えた方が良い様に思います。

ncmさんが一番問題視されていることは、

>私が問題としているのは、「公開を避けた判断」そのものの適否について、ではなく、むしろ、「ウソ」というモラル上の問題です。

結局、政府がこれまで未公表だったSPEEDIのデータがあり、「実はありました」ということで出してきた事からやっぱり隠してしたのだという思いをしてしまったということだろうと思います。

こういう情報公開の遅れがあると、政府は他にもっと深刻な情報を隠しているのではないかと疑心暗鬼になってしまいますよね。
そして変な陰謀めいた話がどんどん跋扈し始めてしまうかも知れません。
それは良くないと思います。
前もって「存在」をはっきり知らせておいて、後から整理して公表するとさえ言っておけばこの不信感は回避できたろうと思います。

ncmさんのMOX燃料に関する考え方に対しては、私もそれ程の心配があるかどうか疑問があります。ですが、政府&原発推進側に不信感を持ってしまうと、それに対抗する立場の反原発団体の主張に親和性を感じていき、原発の危険性を大きく見積もって訴える論がしっくりしてしまうという面もあるだろうと思います。

「反原発」対「アンチ反原発」の形に陥って互いの論を拒絶して反論を繰り返しているうちに、互いにどんどん攻撃を強めて相手を否定する為の論争になってしまわないかとちょっと心配になります。

相手の意見をいきなり否定するのではなく、ちゃんと聞く必要もあるのではないかと思います。
きくちさんも言っておられますが、「好き嫌いと科学的事実とは関係ない」ですし、「自分が言ってほしいことを言ってくれる人を信じる」という姿勢だけでは互いにダメで、自分と違う立場の人の意見でもきちんと吟味して考える必要があるのではないかと思います。

過激な反原発派の人達は私もちょっと苦手ですが、穏健で現実的な考えの反原発派の人達もいるので、その人達とは建設的な議論ができそうに思っています。

ちなみに、私は「反原発」でも「アンチ反原発」でも無い中立派だと思っています。(この立場は、「反原発」の人達からは「安全厨」と見られてしまい、一方で「アンチ反原発」の人達からは「危険厨」と見なされて、どちらからも攻撃されるというややこしい立場なのですが、仕方ないかも知れません)

288. Katase — May 5, 2011 @22:43:29

ncmさん

>私が知りたいのは、真実、ただそれだけです。

このご発言がとても気になりました。「真実」とは隠されているものとは限りません。既に公表されて殆どの人の目に触れている公知のものであることも多いのです。

「隠された真実」を求めて、主流のものではなく今まで知らなかった事実を知らされて、これぞ求めていたものだと飛びつく前に、一旦立ち止まって、他の情報との整合性を確認してみる必要があると思います。

その点、ncmさんがこちらで他の人にMOX燃料の危険性を指摘した情報を提示して意見を聞こうという姿勢は評価できると思います。

この分野に詳しい人達から解説がありましたら、その意見についても耳を傾けて考えて見て下さい。

289. disraff — May 5, 2011 @23:36:05

>間近のやりとりを見ていて思ったのですが、安易な「反原発」対「アンチ反原発」の構図になってしまっていないか気になります。

自分としては、反原発とかいう視点は全くなく、言うなれば「アンチデマ」のつもりでいましたが。どの辺が「安易なアンチ反原発」に見えましたでしょうか。

Up290. ごんべえ — May 5, 2011 @23:38:25

ncm ― May 5, 2011 @17:45:20
「実際に当初から、最悪でも水素爆発/水蒸気爆発だけにとどまる、と100%確実に予想できていたのであれば、首都圏から外国人が退避することもなかったと思います。」
水素爆発/水蒸気爆発だと放出される放射能の量が少ないというわけではありませんので、水素爆発の可能性でも、逃げるのに十分な理由になります。

ncm ― May 5, 2011 @22:24:03
小出さんの文の要約が酷いですが、どちらも、危険度が高くなると言っているだけで、核爆発を示唆するようなことは書いてありませんね。

「制御できない」を勝手に核爆発と決め付けるのがいけなくて、炉が壊れるような事態はすでに制御できていないと呼ぶのが普通でしょう。

291. Katase — May 6, 2011 @00:01:36

disraffさん

>自分としては、反原発とかいう視点は全くなく、言うなれば「アンチデマ」のつもりでいましたが。どの辺が「安易なアンチ反原発」に見えましたでしょうか。

各個人や個々の論についてではなくて、大局的にこれまでの「反原発」vs「原発派」の否定し合いの議論の形に当てはまって見えてしまったのです。(丁寧な書き方の人もいらっしゃいますが)全般に攻撃的な雰囲気の書き方が多いですし、デジャヴというか…。

mcnさんが主張している「反原発」側によく持ち出される論へわっと反射的に反論が出されていて、mcnさんが一番重視していると言っている「情報公開」の仕方の問題性について言及している人達が少なくて、対立する部分だけがクローズアップされてしまい、一番肝心な所の議論が置き去りにされてしまいそうで気になりました。

でもこれは、私がそう思っただけで、とても少数派の感想かも知れません。

また、『「好き嫌いと科学的事実とは関係ない」ですし、「自分が言ってほしいことを言ってくれる人を信じる」という姿勢だけでは互いにダメで、自分と違う立場の人の意見でもきちんと吟味して考える必要があるのではないかと思う』というのは、mcnさんにも向けたものです。

292. Katase — May 6, 2011 @01:05:43

先のコメントで

mcnさんとしたのは、ncmさんの誤りです。m(_ _)m
…また、おっちょこちょいをしてしまった。

293. normed_vector Website — May 6, 2011 @02:14:23

287. Katase ― May 5, 2011 @22:38:57
>間近のやりとりを見ていて思ったのですが、安易な「反原発」対「アンチ反原発」の構図になってしまっていないか気になります。

kataseさん、間近のやりとりだけでなく、過去の発言との整合性がヒントになることもあると思います。たとえば、事故前に、原発を批判をする人に対して、どんな態度で接していたのか、十分ではありませんが幾つか参考になることもあると思います。

ここでは支障がないような人選でいくつかサンプリングしてみます。もちろん、前後の文脈も大事ですので、URL先から読んでいただけるといいと思います。

『リスクの面からすれば、少なくとも現時点での日本の原発については、リスクは小さいと言っていいのではないでしょうか。』
『現状での懸念はリスクよりも廃棄物処理と廃炉問題では?』
きくちさん November 2, 2009 @09:57:23
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1256740025#CID1257123443Link

『「原発問題?(何が問題かは未だに不明)」』
467. comさん January 31, 2010 @22:10:07
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1256740025#CID1264943407Link

『ま、まさか、タービンを回した水蒸気をそのまま大気中に捨ててる
と思ってるの???
そんなレベルで原発批判なんて止めといた方がいいよ。』
463. かとうさん January 31, 2010 @21:37:24
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1256740025#CID1264941444Link

294. Katase — May 6, 2011 @03:40:41

normed_vectorさん

私は、どの人がどうと決めてかかるつもりはありません。
互いに、変なレッテル貼りをして見る弊害を強く感じていますし、話題の内容によってもそれぞれの考え方があっていいと思います。

Up295. com — May 6, 2011 @11:29:59

こんにちは。 
 
うっわー。キタコレ。華麗なレッテル貼り感謝です(怒)。 
全く関係のない記事のコメント欄で、かくもスバラシイ典型的なレッテル貼りを、まさか自分の過去のコメントでなされるとは、ある意味想定外でした(笑 
かなり高い段位のスルー力検定なのでしょうかね? 
 
先に書いておきますが、comは謝罪をいつでも受け入れる準備がありますよ。 
 
さて…本題に。 
normed_vectorさんのコメント293 May 6, 2011 @02:14:23は、このコメント欄の主題である「学校の放射線量についての「暫定的考え方」について考えた」と、どうリンクするのか、是非とも見解を伺いたいところです。嫁と言わんばかりにリンクを貼り付けてるけど、肝心のnormed_vectorさんの見解が抜けております。どう繋がるのかも含め、是非ともお聞かせください。 
 
それと、normed_vectorさんはコメント293 May 6, 2011 @02:14:23をupする前に、当該コメント欄においてどのような議論がなされていたのか、把握されていたのでしょうか?単にサイト内検索でpickupされたから…なんてことは無いですよね? 
comの当該コメント(「地球温暖化懐疑論批判」comのコメント467 January 31, 2010 @22:10:07)以前…というか、最初から読んでいけば、normed_vectorさんがコメント293 May 6, 2011 @02:14:23で書かれている 
 
>たとえば、事故前に、原発を批判をする人に対して、どんな態度で接していたのか、十分ではありませんが幾つか参考になることもあると思います。 
 
なんぞ、全く参考にならないことは明白でしょうね。てか、適当に引用するのは止めて欲しい。断固抗議します。 
#あ、何の参考になるのかも聞かせて欲しいかも。 
一応、以下の引用 
 
>ここでは支障がないような人選でいくつかサンプリングしてみます。もちろん、前後の文脈も大事ですので、URL先から読んでいただけるといいと思います。 
 
等と予防線(comの勘繰りすぎ?)があるけど…何も知らない人が当該コメントのみ読んだときのレッテルの効果は絶大でしょうね。読んだ人全員が前後の文脈(というか最初のコメントから)読んでくれるわけがないのですから。 
 
 
確かに、comは当該コメント欄(「地球温暖化懐疑論批判」)にて、原発を批判していた常連のSF物理マニアさん(そもそも地球温暖化懐疑論批判でなぜ原発批判が出てきたのかは結局不明のまま)を批判しています。しかしこれは、地球温暖化否定論者(注:懐疑論者とは別)とも受け取れられかねない書き込みを続けるSF物理マニアさんが、十分な説明の無いまま、あれこれと例題を出してきており、これを痛烈に批判しているだけです。 
原発がどうのこうの、ではなく、温暖化がどうのこうのですらなく、単に議論の作法がなっていない、と一貫して批判しており、その中の一部分だけ…それもセンセーショナルな文言だけ切り抜いて「comはああいうやつなんだ」とやり込めるのが、normed_vectorさんのスタンスなのであれば、特に何も言いません。 
#comがあえて擁護する必要がない点ではありますが、当該コメントの直前にあるかとうさんのコメントも同様です。 
#実際、地球温暖化懐疑論批判は2000以上のコメントがあり、その中でSF物理マニアさんのkikulog中での立ち位置というか、扱われ方が確定していくわけですが。 
#そういった意味で、kikulogは昔から、常連だろうとおかしなことを書くと相互に批判・議論の対象なる、という傍証を提示できた…のかな(汗 
##レッテル貼りの仕返しとか、かっこわるいですね_| ̄|○ 
 
 
最後に… 
個人的にはちょっと余裕がなかったこと、議論の速度が速すぎて準備した内容をupできずにいたこと、興味深い話題に中々進展しなかったこと(技術的な話や、リスクコミュニケーションの話)もあり、あまり書き込みができず、皆さんの議論に貢献できないことが歯痒かった…けど、こんな形で召還されるとは、甚だ不本意ですねぇ。

296. 技術開発者 — May 6, 2011 @12:34:42

こんにちは、Kataseさん。

>間近のやりとりを見ていて思ったのですが、安易な「反原発」対「アンチ反原発」の構図になってしまっていないか気になります。

少し毛色の変わった反原発論を述べて見ましょうか?1980年代くらいからある反原発論なのですけどね。この反原発論は、未だにその根拠が否定された事は無いのだけど、原発事故がおきて世の中が盛り上がるたびに、「無視されてきた」反原発論なんです。

いわゆる「核のゴミ」論でしてね。「原発は事故がおきなくても、やがてゴミの管理費の方が発電収益を追い越してペイしなくなる。そしてその時に原発を止めても、膨大な核のゴミの管理を数千年の長さで子孫に押し付ける事になる」という論理なんですね。

ここで言っている「核のゴミ」というのは、今皆さんが良く知られる様になった放射性セシウムなどのことです。原発用の核燃料の中にあるウラン235は約3%ですが、使用済み核燃料になると1%程度になっています。つまり2%くらいのウランが核分裂に使われる訳です。でもって、核分裂生成物というのはこの2%のウランが分裂してできる訳ですが、だいたいそのうちの10%くらいが、半減期の長い容易に放射能の減らない物質になると言われます。つまり1トンの核燃料が発電を終わると2キロくらいの「核のゴミ」ができる訳です。原発は一つの炉でだいたい4〜5年500トンくらいの核燃料を使いますから、4〜5年で1トンの「核のゴミ」を出す事になりますね。日本には50基以上の原発がありますが毎年10トンくらいずつ、この核のゴミができる勘定になります。

まあ、使用済み核燃料から使いのこりのウランやらプルトニウムを取り出し、この核のゴミをガラス固化体にする施設も現状の発生量に対しては間に合っていない訳ですが、間に合ったとしても、この「核のゴミ」というのは、例えばどこかに埋めてそれで良しとはなかなかできない面があるんですね。漏洩の問題もありますが、最近言われているのは「テロリストの手に渡ったら」なんて話です。いわゆる「汚い核兵器」なんて言い方がありますが、例えば東京の風上で、この核のゴミを高温で熱する時限装置を作って加熱したらどうなるかなんてね。そんな心配があるうちは。「人の居ないところに埋めて」も怖かったりしますね。かといって漏洩の事を考えると余り人里近くにおいておきたくはありませんしね。

というわけで、数千年の長きにわたって、きちんと見張り番をおいた廃棄施設で管理することを現代人は子孫にやらせようとしているなんて話をしていたわけです。事故になったら危険とかを叫ばない反原発の人間はね。そして、「事故になったら危険」と叫ぶ人が出てくると、この問題は常に忘れられてきたのが歴史ですかね。

297. SF物理マニア — May 6, 2011 @13:43:12

>#295. com — May 6, 2011 @11:29:59

原発はCO2削減にはそれほど寄与していないということに対して補足しておきます。
原発は、発電効率が30%ですから、発電量の2倍強熱を出しているわけです。この余剰熱を海水で冷却するわけです。すると水蒸気のほかに海水中に溶けているCO2も気化してくるわけです。
100万Kwの原発なら、200万Kw強の熱量を出すとともに、水蒸気やCO2も出していることになります。冷却用海水ポンプも発電出力の一部を使っているので効率は更に悪いと思います。

298. Katase — May 6, 2011 @14:20:45

技術開発者さん

私が、少し前のコメントで
>過激な反原発派の人達は私もちょっと苦手ですが、穏健で現実的な考えの反原発派の人達もいるので、その人達とは建設的な議論ができそうに思っています。

と書いた「穏健で現実的な考えの反原発派」というのが、その「核のゴミ」の現実問題などについても考えている人達です。

299. コンピュータはCG — May 6, 2011 @12:09:25

iwakamiyasumi 岩上安身
これから、先日、辞任した小佐古内閣官房参与の教え子であり、「代理人」を自認する空本議員に、小佐古参与の辞任の真相についてUstインタビュー。もうすぐ始まります。Ch2→ ( #iwakamiyasumi2 live at http://t.co/SIHxIxMLink )

http://www.ustream.tv/channel/%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%8A%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88-%E5%B2%A9%E4%B8%8A%E5%AE%89%E8%BA%AB%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8BustreamLink

Up300. e10go — May 6, 2011 @19:06:28

>#297. SF物理マニア ? May 6, 2011 @13:43:12
 SF物理マニアさん、その反論はスジが悪いです。

 火力発電も海水で冷却しているし、海水からCO2が気化しても同じ量のCO2がやがて海水に戻り、差し引きほぼ0です。
 原発から出る水蒸気の量は大した事ありません。火力発電の燃焼で出る水蒸気の方が多いです。
 公表されている原発の発電効率は、冷却用海水ポンプの電力消費も含めたものです。

301. FROY — May 6, 2011 @20:21:11

すみません。またまた初歩的な質問になってしまうのですが、

そもそも今回騒がれている放射性物質はどこから漏れたのでしょうか?
燃料棒が破損しであろうことはわかるのですが、どの燃料棒かがわかりません。
原子炉格納容器から漏れたのか。
燃料プールから漏れたのか。
それともその両方なのか。

探したのですがなかなか出てきませんでした。
どうかよろしくお願いします。

302. e10go — May 6, 2011 @22:14:49

>#286. ncm May 5, 2011 @22:24:03
>私が知りたいのは、MOX燃料の危険性を指摘した、たとえば次にあげるような声に対する、門外漢であっても納得のいくような、科学的な反論です。 ぜひ、ご意見をお聞かせください。

 私も門外漢ですが。でも一応、間違いやその他の指摘を書いておきましょう。



>「核分裂時の発生中性子数が多い⇒反応が進む
> 原子炉で核分裂の連鎖反応を制御できるのは核分裂後ゆっくり放出される「遅発中性子」があるためで、ない場合は、臨界に達した核分裂現象があっという間に爆発に至る」

 別に反論する必要はないでしょう。
 指摘するなら、原子炉内での核反応中は『「遅発中性子」がない場合』というのはありえません。だから、『爆発に至る』事もありえません。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E7%99%BA%E9%9B%BB#.E6.A0.B8.E5.88.86.E8.A3.82.E5.8F.8D.E5.BF.9CLink



>「MOXの使用はまた、重大事故の発生の確率を大きくする可能性もある。・・・<以下略>

 これは単に「MOX燃料がウラン燃料よりも扱い難い」と指摘されているだけですね。私の
>#281. e10go May 5, 2011 @20:33:58
 とは直接関係ない話です。
 MOX燃料がウラン燃料よりも扱い難い事と超臨界に至る事は関係ないですから。



>★また、ここにきて、3号機の爆発は、実は、水素爆発により誘発された即発臨界である(=核爆発である)、との見方もでてきていますが、これについても、ぜひご意見をお聞かせください。
http://www.youtube.com/watch?v=P4KXX24Dv1ULink

 このビデオの内容はデタラメですね。

 ビデオでは、原子炉から3キロも離れた所で「燃料棒の破片」が見つかった事になっているし[2:29]、「ウラン」や「プルトニウム」が検出された事になっていますが[3:05,3:14]、そんな事実はありません。
(注:[ ]内の数字は、ビデオの時間)
 また、ビデオでは、水素爆発が起こり、それが原因で即発臨界による核反応を引き起こし、その核反応がプールの燃料棒・燃料集合体を吹き飛ばしたと説明しています[6:50,6:59,7:06]。
 この説明通りなら水素爆発の後で燃料棒・燃料集合体が吹き飛ばされた事になるけど、ビデオではどう見ても爆発は水素爆発の1回のみ。
 水素爆発で即発臨界が起きたと仮定しても、何かを吹き飛ばすまでの核反応には至らないでしょう。そもそも、「燃料棒の破片」は見つかっていません。

303. zyx — May 6, 2011 @22:50:51

こんなデータがありました。
 http://www.mext.go.jp/a_menu/saigaijohou/syousai/__icsFiles/afieldfile/2011/05/06/1304694_0506.pdfLink

 ご参考にどうぞ。

304. outsidervoice — May 7, 2011 @00:44:33

たいへんお世話になっています。

土壌汚染に対する解決策、このような感じでいかがでしょうか。

http://moribin.blog114.fc2.com/blog-date-201105-4.htmlLink

廃棄土、客土の問題を考えると、最適解ではないかと。

また、その「天地返し」ですが、「部分深耕天地返し」にすると、
全体を深く掘る必要がありません。

下URLのビデオ、園芸用の「部分深耕天地返し」の説明ですが、イメージ湧くかと・・・。

http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=7e9yY7iJhKELink


あと、注意事項としてはこのような書き方になるかと・・・。

<表土削除マニュアル(作業時の放射線数値を環境以下に抑えたい現場用)>

★放射性物質が浸透している部分だけを削除する場合は、計算上、その集積土の放射線数値が、環境より、かなり高くなる可能性があります。しかし、これはコントロール可能です。

★環境値と同じあるいはそれ以下に抑える場合は、浸透部分以外も削除するようにします。汚染されていない土が集積土に加わる量を少し増やすことで、数値を下げることができます。

★また、土を集めるときに、より濃度の高い地面を下に、汚染されていない土を上にして積み上げるようにするだけでも、土の放射線遮蔽効果によって数値の低下が期待できます。


それで、コンクリート、アスファルトは、どうしたらいいんでしょうか?

Up305. zorori — May 7, 2011 @08:00:48

#245. ncmさん ? May 4, 2011 @22:40:09
>3月11日の事故当日から、安全委員会では、ちゃっかりと、最悪シナリオの予測データまで、SPEEDIで試算しており、その総数は5000枚に及ぶといわれます。

#275. Kataseさん ? May 5, 2011 @16:48:50
>ということは、それまでの説明とは少し違っていて、SPEEDIのシミュレーション結果は3/11から出されていて政府にちゃんと渡されていた様ですね。(開発費の百数十億円は無駄になっていなくて、その点はよかった…)
>そのデータの公表を5/3になって初めて行ったということですね。

「最悪のシナリオ」かどうか分かりませんが,それに近いものは,下記の(3)であり,3月11日の事故当日からではなくて,4月6日以降に計算したのでは。

SPEEDIの計算結果公開の説明ではそうなっています。
http://www.nsc.go.jp/mext_speedi/index.htmlLink


(1)事故直後からの試算
「単位量放出」を仮定した予測計算。

(2)4/1以降の試算
放出量を環境中の放射性物質濃度の測定値から逆推定し,その放出源情報をSPEEDIに入力し,過去にさかのぼって積算量を計算。

(3)4/6,8,10の試算
放射性物質の放出の事象を2パターン仮定して,予測計算。季節特有の気象状況を考慮するため、昨年の4月から9月までの代表的な気象データを用いた試算。


(2)の結果は4/10の安全委員会で報告(公表)され、政府の避難の方針に繋がったということで、http://www.nsc.go.jp/anzen/shidai/genan2011/genan022/siryo1-2.pdfLink
5/3には、その関連資料も含めて5000枚に及ぶ全部を公表させたということでしょう。

こういうものを一般の人が見て何か判断の役に立つとは思えませんが、気象庁の公表の時と同様に変に勘ぐられるので全部公表してしまえ、ということではないでしょうか?

現実問題として、一般の人が膨大な資料を見ることは困難ですが、上記の説明ぐらいは読めます。別にウソや隠ぺい工作があったようには思えません。しかし、細野補佐官の「公表して社会にパニックが起こることを懸念した」という微妙な発言だけが独り歩きしているような気がします。

306. zorori — May 7, 2011 @09:13:34

e10goさん、

>そもそも、「燃料棒の破片」は見つかっていません。

そうだろうと思っていましたが、見つかっていないという報道はされないし、「悪魔の証明」ですね。
見つかったと主張する方が、ソースを示すべきなのですが。

307. みならい — May 7, 2011 @08:51:53

はじめまして。皆さんのコメントで勉強させていただいております。
#299コンピュータはCGさんが書かれたインタビューの録画がありました。
http://iwakamiyasumi.com/archives/9032Link

これまでの経緯が少しはハッキリしてきたように思えるのですが、この後は政治的かけひきになってしまうのでしょうか。

308. けん — May 7, 2011 @09:39:38

はじめまして


>そもそも、「燃料棒の破片」は見つかっていません。

finalventさんの下記ページによると、NRC資料にそれらしき記載があるそうです。
http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2011/04/post-626d.htmlLink

> 燃料粉塵が使用済み燃料プールから飛び出している可能性がある(施設から1マイル離れたところに中性子線放射が検出されたとの情報、及びブルトーザーで均しておくべき3号機と4号機の間にある非常に高い線量率の物質による。これもまた3号機から飛び出た可能性のある物質である。)

この辺のあいまいな情報が元かもしれません。

309. disraff — May 7, 2011 @14:14:25

zororiさん、
>こういうものを一般の人が見て何か判断の役に立つとは思えませんが、

ですね。
シミュレーションは前提によって全く異なる意味を持つので、そのへんをきちんと諒解しないままただ結果だけを見たって何にもならない。ということは、この機会に?広く知られて欲しいと思います、が…。

>気象庁の公表の時と同様に変に勘ぐられるので全部公表してしまえ、ということではないでしょうか?

おおかたそんなところでしょうね。
が、これでも「重要なデータを隠蔽していた」だの「ウソをついた」だの「国際的に信用がゼロになった」だのと勘ぐられるというか決めつけられる、というあたり、陰謀論が広まる下地はじゅうぶんすぎるほど調っている、ということなのかも知れません。まぁ公開に至るやり方も上手くないといえばじゅうぶん下手なのですが。

>しかし、細野補佐官の「公表して社会にパニックが起こることを懸念した」という微妙な発言だけが独り歩きしているような気がします。

これはもう最悪に下手な言い分で、細野さんが意味をちゃんとわかってないとしか思えませんね…。

Up310. e10go — May 7, 2011 @14:45:13

けんさん、はじめまして。

>> 燃料粉塵が使用済み燃料プールから飛び出している可能性がある

 本当に燃料粉塵が外に飛び出していたら、大騒ぎするでしょうね。政府や東電や原子力保安院が隠しても隠し切れないでしょうから、テレビも、ラジオも、新聞もじゃんじゃん騒ぐでしょう。
 しかし、まさかねえ。どこも大騒ぎしていませんしね。(でも、建屋内ならもしかしたら、とは思います)

311. Katase — May 7, 2011 @16:02:52

zororiさん

「避難区域等の継続的必要性の検討」のための試算は4/6以降にされたものですよね。ただし、SPEEDIの利用そのものは3/11当日から行われていたという話です。

>こういうものを一般の人が見て何か判断の役に立つとは思えませんが、気象庁の公表の時と同様に変に勘ぐられるので全部公表してしまえ、ということではないでしょうか?

>現実問題として、一般の人が膨大な資料を見ることは困難ですが、上記の説明ぐらいは読めます。別にウソや隠ぺい工作があったようには思えません。しかし、細野補佐官の「公表して社会にパニックが起こることを懸念した」という微妙な発言だけが独り歩きしているような気がします。

私の見解としては、既に書いたように政府がこれまで未公表だったSPEEDIのデータを「実はありました」ということで一度存在を否定してから出してきた事が、「やっぱり隠してしたのだ」という思いを持たせてしまったのは良くないやり方だったろうと思います。

ncmさんも、後から出してきた5000のデータの内容そのものを大事だと考えているのではなくて、「隠蔽を疑わせる出し方に不信感」があると言っていますよね。

繰り返して書きますが、

こういう情報公開の仕方があると、政府は他にもっと深刻な情報を同様にパニックを怖れて公表していない(隠して)いるのではないかと疑心暗鬼になってしまいますよね。そして「真実は隠されている」と変な陰謀めいた話がどんどん跋扈し始めてしまうかも知れません。
それは良くないと思います。

前もって「存在」をはっきり知らせておいて、「後から整理して公表する」とさえ言っておけばこの不信感は回避できたろうと思います。

disraffさん

>これはもう最悪に下手な言い分で、細野さんが意味をちゃんとわかってないとしか思えませんね…。

これがやっぱり問題なのだと思います。

312. Katase — May 7, 2011 @16:29:25

けんさん、e10goさん

> 燃料粉塵が使用済み燃料プールから飛び出している可能性がある

中性子線がちょっぴり観測されていたり、プルトニウムが建て屋周辺の土壌で検出されていたりするので、その可能性はあると思います。ただし、それらの観測結果からは建て屋のごく近くまでの範囲ではないでしょうか。例えば、アメリカまで大量に飛んでいるとかは無いと思います。

それと、仮に建て屋の近くに飛び出しているとしても実際の観測値から考えて少量ですし、これが広域に影響する様な大問題とはならないと思います。

313. Katase — May 7, 2011 @16:46:26

zyxさん

>こんなデータがありました。
 http://www.mext.go.jp/a_menu/saigaijohou/syousai/__icsFiles/afieldfile/2011/05/06/1304694_0506.pdfLink

別紙2の放射性セシウム(Cs134+Cs137)の量ですが、30万Bq/m2以上の領域が原発周辺や北西部の他にも伊達市や二本松市、福島市の一部などに広がっていますね。
伊達市の一部の領域にある黄色の部分は100万〜300万Bq/m2で、伊達市や福島市の一部の領域にある緑色の部分が60万〜100万Bq/m2、二本松市などが含まれている水色の領域で30万〜60万Bq/m2です。

参考までに、チェルノブイリ事故の際には、厳戒制限区域(SCZs)とされたのは放射性セシウムの汚染が55.5万Bq/m2以上の土地で、低汚染地区とされたのが3.7万Bq/m2以上の土地です。

避難の指示が出されていない地域でもチェルノブイリでの厳戒制限区域(SCZs)に相当する場所がありますが、そこに居住する住民(特に妊婦さんや子供達)は被曝量を下げる様に特に配慮していった方がいいと思います。妊婦さんや子供達は長期に滞在するリスクが高まると思うので、条件が整えば汚染のもっと低い地域に避難してもいいと思います。

314. maruhana — May 7, 2011 @18:18:30

どうにもならないことを、言っても無駄です。
避難は現実的ではありません。

やはり深い穴をほって表土を埋め込み、掘った穴の土で均一に覆うというのが苦肉の策と思われます。
このさい地下水の汚染はしかたないかと、水道水はモニタリングされてますから。
何もしないよりましでしょう。

学校の場合は同様の措置をしたのち、舗装するのもいいでしょう。

いずれにせよ、はやく対策をとるべきです。

Up315. 憂鬱亭 — May 7, 2011 @20:50:17

また、情報提供だけして、去ります。

私が住むのは伊達市ですが、小中学校以外には、まったく放射線被害に対するアナウンスがありません。
唯一あったのが「県の許可が出るまでは、土を耕すな」という農作業上の注意事項だけで、それも既に許可が出ています。
避難措置に該当する石田地区でも、子どもも大人もマスクせず、普通に生活してます。来週には小学校の屋外活動も再開される予定です。

福島県には3月13日にSPEEDIのデータが30枚届いていたが、
これを県は公表しなかったことが、
昨日自民党福島県議と県の会合で分かりました。
県の言い分は、「拡散の方向は分かったが、ヨウ素の量が分からなかったから」です。(「福島民報」5月7日朝刊で報道)

できれば、昨日文部科学省から発表された「汚染マップ」についても
皆さんの考えを読ませてください。
原発から30キロ以上の距離があっても100ミリシーベルトを超える予想になっている地域が出ています。

316. Katase — May 7, 2011 @21:51:26

maruhanaさん、みなさん

私は「妊婦さんや子供達は長期に滞在するリスクが高まると思うので、条件が整えば汚染のもっと低い地域に避難してもいいと思います」
と書きました。ちゃんと読んで下さい。

避難できる条件が整えば、そういてもいいと書いたのに、まるで人が「全員無理してでも避難せよ」と煽っているかのようにとって反論するのは止めて下さい。

ちょっとでも原発や放射線のリスクについて書いたり、政府のやり方について良くない書くと、私が何も分かって無くて危険を大げさに煽っているかの様に反論してくるのには辟易します。

避難したくても出来ない人達は無理でしょう。そんなの分かっています。ICPR111の日本語訳など、その理念をこちらに真っ先に紹介したのは私です。 
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1303660138#CID1303868927Link  

校庭の客土の必要性を「日本土壌肥料学会」の資料を紹介して最初に説明したのも私です。 
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1303660138#CID1303686889Link  

他にも色々と参考になるものを紹介しています。ちゃんと一連のコメントを確認してから反論して下さい。

317. zyx — May 7, 2011 @23:05:37

>316 Kataseさん
 マスコミ報道を読む限りでは直ぐに「原発が落ち着く」見通しが東電も政府も立っていません。今回の件は未だに現在進行形です。>315の憂鬱亭さんが住んでる地域も「蓄積量+α」になりそうです。被曝量を抑えるためにも若い人たちを中心に避難した方が良いと思います。

318. Katase — May 8, 2011 @00:44:09

zyxさん

>被曝量を抑えるためにも若い人たちを中心に避難した方が良いと思います。

できれば妊婦さんや子供達は避難した方が無難だと私も思いますし、そう書いてもいるのですが、特に問題になるのは避難の条件を整えることができない「避難したくてもできない」人達です。
(避難できる条件が整っている人達は、無理をしてまで居続ける必要はないと思います)

仕事の関係で親や配偶者がその土地を離れることができなかったり、寝たきりの老人を介護していたりして家族ですぐに避難できない人達もいます。子供達だけで親から離れて戦時中の疎開の様なことをするのもなかなか大変だろうと思います。

あと、政府が避難を指定していない地域の人達には、今自主避難すると補償が無くて不利になるという問題もあります。
例えば、長野県松本市では自主避難してくる人達にも受け入れ優遇措置をとっていますが、まだこういう所は多くないかもしれません。

・広域避難者受入れに関する松本市の対応について 
http://www.city.matsumoto.nagano.jp/touhoku/hinan/ukeire/index.htmlLink  

参考までに、内部被曝についての解説と、「原子力損害賠償制度」について説明している記事があるので紹介しておきます。

・放射線による内部被ばくについて:津田敏秀・岡山大教授  
http://smc-japan.org/?p=1310Link  

「原子力損害の賠償に関する法律」と「原子力損害賠償補償契約に関する法律」がリンクされています。

> 平成3年発行の「原子力損害賠償制度」(通商産業研究社発行)の逐条解説によれば、「・・・賠償措置額を超える原子力損害が我が国で発生することは極めて考え難いが、本条は、万一の場合への備えとしての政府の援助措置を規定するものである。」となっていて、「損害が賠償措置額を超え、かつ、法律の目的の達成のために必要と認められるときは、必ず援助を行うものとする趣旨である。」としています。また立法時の審議で、当時の池田正之輔科学技術庁長官が「政府の援助は、この法律の目的、すなわち、被害者の保護を図り、また、原子力事業者の健全な発達に資するために必要な場合には必ず行なうものとする趣旨であります。従って、一人の被害者も泣き寝入りさせることたく、また、原子力事業者の経営を脅かさないというのが、この立法の趣旨」であることを述べたことを引用しているそうです。

>住民や事業者はもちろん、直接事故対策に奔走している電力会社社員、協力会社社員、自衛隊、消防、警察などの職員が被ばくをしたことにより、後日発症する放射線障害です。もちろん労災保険や公務災害で補償されることになりますが、当然民事上請求することができる損害が発生します。これらも請求できる損害だそうです。しかも、原子力損害賠償制度の特徴は、〔飢畆裟嫻ぁ↓原子力事業者への責任の集中、L妓太嫻ぁ△世修Δ任后従いまして、損害賠償請求をする際に、他の公害、薬害のように過失のある相手先を探して、その過失を立証する必要はありません。その損害が原子力損害であることを明らかにし、その損害額を証明して原子力事業者に全額を請求すればいいことになるそうです。

詳しい法律の内容は、リンク先を読んで下さい。

319. zyx — May 8, 2011 @01:51:51

>Kataseさん

http://diamond.jp/articles/-/12159Link

参考になるかもしれません

Up320. Katase — May 8, 2011 @06:41:58

zyxさん

低線量被曝の長期的影響についての見解は、前に詳しくコメントしています。 
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1303660138#CID1304235322Link

私は、繰り返しますが「100mSv未満なら全く安心」とか「ちょっとでも被曝したら取り返しがつかなくなって死んでしまう」という様な両極端な考えは良くないと思っています。
低線量被曝の長期的な影響については、特に妊婦や子供については判断に必要なデータが不足していて、「100mSv未満はグレーゾーン」だと捉えています。
長期にわたって低線量を被曝し続けた場合は、人によってはひょっとしたら将来影響がでるかもしれなくて、でもそれがどの様に現れてその程度がどれくらいになるかは良く分からないので、念のためなるべく被曝しない様に用心しておいた方が無難だと思っています。
一方で同じ状況でもあってもほとんど影響が出なくて、全然平気な人達もいるかと思います。

また、放射線被曝に関するリスクとベネフィットの考え方は、これも以前のコメントで紹介した江川紹子さんの記事が参考になると思います。
http://www.egawashoko.com/c006/000330.htmlLink

321. ごんべえ — May 8, 2011 @07:39:44

Kataseさん
> 損害賠償請求をする際に、他の公害、薬害のように過失のある相手先を探して、その過失を立証する必要はありません。

過失を立証する必要が無いことで確かに半歩証明が楽になるでしょうが、「後日発症する放射線障害」は因果関係が証明できずに放置される可能性があることは留意したほうがいいと思います。(リンク先、津田さんの文には書いてありますね)

322. maruhana — May 8, 2011 @08:00:36

何度もいうようですが、官僚や政府に期待しても無駄です。
議論が成立しません。

放射線は、舗装面でしかも地表からかなり高いところで測定しています。(舗装面の放射性セシウムはかなり雨で流される)

数値を低く抑えたいのが見え見えです。
彼らの場合、結論が先にあって都合のよい理屈を後から付けるのが常套手段になってます。

現場が動くしかありません。
なるべく早く。

323. disraff — May 8, 2011 @08:03:54

http://www.nsc.go.jp/mext_speedi/index.htmlLink
にある(2)のグラフですが、内部被曝臓器等価線量の評価が外部被曝等価線量に対して全体的に50〜100倍程度大きいのは、例えば

・ヨウ素なので甲状腺に集約する
・外部被曝は成人、内部被曝は1歳児への影響として評価している

から、でしょうか。
外部被曝から内部被曝に転じる係数をどう見積もっているのか…などのシナリオも絡むだろうし、値の意味が掴みにくいですね。見つかりやすい場所に、もう少し詳しい見方の解説があって然るべきではないかと。
特に騒がれていないということは、ワーストケースを超えてほとんどあり得ないような想定に基づく換算値なのかも知れませんが。しれっと載っけるだけで済ませて良い結果ではないように思えます。

324. Katase — May 8, 2011 @09:52:37

ごんべえさん

>過失を立証する必要が無いことで確かに半歩証明が楽になるでしょうが、「後日発症する放射線障害」は因果関係が証明できずに放置される可能性があることは留意したほうがいいと思います。(リンク先、津田さんの文には書いてありますね)

水俣病の時などは、病気の原因がそれと関わっているかの認定がなかなかできなかった人達もいましたね。
私は、実はそれも念頭にあって、  
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1303660138#CID1304528756Link  
で書きましたが、どれだけの放射線を受けていたか推定できる様に、記憶が薄れてしまう前に行動記録を付けておくといいのではないかと思います。特に放射性物質が多く飛散していた3/15以降の記録はあった方がいいでしょう。

disraffさん

1歳児の甲状腺等価線量と成人などとの違いについては、 
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1303660138#CID1303661418Link
で既に紹介して解説してあります。乳幼児=1歳児かと思います。

多分(解釈が間違っていたらすみません)、空気中に飛散した放射性ヨウ素の量を算出して、これを1歳児が通常の呼吸の量分だけ吸い込んだとして計算しているのではないかと思います。仮に24時間外に出ずっぱりとして計算しているのでしたら、実際は屋内で過ごす時間もあるので、かなり多めに見積もっていると思います。ただし、最も影響の出やすい乳幼児の甲状腺の病気を警戒するのに参考とする指標としては役に立つのではないかと思います。

成人の外部被曝は最も影響が少なく算出されます。
最も大きい影響のでる「1歳児甲状腺の内部被ばく等価線量」と最も小さい影響のでる「成人の外部被ばくによる実効線量」の両方を並べることで影響予想の参考として出しているのだろうと推測しています。

Up325. Katase — May 8, 2011 @11:12:22

補足

>これを1歳児が通常の呼吸の量分だけ吸い込んだとして

「この放射性ヨウ素を含んだ空気を」1歳児が通常の呼吸の量分だけ吸い込んだとして、です。

それと、環境放射線モニタリングに使われている方法の具体的な説明は、
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1302167315#CID1302674780Link
でも既に紹介してありました。
吸入摂取についても記載されています。

・原子力安全委員会−「環境放射線モニタリングに関する指針」
http://www.nsc.go.jp/housya/housya198903.pdfLink

P40 線量の推定と評価法〜このページから解説があります。
    
P45
〔表L − 2〕1 B q の放射性ヨウ素を経口又は吸入摂取した場合の幼児及び乳児の実効線量係数
〔表L − 3〕1 B q を経口又は吸入摂取した場合の成人、幼児及び乳児の甲状腺の等価線量に係る線量係数

326. yamaguchi — May 8, 2011 @13:04:03

> maruhana ― May 8, 2011 @08:00:36 さん

> 何度もいうようですが、官僚や政府に期待しても無駄です。

少しは同意しますが勿論、これは別なテーマです。

> 放射線は、舗装面でしかも地表からかなり高いところで測定しています。(舗装面の放射性セシウムはかなり雨で流される)

広域のマップを作成する目的であれば、均質な環境下で計測するので、これが間違っていると断言はできません。

> 数値を低く抑えたいのが見え見えです。

従って、安易に結論に結びつけるのは早計です。計測者に目的を確認されたのでしょうか。
計測者自身が被曝のリスクを負っているのだから、そうであれば計測を拒否するでしょう。
数値を低く抑えたいなんてのは、発表時に細工すれば良い事で・・・(良くないですが)

327. じゃん — May 8, 2011 @13:44:13

諸外国の諸機関まで入り込んでる状況で
「放射線量を低めに見積もってごまかす」とか
ほとんど不可能じゃないですか?
だいたいそんなちょっと他の人が調べればわかる嘘付いて
だれが得するのかと・・・?

328. 憂鬱亭 — May 8, 2011 @14:03:48

また情報提供です。

空間放射線量は舗装面の上で測っているところが多いですが、
雨が降っても、あまり値は変わりません。
これは、事前に予想されていたことと、少し異なっているようです。

また、測る場所については、県がHPで毎時公表しているのは
一計測地に付き一箇所のようです。

県が公表した数字のうち、学校の放射線量については、
校庭の四隅と中央で計測した数字の平均値のようです。

諸外国の機関?
グリーンピース以外が地表面を測りに来た話は聞きません。
グリーンピースの調査は各所で断られたようです。
その他の外国の機関としては、
米軍が上空から計測した数字があるようです。

以上、情報提供でした。

329. disraff — May 8, 2011 @16:04:07

Kataseさん、
ありがとうございました。繰り返しお手間をとらせてすみません。
吸入と経口でほとんど甲状腺への実効線量が変わらないとは、正直予想外でした。

Up330. Katase — May 8, 2011 @16:10:04

SPEEDIによる被曝量予想地図の出し方は、次の資料に詳しく手順などが記載されていました。

「緊急時環境放射線モニタリング指針」 
http://www.nsc.go.jp/housya/housya198406.pdfLink

P42〜 L.詳細計算法による予測線量等の分布図を用いた予測地図の作成

>中央情報処理機関において、主として原子炉施設等を対象にSPEEDIネットワークシステムを用いて予測計算及び図形作成等を行う。予測計算等は、実測された気象情報及びこれから予測された気象情報に基づいて行われる。このため、地方公共団体においては平常時からSPEEDIネットワークシステムにモニタリングポスト等のシステムを接続して、定常的に気象観測情報等を提供し、緊急時に備えるものとする。
計算結果は、通信回線を介して国、地方公共団体に配信される。地方公共団体にあっては、配信された各種計算図形の中から関連する情報を取り出し、予測線量の推定作業に使用するとともに、モニタリング実施地点の選定や避難等の防護対策を実施する地域を決定するための基本資料として活用する。

詳しい計算方法などは、本文を読んで下さい。

331. 砂の惑星人 — May 8, 2011 @17:21:59

> 憂鬱亭さん、

> 諸外国の機関?
> グリーンピース以外が地表面を測りに来た話は聞きません。

政府がIAEAの専門家の派遣を要請という報道がありました。
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20110315-OYT1T00186.htmLink

IAEAの専門家が測定をしたというIAEAのニュースがYouTubeに出ています。
http://www.youtube.com/watch?v=Ne-Ln_Tj3IM&feature=player_embedded#at=33Link

332. 佐々木(以下秘密) — May 8, 2011 @20:14:34

文部科学省が「じっけん」しました。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110508-00000023-jij-sociLink
「天地返し」です。(ワタシ的にはあんまりお薦めしたくない方法なんですが、郡山市での土処理の問題などを考えると、仕方ないかなとは思います。)

333. zyx — May 9, 2011 @00:25:51

 提言があります、ご参考にどうぞ。

  http://fukugenken.e-contents.biz/proposalLink

334. こなみ — May 9, 2011 @02:00:05

毎日のサイトに「天地返し」について具体的な数値も含めて書かれていますね。


http://bit.ly/j97TtxLink

=====================================================
 福島大付属幼稚園で行われた調査には、独立行政法人・日本原子力研究開発機構の職員約20人が参加。園庭に約80センチ四方の二つの穴を約50センチまで掘り、一つの穴から別の穴に、表土を下の方に、底の土は表面に入れ替えるように移した。入れ替え前の表土の放射線量は毎時2.3〜2.1マイクロシーベルトだったのに対し、入れ替え後の表面は同0.2マイクロシーベルトまで低下した。

 園庭の砂場や、隣接する同大付属中校庭では、深さによる放射線量の変化を調べた。表土で毎時2.0〜1.7マイクロシーベルトだった放射線量は、約20センチの深さになると同0.2〜0.1マイクロシーベルトまで低下することも分かった。
=======================================================

セシウム137 が表面付近5センチ以内にあったとして,それを底に置いて45センチの土で遮蔽したというわけです。それで1/10に減少した。あるいは別の試験では20センチでその程度の減少ということのようです。

もっともこれは動かす土の量が半端じゃないという気がします。重機で大きな深い穴を掘っておいて,そこに表層数センチの土を放りこんでしまうほうが施工的には簡単ではないかと思います。

いずれにせよ,こんなふうにローカルな「客土」で,土そのものを遮蔽に使うやり方なら,コストも膨らまず,しかも有効ということで,現実的だと思います。

Up335. SF物理マニア — May 9, 2011 @09:44:23

>#297. SF物理マニア — May 6, 2011 @13:43:12

本件、補足です。
通常稼動時CO2がどれだけ放出されるかを簡単に計算してみました。
海水温度が10°C付近では、温度が10°C上がるとCO2の海水1Kg当たりの濃度が0.02mol程度減少します。
100万Kw発電量の場合、余剰熱量が233万Kwになり、この冷却によるこれによるCO2放出量は、861Kg/s程度になります。1年でが25Mton/yとなります。半端な量ではなく決して無視できる量ではありません。

原子炉停止直後の熱量は、全出力333万Kwの7%程度になりますがこれも23万Kw程度であり、無視できる量ではありません。

336. com — May 9, 2011 @11:49:59

こんにちは。 
 
SF物理マニアさん、 
無関係なコメント欄で自慰なんぞしとらんで、よそでやってください。 
#あ、たとえよそでやったとしても、comやe10goさんに反論できた、ということにはならないですよ。 
##だから、「温暖化懐疑論批判」トピで批判されてたってこと、理解できないのかな(笑

337. outsidervoice — May 9, 2011 @12:00:11

こなみ様

「部分深耕」は検討されていなかったようですが、明らかにそちらの方が、作業時も作業後の管理も効率的なので、そのように進むのではないかと思います。

農地への応用にも期待しています。

338. こなみ — May 9, 2011 @16:10:27

outsidervoiceさん: May 9, 2011 @12:00:11

> 「部分深耕」は検討されていなかったようですが、明らかにそちらの方が、作業時も作業後の
> 管理も効率的なので、そのように進むのではないかと思います。

ツイッターを見ていると,報道されたやり方の有効性をまったく理解せずに,「そこに置いておくのはけしからん」,「ずっと残るじゃないか」,「集積したら危険だ」といったコメントが沢山見つかります。それを意識してコメントしておきます。

敷地内で土を入れ替えて,汚染土を地表より深いところに入れて,50センチ程度の非汚染土で覆えばよいだろうというのが,8日の幼稚園庭で得られた知見です。問題は「その後どうなっていくか?」,「集めても危険はないのか?」というあたりですね。

「その後」については,施工後そのまま放置してもよいだろうかという疑問が最大のものでしょう。ここでは場所が比較的乾燥したところであろうという前提でいけば,土壌粒子と結合したセシウムイオンはそう簡単には動かないだろうと予想できます。また降水によって溶け出して動くときにも,土壌深部ではきわめてゆっくりした移行しか起きません。その意味では安定した状態が保たれると思います。もちろんモニタリングは必要ですが。

「その後」の問題はもう1つあって,学校の敷地に限らず土地利用は10年単位で変遷するものなので,それに対応できるようにしておかないといけないわけです。たとえば教室の建て替えといったときに,基礎工事のために掘り返そうとしたら50センチ下の層を表土に混ぜることになりかねないというのでは困る。
そのことを予め想定するならば,汚染度は1箇所の深い穴に放り込むべきという私の持論になるわけです。

そしてセシウムの半減期30年を考えて,1/10にまで線量が落ちるための時間である100年の間,安定して管理できればいいわけです。もちろん楽な話ではないですが,あまり策を弄しないパッシブな手法こそ安定な管理に向いています。言ってみれば「この下は掘るべからず」という100平米ほどの区域を設けるだけですから。

「集めたら危険だろう!」というクレームについては,それは間違いだということは押さえておかないといけません。もともとの表土からの線量にある係数(多分数倍から最高10倍程度)をかけた強度以上には,いくら分厚く汚染度を集めても増えないのです。これも実験してほしいところなんですが。ですから,その上に50センチ程度の土を掛けてしまえばいいわけです。

校庭の管理については,もうひとつ降雨時の水をどうコントロールするかも問題。流れが集まる樋の下とか排水溝での計測は非常に重要と思います(実際これまでの測定でそういった場所では高い線量が観測されています)。しかし,最終的には拡散しながら流出していくはずで,油断無くモニターしながら,場合によってはポンプアップすべきかどうか,とにかく薄めて流し去るべきか,具体的な検証が必要です。もうすぐ梅雨ですから早めに手を打ってほしいところです。

> 農地への応用にも期待しています。

うーん,これはまた別の問題を含んでいます。まず,農地は灌漑によって多量の水を供給されますし,水田ならなおさら。セシウムイオンは運動場と比べて遙かに動きやすいでしょう。だったら積極的に除去するほうがよいかも知れません。一方,子どもが毎日遊ぶ場所ではないので,線量の基準はもう少し緩くてもよいという判断もありうるでしょう。

339. captnemo — May 12, 2011 @10:43:16

毎日JP(電子版)

http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110512ddm041040158000c.htmlLink
:校庭の土汚染、99%低減可能 文科省が原子力安全委に報告
によると
==引用開始==
 東京電力福島第一原発事故で放出された放射性物質による福島県内の校庭の汚染について、文部科学省は11日、有効な線量低減策として、表土と下層の土を入れ替える方法と、削った表土を1カ所に埋める方法の2通りを内閣原子力安全委員会に報告した。安全委はいずれにも一定の効果があるとしている。文科省は12日以降、同県教委等を通じて各学校に低減策を通知するが、実施するかどうかや、どちらの方法を選ぶかの判断は各学校に委ねるという。
 同省などが、8日に福島市内で実施した調査によると、放射性物質は表面から地下5センチ程度までの間に分布。土を入れ替える場合、10センチまで削った表土を深さ50センチの土と入れ替えると、表土の線量が約1割に下がった。校庭の1カ所に深く掘った穴に、削った表土をまとめて埋める方法では、穴をふさぐ土を踏み固めることで、遮蔽効果が向上。厚さ40センチなら線量は99%低減できると試算している。
 こうした対策にかかる費用について、笹木竜三副文科相は11日の会見で、国が全額または一部を補助するよう検討する考えを明らかにした。
==引用終わり==

見出しの「99%」は、穴に埋める方。「こっちの方法がいい」といわないのは、なぜでしょうか。ただ「試算」というのが気になるところです。40センチメートルでの調査はしていないということでしょうか。
「踏み固める」のは、白鵬にお願いするか、同県出身の朱雀、または栃東親方にお願いするのが、いいのではないかとおもいます。白鵬はモンゴルの再処理施設の地鎮祭にとっておく、という手もあるかも。

Up340. 門前の小僧 — May 12, 2011 @23:33:30

Kataseさん
ncmさん

【Kataseさんのコメント】
> 私の見解としては、既に書いたように政府がこれまで未公表だったSPEEDIのデータを「実はありました」ということで一度存在を否定してから出してきた事が、「やっぱり隠してしたのだ」という思いを持たせてしまったのは良くないやり方だったろうと思います
【NCMさんのコメント】
> 原子力安全委員会は、実際には、事故直後から、自分たちで、山ほどシミュレーションを行って、有用なデータを蓄積しておきながら、そのあまりにもの深刻な内容から、公表すればパニックは必至であると判断して、対外的には、「システムに不具合があった、そのようなデータは一つもない」などといって、データの存在すらを隠していた ― これを「ウソ」といわずして、なんというのでしようか? 国民のパニックを心配したありの親心であった、とでもいうのでしょうか?

これについて、私は「ウソ」や「隠蔽」でなく、SPEEDIというものの定義とか捉え方のズレの可能性を考えています。


http://www.47news.jp/CN/201105/CN2011050201000151.htmlLink

上記の記事は既にご承知かもしれませんが、私はこれを見て、原子力安全委員会は「SPEEDI」をERSSと不可分なもの(ERSSの出力データを入力として、初めて目的通り動いたと言える物)と考えていたのではないかと思いました。
そうであれば、ERSSと不可分な「SPEEDI」は「システムに不具合があった」のもその通りですし、ERSSの出力を入力データとした「SPEEDI」のシミュレーション結果も無いわけですから「そのようなデータは一つもない」というのも間違いでは無いと言えます。

・システムとして不可分なものという硬直的な考え方自体がお役所的で良くない
・データを無いと言った対応によって政府に対する不信感が増大した
という批判もあるかと思います。私もその通りだと思います。また、結果の公表がパニックにつながる事を懸念する部分も正直あったのでは無いかとも推測します。しかしながら、それを「ウソ」「隠蔽」というのは言い過ぎだと思いますし、この一事を持って、「公式情報の信頼性」が全く無いと判断するのも早計では無いかと思います。

普通の会社でも、技術的に細かい部分についてはバッサリと要約して上に報告する何てことは普通に行う事です。
仮に私がこのシステムの技術担当者だったとして、シミュレーションの事を良くわかってない上司から「予測を行うために作ったSPEEDIは動くのか?動かないのか?」と問われたとしたら、その上司が期待するのはあくまで信頼に足る予測が出せるかどうかであると判断し、「現時点ではまともに動きません」と答えると思います。


「システムに不具合があった、そのようなデータは一つもない」という発言の一次ソースを見ていないので、上記の私の推測が的外れであれば、ご指摘ください。

繰り返しになりますが、「データを無いと言った対応によって政府に対する不信感が増大した」というのはその通りであり、もっとうまいやり方があったのではという点にも異論はありません。

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