(cache) 原発周辺3キロに避難を指示 初の原子力緊急事態宣言 - 47NEWS(よんななニュース)
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  • 原発周辺3キロに避難を指示 初の原子力緊急事態宣言


     東京電力の福島第1原子力発電所の(左から)4号機、3号機、2号機、1号機=2008年10月、福島県大熊町

     政府は11日夜、東北・関東大地震の影響で自動停止した福島県の東京電力福島第1原発の1、2号機で、外部からの電力供給が失われるなど緊急に対策を講じる必要があるとして、原子力災害対策特別措置法に基づく初の「原子力緊急事態宣言」を発令、現地対策本部を設置した。

     同原発1号機では原子炉格納容器内の気圧が上昇し、東電ではさらに気圧が高まった場合は、原子炉建屋を通じて周辺に排気することも検討している。

     枝野幸男官房長官は同日夜、同原発から半径3キロ以内の住民は避難し、3キロから10キロまでの住民は屋内に待機するよう指示したと発表した。

     枝野氏は記者会見で、「(同原発の)炉の一つが冷却できない状態になっている。放射能は炉の外には漏れていない。今の時点で環境に危険は発生していない」と述べた。

     経済産業省原子力安全・保安院によると、東電から同法に基づく通報があった。外部電力の供給が止まった後、非常用ディーゼル発電機が起動せず、緊急炉心冷却装置(ECCS)が作動できない異例の状態になった。

     電気を必要としない一部冷却系も、弁が動かないため炉心を冷却できないという。非常用電源車を派遣し復旧を目指した。仮に炉心の水位が下がって燃料棒が露出するようになると、燃料棒が過熱して損傷、放射性物質が放出される恐れがあるという。

     保安院によると、このほか、宮城県の東北電力女川1~3号機、福島第1の3号機、福島第2の1~4号機、茨城県の日本原子力発電東海第2でも地震の揺れを検知して原子炉を自動停止した。自動停止した原発は計11基。周辺のモニタリングポストなどに異常はなく、放射性物質などは検知されていない。

     原子力災害対策特別措置法は1999年9月の東海村臨界事故を機に制定され、原子炉の正常な機能が失われたり、異常な放射線量に達したりした場合は、首相が緊急事態宣言を出して対策本部を設置する。

      【共同通信】