アメリカの元政府高官や北朝鮮の研究者などで作るNGOが、北朝鮮による拉致の被害についてまとめた報告書を発表し、これまでに拉致された人は、日本や韓国のほか、タイやヨルダンなど、14か国の18万人余りに上ると指摘しました。
この報告書は、アメリカの元政府高官や北朝鮮の研究者などで作るNGO「北朝鮮人権委員会」が、各政府の情報のほか、帰国した拉致被害者などからの聞き取り調査を基にまとめ、12日、発表しました。それによりますと、拉致された人は、日本政府が認定した17人に加え、政府認定以外のおよそ100人、韓国やタイ、ヨルダンなどの拉致被害者、さらに朝鮮戦争の捕虜およそ8万人や、帰還事業で日本から北朝鮮に渡り、その後出国が許されない9万人余りを含め、14か国の18万人余りに上ると指摘しています。そのうえで報告書は、アメリカ政府に対し、北朝鮮を再びテロ支援国家に指定すべきだとしています。日本から記者会見に出席した、拉致被害者の家族会の事務局長、増元照明さんは「英語でこうした優れた資料がまとまり、うれしい。これをきっかけに解決を求める声が強まってほしい」と話していました。