長友好守でインテル決勝進出

　【ミラノ（イタリア）酒巻陽子】イタリア杯は１１日、当地で準決勝第２戦の１試合を行い、日本代表ＤＦ長友佑都（２４）が所属するインテルミラノがローマを退け、決勝進出を決めた。ＦＷエトーのゴールで先制したインテル。追いつかれて１−１で引き分けたが、２戦合計２−１で勝ち上がった。長友は公式戦２戦ぶりに先発復帰し、左サイドバックでフル出場した。２連覇を懸けた２９日の決勝ではパレルモと対戦する。

　念願の欧州初タイトル獲得に向け、長友が決勝進出に貢献した。引き分けでも勝ち上がりが決まるとあって、守備に注力した背番号「５５」。優れた状況判断で中央を固め、好守を披露した。後半１８分には相手の右からのクロスを的確なポジショニングで封じ、同３３分にもピンチを防いだ。体を張った献身的な守備でスタンドから拍手を浴びた。

　６日夜に発熱。嘔吐（おうと）と下痢も伴って７日のリーグ戦を欠場したが、早い回復で大事な一戦に間に合った。「（発熱などの症状は）一日で治った。前日練習に参加しただけできょうはつらかった」と長友。「先発で起用してくれて信頼も感じるし、レオナルド監督のために勝ちたいと思ってプレーした」と気力でコンディション不良を乗り越えたことを強調した。

　指揮官もメディアも、そんな闘志満々のプレーぶりを称賛した。「セルフコントロールができるようになり、警告を受けるようなファウルがなくなった。上出来」とレオナルド監督。翌日のガゼッタ・デロ・スポルト紙はエトーとともにチーム最高の６・５をつけ、「攻守ともいいタイミングで動いた」と高く評価した。

　決勝は一発勝負。長友は「勝つしかない。ビッグクラブは優勝を求められているし、インテルである以上、優勝しなければならない。僕は優勝しか考えていない」と力強く必勝を誓った。