震災後の海おんなのブログ

到着すると、親戚のもとに行き、情報を求めた。
避難所は何ヵ所もあり、さらに民家に避難している人もいるらしい。
状況は最悪の言葉しかなく、まだ配給や支援物資が来ていないことにビックリした。
原因はいくつかあったと思うが、市役所の半分以上の人が行方不明か死亡していることや、避難所に避難したがそこも津波で流されてしまったので、決められた避難所はほとんど無くなってしまったこと、それによって仮の避難所に人が片寄って集まってしまったこと。もっといろいろ。
避難所をすべて回って見ることにした。その日に全部回れなくても、出来る限り回りたかった。
最初に行った避難所は凄かった。
老人ホームだったが、不潔だった。あまりにも避難してきた人が多すぎて入居者と被災者が一緒にいて靴を脱いでも廊下は土だらけだった。
常に汚物の臭いが充満し、原因はポータブルトイレの数が足りず、糞尿が溢れているのだった。
それでも職員は足りず、支援は来ず、泥だらけの人が廊下に横たわってじっとしていたり、座ってボーッと空をみていた。
これが一週間たってもこの状態なのか、とショックだった。
着の身着のまま逃げた人がほとんどで、盗難が後を絶たず、特に入居者のものを取っていくらしいが、警察も自衛隊もいなく、携帯も通じないため、電気も来ていない夜は、盗まれていてもどうもしようがないのだった。
何か起きても助けが来ないのは本当に恐怖だった。

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