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2011-05-04 19:57:00

手続きと火葬

テーマ:震災
おじいちゃんが見つかったからといって感傷に浸っている暇はなく、火葬しなければならなかった。
腐敗が進む前に、というのもあったが、車で3時間以内で行ける火葬場はどこも一杯で、日にちと時間が決められ、キャンセル不可だった。
8:30~終わり次第で、何十件あるのか、数えられなかった。
おじいちゃんは車で2時間程の火葬場だった。
事情が事情だからしょうがないのかもしれないけど、棺は火葬場までトラックで運ばれた。
しかも、あと2つ、棺を乗せていくのだという。
普通に見たら木材を運んでいるトラックに見えるかも。
火葬場に着いても慌ただしく、焼くのも普通1時間半から2時間かかるのを1時間以内で終わらせた。
いつもより高温で焼いていると言っていた。
もちろん喪服を来ている人はほとんどなく、骨も2.3個取るとあとは係りの人が、という感じで後ろには次の人が待っているのだった。
帰ってきてもボーッとしていて、でもなんだかホッとしたような気持ちになった。
その日は避難所になっている老人ホームに泊まらせてもらった。
そこは年齢層が若く、高校生などは今時の格好をしているのだか、進んで手伝い、お粥に焼き鮭をまぶした、ほとんど味のない食事を普通に食べていた。それ以外のおかずや菓子類はもちろんなく、水のペットボトルだけがあり、それを飲むか、繋がらない携帯をいじっているかのどちらかをしていた。1日2食で、夜は、パンかおにぎりが出るらしいが
それも残しておいて、お腹がすいたときに食べると言っていた。
それよりも気になったのは、壁に張られている紙であった。
それには、車種とナンバー、特徴(フロントガラスに白いふわふわがある、とか)そして車場荒らし、女性注意等と書いてあり、聞くと、普通に1週間以上お風呂に入っていないので、お風呂に連れていってくれるという人に若い女の子が乗せられて行ったら、6人ほどの男の人がいて...という話である。
ここは日本なのか、と思う話である。嘘みたいな、嘘であってほしい話である。
それでも同情してくれる人はいても、連絡する手段はなく、歩いて行くには遠すぎてホントに泣き寝入りである。
早くここから逃げ出したいと思った。
ホントに怖かった。



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