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【社会】

圧力容器底に数センチ相当の穴 冷却水、外部に大量漏れ

2011年5月12日 21時53分

 記者会見で原子炉圧力容器の模型を使って冷却作業などを説明する東京電力の担当者=12日午後、東京・内幸町の本店

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 福島第1原発1号機の原子炉圧力容器で燃料が水面から完全に露出し、溶け落ちたとみられる問題で、東京電力は12日、圧力容器の底に落ちた燃料の熱で配管の溶接部が溶けて複数カ所で小さな穴があき、合計すると直径数センチに相当すると明らかにした。燃料は大半が溶け落ちたとみられる。

 これまでの計1万トンに上る注水量に見合う水がたまっていないことから、東電は水が底の穴から外側の格納容器へ漏れ、さらに格納容器やその下部の圧力抑制プールからも原子炉建屋やタービン建屋に大量に漏れているとみており、漏出場所を調べる方針。

 1号機では格納容器に水を満たして冷却する「冠水」作業を進めていたが、水漏れを受け東電は見直しに着手。事故の収束に向けた工程表の公表から1カ月となる17日に作業実績を踏まえて工程表を再評価した内容を発表する予定で、そのときまでに対策をまとめる。

 冠水の見直しは具体的に、毎時約8トンの注水量を増やして水位を上昇させたり、水を循環させる新しい冷却システムのため格納容器から水を取り出す場所を変更したりすることを検討している。

 圧力容器はカプセル型で、直径約4・8メートル、高さ約20メートル、容量は約360トン。現在の圧力容器内の水位は高くても底から4メートルで、燃料の本来の下端から50センチ以上低い。圧力抑制プールを除いた格納容器は容量約3410トンの丸底フラスコ型。東電は、水位は圧力容器の底より低いとみている。

(共同)
 

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