九州電力は10日未明、川内原子力発電所1号機(鹿児島県薩摩川内市)の運転を停止し、定期検査に入った。定期検査後、運転再開を延期している玄海原発2、3号機(佐賀県玄海町)と併せ、これで九州の原発6基中3基が同時に止まった。3基停止は2001年4-6月以来。運転停止が長引けば夏場の需要期に供給力が足りなくなる恐れが出ている。
川内1号機の検査期間は通例と同じ約2カ月。燃料取り換えなどを行い、7月下旬の再起動、8月中旬の通常運転復帰を予定しているが、九電は「運転再開には(玄海と同様に)地元の理解が必要」としている。
これに対し、鹿児島県の伊藤祐一郎知事は同日、運転再開について「国の責任ある立場の人が地元で安全性を説明するのが必須の条件」と述べ、政府が直接、現地で住民に説明する必要があるとの認識を示した。記者団の質問に答えた。
伊藤知事は「どう再稼働させるかが問題。国で責任を持つと思うので、推移を見守って判断したい」と語った。
一方、佐賀県の古川康知事は同日、玄海原発再稼働の理解を得るため、海江田万里経済産業相が同県を訪れる意向を表明したことについて「いきなり大臣ではなく、(玄海原発の)緊急安全対策をどう評価したのか説明を聞きたい」と述べ、経産相との会談に先立ち事務レベルの協議を求めていく考えを示した。県庁で記者団に答えた。
また佐賀県議会は10日、会派代表者による世話人会を開き、玄海原発の安全や防災対策、エネルギー対策を議論する「原子力安全対策等特別委員会」を設けることで合意した。正副議長を除く36人全員で構成。同日開会した臨時会最終日の12日、本会議での議決を経て設置される。
=2011/05/11付 西日本新聞朝刊=