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仲間見つけてやりたい 住民が自主捜索「諦めぬ」 石巻

地元の行方不明者を捜し続ける追波地区の住民=7日、石巻市北上町

 宮城県石巻市北上町追波(おっぱ)地区の住民が、東日本大震災の大津波で行方不明になった人たちの捜索を続けている。地元消防団は既に捜索活動を打ち切ったが、住民たちは「地域の仲間を何とか見つけ出したい」と諦めない。震災から2カ月たったいまも、避難所から被災現場へ通い続ける。
 市北東部の追波地区は北上川に面する。震災では川を逆流した津波により、76戸のうち73戸が流された。約40人が死亡、8人が行方不明となっている。地区住民は4月末に総会を開き、震災後3カ月間は不明者の捜索を続行することを決議した。
 大槻宏さん(78)は7日の捜索に参加した。住民約20人と共に津波の水が残る水田を歩き、棒でがれきをかき分け不明者を捜した。義理の娘(43)が4月に遺体で見つかった後も、週に4回ほど参加する。
 大槻さんは言う。「友人の妻と孫娘がまだ見つからねえのさ。うちの孫とよく遊んでもらった2人だ。何とか見つけてやりたい。年寄りにはきつい作業だが、自分の家族が見つかったから終わりでは冷てえだろ」
 地元消防団は4月、団員に被災者が多く、生活再建に取り組む時間が必要であることを考慮し、自衛隊との大規模な集中捜索などを除いて活動を終了した。
 独自の捜索に加わる住民もほぼ全員が被災者。避難所の北上中で避難生活を続けながら、仕事が休みの日など各人が参加できる時間に、数人ずつのグループに分かれて捜索に出向く。
 追波地区会長の佐々木勝典さん(68)は「みんな一緒に暮らしてきた仲間。冷たい水や土の中から出してあげたい。地域だけでも納得いくまで捜索を続けるつもりだ」と語った。(酒井原雄平)


2011年05月12日木曜日


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