杏野はるなの日常。

はるなは15歳で気がついた。アイドルは無理をするのが仕事、無理をさせられるのが仕事だと。 だから、15歳でそれに気がついてからは等身大で過ごしてきた。ドカンと売れようなんて思わない、普通に食べていけるくらいでいい。 漫画のバキで言う所の、「俺は地上最強なんて目指していない、親父よりちょっと強ければ良い」の感覚。

特別な職業に見えても、実はアイドル、という仕事だから。 自分自身にウソをついて無理をして、無理なオファーを事務所の為に受ける。はるなはそれはしない。自分自身の力を超える事をすると精神がおかしくなるから。 つまりは予想する「覚悟の量」なのです。プロレスラーが毎日の鍛錬、試合で、この技を受けた時のダメージは……。と計算できるようになるように、アイドルもこの仕事の精神的ダメージは？　と計算できることが才能の一つになります。

そんなストロングなスタンスを了解してくれてきた事務所さんにも感謝しています。

無理をせず、毎日毎日を勉強してすごしていたら、はるなくらいでも、今はゲームアイドルといえば、杏野はるな！ くらいにはなれました。

例えでいつも頭に浮かべるのは「刀職人」。毎日毎日美しい刀を作る為に、鋼鉄を叩いて叩いて少しずつ無駄な要素を削り、それでもまだまだと叩いて美しく固い刀を作る。それははるなが今やっている事と同じで、毎日毎日昔のゲーム雑誌を読んで、文化として認識していく。そして気がつけばすごい固まりになっている。一度道を外れたものは戻れる確率は非常に少ない。それはきっとスポーツの世界でも芸能界でも。　一度引退！　といって復活しても必ずすぐにまた引退し、そしてまた復活を宣言する。はるなはそれは嫌だ。

知り合いにはアイドルの子がたくさんいます。日本でいわゆるトップと言われるアイドルの友達もいますが、悩みを聞くと、幸せには見えない。大人との無理な付き合い、お金。そんな接待ははるなはしたことがない。それを実力だとは思わない。

テレビの豪華なセットの裏側がベニア板であるように。 これからは、等身大で生きる。 それが臭いものに蓋をしてきた日本が進むべき道な気がします。

また、●●アイドルとして活躍されていた上原さんのご冥福をお祈りいたします。
この件は飛び火する。しかしそれが芸能界なのかもしれない。

杏野はるな