高松赤十字病院(高松市)で、手術を受けた三木町の女性(当時53歳)が死亡したのは、医師らが適切な処置を怠ったためとして、遺族が日本赤十字社(東京都)に約1億4000万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審は11日、高松高裁(小野洋一裁判長)で和解が成立した。
1審・高松地裁判決(10年3月)などによると、女性は00年3月に同病院に右変形性股関節症で入院。担当医師は手術前に肺の血管が詰まる肺梗塞(こうそく)を予見していたが、術後に女性が脚のだるさなどを訴えても検査をしなかった。女性は4月5日に容体が急変し、翌朝、肺梗塞で死亡した。
遺族側代理人によると、高松高裁は、女性が「脚がだるい」などの症状を訴えており、医師は対処すべきだったと判断した上で、和解を勧めていたという。
1審は「治療義務を怠ったとは認められない」として遺族側の請求を棄却したが、遺族側が控訴していた。【広沢まゆみ】
毎日新聞 2011年5月12日 地方版