沖縄の人を「ごまかしとゆすりの名人」などと発言し米国務省日本部長を更迭された前駐沖縄総領事ケビン・メア氏が、14日付のインターネット動画インタビューで米国の学生が作成した発言録の自身の発言は、沖縄の「反基地運動」から影響を受け「歪曲(わいきょく)された」ものだと日本語で釈明した。県民への謝罪もなかった。ウォール・ストリート・ジャーナル日本版ブログサイトで公開された。発言を告発した学生や沖縄の現状を説明した関係者は「とても受け入れられない」と反発している。
メア氏は、特に問題視された「ごまかしとゆすりの名人」について「そういう言葉は使っていない」とした上で、発言録は「2カ月半後に作られた。信頼性はない」と主張。学生たちがなぜ歪曲したか分からないが「反基地運動と関わりがあったと思う」などと述べた。
メア氏更迭のきっかけとなる講義内容を明らかにした米アメリカン大学の学生の一人、トーリ・ミヤギさん(20)は「内容は正確で、大学の先生も認めている。メア氏の釈明は適切ではない。とてもショックだ」と話した。「不満があるとしても、発言は受け入れられない」との考えを示した。
名護市辺野古で学生を案内したヘリ基地反対協の安次富浩共同代表は「メア氏こそ、ごまかしの名人。学生たちのメモが事実と異なるなら更迭されなかった。うその上塗りでつじつまが合わなくなる」と話した。
高江の現状を説明した琉球大学の阿部小涼准教授は「釈明するのであれば(記者会見など)もっとオープンな場でやるべきだ」と指摘。「反基地運動の現場を見て歪曲したというのであれば、逆にもっと多くの人に現場を見てもらって認識をあらためてほしい。メア氏は一度も、高江には来なかった」と話した。
大田昌秀元知事は「学生は熱心に話を聞き、沖縄を学んで帰った。どちらが正しいのかはメア氏のこれまでの言動を見れば明らか。何をいまさらだ。コメントするにも値しない」とあきれた様子だった。