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【長野】

だぶつくガソリン 震災直後の品切れどこへ

2011年5月12日

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 東日本大震災の発生直後に、品切れが相次いだ県内のガソリンスタンド(GS)。震災から2カ月たって供給は安定してきたが、観光客の減少から消費量は低迷しており、一転して各店とも在庫がだぶついている。関係者からは「店舗間競争の激化で販売価格は下がるのではないか」との声も出ている。

 計画停電で貨物列車の運行が止まったことなどから、震災発生直後に県内GSへのガソリン供給は一時、完全にストップ。品切れや販売量を制限するGSも出るなど混乱した。県石油商業組合(長野市)は3月14日に記者会見し、ガソリンの買いだめを控えるよう求める異例の呼び掛けを行った。鉄道輸送の復旧とともに、同月下旬には供給が安定した。

 同組合の平林一修専務理事によると、大型連休中は観光客が少なく、県内の販売量は急減。供給が安定したこともあって「ガソリンはじゃぶじゃぶに余っている状態だ」という。

 県消費生活室によると、県内のレギュラーガソリン平均販売価格(今月9日現在)は、1リットル当たり154・6円。国際市場の原油価格高騰から、3カ月連続で150円台と高止まりしている。

 ただ原油価格はウサマ・ビンラディン容疑者殺害で中東情勢が安定するとの観測から、今月初頭から急落。一方、福島第1原発の事故で原発への不安が世界的に広がり、火力発電に使う化石燃料が値上がりするとの観測もある。

 平林専務理事は「不確定要素は多いが、しばらくは卸価格の乱高下が続くだろう。ただ消費量が減るので店舗間の価格競争が激しくなるのは間違いない」と、値下げ圧力が高まるとの見通しを示した。

 (大平樹)

 

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