松山市は11日、市の工事を巡る“裏金”捻出疑惑を受け、元請けの大手機械メーカーが市に提出した報告書で、公営企業局の男性課長(故人)ら市職員が01年、公共工事の元請けとなった同社担当者と会食し、特定業者の下請け参入や選挙応援を頼んだ疑いが指摘されている、と発表した。市は「事実ならば、職員倫理条例などに抵触する可能性がある」として調査する方針。
メーカーの報告書によると、同社が指名競争入札で雨水排水ポンプ場改築工事を受注した後の01年12月ごろ、同社担当者が市内の飲食店で課長らと会食。課長から「(今回の入札は)指名業者としたが、今後は悩んでいる」と“指名外し”をほのめかされ、特定候補の選挙応援を依頼された。別の職員からは、同社が下請けに販売手数料を支払う確認をとった上で、特定業者の参入を求められた。そして既に業者が決まっていたため担当者は断った、としている。
市は、「報告書は抽象的ですぐに認めるわけにはいかない」として、選挙や職員名などは公表しなかった。【中村敦茂】
毎日新聞 2011年5月12日 地方版