松山市発注工事の孫請け会社を舞台に元市職員が関与したとされる「裏金」捻出疑惑に絡み、2001年当時の市公営企業局幹部ら市役所関係者が、元請け会社の営業担当者と会食し、特定の業者を下請けに入れるよう働き掛けた疑いがあることが11日、元請け会社が市に提出した調査報告書で分かった。市関係者が公共事業の下請け選定などで、業者に影響力を行使しようとする構図があらためて浮かび上がった。
元請け会社は県外の大手機械メーカー。03年8月に落札した「大可賀雨水排水ポンプ場機械設備工事」など工事4件に関し、同社顧問弁護士がまとめた調査報告書(一部非開示)や市側の説明によると、01年12月以降、営業担当者は当時の市公営企業局の男性課長(02年死去)から「会いたい」との連絡を受け、道後温泉街の料理店などで複数回会食。同席した「元市役所関係者」から下請けとして特定の業者を使ってほしいと要望されたと証言している。
元請け会社は既に下請け業者を決めていたことから要望を断ったが、担当者は「逆らうと指名業者を外される」と思い、その後も「元市役所関係者」らと複数回会食。ただ、工事代金に不明朗な金を上乗せするよう要求されることは全くなかったとしている。
裏金づくりに関与したとの証言が複数ある元市職員とこの「元市役所関係者」が同一人物かどうか、市は明らかにしていない。