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【大リーグ】

イチロー、上原 両者主役になれず 延長13回の激闘はオ軍が制する

2011年5月12日 紙面から

 【ボルティモア=ジョン・ヒッキー】あぁ、ヒーローになり損ねた…。マリナーズのイチロー外野手(37)は10日(日本時間11日)、オリオールズ戦で一時は逆転を演出するバント安打を決めるなど、6打数2安打で今季17度目マルチ安打をマーク。一方、オリオールズの上原浩治投手(36)は7回途中から緊急登板し、1イニング1/3を無失点に抑えて味方の逆転を呼び込むも、9回に守護神グレッグが同点に追いつかれたため2勝目が消えた。最下位同士の激突も試合は、4時間8分の延長13回の激闘。オリオールズが7−6でサヨナラ勝ちした。 (スポーツプレス・ノースウエスト記者)

◆疲労困敗借金4

 延長13回、試合時間4時間8分の激闘。地区最下位同士とは思えない熱戦に惜敗しては、さしものイチローも疲労困憊(こんぱい)だった。

 自身は奮闘した。2−3の7回2死一塁は、意表を突く三塁線バント安打でこの日2安打目。今季17度目のマルチ安打は、リーグトップのケンドリック(エンゼルス)をピタリ1差で追走だ。この絶妙打が連打の呼び水となり、いったんは4−3と逆転。1点を追う9回も痛烈なピッチャー返しで守護神グレッグの右足を直撃(記録は投ゴロ)し、走者を二塁に進めて同点をお膳立てした。

 それでも、勝てない。1点を勝ち越した13回は、その裏に守護神リーグが4安打を浴びて逆転負け、3連敗だ。「延長の心境? 想像の範囲だと…」。イチローはブツ切りの言葉に徒労感をにじませ、「これまでとは違う粘りを感じたのでは」と振られても「もう、疲れちゃって、そんなことは…」と首を振ると、体を引きずるように球場を後にした。

 ウェッジ監督も「両軍ともいい仕事をし、勝つチャンスがあった。勝機をしっかり生かせなかった」と目はうつろ。6投手を注ぎ込んだ末に残ったのは、4に増えた借金だった。

◆1イニング1/3無失点!

 上原もスクランブル登板で“奮投”したが、ぬか喜びさせられた。連絡ミスでほとんど肩をつくっていない状況で3−3の7回2死満塁から3番手でマウンドへ。「急きょですね。10球も投げられなかった。ちょっと予想していなかった」

 ここでいきなり緩い三遊間のゴロを三塁レイノルズがポロリ、これが内野安打となって1点を勝ち越された。

 「アンラッキー。結果がすべてなので、もったいなかった」。それでも上原の集中力が切れることはない。後続を断ち、続く8回も三者凡退に抑えると、味方打線がその裏に2得点で逆転。ベンチの一番前で見守った上原は、逆転のホームを踏んだスコットと大はしゃぎでハイタッチした。

 しかし、それもつかの間…。守護神グレッグが9回、スモークに同点の左前打を許し、上原の今季2勝目が目前で消滅した。ただ激闘の末にチームはサヨナラ勝ちで、連敗を4でストップ。背番号19は「疲れ方が全然違うので、勝って良かった」とトレードマークになったもみあげを満足そうになで上げた。

 

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