ベイ５連勝　１３７３日ぶり３位

　この勢いは本物なのか。横浜が際どく１点差の勝負をものにし、巨人を退けた。２００９年７月以来となる５連勝で３位に浮上。５月以降で３位は０７年８月７日以来１３７３日ぶり。「よく投手陣が粘ってくれた」。尾花監督は５回途中から６人でリレーした中継ぎ陣を勝因に挙げた。

　昨季までにはなかった勝ち方かもしれない。５回、先発ハミルトンが乱れ、投手の沢村に適時打を浴びるなどして３失点。逆転されて流れを渡したかに見えた。だが、今季の横浜はここからが違う。直後の６回２死走者なしから村田が右前打で出塁すると、続くハーパーが逆転の２ラン。「今年はみんなにつなぎの意識があるから２死からでも点が取れる」と指揮官。力の差が出やすい接戦を制し、確かな手応えを感じ取っている。

　ベンチからは威勢のいい声が絶え間なく出て、勝利への意欲が感じられる。尾花監督は「こういう戦いをやっていれば、上がっていける」。最大７あった借金は２まで減った。プロ野球史上初の３年連続９０敗を喫した弱小球団が今、少しずつ変わろうとしている。　（永山陽平）