11日、昭和三陸地震(1933年)の津波の教訓を伝える石碑が、岩手県大槌町の浪板地区で見つかった。震災後、連日捜し歩いていた同地区の漁師、大下敏彦さん(73)は「宝だ」と喜んだ。
高さ2メートルほどの石碑は震災前にあった場所から150メートルほど流されていた。「地震があったら津波の用心せよ」「津波が来たら高い所へ逃げよ」「危険地帯に住居をするな」といった教訓が読み取れる。
大下さんは「『おっきな石だぁ』ってだけで(震災前には)読んでない人もいるはずだ」と独力で捜していたが、がれき撤去をする自衛隊員らにも注意を呼びかけていた。石碑近くの自宅を流され、避難所で暮らすだけに「先人の教えを大切にするんだ」と笑顔になった。【山田奈緒】
毎日新聞 2011年5月12日 2時32分