風圧式オルガン修理の技で風力発電の特許
風圧式オルガンの修理に携わる京都府宇治市の男性が、プロペラ型風車と異なる仕組みで風力発電を行う技術を発明し、このほど特許が認められた。「風力発電で使われているプロペラ型は空気の無駄が多い」との思いが募り、わずかな空気も逃さず音に変えるオルガンの技術に触発され開発に挑んだ。試行錯誤の末に、「しつこいほど風を利用する」新しい発電技術にたどり着いた。
宇治市木幡でオルガン修理などを行う「ふたば楽器店」会長の加藤正治さん(72)。
三重県に出張した時、青山高原に並ぶ発電用の巨大な風車を見かけた。3枚の羽根が風の力で回転していた。「羽根と羽根の間は風が素通りしており、もったいない。オルガンのように空気をもっと有効活用できないか」と感じ、4年ほど前から開発に取り組んだ。
2009年2月に特許を出願し、今年3月に認められた。装置は、十字の形をした軸の棒に羽根が計4枚付いている。1枚の羽根が風を受けて軸を回す間、軸の反対側の羽根は風の向きに対して水平状態になり抵抗を受けない仕組み。4枚の羽根の向きは回転に連動して最大90度、自動的に変わる。
加藤さんは、ビル屋上などでも設置できる構造を考えている。「地球温暖化を防ぐため、風力発電を扱う企業にこの技術を使ってほしい」と呼び掛けている。特許料収入のうち、生活資金を除いた全額を東日本大震災の復興支援として寄付するという。
加藤さんの連絡先は携帯電話090(8753)0171。
【 2011年05月11日 15時19分 】
ソーシャルブックマークへ投稿: | Tweet | (ソーシャルブックマークとは) |