世界のグルメ情報を評価することで知られているフランスの「ミシュラン・グリーンガイド」。日本版も発刊されており、名店といわれるレストラン・ホテルが掲載されているのだが、このほど新たに韓国版(フランス語)が登場した。この韓国編にはなんと「犬肉料理の説明」が掲載されているというのだ。

ガイドブックは「犬肉という争点」というタイトルで韓国の犬肉料理を紹介している。以前、フランスのマスコミが「韓国人だけが、犬肉を食べる食習慣をもっている」と報道したことについて、「これは誤報だ」とした上で「ベトナムや中国などでも、食用として飼育された犬を食べる伝統的な食文化がある」と伝えている。

また「犬肉は夏バテの疲労回復に最適な料理」とし、「農夫らが種まきの後に、動物性脂肪やたんぱく質の摂取を必要としていた時代にさかのぼって考えると、犬肉の必要性が理解できる」と歴史的な部分にも触れているのだ。

その一方で、韓国を旅行するフランス人への注意喚起も忘れていない。「韓国でポシンタン(補身湯)やヨンヤンタン(栄養湯)、サチョルタン(四節湯)を注文する場合は、いずれも犬肉が使用されていることをご理解ください」と記載し、ただの栄養スープだと勘違いしないようにと付け加えている。

また、韓国国内でも犬肉を食べる文化をめぐり論争が巻き起こっているようだ。本書によれば、「政府のあいまいな政策や飼育、食肉加工の環境に怒りを露にする動物愛護家の存在、そして互いに異なる文化の権利主張など、さまざまな議論がなされている。消費者らは衛生面での規制を最も望んでいる」と、韓国の犬肉事情を綴っている。

犬肉問題をめぐっては、2002年の日韓共催サッカーW杯の際にも議論が白熱し、ついには国際サッカー連盟(FIFA)が韓国の犬肉を食べる習慣に対してクレームをつける事態に発展した。当時は、欧米の愛犬家や動物愛護団体が「犬を食する文化は理解できない!」として韓国政府に抗議を続け、FIFAに対しても「W杯を取りやめるべきだ!」とする団体も現れたのだ。

今回、世界的に有名なミシュランガイドに犬肉料理の説明が掲載されたことについて、「ミシュランが、動物保護に敏感なフランスの企業であるからこそ」という見方が強い。しかしながら、これを目にするフランス人たちはどう反応するのだろうか。食文化にうるさい彼らの動向が気になるところだ。

参照元:YONHAP NEWS(韓国語)