菅直人首相は10日、東京電力福島第1原発事故の原因などを究明する事故調査委員会を近く発足させることを表明した。一方、ノンフィクション作家の柳田邦男さんは首相会見に先立って同日開かれた参院経済産業委員会に参考人として出席し、「発生から2カ月が経過するのに、いまだに事故調査体制ができていないことは日本の特異な側面だ」と対応の遅れを批判した。
さらに「米国のスリーマイル島原発事故では、大統領がすぐに特別調査委員会を作り、利害関係者を一切排除して調査した。それに対し、過去の日本の事故調査体制は企業や行政幹部ら利害関係者がメンバーになり、『被告が裁判官席についている』との批判も出た」と述べ、調査委の構成にも注文を付けた。【関東晋慈、中西拓司】
毎日新聞 2011年5月10日 22時07分(最終更新 5月10日 22時09分)