'11/5/11
「また事故起きる」 漁師仲間が憤りや危惧
漁師親子の命が奪われた海上自衛隊のイージス艦「あたご」と漁船の衝突事故で、過失責任が問われた3等海佐2人を無罪とした11日の横浜地裁判決。公判で漁船側の過失を主張し続けた被告らの態度に、
ほぼ全ての公判を傍聴してきた治夫さんのおい、吉清祥章さん(21)。判決前に「(亡くなった)吉清さん親子がいないのをいいことに、言いたい放題だ」と不快感をあらわにしていた。
漁協の事故対策本部長だった
横浜地方海難審判所は2009年1月の裁決で「事故の主因はあたご側」と認定。漁師仲間は「結論は出た」と、刑事裁判を静観してきた。治夫さんと20年来の友人だったという漁師の
渡辺さんは、最近の漁場の様子について「事故直後は意識的に漁船を避けていた大型船が、最近は事故前と変わらない
漁協関係者によると、海自は事故後、艦艇の灯火を増やしたが、夜間に認識しづらい状況は同じで、恐怖感を訴える漁師は多いという。
「まだ親子で船で帰ってくる気がする」。近所の女性(70)は5月上旬、千葉県勝浦市川津の寺で、静かな海を眺めていた。毎日漁に出た太平洋が眼前に広がる寺に、2人の墓がある。墓は丁寧に清められ、親子の好物だった缶コーヒーと花が供えられていた。