JR大阪駅北側の駅ビルに、百貨店「JR大阪三越伊勢丹」と専門店ビル「ルクア」が4日そろってオープンした。朝から合計1850人もの行列ができ、開店時刻を45分繰り上げた。連休中とあって和歌山や姫路からも来店しており、商圏は近畿全域に及んでいるもようだ。両施設は初日だけで合計40万人の人出を見込んでいる。
1階の広場に開店前にできた行列は三越伊勢丹で950人、ルクアで900人に及んだ。午前4時30分から並んだ人もいたという。両施設とも午前10時の開店予定だったが、急きょ同9時15分に繰り上げた。
兵庫県姫路市から来たという24歳の女性会社員は、三越伊勢丹でさっそくアクセサリーを購入した。「みたい物がそろっていて、大阪に来る頻度が以前より高くなりそう」と話していた。
ファッションの伊勢丹という前評判が高かっただけに、女性からの期待は大きいようで、兵庫県宝塚市の川口麗子さん(64)は「東京らしい洗練された感じの店舗が近くにできてうれしい」と話していた。
一方で大阪市内に住む60代の主婦からは「高い年齢層向けの商品も少し増やしてほしい」との声も聞かれた。三越伊勢丹には「リ・スタイル」「イセタンガール」など流行を取り入れた売り場が多く、世代間のバランスも課題になりそうだ。
大阪駅の近隣には阪急梅田本店、阪神梅田本店、大丸梅田店と3つの百貨店がひしめいており、顧客がどう使い分けるかが焦点となる。
普段は大丸梅田店で買い物することが多いという大阪府豊中市の36歳の主婦は、「ここにしかない食料品があるのでいい。用途によって大丸と使い分けたい」と話していた。三越伊勢丹は洋菓子や総菜で関西初の店舗を多く入れており、これらも顧客が店を選ぶ際の基準となりそうだ。
初日はゴールデンウイーク中ということもあって、来店客は近畿全域に及んだ。和歌山在住の子供連れ夫婦は「南海電鉄だとなんばまでだが、JRを使えば大阪(梅田)まで来られる。これからも時々、大阪で買い物したい」と話していた。
JR西日本は今年3月のダイヤ改正で、宝塚や奈良、和歌山方面から大阪駅に向かう直通の快速列車を1時間2~3本から同4本に増やした。さらに土日祝日に運行する神戸線と京都線の「新快速」の車両を増やし、輸送能力を高めた。
JR西日本は子会社を通じてルクアを運営するほか、三越伊勢丹の運営会社にも出資している。商業施設の売り上げを底上げするとともに旅客収入を伸ばそうとしており、初日をみる限り同社の狙いはあたっているもようだ。
三越伊勢丹の伊藤達哉店長は4日記者団に対し、「伝統の三越、ファッションの伊勢丹と互いの個性を消さないようにした。ほかの百貨店とは違う独自性を出すことで評価してもらい、大阪から日本を元気にする一翼を担いたい」と語った。
ルクアの中山健俊社長は「(JR大阪駅の)東西南北に通路ができ、便利で魅力的な空間にできた」と述べ、駅の大規模改装との相乗効果に自信を見せた。(堤正治)
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