国会前の売春業者、名前変え営業続ける

初めての摘発では営業停止や閉鎖が不可能

 ソウル・汝矣島の国会議事堂から100メートルほどしか離れていない場所で違法な売春営業をしたとして摘発され「国会前のあの場所」として有名になったあんまマッサージ店が、看板だけ替えて営業を続けている。

 今月9日午前0時ごろ、国会議事堂近くの真っ暗なビル街の中に、Sあんまマッサージ店の看板が光っていた。この店は先月まで違う名前だった。店の関係者は「店名を変更し営業を始めてから1週間ほどだ。警察の取り締まりは心配しなくていい」と話した。

 この店では今年3月に警察の取り締まりが行われた際、買春行為をしたと疑われる客のクレジットカードの伝票約3600枚が見つかった。警察は、2009年5月以降にこの店に出入りした約2000人の男性に対し事情聴取を行う方針を打ち出した。汝矣島という地域の特性上、政界やテレビ局などの関係者の名前が浮上するのではないかとうわさされた。警察は近く、本格的な捜査に乗り出す意向だ。

 店の関係者は「警察に摘発される前と比べ客の数に変化はなく、従業員もそのまま残っている。木曜日と金曜日の夜は客が特に多く、1時間ほど待っている状況だ」と語った。インターネット上では「汝矣島のCあんまマッサージ店が名前を変えました。新たな出発に当たり、新たな気持ちで頑張っていくので、多くの皆さんの声援をお願いします」という広告が掲載されている。

 この店にある10室ほどの部屋では、約20人の女性従業員たちが、平均18万ウォン(約1万3000円)ほどの代金を受け取り売春行為をしている。ある女性従業員(24)は「取り締まりが来るときは『ソース(取り締まりの情報を前もって知らせる情報源を指す隠語)』がまず伝えてくれる。3月に取り締まりがあったのは、運が悪かったためだ」と話した。

 Sあんまマッサージ店が看板を替えるだけで営業を続けられているのは、初めて摘発された売春業者に対し、現行法上では「警告」や「是正命令」しかできず、営業停止や閉鎖が不可能となっているためだ。永登浦区の関係者は「あんまマッサージ店の店主が商号の変更を申請し、拒否する法的根拠がないため、変更を認めた」と話した。

クァク・レゴン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
関連記事
記事リスト

このページのトップに戻る