「潮力も風力も太陽光も全てダメ」(下)

環境団体、あらゆる発電所計画に反対

 環境団体の主張が間違っているわけではない。潮力は干潟を破壊し、風力は騒音問題、太陽光はパネル設置により森林が破壊される。原発は危険で、石炭や石油などの火力発電は大気を汚染し、水力発電は広い地域が水没する。このように環境団体が、さまざまな論理を掲げて反対の声を上げているため、従来の発電方式も新リサイクルエネルギーのいずれも「環境破壊の原因」となってしまった。専門家は「風力はこの団体の反対で難しく、太陽光はあの団体の反対でダメだ。このままでは国内で発電ができなくなってしまう」と指摘する。

 原子力発電は、韓国国内の発電施設全体の4分の1を占めるほど比重が高いが、環境団体にとっては反対運動を行う絶好の攻撃対象だ。すでに複数の環境団体が、3月に福島第一原発で放射能漏れ事故が発生して以来「原発は核災害をもたらす」として、全国規模の本格的な反対運動を繰り広げている。

 その代表的なケースが江原道三陟市だ。三陟市は昨年12月、韓国水力原子力に原発誘致申請書を提出した。実際の建設予定地として市側が検討しているのは、同市近徳面徳山里と府南里周辺の662万平方メートルで、3月にはすでに現地調査も終えている。しかし、原発誘致に反対する団体は「核の存在そのものが危険」という主張を展開し、キャンドル集会などを行って反対の声を強めている。

 高麗大学のピョン・ウヒョク教授(環境生態工学部)は「環境をまったく破壊しない発電など最初から不可能だ。わが国の実情に見合った発電方式について、環境団体もただ反対するばかりではなく、合理的な代案を提示すべきではないか」と指摘した。

李錫雨(イ・ソクウ)記者

茂朱=イ・ミジ記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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