「潮力も風力も太陽光も全てダメ」(上)
環境団体、あらゆる発電所計画に反対
「われわれは風力が良いとか悪いとかを言いに来たのではない。郡守がすべての計画を白紙化すれば良いだけで、説明も何も必要ない」
4月29日午後、全羅北道茂朱郡徳池里にある情報化マウル会館に、同郡のホン・ナクピョ郡守(郡の首長)が姿を現した瞬間、住民から罵声が浴びせられた。会場に集まった100人以上の住民は「住民に被害はない」と訴えるホン郡守の話に一切耳を傾けようとはしなかった。住民側に座っていた全北緑色連合の関係者は「茂朱風力発電所は自然生態系が最高ランクとされる土地に建設されるため、環境破壊は絶対に避けられない。それが反対の理由だ」と訴えた。同郡東部にある茂豊面は、つい最近まで山間の静かな集落だったが、風力発電所の建設計画が持ち上がってからは、住民が賛成、反対に別れて非常に騒がしくなった。最近ではこの騒ぎに環境団体も加わっている。
総事業費3兆9000億ウォン(約2890万円)とされる世界最大の仁川湾潮力発電所(潮の干満の差を利用した発電所)の建設計画も、環境団体や江華島漁業関係者らの反対にさらされた。韓国水力原子力は先月初め、潮力発電所建設事業について住民説明会を開催しようとしたが、漁業関係者らが会場となった江華島文芸会館の入口を封鎖したため、結局開催には至らなかった。仁川環境運動連合は「潮力発電所が建設されれば、世界5大干潟の一つである仁川江華干潟が破壊される」として反対している。
環境にやさしい発電として注目を集めていた風力、潮力、太陽光などの発電所だが、今になって環境団体などの反対が非常に激しくなっている。環境団体はつい数年前まで、これらの新リサイクルエネルギーの導入を訴えてきたが、今やむしろ先頭に立って反対を訴えているのだ。彼らは反対の理由として「新リサイクルエネルギーそのものに反対しているわけではなく、立地の選定に問題があり、環境破壊の恐れがある」と主張している。環境団体は、現時点で建設計画が発表されている発電施設の多くについて、計画の撤回を求めている。