2011年05月11日(水)
ドル売り・円売り進行!利食い局面に接近中?
ユーロ圏における重債務国の先行き懸念が回遊しているが、一部報道でギリシャやポルトガルに対する新たな支援プログラム(来月600億ユーロ)がまとまるとの報道が伝えられ、リスク選好姿勢の強まりから、欧州主要株価指数が反発、その後、NY原油先物相場がプラスに転じた事を受けて、再び、ドル売りと円売りに傾斜する中、ユーロドルは1.44台を回復している。そして、ノボトニー・オーストリア中銀総裁がギリシャのユーロ離脱は理にかなっていない、また、ギリシャの債務再編はオーストリア、ドイツにとって痛手であり、政策金利についても追加利上げが期待されると述べたことがユーロ買いの追い風になっている。
しかしながら、ギリシャのユーロ離脱懸念は払しょくされておらず、当面、ユーロドル相場の撹乱要因にならざるを得ないが、現状のような不安定な心理相場では、ポジション調整主体の動きが優先されるため、急落も急上昇もなく、直近のレンジ幅1.4250〜1.4500の範疇の中での攻防と判断するのが賢明であろう。
一方、米中戦略経済対話において、両国共に、表向きは強いドルで一致しているものの、米国は輸出増狙いのドル安容認姿勢、そして、中国は段階的な人民元高の思惑などから、人民元の切り上げ問題は進展が見られず、為替相場への影響は限定的になっている。
他方、円相場は安全資産としての円買い志向は健在であるが、東日本大地震並びに福島原発事故の影響で日本経済の低迷と共に、復興問題による財政不足から国債増発が余儀なくされており、長期債利回りの更なる低下が見込まれるだけに、一時ほどの円買い圧力はなく、むしろ、円売りの反転時期が見え隠れしている状況である。
Posted at 11時07分 コメント ( 0 )