去年開催地が決まったサッカーワールドカップの2018年大会の招致を巡り、イングランドのサッカー協会の関係者がFIFA=国際サッカー連盟の副会長ら4人から多額の金銭などを要求されたと証言し、関係者に衝撃が広がっています。
これは、イングランドのサッカー協会で去年まで会長を務めていたトリズマン氏が10日、イギリス議会で証言したものです。それによりますと、トリズマン氏はサッカーワールドカップの2018年大会をイングランドに招致する活動で、ワーナー副会長など投票権を持つFIFAの4人の理事から多額の金銭などを要求されたということです。このうち、ワーナー副会長からは、出身国のトリニダード・トバゴに教育施設を建設するためだとして日本円でおよそ3億3000万円に上るとみられる資金の提供を求められたということです。その後、開催地は結局、ロシアに決まりました。トリズマン氏は要求は拒否したとしたうえで、不適切な行為だとワーナー副会長らを批判し、FIFAに証拠を提出することを明らかにしました。これを受けてFIFAのブラッター会長は記者会見し、情報を精査したうえで調査を始める考えを明らかにしました。サッカーワールドカップの招致を巡っては、去年11月、当時、FIFAの副会長と理事だった別の2人が投票の見返りに多額の金銭を要求したとして投票前に資格停止などの処分を受けており、新たな疑惑の浮上で関係者の間に衝撃が広がっています。