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2011年5月10日(火) 19:30 |
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今年も香川県でサワラの人工授精
サワラの人工授精が9日夜、香川県の小豆島沖で行われました。 漁獲量減少を食い止めようと毎年行われているものです。
日没前の9日午後7時頃、香川県水産課の船が小豆島沖のサワラの漁場へ向かいます。 香川県は、地元の漁業者の協力で毎年、人工授精を行っていて、無線で周辺の漁船にサワラの提供を呼びかけます。 まずオスのサワラを探します。 オスの精子は、メスの卵よりも生命力が強いためです。 出航からおよそ2時間、オスのサワラが見つかりました。 オスのサワラから精子を取り出していきます。 そして、研究員が顕微鏡で精子の状態を調べます。 続いてメスのサワラを探します。 しかし、今年はすでに産卵を終えたメスが多く、なかなか卵を持ったメスが見つかりません。 作業を始めてから4時間が経過し、ようやく卵を持ったメスが見つかりました。 研究員が、メスの腹から慎重に卵を取り出していきます。 取り出したばかりの卵に、精子をかけていきます。 9日夜は結局、6匹のメスから卵子をとることができました。 受精した卵子の数は、およそ60万個にのぼるとみられています。 香川県のサワラの漁獲量は、1986年には1000トンを超えていましたが、乱獲などの影響で1998年には18トンにまで落ち込みました。 人工授精が1998年から始まり、一昨年138トンと徐々に回復しています。 受精卵は、高松市の水産総合研究センターに運ばれ、10センチ程度の稚魚に育てられたあと、瀬戸内海に放流される予定です。
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