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福島原発:賠償機構新設で政府合意 東電資産買い取りも

 東京電力福島第1原発事故の損害賠償問題で、政府は10日、官民出資の「原発賠償機構(仮称)」の新設を軸とした賠償支援策で大筋合意した。東電の追加リストラ策などを見極めた上で、週内にも発表する。東電は損害賠償の財源とするため、機構に5000億~8000億円の資産売却を検討。一方、政府は官邸に設置する調査委員会で資産調査や経営監視を行い、公的管理下でリストラと賠償を進める方針だ。

 賠償策では、東電を含む原子力事業者の負担金で機構を新設。事業者の負担金と、国が発行する交付国債を裏付けとする資金をもとに、東電に対する融資などの形で賠償の財源を供給する。東電は毎年の利益から、1000億~2000億円程度を機構に返済する。

 一方、巨額の資産を保有する東電は、機構に一括売却することも検討する。資産売却を急速に進めると、不動産や株式市場に下落圧力が強まり、十分な売却益を得られない可能性もあるためだ。機構が一時的に引き取れば、市場への影響を考慮しながら時間をかけて処分できる。

 東電は、資産売却と合わせて機構に優先株の引き受けを求めて賠償財源を確保する他、資産の証券化なども検討する。足りない分は、機構から融資などの資金支援を受ける。政府は、東電の事業計画を認可する形で公的管理下に置き、リストラの進捗(しんちょく)状況などを監督する。政府はこれらの措置を盛り込んだ法案を今国会中に提出する。

 政府の支援を受けるにあたり、東電は国民の理解を得るために10年程度、株式配当を見送る。政府は、機構を通じて東電の優先株を引き受けるほか、金融機関の東電への融資に政府保証をつけるなどして、東電の資金繰りを全面支援することを検討している。【坂井隆之、大場伸也】

毎日新聞 2011年5月11日 2時30分(最終更新 5月11日 2時53分)

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