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イージス艦あたご衝突事故、自衛官2人無罪 地裁判決

2011年5月11日10時19分

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 海上自衛隊のイージス艦「あたご」が2008年2月、漁船・清徳丸と衝突し、清徳丸の父子が死亡した事故で、業務上過失致死などの罪に問われたあたごの元航海長後瀉(うしろがた)桂太郎被告(38)と元水雷長長岩友久被告(37)=いずれも3佐=に対する判決公判が11日、横浜地裁であった。秋山敬裁判長は2人に無罪を言い渡した。

 検察側は2人にそれぞれ禁錮2年を求刑していた。

 公判で2人は過失を全面的に否定して無罪を主張。衝突に至るまでの清徳丸の航跡が争点となった。

 清徳丸の航跡記録は沈没で失われ、ともに漁場に向かっていた僚船乗組員らの目撃証言から推定するしかなかった。検察側は「清徳丸があたごの右前から接近し、海上衝突予防法であたご側に回避義務があった」と説明。一方、弁護側は独自の航跡を示し、「衝突の恐れはなかったが、清徳丸が直前に予測不可能な右転をして衝突した」と主張した。

 2人は同年2月19日早朝、房総半島沖であたごを操艦。後瀉3佐は衝突約12分前に、操船責任者である当直士官を長岩3佐に引き継いだ。

 横浜地検は、後瀉3佐が「漁船は停止操業中」と誤った引き継ぎをし、長岩3佐がそれを過信して衝突の恐れに気付かなかったために事故が起きたとして、2人を起訴していた。

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